公演報告【ひまわり食堂さくらんぼ旅情】② | 原真善美(はらまさみ)一人芝居 [東京夜間飛行]

原真善美(はらまさみ)一人芝居 [東京夜間飛行]

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二幕

夜7時過ぎ。

月明かりだけが頼りと言える街灯もない漁港。
満月 星が綺麗な夜。波の音。
ギターを抱えて防波堤に現れる1人の男性。間宮大輔である。缶ビールで一息つき、ギターを弾き始める。

と、そこへ、大きなカバンを手にしたひとりの

女が現れる。阪代道子である。


道子は、東京のキャバレーから姿を消した後

各地を点々としながら、本日、山形の港町を

とおるローカル線に乗り、とある駅に降り立った。

そして、次の駅まで散歩してみようと歩きだし

たものの、道に迷ってしまい途方に暮れつつ

防波堤へとやってきた。


とにかく人に出会わず、誰とも話さず

歩きすぎたせいもあり、へとへとな様子。

しかし、ギターの音色に気がつき、間宮大輔

を発見して、思わず嬉しくなり彼の歌に耳を

すます。



その歌は、間宮大輔の父が妻を亡くした際に

よく口ずさんでいた歌だった。


『死んじまえば終わり、死んじまえば終わり、、』


福岡で出会い結婚した旦那は、転勤で東京へ。

東京について来たものの、旦那は突然他界。

1人で生きていくためにキャバレーで必死に

働いた道子。店から姿を消した後、、、

気が緩んだのか?最愛の人を亡くした悲しみが

押し寄せてきていた時期でもあり


彼の歌に背中を押された気がして、親近感

思わず声をかけるが、驚く間宮大輔。



物おじしない性格の道子

あなたの歌は、応援歌だわ

きっとあなたにとっても応援歌なんでしょ?


初めての土地、初めての出会い

道子の言葉が心に響いたのか❓間宮はかばんから

缶ビールを取り出し、飲みますか❓と手渡す。

笑顔で受け取る道子。良い飲みっぷりだったが

朝から何も食べていなかったせいで

お腹の虫が騒ぎだす。

笑顔になる2人。近くに泊まれるところがないか

と、間宮に尋ねると、ドライブインへと案内

してくれることに、、、


三場は、再びドライブイン海と月

一場の続き、、、


頼子に頼まれて、同じ町にオープンして繁盛

している、スーパーいこいへ偵察に行き

帰ってきた秀一。いこいで客人に配っていた

風船を手にしている。


鉄平と頼子に、スーパーいこいの様子を報告する。

家族連れやドライバーをはじめ、多くの客が集まるスーパーいこいには、土産物ではなく、子供が

好きな駄菓子が販売されていたり、わたあめが

駐車場内にて実演販売されていたようだ。


秀一の話に全く関心を示さない鉄平だった。

駄菓子とさくらんぼを購入した領収書を差し出す

と、経費削減中の鉄平は良い顔をしなかった。


鉄平は、人件費削減のために

秀一が自らドライブインで働く事を辞めたくなる

方向で話を持っていく予定でいたのだ。


頼子も、そんな状況をしりつつも

秀一の話に興味を示したり、鉄平の顔色を

伺ってみたりと落ち着かない。

そこへ再び姿を表す、小枝子。



自分が山形はやってきた経緯を話す小枝子。

結婚が破談になり、地元横浜へ帰りづらく

両親からも、しばらく帰ってくるなと言われたと

心から伝える。そして、しばらくここで働かせて欲しいと、、、。


シェフがいない事を知り、料理が得意である事。

経営が大変である事を知り、給料はいらないと

力説する小枝子。


従業員が増えることに喜びをしめす秀一。

同情する頼子。しかし、、、

頭を抱える鉄平。



店も早仕舞い。賄いでも食べようと支度する面々。

おむすびと豚汁で食卓を囲むが、箸をつけない

小枝子。


感謝の気持ちでいっぱいだった、、、


そこへ現れる道子。




鉄平、閉店を伝える。

お腹を空かせた道子、残り物でもなんでも

良いからと頼み込むが、返事はノー

食事がダメなら宿泊は出来るか?と懇願する道子に

笑顔で歓迎する鉄平。


まかないの美味しそうな香り。

そこで、箸をつけていない小枝子が、自分の

豚汁を差し出す。




頼子のお手製の豚汁に大喜びの道子だった。