魂で生きろ | 社長のスピーチコーチ 森 裕喜子のプライベートブログ

社長のスピーチコーチ 森 裕喜子のプライベートブログ

経営者やトップアスリートのスピーチコーチ、森裕喜子が日々のプライベートな出来事などを綴ります。(2021年8月よりプライベート版に改定)

ファンク音楽を産んだ天才ミュージシャン、James Brownの映画を観た。

https://www.youtube.com/watch?v=VBtoO3AxDvw

彼の強烈すぎる革命的な音楽スタイルにより、
彼の歌唱力は・・・な~んてことには意識が向かなかったが、
JBは、世紀の音楽を産んだ大天才であると同時に、
大変に歌がうまい歌手だった。

「本当に上手い」のだ。涙・・・

映画の中で歌うシーンは沢山あるけれど、
最初と最後あたり、アカペラで歌うところが2カ所ある。
そこが、とても、いい・・・!

涙。

シャウトせず、さらりと歌う。
呼吸、フレージング、言葉の扱い方、あらゆる技巧が凝らされまくっているのだが
リラ~~~~ックスしていて、もう、とっても自然・・・

彼は特別そのように技術を駆使しようと思って歌ったのではない。
彼にとっては、それが彼の心のあるがままを表現するため。自然と身体がそう動く。
よく観察すると、そこには多くの技術があるのだ。

天才とは、そういうものだ。

技術を身につけようとは思わないうちに、
自然と多くを学び、自然とものすごく練習し、自然と技術が高くなる。
自然とそうなってしまうのだ。

そのエンジンはなんなのか。

魂!



あまりに上手すぎて、上手いとか、そういうことを通り越していて、
技を感じさせないすごい技術がある。

「本当に上手い」というのは、そういうことだ。

ジャズの神様マイルス・デイビスも音楽スタイルが革命的だったから、
彼がどれほどトランペットを技術的に上手く吹けるかなんて、もうどうでもいいようなこと。
でも、やっぱり彼は確かジュリアード音楽院生だったはず。
クラシック音楽でも、超絶なエリート。

本当に技術が高いとき、技術は、その表現の中に溶けてしまって見えなくなる。
端から見ると、技術がどうの、なんてことをまったく考えさせない。

ただストレートに、いい!
すばらしい!

それだけ^^


スピーチやプレゼンで「あのひとは話がうまいね」なんて言われているようじゃ、
そんなものは、まだまだ全くもって大した事がないってことだ。

本当に上手いひとは、聞き手に「お話、うまいですね」なんて言わせない。
ただひたすら、聞き手は「ああ、この話聞けてよかった・・・」と感動だけが残る。
プレゼン、上手いですね、なんて言われて喜んでるようじゃ、ただの凡人。
それに、ある程度人より上手くてあたり前。
だってそれで仕事を動かそうってんだから。

上手い、と相手に褒められるならば凡人レベル。
天才は、相手を感動で胸いっぱいにしてしまう。そんな意図なしに。ただ彼がそこに生きているだけで。

天才は、あるがままを表現するために自然と身体がそう動く。
そして、それを観た相手も、やっぱりあるがままに、心を動かせる。
それが「感動」ということ。

やっぱり、そんな、魂同士のコミュニケーションができなきゃ!!!
生きてる意味はないだろ!!??


ちなみにこの映画でまたすごいのが、JB役の俳優の演技。
なにがすごいって、歌は、なんと「口パク」だった!らしい。
あまりにぴったりの口パクぶりで、彼がJBを完全コピーして歌っているんだとばかり思っていた。
あの声ならああいう口の開き、息の吸い方、表情になるだろう、というのを100%完璧に演じている。

まあこうなるともうどうでもいいのだ、口パクだろうがなんだろうが。
JBも俳優さんも、ほんとうにすばらしかったのだから。


この映画の邦題サブタイトルは「最高の”魂”を持った男」である。