2020年東京オリンピック招致最終プレゼン | 社長のスピーチコーチ 森 裕喜子のプライベートブログ

社長のスピーチコーチ 森 裕喜子のプライベートブログ

経営者やトップアスリートのスピーチコーチ、森裕喜子が日々のプライベートな出来事などを綴ります。(2021年8月よりプライベート版に改定)


どうなることかと思ったが、
2020年のオリンピックパラリンピックは、東京に、決定!

IOCが東京を選んだその決定打は、最後のプレゼンだったとメディアは報じている。


最終選考直前のメディアには「プレゼン」「プレゼンが勝利へのカギ」とあった。

カタカナで「プレゼン」の文字が踊る紙面や画面・・・ちょっと新鮮な感じがしたのは、私だけ?

なぜかというと、
ビジネスの場では「プレゼン」が一般化している昨今だが、
国のレベルに於いて「プレゼン」が取り沙汰され、
何らかの大きな決定を左右するのは、多分、今回が初めてなはず、だから。


日本人は、一般にプレゼン下手、プレゼンは苦手、だと思われていた。
それを押して勝ち取った招致、なのである!


プレゼン下手は、もしかして、日本人の単なる思い込みだったのではないだろうか?

今回の勝利は、そんなふうにも思わせてくれる。



今回のプレゼンは、何がよかったのだろう。
敢えて、3つにまとめてみた。


・映像(視覚情報)と言葉(スピーチプレゼンによる聴覚情報)の相乗効果

・トップリーダーによるスピーチプレゼン力

・「復興から未来へ」の物語性



トップリーダーのスピーチの影響力というのは、本当に計り知れないものがある。

高円宮妃久子さまのスピーチは、
演台に立たれた瞬間の存在からして、圧倒的であった。
発声の素晴らしさ、テンポよく繰り出される言葉の明快さ、そして、
高い品格によるものだ。
スポーツのフェアプレイ=清潔さと、力強さも同時に強く感じられた。

映像でこれからご覧になる方は、
是非、
久子さまのお声のスピーチ(原語)をどうぞ。
通訳が被っているものだと、それが感じられませんので・・・。


安倍首相も、
さすがに世界での大舞台を多く経験されていらっしゃる安定感。
日本的な柔和な表情とは裏腹に
情熱的な思いを含めて、熱く訴えられた。
トップリーダーには不可欠の、決断的に語尾を言い切る話し方も
もちろん見逃せない。


そして、物語性。
ストーリーのあるメッセージには聞き手の共感が湧きやすく、かつ説得力がある。
震災の復興から立ち上がり未来への希望を持った日本の候補地・東京。
困難にくじけず未来を切り開くストーリーがプレゼン映像にたっぷり含まれていたし、
若いアスリートのプレゼン内容にも具体的に反映されていた。

物語性が、視覚と聴覚両方から聞き手に強く訴求したのだ。



想定されるリスクやマイナスイメージを取り去り、
聞き手のニーズシーズを捉え、
周到な準備と練習を重ねたこと。
これが「日本人はプレゼンが苦手」を払拭し、勝利をもたらした。


7年後、東京でオリンピックパラリンピックが開催されるまでの年月で、
一体どれほど多くの変化が起こるか予想できないほどだが、
たった今、感じてよい最初の変化がある。


それは、


日本人はスピーチプレゼンが得意である!

日本人にも、できる!



ということだ。




2020年、東京オリンピックパラリンピック開催決定!
本当に、うれしいニュースです。


森 裕喜子