今回は引き撃ちについて。
とりわけ、引く権利の有無について書きます。
自分から仕掛けるか、相手が来るのを待つか、という所の判断ができていない人が、結構多いので。
中には、AP26000程度でWライしか持っていないのに全然前に出てこない、なんて人もいます。
1対1の戦いでは、必ず片方のプレイヤーは前進する必要があります。
それを両者とも分かっていて、初めて対戦が成立します。
そこらへんの、引き撃ちの基礎や、引き撃ちをする権利の有無について、説明します。
【引き撃ちの権利】
引き撃ちをする権利が発生する条件は、以下の2つ。
1. 相手よりAPが高い
当たり前。
時間切れで対戦が終わればAPが高い方の勝ちなので、APが低い方は前に出て攻めるしかありません。
2. 相手より有効射程の長い武器を持っている
これも当たり前だけど、分かってない人が非常に多い。
例えば、マシスラの機体とW051の機体が戦う場合、W051の機体が引き撃ちの権利を持ちます。
051は、マシスラが届かない距離からでも攻撃できます。
対してマシスラは、自分の攻撃が当たる距離まで前進しないと、051に攻撃されっぱなしです。
対戦する二人が、1と2を片方ずつ分け合っている時は、2が優先されます。
↑の例で、マシスラが重二で、W051が軽二だった場合。
軽二が引いて重二が前に出る、という構図は変わりません。
W051がマシスラ相手に交差を仕掛けたら、バカです。
つまり、APで勝っていても武器の射程で負けている場合、引き撃ちの権利は得られない、という事です。
もっとも、これは障害物が何も無い場合の話。
大抵はパラボラなどがあるため、高AP機はそれに隠れて、射程の不利を相殺する事ができます。
また、重二やタンクは、何かしらの遠距離武器を持っている事がほとんど。
実際の対戦では、単にAPが多い方が引き撃ちの権利を得る事が多いです。
【引き撃ち機の欠点】
1. 多人数戦の場合、引き撃ちが通用しにくい
AとBが1対1で戦い、Bが引き撃ちの権利を持っていた場合、Aは前進しないと勝てない、というのは↑の通り。
しかし、他にC、D、E、Fがいるチーム戦の場合、AはBを放置してDやFを攻撃しに行く、という選択肢があります。
そうなると、Bは一人取り残される事になり、その間、青チームは一人少ない状態で不利になります。
もしこれがバトロワ戦なら、一人取り残されても特に問題はなく、むしろ弾とAPを温存できるので有利。
ですが、Aが攻めてきたので引き撃ちしたら、後ろにCがいて攻撃された、というのもよくあるパターン。
引き撃ちをしながら、背後も警戒しなきゃいけない、それが多人数戦における引き機の難しさ。
引ける状況かどうかを判断する力も必要です。
2. APを逆転されると、戦況が一気に苦しくなる
引き機は基本的に高AP低機動(=中~重量機)であり、また後退速度を上げるため、BBやSBを高出力の物にします。
その状態で、さらにMBまで高出力にするのは、EN的にかなり難しく、せいぜいラトナあたりが限界。
そういう機体が、APを逆転されて引き撃ちの権利を失い、前進を強いられる展開になれば、ほぼ負け確定です。
スナ砲などの遠距離砲を持っていたとしても難しい。
地形を使われたり、スナ砲すら命中しない遠距離に逃げられたりして、再逆転はかなり厳しいでしょう。
引き機を使うなら、何があってもAPのリードは絶対に譲らない、という決意と覚悟を持って戦いましょう。
3. 実際に引く権利を得られるかどうか、対戦が始まってみないと分からない
2と似た状況ですが、こちらは初期APがそもそも負けていた、という場合。
レル散布もスナ砲四脚も、相手がタンクだったら、とりあえず前に出るしかありません。
場所や相手によって、戦術の変更を余儀なくされるのが、引き撃ち機の欠点の一つ。
たとえ引き機であっても、攻める展開を想定した武器を、一つは持っておくべきです。
ちなみに、レギュレーション1.40における最高APは、GAと有澤で固めたタンクの56704。
これはこれで色々と問題を抱えていますが、「相手の方が初期APが高いから仕方なく攻める」という事はありません。
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ちょっと難しいかも知れないけど、引き撃ちの権利の所在を把握する事は、対戦をする上で非常に重要です。
攻める側も攻め一辺倒ではなく、攻めると見せかけて交差を誘ってみるなど、工夫をするといいです。
そこらへんの読み合いができると、対戦がもっと楽しくなると思うので、色々試してみてください。
おわり