昨夜、帰宅して5分も経たないうちに停電した。
困ったことにスマホが完全にバッテリー切れで、充電をしようとした瞬間だった。
ああ、ヤバい。。。
玄関のドアを開けてみる。
廊下やエレベーターホールの電気はついている。
僕の部屋だけだ。。。。
ああ、ヤバい。。。。
ブースターが落ちていないか、ライターの灯りで確認してみる。
どれも落ちていない。。。
窓から他の部屋を見ると、殆どの部屋は灯りがついている。
えっ?? どういうこと??
耳をこらすとジェネレーターのエンジン音が聞こえてる。
ということは、、、、
僕の部屋だけジェネレーターが発電する電流が流れないってこと??
暗がりでその不安感は絶頂に達しそうになった。
そうだ、電話しよう。
スマホの電源は入ったが、ダイヤルしようとしたら直ぐに切れた。。。 しまった。。。
絶体絶命、、、 今晩電気なしかよ、、、、、不安・不安・不安。。。。
そうだ、冷蔵庫のビールが暖かくならないうちに飲んじゃおう。。
こんな時にそんなどうでもいいことが頭をよぎるとは、とことん不埒な精神構造をしている。
ビールをぐいっと喉を鳴らして飲むと、ようやく落ち着いてきた。
そして一つ気が付く、
そうだ、バッグに日本の携帯が入ってる。これで電話できる。
そしてもう一つ気が付く、
そうだ、いつもシャワーの修理や水漏れを直してくれる、あの”なんでも屋”の人に連絡しよう。
その人は部屋に名刺を置いて行ってくれていた筈。
ライターの灯りを頼りに、部屋中を探し回る。
あった!!!
ファルークさんだ。 ”なんでも屋”のファルークさん。
ファルークさんに電話しよう。
しかし国際電話かぁ、、、まあ、いいや、緊急時だから。
繋がった。。。
ハロー、ハロー、 ファ、 ファ、 ファルークさんですか?
僕だよ、僕、、、○○○ガーデンのH-3号室のMr.○○○だ!
”停電、、、ジェネレーター、、、自分の部屋だけつかない。。。”
このような単語を立て続けに羅列した。
ファルークさんは余り英語ができないから。
でも、向こうは分ったようだ。
ファルークさん・・・「OK、チンプン・カンプン・チンプン・カンプン、20 ミニッツ」
20分だけ分かった、20分待ってろってことね。
OK,OK,20分待つよ!
その20分間、韓国のりを肴にビールを煽る。
そして、、、 来た!!
着くなり、何やら探し出す。
そして玄関先にその探し物を見つけたらしく、ニヤニヤ笑って激しく首を振る。
ファルークさん・・・「旦那! 停電の時は、この赤いレバーを右に回転させるんだ。ほら、こうやって」
ついた! 電気がついた!
ファルークさんは激しく首を振る。
ありがとうファルークさん。あんたが居てくれたから助かったよ。
さらに激しく首を振るファルークさん。
停電してジェネレーターが回ったら、このレバーを右に回すらしい。
いちいち切りけないといけないんだ。
ファルークさん・・・「じゃー、あっしはこれで帰~りやすんで」
そうだ、そうだ、料金を払おう。いつも200ルピーですよね。
ファルークさん・・・「へい、旦那、200ルピーいただきやす」
財布を開ける。
100ルピー札が1枚。
10ルピー札が6枚。
あとは2,000ルピー札しかない。
ええ?? どうしよう、、、 絶対 釣りがないからって2,000払うことになる。。。
ええい、しょうがない。。
ありがとう、ファルークさん、はいこれ、2,000ルピーで。
胸ポケットの上を両の手でポンポン叩く仕草は、釣りがないってことだよな。。。。 やっぱり。。。
いいよ、、もう。。 また頼むよ。。。
ファルークさんはとっても嬉しそうな顔で、サンキュー、サンキューを繰り返し、激しく首を振る。
レバー回して2,000ルピー(3,300円)
ちくしょう、、、、 こういう落ちありかよ!!!