声量 | 年齢や素質で諦めさせないボイストレーナー牧野努のブログ

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16年間のボイストレーナー生活を元に、歌で悩んでいる方や行き詰っている方々のお役に少しでも立てればと思っております。年齢や素質だけで歌は決まりません。情熱と努力だけで乗り越えられる壁がたくさんあります。

VIZヴォイストレーニング

声量が無くて困っている人は

たくさんいらっしゃいますよね。

 

声がでかいのが偉い訳ではありませんが。

 

でも声のふり幅は大きいほうが、

いろいろ有利な点も多いと思います。

 

「声量を出す為に毎日腹筋やってます!」

なんて話を良く耳にしますが、

腹筋を鍛える事が本当にダイレクトに声量へと

繋がるでしょうか?

 

ボクサーはみんな声量があるんでしょうか?

ボディービルダーは声量がありますか?

(得意の屁理屈です。)

 

そもそも腹筋は発声に本当に必要なのか?

 

こんな疑問すら沸いてきますね

 

腹筋と発声の関連性については今日はふれませんが(_-)

 

声量を出したいがあまりに、がなり声になってしまって

声を枯らすケースも少なくありませんね

 

もしくは、声は大きいがキンキン声の聞き苦しい

声になってしまったりと

 

まず声量を出す為に必要な要素はなにか?

 

よくアコースティックギターを例えにして

話をしたりします。

このギターを大きな音で鳴らしたいと思った時に

どうすればよいか。

 

1.太い弦に張り替える

2.強く弾く

3.ギターのボディーを大きくする。

 

大きくはこの3つです。

 

ギターのボディが人間の体、

特に喉の周りの空間だと思ってください。

そして弦が声帯です。

 

アコースティックギターの穴、

サウンドホールを塞いでしまうと

ギターは実は全然音が鳴りません。(小さいです。)

弦の振動をギターのボディーの空間を使って

共鳴させて響きを増幅させているのです。

なのでボディーの大きなアコギは軽く弾くだけで

良く鳴ります。

エレキギターは電気を繋がずに弾くと

ものすごく音が小さいです。

エレキギターはピックアップで弦の振動を拾い

電気を使って増幅させているのです。

 

要するに弦を声帯だと例えると

声帯原音はそんなに大きい音ではなく、

体の空間を使って振動を増幅させているのです。

 

ギターの例を人間に置き換えると

1.正しい発声練習で声帯自体を鍛え肉厚にする。

(太い弦に張り替える)

2.強い息を声帯に当てて強く大きく声帯を振動させる。

(強く弾く)

3.声帯の周りの筋肉をリラックスさせてなるべく広い空間を作る。

(ギターのボディーを大きくする。)

 

大体2番だけに目が行ってしまい、

力まかせに声を出し、がなり声、キンキン声になり

声を枯らしてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

 

頑張れば頑張る程、声が枯れていくのです。

力づくでは、どうにもなりません。

 

腹筋だけ鍛えている人はそうなる危険性が非常に高いです。

 

1番に関しても、どんなに正しく発声しても結局声帯は擦れ合って

音が出るものなので、やりすぎると腫上がってきてしまいますので、

適量の見極めが、トレーナーでないと難しいと思います。

 

しかし最も重要なのは3番です。

これが声量を決める重要なです。

 

1番2番だけで作り上げた声量は響きが無く。

聞き苦しい場合が多いです。

3番は大きさより、豊かな響きを作り出す要素なので

心地よい声を作り出してくれます。

ほとんど力を込めずに最小限の力で声量を

稼いでくれます。

 

3番はいろいろな部分のバランスがとれた時に作り出されるので

ただがむしゃらにやれば良いものではないので1つずつ

クリアしていかなければならず根気がいります。

呼吸、姿勢、口の開け方、重心の置き方、筋肉の使い方

など様々な要素の習得が必要となります。

 

大変時間がかかるものですが、完成した時の声は

聞いている人の体まで振動させる力を持っています。

 

みなさん

声量より豊かな響きですよ。。。。

 

 

ではまた。。。。。。。

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