2024年1/25【699】very good 難易度3 

 地理なんて特に興味もなく
「鉄鉱石がどこで採れようが知ったこっちゃない」
なんて思っている私が【一度読んだら絶対に忘れない地理の教科書】とやらを読んだらどうなったか。 

 そもそもなぜ地理なのかと言えば、長女がもうすぐ高校受験を控えているからである。
 私に似て地理、いや社会全般が苦手、いや興味がない中3娘に、
「勉強せーい!社会なんて覚えるだけでしょう!」
なんて偉そうにいう前に… 

 まずは!
母自らがやってみせようぞ! 
 というわけで読んでいるのである。
 我ながら偉すぎである。 

 いやはやそれがそれが。
なかなかどうして面白いではないか、地理。 
 何が面白いって『地理』とは『地』の『理』なのだよ、きみ。 

なぜその気候なのか、なぜその場所でソレが栽培されているのか、なぜそこに○○があるのか。 
その全てに因果関係があるのだ。
 へぇ~へぇ~へぇ~! 

 本書、まず第一章として地球の形からお勉強する。
はっきり言って『理科』である。
 何故地理をするのに地軸の傾きを勉強せにゃならんのか、一体何の関係があるというのか、とも思ったが、ところがどっこい関係は大アリ、むしろ地軸の傾きが全ての始まりだった。 

 続いて私は早々に驚いてしまう。
 なんと!

地球上で『真東』の方向を指したら、その延長線は緯度からそれて南側にいくというではないか! 
 何を言っているのか最初は意味がわからなかったけれど、いやーびっくりした。 
今までずっと日本の東はヨーロッパだと思っていたわ。
(え?びっくりしない?) 

 「畑がある土地は、水田には適さないから畑なんだ!」
とか(農家の人が適当にその場所で作ってると思ってた)、

「アルプス一万尺って槍ヶ岳のことだったんだ!」
とか(ハイジの歌だと思っていた)、

「だから山の天気は変わりやすいのか、特に午後!」
とか(もう忘れない)、

あまたのトリビア(?)も含め、今まで特に考えたこともなかったことに言われてみれば当たり前だがこうやって一つ一つ理由があることがわかり、非常に驚き&納得である。 

 なぜモンスーン(懐かしい)がこの方向に吹くのか、その結果なにが栽培されて、そこにどんな人達が集まってだから労働力の移動や様々な産業が起こり、それを経て、現在どんな社会問題が発生しているのか。 

 繋がっているんですねぇ。 
 実にシンプルに複雑に、世界は全てが少しずつ影響しあって今に至るのである。 
 ああ、なんと壮大なのでしょう! 

 『歴史』の場合は人の駆け引きやら災害やら風向きやらの偶然要素が大いに影響するためストーリーの流れを頭に入れる必要があったが、地理には『理』がある。
理由がわかれば自ずと答えが導きだせるのだ(たぶん)。 

 きっと同じことをが学校の教科書にも書いてあるのだろうけれど、こちらの本はずっと敷石が低く読みやすい(はず)。

 さて。

それで本書が何か地理のテスト対策に役立ったのか?と問われれば。
 一回読んでも忘れないどころか覚えられもしないものの、個人的には大いに役立ったように思う(娘のテストを実際に解いてみました)。

 個人的な感想を言えば、テストで点を稼ぐという点においては歴史より圧倒的に地理の方が難易度が低い気がしてならない(知らんけど)。 

 それぞれに理由があるのだから、今まで当てずっぽうで答えていた選択問題にも理論的に考えて取り組めるようになった(気がしないでもない)。 

 地理のテストは謎解きゲーム。
シャーロックホームズよろしく、地球の成り立ちから順を追って推理していけば、きっと、正解にたどり着く。 

 なんてやっているうちにテストの制限時間がなくなりそうである。