2023年4/9【634】very good 難易度3
この春から中3になる娘が数学で確率を習っていると言うので「お願いだから春休み中に読んで」と頼んだけれども一向に読む気配がないため勿体ないから私が代わりに読んだ、【数学ガールの秘密ノート】シリーズ。
確率。
それは我々一般人にとって一番馴染みのある数学の分野ではないだろうか。
宝クジが当たる確率。
志望校に合格できる確率。
贔屓の野球チームが優勝する確率。
特に『病気の検査を受けて陽性反応が出たときに実際に病気に罹っている確率』の話なんて、これは心理学の本にもよく出てくる例なんだけれども、本書が一番分かりやすかったし何度聞いても
「えええ??????」
となる。
先入観って怖いよねぇ。
数字は嘘をつかない。
だからこそ思い込みで軽率に判断するのではなく、冷静に全体を見つめてみよう。
たとえそういうふうに見えたとしても、実際はそうじゃないことが、あるのだ。
うーん。
でもあまりにも直感に反する例え(計算上の事実)が多く狐につままれた感じで混乱である。
不思議だなぁ。
それならば!
数字こそが全てなのか?
データは嘘をつかないのか?
と言われるとそうとも言い切れないのが数学の面白いところである。
データは操れる。
その上で先入観を利用すれば人は簡単に誘導できてしまう。
合格率という罠。
そのデータの素となっているものはなにか?
むむむ、奥が深い。
本書は、シリーズ特有のライトノベル的要素が殆んどなかったのが個人的に良かった。
ちょっとした異性の仕草にドキドキすることなく純粋に数学を楽しむ瑞々しい登場人物達である。
…この数学ガールシリーズ、本当は誰にも教えたくないんだよね。
特に進学校や有名大学なんかを目指している意識高い系の学生達には、絶対に教えたくない。
なぜなら。
面白くて分かりやすすぎるからである。
もし、彼らがこのシリーズを読み始め数学の楽しさに気が付き、テストの点数が上がってしまうと!
ヤル気のないうちの娘の偏差値が相対的に下がってしまうではないか!
(だけどこんな文章誰も読んでいないだろうし読んだところでわざわざ子供に読ませようなんて稀有な人もいないだろうし人は読めと強制されると余計読まなくなる生き物なのでここでこっそり言ってしまうけど。
このシリーズ、本当に自信を持って中高生にオススメする。読んだ方がいい。)
というわけで、次は同シリーズの『やさしい統計』を読んで偏差値について勉強しようと思う。
冷静で適切な判断ができる大人に私はなりたい。
《後日追記》
この後【やさしい統計】も読みましたが私の力では書評できなかったためそこは割愛。
🌼コメント宜しくお願いします😊🌼