2019年 10/12【283】very good 難易度3


《青年》前回【嫌われる勇気】の話を聞いてアドラー思想に感化された私は、アドラーに基づく教育を実践すべく、一歩を踏み出し教師へと転職しました。

《哲人》素晴らしい決心ではありませんか、それで?

《青年》…このペテン師め!
『ほめてはいけない、叱ってもいけない』だなんて机上の空論だ!!

■トラウマは存在しない
■『ほめて伸ばす』を否定せよ
■罰を与えても罪はなくならない
■怒ることと叱ることは同義である
■ライバルと競争する必要はないし、競争してはいけない
■運命の人は、いない
■過去は『存在していない』
■自立とは『わたし』からの脱却である

だと?
このアンチ常識アドラー思想めが!

だいたい、世間一般に言われ思われていることと真逆ではありませんか。

アドラーなど空虚な理想論でしかない。
あなたは有象無象が生きる世界を何も知らないのだ!

《哲人》ほめず叱らずを実践した結果、教室が荒れ果ててしまった、というのですね。

《青年》ええ!そうですもと!

《哲人》あなたはアドラーを誤解してらっしゃるのかもしれません…


~青年と哲人の、上記■の内容を含めた長い長い対話が続く~


《青年&読者である私》なんですって?
それは違う!
はぁ?ええい畜生!そんなの戯れ言だ!
あなたはまるで心を持たない機械と同じだ!
ど、どうして…い、いや私が…しかし…嘘だ!ふざけるな!
『愛することを恐れている』だと?

《哲人》与えよ、さらば与えられん。
アドラーとは言わば劇薬、仕事や教育を超えた、人生そのものを問う壮大な心理学なのです。その考え方はとても痛く、とても深い。

《青年》な、なんと……!!

前回は広い意味でのアドラー入門、主に『わたしとあなた』に代表する『対人関係の悩み』だったのに対し、今回はより具体的に、教師と生徒、親と子、社会人としての世間との関わり方等々を例に話が進められましたね。

《哲人》スラスラ読める一方、内容の奥深く深くまで理解するには、前作以上に深く深く考えながら何度も読む必要がありそうです。

《青年》ぐっ…!
簡単に読めてしまうが故の難しさ奥深さ、というわけですね。 

ははっ、いいでしょう、何度でも読みますよ!

《哲人》読むのも読んだ気になるのも容易かもしれませんが、それを咀嚼し消化し自らの血肉とするのは、とても難しいのですよ。

《青年》ふふっ、まるでモーツァルトの音楽のようですね。

Alle Menschen werden bruder,
Seid umschlungen,millionen!

アドラー思想が究極的に伝えていることも、結局はこれと同じなのではという気がしてきましたよ。

《哲人》
まーた話をそこに持っていくか



本書風に書評してみました~

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