原因があるから病気は発症します・・・その3の続き | 髭の拝さんのブログ

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機能性低血糖症って何ですか? 疑問を投げ掛けられた方に少し説明します。




私の家で打ち合わせ中に眠り落ちた銀行員との話しです。



昼食を終えて1時間ほど経った頃、訪ねてきた銀行員と打ち合わせをしていた。決算書をみながら、借入の限度枠を広げようかと云う話だったと思う。私が電卓を弾いていると、彼は居眠りを始めた。




普通、仕事先で居眠りはできないものです。(一般常識では、不摂生な生活をしている人間・無気力で弛んだ奴・と評価されても仕方ないだろう。)・・・でも、機能低下から起きる疾患のほうが多いのかもしれない。

( アレッ? どうしたの コイツ? 少し太っているし低血糖を起こしているな、と感じた。)




起して話を聞いてみると、銀行内の会議中でも時々居眠りが出て困っている。体調が優れないことも多いし、先日、医師に診てもらってもストレスだろう、としか言われなかった、と云う。



真剣な眼差しで語るので、食習慣や生活のパターンについて聞いてみた。彼に当てはまりそうな機能性低血糖症のことを説明することにした。




血糖値・高血糖・低血糖・インスリン・脳のエネルギー・エネルギーレベルと脳の働き・アドレナリン・ノルアドレナリン等々。・・・話し始めると、これらの用語も説明しなくてはいけなくなった。




血糖値・・・血管内を流れる糖分の量のこと。空腹時から食後血糖で90140g/dlが正常な状態で、健康人はこの範囲内であることが多い。



高血糖・・・(一般的には)食後に血糖値が上がり、160を超えるとオシッコから糖が捨てられる。




低血糖・・・血管内の糖分が消費されて、70g/dlより下がると血糖値が低いと判断される。



インスリン・・・膵臓からでるホルモンで、血管内の糖分を細胞内に運び入れ、エネルギーに変換させて血糖値をコントロールしている。




脳のエネルギー・・・脳の細胞が糖をエネルギーに変換させて、そのエネルギーで脳の活動を維持している。



エネルギーレベルと脳の働き・・・脳内エネルギーのレベル低下が起きると、脳の働きが低下する。(時として、思考力の低下・眠気・無気力状態。)




アドレナリン・・・脳内エネルギーのレベル低下が起きると、アドレナリンを分泌して血糖値を上げる。しかし、同時に、興奮作用も起きる。(気力を奮い立たせる・イライラ・怒り・攻撃性など。)



ノルアドレナリン・・・脳内エネルギーのレベル低下が起きると、ノルアドレナリンを分泌して血糖値を上げる。しかし、同時に、興奮作用も起きる。(やる気を起こさせるが、分泌量が増えすぎると、もの哀しくなる・不安・逃避など。)




省略した説明ではあったが、話し始めたら結論に導かなくてはいけない。

更に説明を続けた。




ヒトの脳は体重の2.5%ほどの重量しかないけれど、脳は全身で消費される糖の20%も消費してしまう。

脳は精神・神経の源なのだから、脳内で糖が足りなくなると不可解とも思えるかもしれないが、下に示すような症状が出るのは当たり前なのだろうと思う。




『手足の冷え・呼吸が浅い・眼の奥が痛む・動悸がする・頻脈・狭心痛・手足の筋肉の痙攣失神発作・月経前緊張症・手指の震え・締め付けられる頭痛や片頭痛・発汗(特に冷汗)・顔面蒼白・体重減少・胸痛・便秘・立ち眩み・意識障害・痙攣・目前暗黒感・日光が眩しい・甘いものが無性に食べたい・胃腸が弱い・口臭・溜息・生あくび・異常な疲労感・起床時の疲れ・日中、特に昼食後の眠たさ・集中力の欠如・眩暈・ふらつき・物忘れが酷い・眼のかすみ・・・etc. ・・・・・これを機能性低血糖症状と云います。実際にはもっと多彩な症状があるかもしれません。




糖分が消化される場所は、口の中が最初です。お米を噛んでいると甘味を感じますね。これは唾液中のアミラーゼと云う糖質分解酵素がお米の糖分を消化し始めているからです。




次に、お米は胃に移動するが、そこでは、糖質分解酵素は分泌されない。そして、十二指腸・小腸へと移動して、お米は糖質分解酵素アミラーゼによって糖に分解されて、門脈血管から肝臓へと送り込まれる。



つまり、糖分は胃の中で消化作用を一切受けないので、他の食物よりも早く小腸に移動して、吸収されることになります。そうして血糖値があっと云う間に上昇するのです。




お腹が空いた時にご飯をおにぎりにして食べると、30分も経たないうちに空腹感が解消されるのを感じるでしょう。

血糖値が上がると空腹は満たされるのです。




では、お腹が空いたから、甘い炭酸飲料をがぶ飲みしながら、菓子パンやケーキをたくさん食べるとどうなるだろうか?


アッと云う間に血糖値が上昇します。おそらく、空腹時に90g/dlだったのが、1時間後には180200にも上がると思います。



そうするとインスリンがいっぱい分泌されて、2時間後3時間後には、血糖値が100以下、人によっては、70以下に低下する場合があります。


この急降下のように血糖値が下がった時に、機能性低血糖症状が現れます。




昨日お知らせした厚生労働大臣 舛添 要一 殿  機能性低血糖症に係る国の取り組みを求める要望書では、75gのブドウ糖を飲む直前と 飲んだ後30分 60分 90分 120分 150分 180分 240分 300分、と経時的に変化する血糖値と、インスリンの分泌量を計る検査をして、5時間に及ぶ糖負荷試験を保険適応してください、と云う要望を出した方々がいるのです。




そうすることによって、低血糖症なのに『不安神経症・適応障害・パニック障害・うつ病・躁うつ病・自律神経失調症・統合失調症』などと誤診されている患者が減り、国や患者の医療費軽減が図れる、と提言した訳です。




更に、精神病と診断(誤診)されて、働く場を狭められて国民総生産も低下させている現況もあります。


そこで、機能性低血糖症を病として認めることで完全寛解できる方向性が広がるわけですから、国は取り組みを考えてください、と、ごく当たり前の要望書を出したわけですね。



 

次はシンドロームCへと続きます