お年を召されると便秘になることも多いです | 髭の拝さんのブログ

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病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
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高齢者では食事総量も減り、また、運動量の低下に加えて、粘液の分泌量低下、神経障害などが複雑に関与して便秘がちになります。加えて、タンパク摂取不足が多く見受けられ、便秘の悪化を加速しています。

グルタミン(タンパク質の部品であるアミノ酸の一つで、グルタミンはそのまま腸のエネルギーにもなっている。) などのアミノ酸の摂取量不足が便秘を悪くしていることも多い。


以下、余談になりますが、年を取ると食べたいモノの質が変化してきます。それは、歯が悪くなることも大きな原因となっているため、若い頃には丸かじりできた鳥モモの唐揚げが、高齢者には見ただけで食べられない、という感覚に変わります。

また、動物性タンパク質など胃に重たいものを受け付けない、という視覚的印象もあります。肉をミンチにして、また、イワシのつみれなど、小さくしたものを出汁で柔らかく煮込んで食べる工夫も必要かもしれません。



タンパク質が苦手になる方の中には、消化酵素の分泌が悪くなっていることも多いのです。しかし、いかなる酵素も、その組成は全てタンパク質なのですから、タンパク不足になると消化酵素も作られ難くなり、そうなると尚更タンパク消化が苦手になる。そうしたタンパク不足が老人の便秘を悪化させる、と云う悪循環に陥らせます。


ヒトの体にとってタンパク質はとっても大切なのです。それは、体の蛋白は常に消費と供給が繰り返され、体蛋白は入れ替わっており、タンパク質は必要量を補わなくてはいけないのです。それは次のような喩えから説明できます。


一本のロウソクが燃えている時、ロウが溶けてタラタラと流れ落ちます。溶けたロウを芯に戻してあげると、ロウソクは短くならずに長い時間燃え続けます。ロウソクのロウを芯に戻すのは、人の体ならばタンパク質を補い続けることになります。

肉などのタンパク質をしっかり食べているご老人は若々しいです。タンパク質の補給は便秘解消のみならず、若さを保つために必要な栄養素だからです。


さて、話を戻します。ウォーキングなどのゆったり運動に加えて、食事以外にアミノ酸、コンドロイチン硫酸、ビタミンB群の補給、並びに、食物繊維の積極的摂取による腸内細菌叢の改善(善玉菌>悪玉菌)は便秘改善には有用です。