低栄養状態から始まる様々な疾患 ストレスその4 | 髭の拝さんのブログ

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病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
健康回復の道筋を説きます。
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 私の想い。ストレス解説については前掲したネットの情報で十分だと思います。しかし栄養対策に関して全く記されていない。ストレス続きの生活で副腎が傷めつけられるのを防がなくてはいけない。それを気力だけで頑張ろうとすると、前述のキャリアウーマンさんのようになってしまうからだ。

ビタミンC

 一般論として、ビタミンCは幾ら余分に摂ってもオシッコで出てしまうので無駄である、と云われている。果たしてそうなのだろうか? 分子栄養学では次のように教えている。

 血漿中のビタミンC濃度を測って、その結果がいつもゼロに近いので誤解を招いているようだ。摂取されたビタミンCは血液中に入り、全身に隈なく配られる。人体で最もビタミンC濃度が高い臓器は、副腎、眼球の水晶体、白血球細胞。飲んだビタミンCで血中濃度が上がれば上がるほど、ビタミンCを待ち受けている臓器に摂り込まれ易いものです。

 副腎のビタミンC濃度が低下してくると、副腎の疲れが始まりストレスに対応できなくなることは述べてきた。水晶体のビタミンC濃度が低下すると、紫外線に負けて白内障に罹り易くなる。白血球細胞でビタミンCが不足してくると、細菌・ウイルスなどの易感染症リスクを高める。
 毛細血管壁細胞の間質にビタミンC濃度低下が現れると、知らぬまにできるアザ(内出血)が増えてくる。コラーゲンの劣化が始まるからです。

 摂り過ぎてもオシッコに出てしまうから無駄、と云われるビタミンCについてもう一つ。オシッコは、血液が全身に栄養物質を配り、体の老廃物質を持ち帰って、最後に腎臓で血液を濾過された液体、それがオシッコです。つまり、血液がビタミンCを全身に配り、ビタミンCに仕事をしてもらった後に排泄されるのを無駄と言えるのか? と問いたくなる。
 
ビタミンC 3000mg/日~   強度のストレス下では、5000mg以上/日が望ましい。

糖質

 脳はブドウ糖を使って、ストレス回避をしている。体重の1/40しかない脳であるが、全身の糖消費の1/5も使ってしまう。その時にブドウ糖の量が少ないと、脳の活動レベルは低下する。
 砂糖など、極端な精製糖は血糖値の乱高下を引き起こしてその障害はいっそう早く進み、そしてより強く現れてくる可能性が高い。← 反応性低血糖症
 ストレス時には、砂糖などの摂り過ぎに気を付けてタンパク質を十分に摂ろう、と云うのが最新の考え方です。

タンパク質

 タンパク質摂取は重要です。ストレスに曝されたとき、交感神経系、副交感神経系などの自律神経や、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどの内分泌系の反応で心身は対応しながら、体内環境を一定に維持している。しかし、ストレスが強くなると対応しきれなくなって、栄養代謝にも変化が生じる。

 ストレス下では、基礎代謝は一時的に30~40%も亢進することが解っている。その対応として、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどによって体内タンパクを分解して、糖新生と云うメカニズムで造りだされる糖エネルギーを補う。糖エネルギーは効率が良いからです。
 ラットのストレス実験によって、タンパク摂取を増やすことでストレスが緩和されることが明らかになっている。

 強いストレス時のタンパク摂取量は、体重1kgあたり1.5g以上 (国民栄養所要量では1.14gです) のタンパク摂取が求められる。

 理由を記します。ストレスで痩せてしまった、という話はよく聞く。これはストレスで代謝が上がりエネルギー不足になって、筋肉や血液等のタンパク質を壊しながら糖に変えて、脳にブドウ糖を送り込むようになる。それはストレスに備えた反応なのです。その結果として体重は落ちますが、痩せるのではなくヤツレが起きる。

 その様な時、タンパク質の摂取不足があると心が沈み込むようにもなる。何故なら、タンパク質は心を前向きにする神経伝達物質の材料になるのに、タンパクが足りないとそれが作り難くなるからです。その結果として尚更、鬱病のような症状に苦しめられてしまう。

カルシウム&マグネシウム

 カルシウムの主要な働きの一つに、脳細胞の興奮を抑制する働きがある。カルシウムが欠乏すると、病的な興奮状態が起き易くなってしまうのです。従ってカルシウムが満ち足りると、少しぐらいのストレス状態下にあっても精神的動揺や興奮状態に陥り難くなるということです。
カルシウムとマグネシウムは相補的に働く「ブラザーズイオン」と云われています。双方とも積極的な摂取が望まれます。

食事以外に、
カルシウム 600mg/日 
マグネシウム 300mg/日 を食べてみて下さい

次回はビタミンB群について記したいと思います。