悪女について
楽園的採点:★★★★☆(90点)今日、ドラマやるみたいですねー、「悪女について」。これ、けっこう読書量には自信のあるわたくしの人生の中で、「誰に薦めても絶対に面白いと思ってもらえる小説ベスト3」を選んだとした、たぶんベスト1に入る名作です。小説として。そして二位に、「オルガ・モリソヴナの反語法」、三位は迷います。悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))/有吉 佐和子¥740Amazon.co.jpオリガ・モリソヴナの反語法/米原 万里¥1,890Amazon.co.jp自分の趣味がわかって面白いな、と思うのは、両方とも、「とある女性(美女)」についての謎を、当人の死後、解き明かしていくという内容で、やはり美女の一生はドラマチック、そしてわたくしはそういう美女が好き、ということになるのでしょうか。さすが、美女研究家。と、自画自賛。それはともかく、「悪女について」は、27人の人々による「証言」を集めたもので、本人が直接登場して語るようなところはひとつもありません。所謂、「人々の思い出、証言によって、うっすらと真実が浮かび上がる」パターンですね。この手法の小説は名作が多く、上記ベスト3の三位に入れたくなる「壬生義士伝」や、直木賞を受賞した「吉原手引草」などが記憶に新しいところですね。芥川龍之介の「藪の中」もその種類だけど、あれは、事件のガチの当事者達が話しているから、ちょっとニュアンスが違うのよね。本人、当事者は一切語らず、回りの人たちの記憶のあやふやさや印象の主観具合がこのへんのおはなしの肝だから。これがドラマ化されるというのは(しかも現代の悪女、という意味なのかどうか、沢尻エリカちゃん主演で)なかなか野心的だし、わたくしも楽しみに、今日の放送はDVDに録画するつもりですが・・わたくしが脚本家なら、極力、主人公である公子の台詞を少なく、実像があまりよく見えないように書きたいと思うんですよね。というか、語る人によって公子の印象が全く違うところとか、全く同じ台詞が語り手によって全く違うように聞こえるところとか、そういう風に作りたいと思う。というか、そこがこの小説のテーマだし。でも沢尻嬢を主役に据えて、それを目玉で行く以上、公子の出ずっぱりになるだろうし、事実をそのまま時系列で並べたようになるのかしら・・それはそれで、面白いと思うけど、小説の魅力とは全然違うものになってしまいそうな。まだ見ていない段階であまり盛り上がるのもアレですが、もしもドラマをご覧になって小説は未読の方、是非小説を読まれることをお勧めします。すっごい、面白いから!