サルでも分かる憲法改正 | ★世の中の嘘を暴き真実を見つけたい☆

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ある日、安倍政治の異常さ、危険さや嘘に気付きました。その怒りから政治の嘘を見つけ、真実を探す記事を書いています。記事の転載は自由ですが、著作権は放棄していませんので出典元記載はお願いします。

 世の中、GWムード一色、通勤電車も空いていました。

一方でGWも仕事の皆さん、ご苦労様です。
 
 さて地下鉄まで止めて、北朝鮮からミサイルが飛んでくると大騒ぎしていた政府ですが、そんな危機など何処吹く風、閣僚は11人も外遊とか?
  
  本当に危機があったのなら、危機管理能力ゼロです。
   危機が無いのに危機を煽っていたとすれば、これほど国民を愚弄した政権はありません。

 


 そんな憤りを感じながら、おサルさんには失礼かもしれませんが、今日は「サルでも分かる憲法改正」と題して書いてみたいと思います。

   常連の読者様には釈迦に説法になってしまいますが、間違いがあればご指摘頂けると幸いです。
 

憲法記念日はなぜ5月3日なの? 

 明日5月3日は憲法記念日です。日本国憲法は1946年(昭和21年)の「11月3日」に公布され、1947年(昭和22年)「5月3日」に施行となりました。
 当初、「憲法記念日」については、衆議院では施行日の「5月3日」、参議院では公布日の「11月3日」とする意見が強かったのですが、先に審議した衆議院の意見を尊重して、「5月3日」を憲法記念日とする法案が可決されたのです。
 
 ちなみに日本国憲法の公布日である11月3日は、文化の日となっています。法案を審議した参議院文化委員会の委員長を務めた山本勇造議員(作家の山本有三氏)は、

「この日は、憲法において、如何なる国もまだやったことのない戦争放棄ということを宣言した重大な日でありまして、日本としては、この日は忘れ難い日なので、是非ともこの日は残したい。そうして戦争放棄をしたということは、全く軍国主義でなくなり、又本当に平和を愛する建前から、あの宣言をしておるのでありますから、この日をそういう意味で、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」、そういう「文化の日」ということに我々は決めたわけなのです。」

と説明されています。文化の日にはそういう意味があったのですね。
  

憲法とは何か?

 憲法とは国家の基礎となる法のことをいいます。つまり憲法とは国家のあり方を決めたルールのことなのです。
 国家とは領土を基礎としてその地域に住む人間が、強制力を持った権力によって統治された社会のことをいいます。


 国家の権力、国家権力は放っておくと暴走して、好き勝手なことをしてしまいます。そこで、国家権力が好き勝手をしないように歯止めをかけるのが憲法です。憲法は国家権力の暴走から国民の自由を守っているのです。


 一昨年の安保国会で、安部政権が憲法解釈を捻じ曲げて戦争法(安保法制)を強行した際に、野党や憲法学者から一斉に「立憲主義の破壊だ」という声が上がっていましたが、はたして立憲主義とは何なのでしょうか?
   
立憲主義とは?

 「立憲主義」とは国家権力を制限し、人権を保障することを言います。

 もう少し簡単に説明すると、憲法は国民を守るために存在し、国民主権の考え方に立って、国家権力を縛るものとされています。憲法を守らなくてはならないのは、国民ではなく国家権力なのです。実際にはそうなっていないようですが。


日本国憲法の三大原則について



 
 

 日本国憲法は、国民主権、基本的人権の保障、平和主義の3つが基本(三大原理)となっていますが、それぞれをもう少し掘り下げてみましょう。


 ・国民主権について

 日本国憲法では、国民主権を土台とした間接民主制を採用しており、明治憲法の天皇主権論を否定しました。天皇は日本の象徴で、一定の国事行為だけを行う、という存在となっています。
 ※国事行為・・法律の公布や国会の召集(呼び出して集めること)などを指す
    

 ・基本的人権の保障について

  基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」としています。また生命、自由、幸福を追求する権利などの国民の権利は、政治による活動で尊重するべきだと考えられています。
 


 ・平和主義

  「恒久の平和を念願」する立場を取っています。
  また戦力を持たず、交戦権を認めないとしています。
   
 但し、現行憲法の70年の歴史の中で、解釈による改憲は実は進められており、憲法上も個別的自衛権は有するとの考え方から、自衛隊は合憲だという国民的コンセンサスに至っています。
 一方、安倍政権は更に憲法解釈を変更し、9割の憲法学者が違憲とする「集団的自衛権」の考え方に立っています。
 

日本国憲法はこうして作られた


 1945年(昭和20年)に、日本は※ポツダム宣言を受け入れ、無条件で降伏を認めました。
 この※ポツダム宣言が安倍晋三首相がよく使う「戦後レジーム」の原点なのです。


 戦後レジームとは戦後の世界秩序の体制(ヤルタ・ポツダム体制=YP体制)や制度の事を指しており、このポツダム宣言こそが、日本国憲法の原点となっています。
 もっとも、国会で野党から質問されて馬脚を表してしまいましたが、このポツダム宣言の詳細を安倍総理は知らなかったのです。

 もしかすると、自ら唱えている「戦後レジームの脱却」すら理解していないのかもしれませんね。
   
※ポツダム宣言とは1945年7月 26日にベルリン郊外のポツダムで発表された日本の戦争終結条件を示したアメリカ,イギリス,中国3ヵ国首脳の宣言のこと。13項目からなり、秩序回復までの連合国側の日本駐留、武装解除や戦争責任の追及、民主主義国家の樹立等が書かれています。
   
 このポツダム宣言の受諾を受けて日本は、憲法問題調査委員会が憲法改正案を作りましたが、ほぼ明治憲法(大日本帝国憲法)の踏襲だという事で連合国軍総司令部(GHQ)側に却下されてしまいました。

 

大日本帝国憲法(明治憲法)と日本国憲法の比較


 そこでGHQは「※マッカーサー3原則」という憲法の下書きを作り、それをベースに帝国議会で議論や修正がなされ、議会承認を経て出来上がったのが日本国憲法なのです。

 ※マッカーサー3原則:天皇をトップに置くこと、戦争を放棄すること、封建的な制度を廃止すること等を原則とした。
  
  
 特に自民党が目の敵にしている憲法9条(戦争放棄)に関しては時の総理、幣原喜重郎(しではらきじゅろう)が積極的に押しています。
 確かに日本国憲法は戦勝国側の要求に従って作られたという点においては「押し付け」という見方はできるかもしれませんが、国民の代表である国会で決議され、それを受け入れたのは我々国民だという事実は否めません。
  
 もちろん、日本国憲法の制定目的の裏には日本を無力化し、アメリカによる植民地支配を強化するという腹黒い意図もあったでしょう。
 それならば、米国に対する政権の徹底隷属姿勢こそが問われるべきであり、その隷属の理由として日本国憲法に責任を転嫁するのは間違っています。そもそも安倍政権は日本国憲法を完全に無視していますが。

 

 また百歩譲って、仮に日本国憲法がGHQの押付けであったとしても、世界に誇れる素晴らしい憲法だと私は思います。その良き部分は守り育て、不足する部分があれば追加や修正をしていけば良いのではないでしょうか。
  
 敗戦を否定し、その敗戦の反省からできた日本国憲法を否定し、戦前の日本の復活を画策する安倍政権はいかにも幼稚であり、愚かです。

 安倍晋三総理が北朝鮮の幼稚な独裁者と重なって見えてしまうのは私だけではないでしょう。
 


何故改憲するのか?


 自民党は結党以来60年を迎えていますが、何故今、憲法改正なのでしょう?
 

 自民党の綱領には、「平和主義、民主主義及び基本的人権尊重の原則を堅持しつつ、現行憲法の自主的改正をはかり」とあります。すなわち、自民党結党当時の目標のひとつが、「現行憲法の自主的改正」だったのですが、いつの間にか「自主憲法制定」というようにニュアンスが変質しています。
 

 これは安倍晋三総理の祖父、岸信介元総理の遺言である「自主憲法制定」を悲願として、個人的野望からそれを実現しようとしている安部晋三が総理大臣の職にあるからと思われます。
 

 この自民党改憲草案は2012年に自民党のプロジェクトメンバーによって作られましたが、その中身が大きな波紋を招きました。
 
 
 従来の自民党改憲案にもなかった、”国防軍創設”や「公益及び公の秩序」の名による基本的人権の制限過半数で改憲発議できるようにする96条改定等、現行憲法とは全く異質な内容に変容しています。
更には内閣に全権を与える緊急事態条項の新設も含まれています。

 

 日本国憲法には国民の義務として3つ(教育の義務、勤労の義務、納税の義務)が書かれていますが、自民党の「憲法改正草案」(2012年4月発表)では新たに7つの義務が追加されています。(三大義務と併せて国民の義務は10個となる)

 

1.「国防」の義務(前文)
2.「国旗・国歌の尊重」の義務(3条)
3.「自由・権利に伴う責任・義務」(12条)
4.「家族の助け合い」の義務(24条)
5.「地方自治体の役務の公平な負担」の義務(92条)
6.「緊急事態宣言下での国・自治体の指示への服従」の義務(99条)
7.「憲法尊重」の義務(102条)


 憲法を守らなくてはならないのは、国民ではなく国家権力なのですが、これでは立憲主義とは真逆の絶対主義(独裁政治、ファシズム)になってしまいます。

 

 因みに北朝鮮の憲法では国民の義務は11、中国は8です。

 
 この自民党「憲法改正草案」を主導したのは安倍晋三側近グループでした。

 
 そのメンバーの発言を聞けば、如何に安倍政権が目指す憲法が恐ろしいかがよく分ります。以下発言の要約。

 

戦争はできるんです(要約)」元内閣総理大臣補佐官 礒崎陽輔


「ならば、今奪われている領土を取り戻しましょうよ!北方領土、竹島、主張するだけじゃなくて行動しなければいけないと思います。さらには、尖閣。使っていきましょうよ!軍事利用しましょう!」元総務副会長 新藤義孝


国防軍を創設する、そんな憲法草案を提出いたしました。/…血を流さなければ国を護ることなんてできないんです!」政務調査会長 稲田朋美


「いよいよ、ほんとに憲法を変えられる時がきた。」内閣総理大臣補佐官 衛藤晟一


国民主権、基本的人権、平和主義を削除しよう!(要約)」元法務大臣 長勢甚遠


日本にとって一番大事なのは、皇室であり、国体であると思っております。」外務副大臣 城内実


国民には国防の義務がある(要約)」参議院議員 西田昌司


「私たち自民党は、大学入学前に自衛隊等の体験を義務化したいと思います(要約)」元文科大臣 下村博文

 

 

参考:「憲法改正誓いの儀式」

 

https://www.youtube.com/watch?v=h9x2n5CKhn8

 

 こんな連中が日本の行く末を決める憲法草案を作ったのです。

これは過激過ぎる、野党に突っ込まれる、として見直しがされていますが、表現は変わっても根底にあるのは同じです。


 共謀罪で国民の意見を封じ込め、教育勅語や銃剣道を復活させて戦前回帰を着々と進める安倍政権。6月にもあると噂される総選挙、ここで改憲派が3分の2の議席を占めれば、改憲に向かって大きく進むでしょう。

 

 自民党を支持するか否かではなく、自民党による改憲を許すのか否か、その選択です。

 

 明日は憲法記念日。ただの祝日ではなく、私たちの未来を考える日として、憲法問題を採り上げてみました。