
「ご注文は?」
みたいな顔をされたので、やおら「ココアをください」と頼む。
「ココアはございませんが・・」というので、
私は「学生時代からここで飲んでいるんですけどォ」といったら
「ああ、ホット・チョコレートですね」と念をお押しになる。
私はすでに、冷たくツノの立った生クリームを熱々のココアに浮かべて、これを
同時にすするというイメージができあがっているから、腹などたたない。
要するに、バター分をカカオマスから取り除いたのがココアだから、チョコとはコクも
うま味もちがうのだ、とおっしゃりたいらしい。
当店はチョコそのものを溶かしているからホットチョコレートなのですと。
どうでもいいけど、ここの三代目社長はバレンタイン・モロゾフさんなのに、経営権と商号を譲り渡して以来、屋号は「コスモポ○タン」でがんばっていらっしゃる。とか、バレンタインデーにチョコを贈るなんて、日本ではいつ始まったか?については、昭和8年、11年、12年、33年などいろんな説があってよくわからないじゃないか、などと思いめぐらしているうちにカップが運ばれてきた。
イタリアでは「チョッコラータ・カルーダ」
フランスでは「ショコラ・ショー」
リキュールを入れて飲む方法もあるらしい。世界は今、ホット・チョコが熱い。
でも日本語はドンクサイね。