初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ -5ページ目

初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ

バス釣りド初心者の中年バサーがベイトオンリーで印旛新川に挑みます。

―はぁー、船舶免許、欲しいなぁ~。(チラッチラッ)

 

 

嫁「…。」

 

 

―船舶免許があればなー、家族で乗れるような大きなボートも借りられるしな~。(チラッチラッ)

 

 

嫁「…。」

 

 

―海へ遊びに行ってもいいよなー。家族貸し切りで船釣りなんてのも絶対楽しいよなぁ~。(チラッチラッ)

 

 

嫁「…。」

 

 

―でもなぁー、そこそこお金かかるみたいだし、先立つものがなー。はぁーあ、このままじゃ一生船舶免許なんて取れなさそうだなぁ~。(チラッチラッ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫁「…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…みなさま、こんにちは。ビジ夫です。

 

みなさまは「船舶免許」なるものの存在をご存知でしょうか。

 

ひょっとすると、なんとなく「バスボートに乗るために必要なもの」くらいのご認識の方もおられるかと思いますが、

 

正式名称は「小型船舶操縦士」という国家資格で、その名の通り、小型(総トン数20t未満あるいは全長24m未満)の船舶を操縦するために必要な免許となります。

 

 

そんな船を運転する機会なんかないよ、なんて声が聞こえてきそうですが、

 

船舶免許の有無というのは、実は結構身近なところにも影響しているわけでして、

 

例えば、船舶免許を持っていない人が乗っていい動力付きボートの大きさは「3m」まで、と法律で定められていたりします。

 

バス釣りでよく耳にする「フィート」の単位で換算すると、10フィート未満、ということになるでしょうか。

 

 

で、実はそこそこ名の知れたフィールドであっても、レンタルボート屋さんにそもそも10フィート未満のボートを置いていないという場所もあったりするわけです。

 

なので、船舶免許の有無というのはバスボートに乗れる乗れないだけでなく行けるフィールド自体に制限が発生してしまったりするわけなのです。

 

 

また、天然の湖のような大場所での釣行では、船の動力というものが釣行内容に非常に大きな要素を占めてくるわけですが、

 

同じように、船外機の出力もまた、免許が無い場合は「2馬力」まで、と法律で定められています。

 

 

…ちなみに、エレキでよく耳にする80ポンドという出力は馬力換算すると1.5馬力ほどだそうですので、

 

免許不要なギリギリラインの動力としてこの数字が意識されているのかもしれません。

 

 

で、その2馬力の動力では大きな湖を行ったりきたりということはあまり現実的ではないので、せっかく遠出して行った大場所なのに行きたいポイントに行けない、なんてことにもなってしまうわけです。

 

ということで、船舶免許は全てのバサーにとって必須というわけではないものの、無かったら無かったで細かな部分にちょいちょいと制限が発生してしまうのもまた事実だったりするのでした。

 

 

まぁ、このあたりは自分の釣行スタイルと照らし合わせて必要かどうかを判断すればよいわけなのですが、

 

では、僕自身はどうなのか?と振り返ると、僕はバスボートはおろかエレキすら持っていませんし、大出力エンジンが必要な大場所に遠征することもせいぜい年に一回あるかないか程度、

 

はっきり言って、免許が本当に必要かどうかと聞かれれば、「まぁ、あるに越したことはないよね」というお茶を濁した回答になってしまうわけです。

 

さらにそれを曖昧な言い方ではなくハッキリと黒か白かで答えろと詰め寄られるならば、

「すいません、不必要です」という今回の記事を全否定する回答になってしまうことも致し方ないわけです。

 

 

そんな不必要な船舶免許を、なぜ僕は取得したいと思ったのか、

 

 

それは非常に論理的でない理由からなので省かせてもらいますが、

 

いや、そう書いてしまうとなんだかモヤモヤが残る人もいらっしゃるかもしれませんからやっぱり書きますが、

 

僕はあらかじめ「論理的でない」と書いているわけですので、理由に何が書かれていても、なんだそりゃ、なんて言ってはいけません。

 

どんな理由であろうと、全てを許容する広い海のような懐が必要です。

 

 

 

…で、理由ですが、免許が無いのが「なんかヤダ」だったからです。

 

 

 

 

 

 

…なんだそりゃ、なんて言っちゃ駄目なんですって。

 

 

 

この辺はもう、僕の性格というか気質的な部分の話なので書けば書くほどドツボにはまっていく気がするのですが、

 

自分でも訳がわからないなりにもうちょっと自己分析して書いてみると、

 

「やろうと思えばやれるけどやらない」

 

というのは自分的にオッケーなのですが、

 

「やりたくてもやれない」

 

というのは自分的にNGである、としか言えません。

 

 

 

…ああ、ほら、やっぱり自分でも訳がわからない。

 

 

ということで、僕にはあんまり必要ないものだということは理解していつつも、

 

釣りにおいて「やりたくてもやれない」ことが出てきてしまうことが「なんかヤダ」だった僕は、実は昨年くらいから、船舶免許を取得することを決めていたわけだったのでした。

 

 

 

さて、免許を取得することに決めた僕が次に考えなければならないことは先立つものの話である。

 

既に免許を所有している先人たちから漏れ伝わる話を聞けば、船舶免許を取得するためにはおおよそ10万円程度の費用がかかるらしい。

 

 

…しかし、悲しいかな僕にはそれだけの大金を一度にポンと用意することは不可能なわけです。

 

つまりアイハブノーマネーゆえにインポッシブルということになります。

 

 

月々の小遣いを少しずつ貯めていったとしても、免許が取得できるのは2年先か3年先か、

 

そんな悠長なことをやっていては、ちょびっと小金が貯まったそばからリールやらロッドやらの購入代金として消えていってしまって永久に免許を取ることはできないであろうことは火を見るよりも明らかです。

 

 

 

 

…そう考えると、一番現実的な解決策とは何か。

 

それは、「家計から捻出してもらう」ことである…。

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、僕は嫁さんに対して気の長い説得を開始したというわけだったのでした。

 

 

 

 

 

 

―ハァァ~、もうすぐカワハギの時期か~。家族で船に乗って…

 

嫁「…あのさ」

 

 

―!

 

―え、なになに!?どうした??

 

 

嫁「別にね、あたしは免許取るのは反対してないよ。というかむしろ賛成だよ」

 

嫁「あんたの言うとおり、どっか遊びに行くときも船が借りられたら楽しそうだしね」

 

 

…パアアッと視界が光に包まれ、僕は確かにそこに天使の存在を見たのでした。

 

 

 

―え!じゃ、じゃあ、取ってもいいのかい?

 

 

 

 

 

 

嫁「自分のお金でね」

 

 

…漆黒の闇に突き落とされた僕は、そこに悪魔の存在を確信したのでした。

 

 

―…自分の金で取れるもんなら最初からそうしてるわい!

 

身も蓋もないことをぶっちゃけて、本格的に嫁さんの説得を開始します。

 

 

―だいたいが、僕が免許を取ろうとしてるのは家族のためだ。家族で思い出を作るためなんだよ。

 

 

 

 

…それが第一の目的ではありませんが、家族で船遊びをしてみたいという思いも事実。

 

多少オーバーに言っているだけで嘘は言っていない、と僕は自分を正当化します。

 

 

 

 

 

―ちょっと考えてごらん?去年は家族で琵琶湖に行ったし、その前は河口湖にも桧原湖にも行ったでしょ?

 

そこでもし僕が免許を持ってたら、もっと違う思い出が作れてたんじゃないの?

 

 

―別に湖だけじゃなくて海もOKなんだよ?嫁さんだってそろそろ海釣りに連れていけとか言ってたでしょ?堤防で五目釣りなんてもんじゃないよ?家族でクルーザー貸し切って船釣りだよ?

 

―その、家族の楽しみのために取る免許代が、僕一人の負担っておかしくない??

 

 

 

 

嫁「…。」

 

 

 

 

 

…あれ?この嫁さんの表情、

 

意外なことにこれは揺れている表情だぞ。

 

 

 

 

 

嫁「…いいよ、わかった」

 

 

 

 

―え?

 

嫁「家計から出すよ」

 

 

 

 

 

 

 

…げ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…言質とったどー!!

 

 

 

 

 

 

 

いやー、信じられない。

 

まさか、こんな低レベルな説得で納得するとは、嫁さんって、僕が思っていたより案外…、

 

 

 

嫁「ただ、次のボーナス、去年より多くなってないと駄目だからね」

 

 

 

 

…してやった、と思わせておいて、実は僕の半歩上をいっているという、

 

この言質をとったのが、今からちょうど一年くらい前のお話だったのでした。

 

 

 

 

 

…さて、ボーナスが増える増えないはひとまず置いておいて、家計で船舶免許を取っていいという承認を得た僕はさっそく取得方法を調べます。

 

なにしろ、成人男性であれば限りなく100%に近い取得率である自動車免許とは違って、今回は船舶免許なのです。

 

そのへんの人に「免許取りたいんだけど、どこで取った?」なんて気軽に聞ける類のものではないのです。

 

親類縁者に船舶免許持ちがいる家庭なんて、日本にいったい何%…

 

 

…あれ?

 

 

 

―あれ、そういえばお義兄さんって免許持ちだったよね。

 

…そうだった。親類縁者に船舶免許持ちがいたではないか。

 

 

嫁「免許持ってるけど、バスボート用だからね。たしか限定だか特殊だかってやつだよ」

 

 

 

…なるほど、わからん。

 

 

何やらよくわからんが、まずは船舶免許の種類から知る必要があるらしいことはわかった。

 

さっそくGoogle大先生にお伺いを立てます。

 

 

なになに、小型船舶免許とは…、

 

…ふむふむ。一級と二級があって?

 

おお、二級船舶、よく聞く単語だ。

 

…あー、湖川限定、なるほどこれのことか、嫁さんが言ってたのは。

 

なるほど、なるほど。だいたいわかった。つまりこういうことか。

 

 

・普通の二級

 ⇒国内の河川や湖、海の場合は岸から約10km以内まで

 

・湖川限定の二級

 ⇒海に出られない(船の馬力、全長にも制限あり)

 

・一級

 ⇒場所や距離に制限なし

 

 

あと、ジェットスキー用の特殊免許とかがあるらしいけど、それは無視していいだろう。

 

一級は距離に制限なし、ってことは、世界一周もOKなんだろうか

 

へー。

 

 

よく、バサーの間で二級船舶という単語を聞くのはこういうことか。

 

一級と二級の違いが海に出られる距離の制限ということなら、そりゃバサーは一級を取る必要は無いということになる。

 

てことは、僕もこの二級を取ればいいわけだ。

 

で、その二級を取るためには?

 

 

…ん?

 

 

国家試験を受験する方法と国家試験免除の教習所に通う方法の2つ

 

 

 

 

 

 

…んん?

 

なんじゃそら、何がどう違うんだ。

 

 

…国家試験を受験する方法は、スクールで学科及び実技の講習を受け、最終的に国家試験を受験して合格すると免許が与えられるが、

 

国が指定した教習所に通う方法では国家試験が免除され、国家試験と同等の学科及び実技試験に合格することで免許が与えられる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、それ、何が違うの?

 

うさんくさい弁護士みたいな言い回しをしてるけど、国家試験が免除されても同等の試験に合格する必要がある、って、一緒じゃん、結局。

 

なんだなんだ、結局どっちで取ったほうがいいのか。

 

その結論がどこにも書いてないじゃないか。

 

 

 

何やら始まる前から曇り模様の僕の免許取得プロジェクトですが、

 

やはり難儀したのが、免許を取ろうと思ったのはいいものの、具体的にどうしたら免許が取れるのか、そのイメージが沸かないこと。

 

実際には方法は色々あるようだけど、どれを選択するのが最善なのか、

 

そういった情報を選別するための材料が少ない、ということでした。

 

 

 

ということで、今回からしばらくは僕と同じように「船舶免許を取ろうと思ってるけどちょっと足踏みしている」方々のために、

 

参考として、僕が免許を取るまでの過程を書いていってみようかと思っています

 

 

…とはいえ、先に書いてしまいますが僕が最終的に取得した免許は「一級船舶」で、

 

「二級」や「湖川限定」などを取ろうと考えている方々にはあまり参考にならないところもあるかもしれません。

(…とはいえ、普通の二級ならあんまり変わらないかな?とも思います)

 

 

いずれにしても普段、僕が書いている記事とは少し趣旨が変わってくるかもしれませんが、ご承知おきください。

 

また、僕がわかる範囲でお答えできることは全てお答えしますので、

 

もしも同じように船舶免許を取ろうと思っているけど、疑問があるとか、不安があるとかいう方がいれば、

 

ご遠慮無くコメント欄で質問なさってください。

 

続く

 

…見慣れたアスファルトの道路を聞き慣れた「ブーン」という音をたてて走っていたスイメンさんの車は、やがて車2台がすれ違えないほどの細道に入っていきました。

 

…うわー、きたよー、いよいよかー、などとあらためて覚悟を決めて、僕は助手席側の取っ手を握る位置取りを確認します。

 

 

前回の続きです

 

 

ここ最近、明らかに補修工事がされていないと見えるヒビの入った道路は、ガタガタと車を揺らしながら右へ左へ蛇行していますが、

 

しばらく進んだところで、ゆるやかに左へカーブしていくのが遠目から確認できます。

 


…ああ、きっとあの左カーブの先が山道に繋がっているんだな、さっきの比じゃないと言っていたくらいだから、はたしてどんな悪路が待ち受けているのか…。

 

 

「カッチ、カッチ…」

 


スイメンさんが右にウィンカーを出して、車もゆったりと右に…。

 

 

 

 

 

 

 

…右?

 

 

―え、スイメンさん、こっち!?

 


言い終わる前に車はアスファルトを外れて草むらの生い茂る荒れ道をひた走っています。

 

ゴトンゴトンと揺れる車内で、まるで僕には見えない道路がスイメンさんには見えているかのようです。

 

むき出しの路面を迷うこと無くひた走るスイメンさん。

 

 

―こ、このまま走り続けるのか?

 

 

一直線に向かう車の先に、やがて林が見えてきました。

 

まさか、あの林の中につっこ…、

 

 

 

「ゴゴン!」

 

 

 

…つっこむんですよねー、そうですよねー。


道と呼べるかどうかも怪しい林道は上り坂となっていて、その道幅は軽自動車同士でもすれ違うことはできないでしょう。

 

右手を見やると、ガードレールも何もないその先は、完全な崖です。

 


―…スイメンさん、これ、右側、崖ですよね。

 


スイメン「そうなんだよ。昔、目測誤って前輪が両方共脱輪しちゃって。どうしようもなくてJAF呼んでみたけど、こんなとこまで来てくれたよ(笑)」

 

 


…いやそれ全然笑うとこじゃない。一歩間違ったら完全にアレじゃないですか、それ。

 

やはりさっきの野池で素直に納竿しておくべきだったか。

 

なにしろこのままでは竿を納めるどころか人生が納まってしまうかもしれない。

 


…しかし、僕が釣れるようにとせっかく某やさんが考えてくれたプラン、当の僕が今さらそんなことを言い出せるわけもない。

 

おそらくあと間もなく到着するはず、今が試練の時、あと数分を耐え忍べば…、

 


スイメン「このちょっと先からがようやく本番だから。すごいよ(笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 


…ハイ、無理!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無理無理無理!と訴えようと運転席のスイメンさんを見ると、何やら怪訝な顔をしているスイメンさん。

 

 

スイメン「あれ?」


―え?

 

 

ブレーキを踏んで車を停車させるスイメンさん。

 

どうやら、先行して進んでいた某やさんの車が停まっているようです。

 


スイメン「どうしたんだろ、対向車が来たのかな?」


…その割には、某やさんの車の挙動がおかしい。

 

右へ行こうとしてみたり、左へ戻ってみたり、何やら林道の先に何かがあるようです。

 

やがて運転席から降りてきた某やさんがスイメンさんの車の横までやってきました。

 

 

某や「だめだ、木が倒れてて先に進めないよ」


…なんと!?

 

こないだの台風のせい?

 


もしも秘境に着いた後で木が倒れでもしていたら、帰れなくなっていたところだった…。

 

 

…いやはや、しかし、これはもはや天がその秘境には行くなと言っているに違いないではないか。

 

 

 

―仕方がない、引き返しましょうスイメンさん、


 …内心を悟られないよう、いかにも無念だと、残念極まると、ギリリと奥歯を食いしばりながら悔しそうな表情を作ってスイメンさんに訴えますが、スイメンさんは渋い顔。

 


―どうしました、スイメンさん?


スイメン「俺、バック苦手なんだよ…」

 

 


…あ、そうか。

 

車2台がすれ違えないほど細い林道。

 

引き返す、ということは必然的に今までの崖をバックだけで麓まで降りていくことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…あれ?


それ、普通に行って帰ってくるよりよっぽど危ないんじゃ…。

 


スイメン「まぁでもしゃあないよね」

 

…と、ギアをバックに入れるスイメンさん。

 


―ちょ、待って、スイメンさん…

 

 

 

 

 

 

…ギャアアアアアアアアアアアアアアア…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


と、僕の心のなかの叫びは、再び誰に届くこともなく、房総の山奥に消えていったのでした。

 

 


…無事に麓にたどり着いて、ではどうする、あそこへ行くか、ここはどうだ、なんて話をしている某やさんとスイメンさんの横で僕はゲッソリとしています。

 

 

…いかん、このままでは、


「こうなったらあの魔境の封印を解くか」

 

「えっ、あそこはいくらなんでも!」

 


…なんて話が普通に出てきてしまうかもしれない。

 

 

そうなる前に、ここは先手必勝、

 

 

―◯◯ダムなんてどうですか?(ダムに至る道路のアスファルトの有無的に)


某や「…あそこねー、すっかり人が増えちゃったからねー」


―じゃ、じゃあ△△ダムは?(ダムに至る道路のガードレールの有無的に)


某や「…前は大きいのも釣れたけどねー。最近はねー」

 

 

 


…ぐぬぬ。


なんだか、普通の道を通って行ける場所なんて行きたくない、なんてひねくれたことを言っているように聞こえてしまう。

 

他にどこか知っている場所は無かったか、近くて、釣れて、安全な…、

 

 

 

某や「ああ、そうだ、あそこは?あの野池」

 

スイメン「あー、あそこ?いけるかなー」

 


…!!

 

しまった、ついに魔境が出てきてしまったか!?

 

 

―…野池?どんなとこなんですか?

 

某や「4人で浮くといっぱいいっぱいって感じでねー」

 

スイメン「駐車場も2台で限界って感じだから、先行者いると厳しいんだよね」

 


―…なるほど。あ、いえ、どんな感じの道のりなのかなーって…。


スイメン「ああ、そこは普通の道。たぶんビジ夫さんの車でも大丈夫なとこ」

 

 

 

…ホッ。

 

…どうやら、心配していたような事態にはならずにすみそうだ。

 


スイメン「でも残念だな、ビジ夫さんにはぜひ秘境に行くまでの道のりを経験してほしかったんだけど(笑)」

 


―…ア、アハハ…、ハァ。

 

 

 

 

 

…こうして某やさんの提案により、僕にとっては幸いなことに、残り3人にとっては仕方なく、第三の野池に向かうことになった4人は、「僕の車でも大丈夫な」道をガタガタと進んでいきます。


いや正確には、昨日までの僕だったら「え、こんな道を進んでいくんですか!?」なんて言っていたであろうボコボコ具合の道ではあるのですが、

 

先ほどの林道を経験済の僕にはすでに何の抵抗もなくなっています。

 


…やはり、人の成長に経験とは欠かせないものであり、まずは体験せよという昔からの格言は正しかったと痛感している僕です。

 

 

駐車スペースに車を停め、ゾロゾロと野池のほとりに降り立った僕たちは、岸上から野池を眺めます。

 


某や「よかった、人いないみたい」

 

スイメン「もうやり終わった後かもしれないけどね」

 


―ここ、どんな感じの池なんですか?

 

某や「うーん、デカいのも釣ったことあるにはあるけどね…。こないだもまぁまぁが釣れたし…」

 


…歯切れが悪い。

 

どうやら釣れないわけではないけれど、某やさんの中での格付けはあまり高くはないらしい。

 

 

まぁでも、ほかに人がいないってだけでも普段のフィールドでは考えられない好条件です。

 

ここに来るでに体力を消費することの無かった僕は、さっそく入りましょうと、がぜん元気ハツラツ用意を始めたのでした。

 

 

釣っていない僕に気を使っているのか、ゆったりまったり用意をしている某やさん夫婦を置いて一番にエントリーした僕は、一人で池の奥側までどんどん進んでいきます。

 

 

 

さて…。

 

まずは、最初の野池でやり残していた僕の個人的な宿題、

 

ビッグベイトを試してみることにします。

 


もう今までの記事にも何度も書いた記憶があるけれど、このビッグベイトというやつには非常に優れた特性があって、

 

魚を寄せる力に関しては他に類を見ない、という書き方をして差し支えないほど、集魚力が素晴らしいと僕は思っているわけです。

 

その重量と大きさゆえに、オカッパリで駆使することが難しいというのが難点だけれども、

 

今回のようにフローター釣行であったり、ボート釣行であったりというロッドやルアーの積載量に余裕があるときには、

 

「とりあえず持って行って損はない」ルアーだと、釣ったことはないくせに、そう考えているわけです。

 

 

今のところ、僕の中では「優秀なサーチルアー」という位置づけになってしまっているビッグベイトだけれども、

 

いつか、「釣るためのルアー」に昇格させるためにも、今日この日になんとかして釣ってしまいたい。

 

 

…そんなことを独り言のようにブツブツやりながら岸際をバッシャンバッシャン進んでいきます。


投げて、着水したらジャーク、

 

あるいは、しばらく待って、ただ巻き。

 

活性の良い場所ならチェイスくらいはありそうなものですが、ここでもどうやら表層には反応が無いようです。

 


…場所が変わっても状況は一緒、ということなんだろうか。

 

いつもの僕だったら、ミドルレンジを引けるクランクやスピナーベイト、あるいは岸際に向けてテキサスやヘビダンあたりを試してみたいところだけど、

 

しかし今日はサーフェイス縛りだとかなんとか言っていた僕である。

 

 

 

…あー、でもなー、なんだか釣れる気がしないし、どうしようか、使っちゃおうか、撃ちモノ…。

 

…いや、ダメたダメだ、表層で釣ると決めたんだから、このままジョイクロを使い続けるべきだ!

 

…いいって…。使っちゃえよ…。使っちゃっていいんだって…。

 

…ハッ、出たな悪魔の使いめ!おい!こんなやつの言うことを聞いたらダメだ!

 

…どうせみんなやってるって…。お前も使っていいんだって…。

 

…ダメだ!一度でも使ってしまうとやめられなくなってしまうぞ!。

 

…大丈夫、お前ならいつでもやめられるって…。一回だけ、今回だけだって…。

 

 


…こんな感じでフラフラと葛藤を繰り返しながら先に進んでいくと、アオミドロが浮島のように固まりとなって浮かんでいる場所を見つけました。

 

これは、いかにも付いていそうだけど…。

 


ビッグベイトだとあのアオミドロのど真ん中に投げるわけにはいかない。

 

いつもなら、1/2オンスくらいのテキサスか直リグで真ん中を貫いてみたいところ。

 

 

 

 

…なんだけどなぁ。

 

今日はなぁ。

 

 

うーむ、としばらく悩みましたが、ひとまずプロップペッパーでアオミドロの脇を流してみようという、なんとも優柔不断な結論に至ります。

 

プロップペッパーに付け替えて、脇にキャスト。

 

ギリギリを通すようにして、果たして出てくるか…?

 


出て…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…出てきた!デケェ!

 

 

 

 

 

 

 

プロップペッパーが通り過ぎた後を、ヒュッ、と勢いをつけてアオミドロの下からバスが飛び出してきます。

 

大きさは…

 


45は間違いなくある。50近いかもしれない。

 

 

…しかもこの追い方、喰うぞ、これ。

 

ゆっくりチェイスした挙句に見切る、そんな追い方じゃない。

 

 

瞬間的にそう判断して、バクンと心臓が脈を打ちますが、こんなときは慌てず騒がず、巻く速度は変えずに一定で…、

 

…あ、バスが勢いをつけてプロップペッパーに…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


…プィッ

 

 

 

 

 

 

 

 

え、


えええええええええ!?

 


今の追い方しておいて直前で急に見切る?

 

そんなんアリか…。

 

 

…勢いをつけてプロップペッパーに向かったバスは、直前に急反転して水底へ潜っていってしまいました。

 

何か違和感を感じたのか、僕の焦りが伝わったのか。

 

 


…ガクッ

 

 

 

 

…いや、大丈夫。

 

これは絶対出る!ってちょびっと思ったけど、ちょびっとしか思ってなかったから全然ノーダメージ。

 


…しかし、

 

 

 

 

 

…はぁ~、デカかったな。


今のが喰ってれば、果たしてどれだけ引いたのか。

 

きっと竿先なんて簡単に引っ張り込まれて、リールシートがきしんでミシミシと…、

 

 

 

 

 

ヒロ「キャ~!」

 

某や「うお、落ち着いて!」

 

 

 

 

 

 


…む?

 

 

 

 

ヒロ「やった~!」

 

某や「デケー!ビジ夫さーん!ヒロが釣ったよー!」

 

 

 

 

 

 


―ぬお、ちょ、ここからだと距離が。


…必死にこいでヒロさんのもとへ向かったものの、どうやらすでにリリースした後の模様。

 

 

 

―デカかったですか。

 

某や「47だよ!」

 


…47!

 

 


クラッ…

 

 

 

 

 

 

…何で釣ったんですか。


某や「ダーターだよ」

 

 


…ダーター?

 

ダーターって、あの、パックマンを上から踏んづけたようなルアーのあのダーター?

 

 

某や「シブいよね!」

 

 


…。

 

 


ヒロ「引いたよ~」

 

某や「竿先引っ張り込まれてたもんな!」

 

 

 

…。

 

 

 

 

 

 

ああー…。


僕もさっき同じようなのを喰わせかけたのに。

 

同じトップで、かたや見切られ、かたや喰う。

 

この差はなんなのか。

 

これが本職のトッパーとニワカーの差だというのか。

 

 

 

…しかし、やるなぁ。

 

女だてらに、というのは失礼な言い方かもしれないけれど、

 

女だてらに、男3人に交じってビッグバスを叩き出すんだから。

 

 

結局、今日の釣行は最初から最後までヒロさんに全部持っていかれてしまったというわけか。

 

…天然とかクレイジーとか色々失礼なこと考えちゃってすいませんでした。

 

というか、ロッドワークせずにリーリングだけでトゥイッチさせるやり方、途中ちょっと真似してました。

 

 

 

…そしてここからは、ダーターと似たような釣りができるんじゃないかとフローティングミノーを使ってみたり、

 

フロッグに反応があったと聞けばフロッグを使ってみたり、

 

ペンシルを投げてリーリングだけでトゥイッチさせてみたりと色々やりましたが全部ダメ、


結局、あわよくばサブサーフェイスルアーでデカいのを釣ってやろうという、

 

僕の浅はかな妄想はこうして無事に打ち砕かれたわけだったのでした。

 


とはいえ、何も収穫の無かった一日なのかと言えばそんなことはなく、

 

明らかに魚の反応が沈んでいて、表層にはチャンスはないと思われるような状況でも、

 

いる魚はいるし、喰う魚は喰う、という事実を再確認させてもらう機会となりました。

 


それと、これは非常に重要なことだと思いますが、

 

よくよく観察してみると、トップウォータープラグがどうこうという以前に、3人とも非常にキャストがうまい。

 

ちょっと入れるのをためらってしまうようなポイントを躊躇なく攻めて、そしてキャストが成功するから釣果がついてくる。

 


…これはトッパーだから、バーサタイルだからという以前の、基本のレベルの話なのでしょう。

 

まずはそこからだなぁ、と、自分を顧みた僕だったのでした。

 

 


片付けを終え、帰り際、


某や「渋かったねー、申し訳ない。次は釣れるところに案内するから」


―いやいや、楽しかったですよ。次はまた来年ですかね、もうちょっとトップに反応がいい時期に…。


某や「新しい野池、案内するから」

 

 

 

 


…アハハ、ハァ…。

 

 

 

 


…某やさんから送られてきた、ご夫婦の写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 
…だって、どうしても釣りたかったんだもの!

 

この意志の弱さも、3年前からまるで成長していない僕だったのでした。

 
「ドゴン!」

 

「ゴガッ!」

 

「パキパキッ!」

 

 

…絶え間なく右へ左へ揺れ続ける車内で、僕は冷や汗を流しながら必死で助手席の取っ手にしがみついていたのでした。

 

さきほどからずっと、車が道を走っている音とは思えない異音が鳴り響いています。

 

 

 

 

 

…赤ちゃんだって車のことを「ブーブー」って言うんだから、車が道を走る時の音は普通「ブーン」だよなぁ、

 


おかしくなった思考でそんなことを思った瞬間に、左の車輪が窪みを捉えて車体が大きく左に傾きます。

 

あたりの木々から垂れ下がったツルが鞭のようにしなって車体を叩き、明かりひとつない深淵を照らす頼りない車のヘッドライトの先には、この道無き道を嘘のように爆走していく一台の軽自動車が見えます。

 


…なぜ、こんな南米あたりで流行ってそうなアクティビティに僕が参加しているのかと言えば…。

 

 


そもそものキッカケは、実は3年前まで遡るのでした。

 

ブログを通して知り合った「某や」さんというトッパーさん。

 

その某やさんと釣行した僕は、それまで知ることのなかったトップの本流というものを初めて垣間見ることができて、決して小さくはない感慨を受けたのでしたが、

 

納竿し、フローターを片付け終わった後もなんとなく名残惜しくダベっていたときに、

 

「次は俺が案内しますよ、野池とか」

 

なんて、ありがたいお話をいただいていたのでした。

 


そのことはもちろん僕も覚えていましたが、普段お忙しいと聞いている某やさん。

 

いつにしましょうか、なんて具体的な話はしないまま、気がつけば3年も月日が経っていたのでした。

 


それが今年に入って久しぶりに連絡を取り合うようになり、具体的な約束を済ませたのがつい一月ほど前のことで、

 

僕はトッパー御用達というその野池を、非常に興味津々、楽しみに待っていたというわけだったのでした。

 

 

―では、ご一緒するのは9月4日ということで、楽しみにしていますね。

 

「…でも、ビジ夫さんの車だとちょっと厳しいかも」

 

…ん?どゆことですか?

 

「道の駅でビジ夫さんの車は置いていっちゃった方がいいかも」

 

…?

 


…約束の今日、早朝3時半。

 

房総のとある24時間スーパーで待ち合わせたのは、前回ご一緒させていただいた某やさんとスイメンさん、そして某やさんの奥さんのヒロさん。

 

某やさんの奥さんもマイフローターを所持しているほどのバサーということは以前から聞いていましたが、そう言えば自分の嫁さん以外の女性と釣りをするのは初めてかもしれない。

 

ひとまずご挨拶します。

 


―おはようございます、はじめまして、ビジ夫です。以前はブログのコメントで色々と…、

 

ヒロ「わか~い」

 

…へ?

 

 


―…いや、若くないっす…。37だし…。

 

 

 

ヒロ「…」


某や「…ビジ夫さん、ヒロより年上だよ…」


ヒロ「…あれ、スイメンさんはいくつだっけ~」

 

スイメン「俺?46だけど」

 

ヒロ「へ~、逆だったら大変だったねぇ~」

 

スイメン「は?」

 

ヒロ「64だったら大変だったねぇ~」

 

 

 

 

 

―…。

 

 

某や「…。」

 

 


スイメン「いや、ちょっと何言ってるかわからないけど…」

 

 

 

 

…ははぁ、なるほど、

 

なるほどね、ハイハイ。

 

たぶん、この奥さんは…、ちょっと、こういう言い方が適切かはわからないけれど、

 

いわゆる天然さんなんだ、たぶん。

 

 

そう言えば、今日の予報はそれなりに雨が降る、っていうことが分かった時に、

 


―当日雨っぽいですけど、奥さん、ほんとに大丈夫ですか?

 


って、事前に某やさんに聞いてみた時の回答がこれだった。

 

 

某や「嫁は雨だろうがなんだろうがやるよ」

 

 


…そうだった。

 

なにしろミュージシャンの奥さんをやってるくらいなんだから、僕のような平凡なサラリーマンでは測れない感性の持ち主なんだろう、きっと。

 

…しかし、前回ご一緒させていただいた時も感じたことだけど、某やさん周りの方はキャラが濃ゆい。実に。

 

 

某や「んじゃ、ひとまず道の駅行って、多分ビジ夫さんの車だと辿りつけないから、ビジ夫さんはスイメンさんの車に移動かな」

 

―はい、すいません、宜しくお願いします…、っていうか、そんなに道ひどいんですか?

 

スイメン「いや、大丈夫大丈夫。こないだも様子見に行ってきたし。全然大丈夫よ」

 

―そうですか、そんなにひどい道を走るのかと思って、ちょっと心配してたんで。よかったです。

 

じゃあ、申し訳ないですけど、現地まで宜しくお願いします…

 

 

 

 

…そして、現在に至るというわけだったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドゴン!」

 

「ゴガッ!」

 

「パキパキッ!」

 

―あわわわ、ちょっとスイメンさん…、

 

スイメン「あれ?今日は某やさん飛ばさないなー、気を使ってんのかな?」

 

―え、どどど、どういう…、

 

スイメン「あの人、いっつも頭おかしいくらい飛ばすからなー」

 

 

スイメンさんの車の前輪がちょっとした岩の段差に乗り上げると、衝撃で僕は頭をルーフにぶつけそうになります。

 

スイメン「この先はちょっと揺れるかもしれないから、気をつけてね」

 

―え、今までのがピークじゃないの!?

 

 

しかも「ちょっと」ってどういうことなんだ、「ちょっと」って。

 

今までの状態が既に「ちょっと」じゃない。

 

日本語は正確に…、わわっ!!

 

「ドガッ!」

 

「ゴリッ!」

 

「バキバキッ!」

 

 

 

 

 

…ギャアアアアアアアアアアアアアアア…

 

 

 

 

 

 

と、僕の心のなかの叫びは誰に届くこともなく、ひたすら房総の山奥の闇に飲まれていったのでした。

 


…車が駐車ポイントに停まったことを確認すると、ヘロヘロになった僕はシートベルトを外してズルズルと車から這いおります。

 

あたりにあるのは、デコボコの砂利道と、鬱蒼とした木々と、そしてひたすら闇だけです。

 

 

…すごいところだな、しかし。

 


―よくこんなところ見つけましたね、

 

と、運転席側から降りてくるスイメンさんを振り返りながら、本心から聞いてみます。

 

スイメン「Google Mapとかでね、見つけたらとりあえず行ってみるのよ」

 

 

…はぁ、その執念というか熱意には感服しますよ。

 

 

 

時間は現在、4時過ぎ頃でしょうか。

 

このところ、日が昇るのもだいぶ遅くなってきて、秋の訪れはもうすぐそこなのでしょう。

 

スイメンさんからヘッドライトを借りて周囲を探索してみます。

 


…あ、なるほど、ここから降りてすぐ野池なんだ…。

 

―そこの降りたところから、すぐエントリーポイントなんですね?

 

某や「そうだよ、すぐそこから入れるんだよ」

 


…暗闇でよくわかりませんが、駐車スペースからエントリーポイントはかなり楽に入れるようです。

 

こういった場所では、これは心強い。

 

明るくなりさえすれば、準備にはそれほど時間はかからなそうです。

 

 

スイメン「日が昇るのは何時くらいなんだっけ」

 

―たぶん、5時過ぎくらいだと思いますが…

 

 

ヒロ「じゃあ、用意して入っちゃおうか~」

 

―え!?

 

 

スイメン「いやいや、まだ真っ暗じゃん」

 

ヒロ「さっきよりちょっと明るくなってきた気がするよ~」

 

―いやいやいや。いやいやいやいや。

 

スイメン「変わらねって」

 

某や「こうなったらヒロは一人でも入るよ」

 

―えぇ…。

 


スイメン「アンタの嫁、イカれてるよ…」

 

以前にご一緒した時にはかなりアナーキーなイメージが強かったスイメンさんが常識人のようなことを言っています。

 

そうか、スイメンさんもヒロさんがいるときにはツッコミに回らざるをえないんだな…。

 


―フムフム。

 

妙に納得した僕は、いちおう、危険がないかエントリーポイント周辺に降りてみることにします。

 

ライトを頼りに少しずつ岸を降りていってみると、何やら地面をのたうつ紐のようなものがあります。

 

…いや、紐というかこれは…。

 

 

 

…ヘビか。

 

しかも、この暗闇の中でもハッキリと浮かび上がる背中の立派な銭形模様。

間違いありません。

 

アレです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「マムシ」に間違いありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…。

 

 

いや、うん。

 

なるほどなるほど。

 

いるんでしょう。いてもおかしくはないんでしょう。

 

僕が普段暮らしている生活圏ではまず見かけることはない、ミニリュウよりレアなマムシですが、何しろここは房総の山深い溜池の近くなのです。

 

マムシの一つや二つは出るのでしょう。出てもおかしいことはまったくないのでしょう。

 

 

マムシは相変わらずエントリーポイント付近をヌルヌルと動き回っていますが、刺激しないようにソロソロと引き返した僕は3人に報告します。

 

 

 

 


―えーと…、エントリーポイントのとこマムシいますけど…。

 

 

 


ヒロ「え~、マムシ~?」

 

某や「ああ、いるって言うよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…。

 

 

…え、終わりかい!?

 

 

 

 

この場合の正しい反応というものは、


「本当に!?」


あるいは、


「他のヘビを見間違えたんじゃないの!?」

 

 

…というのが正解なのではないですか?

 

100人に聞いたら、100人全員がこのどちらかの反応に分かれるのではないのですか?

 

 

 

 

 

 

…特に動じる風もなく黙々と準備を進める3人の前で僕は立ちすくみます。


おかしい、この展開は何かが間違っている。

 

本来なら、

 


―そこに、マムシが、

 

と僕が発言した瞬間に、「え~!」という反応とともに3人からは矢継ぎ早に「どこだどこだ!」とか「こわ~い」とか、「落ち着け!」とか、

 

そんなリアクションがひとしきり返ってきたところで僕は冷静に、

 

―マムシはこちらからちょっかいかけなければ大丈夫です。いいですか、マムシの見分け方というのは…、

 


…と淡々と説明して全員を落ち着かせる。

 

と、ここまで僕の脳内ではシミュレーションが済んでいたのです。

 

我ながら完璧な未来予想図が描けていたのです。

 

 

…それがこの有様はどうしたことでしょう。

 

この現実とのギャップは何事だというのでしょう。

 

なぜ僕一人が空気読めてない奴みたいな感じになってしまっているのでしょう。

 

 

 

…一応、ポツネンと一人でもう一度エントリーポイントに戻ってみます。

 

先ほどと同じように傾斜をヌルヌルと移動していたマムシは、僕の気配に気がついたのか、水の上を器用に泳いで沖の方へ去っていってしまいました。

 

 

 


…。

 

 

 

なんだか非常に釈然としませんが、良しとしましょう。

 

僕の心のなかにわだかまったモヤモヤは一向に晴れていませんが、駐車ポイントあたりからヒロさんの「先に入っちゃうよ~」という声が聞こえてきます。

 

女性一人をこの暗闇の中エントリーさせるわけにはいきません。

 

 

 

 

 

―マムシは、去った。

 

 

 

 

 

僕は無理やり良しと自分を納得させ、ほったらかしにしていたエントリーの用意を済ませるべく駐車ポイントへ戻ったのでした。

 

 

 

 

 

全員がエントリーを済ませた瞬間を見計らっていたかのように、地平線の先から朝日が顔を覗かせました。

 

水面をうっすらと霧が覆っていますが、何か生命のような反応は見受けられません。

 


―トッパー御用達の、野池。

 


今日、この3人と一緒に釣行させてもらうにあたり、僕はどんなルアーを投げようかと、実は色々と考えてきたのでした。

 

以前にご一緒した時は、持っているルアーの中で適当にトッププラグを投げまくってみた、という感じでしたが、

 

そんな付け焼き刃で本職のトッパーに敵うわけもなく、アッサリと撃沈していた僕です。

 

 

トッパーという方々は文字通りトップに特化した方々なわけで、一方で僕はひたすら平凡な普通のバサーです。

 

そんな僕が、トッパーの方々に一般バサーの魅力を見せつけられるものといえばなんなのか。

 

 

一つには、普段通り、巻物をやったりワームをやったりというのもあるでしょう。

 

しかし、それではあまりに芸がなさすぎるというものではないか。

 


…こうして釣行の直前まで悩んでいた僕だったのでしたが、やがて、ある天啓を得ます。

 

 

 

 

―そうだ、サブサーフェイス系のルアーを使ってみようか。

 

 

サーフェイスとは水面のことですが、このサブサーフェイスのルアーが一般的なトップウォータールアーと違うのは、攻めるレンジが水面から表層直下をターゲットにしている点でしょうか。

 

純粋なトッパー達が使うトップウォータープラグに同じようなものがあるかどうかはわかりませんが、これらのルアーだけで勝負してみるというのも面白そうです。

 


…ガサガサとタックルボックスからルアーを引っ張りだしてみます。

 

 

ハイフロートのミノー、サーフェイス系クランク、一応バズベイトもこのジャンルでしょうか。

 


そして…、

 

 

 

 


ビッグベイト。


ジョインテッドクロー178のフローティング。

 

これが今日の目玉ルアーで、欲を言えばこれでどうにか一本釣りたい。

 


まだ一度も釣り上げたことのないジョイクロですが、今日が記念すべきその日となるというのもなかなかドラマチックな展開と言えるのではないか。

 

某やさん達のようなピュアなトッパーと、僕のような一般バサーの架け橋とも言えるようなこれらのルアー。

 

まさに、これらのルアーこそ今日使うのにもっとも相応しい。

 

 

…フローターのエプロンに一通りルアーを並べて、そのようなことを考えながら、ひとしきり僕は悦に入っています。

 

まだ釣りを始めてすらいないというのに、この思いつきが我ながら妙にツボに入った僕は、何やら今日の目的は既に達成したかのような錯覚にとらわれています。

 


一人、ニヤニヤと薄笑いを浮かべながら、7フィート1インチのXHロッドの先にジョイクロをセットして岸際に投げます。

 

バシャーン!と派手な着水音のあと、ヌラヌラと泳いでくるジョイクロ。


チェイスは…、ない。

 


…あれ、こんな誰も来そうにない秘境中の秘境で、しかも自分以外は皆トッパーばかり。

 

そうそうバスがスレているようには思えないけど…。

 

 

―このところの台風の影響か。

 

 

先週行ったフローターダムのように、バスは既に秋モードに移行して今は表層を意識していないのかもしれない。

 

そう言えば、今日も午前中は派手に降るかもという予報だった。

 

今のところ、ちょっと蒸し暑いくらいで降り出しそうな気配は無いけれど…、

 

 

 

―あ、スイメンさん。


…このスイメンさん、何やらご自分のブログではスイメンから「タモさん」と改名をされたようですが、ここでは一貫してスイメンさんと呼んでしまいましょう。

 

―スイメンさん、どうですか?


スイメン「反応ないね、さっき誰かバラしたっぽいけど」

 

―え、マジすか。ご夫婦のどっちかってことすか。

 

 

…エントリーしてすぐ、四方に散った僕らは今誰がどこで何を試しているのかがよくわかっていない。


…なんだろう、何を使って喰ったんだろう。

 

ジョイクロだと、やっぱりさすがに厳しいのかな…。

 


…釣ったことのないルアーを使い続けることの、最大の壁がここにあります。

 

釣るその瞬間まで、そのルアーのことを完全には信じきることができない。

 


いっそ、ジョイクロ以外の全てのルアーを家に置いてきてでもしていれば、腹を決めて使い続けることもできたでしょうが、

 

残念なことに目の前のエプロンにはミノーやクランクなど、実績のあるルアー達が眩しく転がっています。

 


―ま、今日はサブサーフェイス縛りだし。別にジョイクロ縛りってわけでもないし…。

 


…この意志の弱さ。

 

これがあるから、僕は本当に釣りたいルアーがあるときには他のルアーを持っていかずに退路を完全に絶たなければならないのです。

 

 

…じゃあ、ひとまず、ミノーから…、


スイメン「あ、雨降ってきた」

 

―え?

 


…ポッ、ポッ


―ありゃ、降るって言ってましたけど、ほんとに降ってきちゃいましたね。


…念のためレインウェアを着込んでいた僕はフードをかぶりなおします。

 

裾から雨が入らないようにジッパーをきちんととめて…、

 

 

 

ポポッポッ…、


…ザァァァァァァァァァァァァァァァアァァァァァァアァァ

 


―うお、ちょ、

 

 

 

 

 


ドザァァァァァァアァァァァァァアァァァァァァァァァ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―…ヒィー!

 

 

…突然の土砂降りにうろたえる僕。

 

レインウェアにウェーダーを着込んでいますから身体はどうということもないですが、

 

防水加工が施されていないフローターカバンの中には途中のスーパーで買ってきた昼食のオニギリが入っている!

 

 

…いかん、このままでは僕のお昼御飯が無くなってしまう。

 

スイメンさんの方を見やると、オーバーハングの下に避難して雨ガッパを着込んでいる様子。

 


…ちと、僕も雨が弱まるまで避難していようかな。


木々のトンネルを見つけ、その下に潜り込みます。

 

しかし、ここ最近の週末は雨が当たり前のようになってきていて、これでは梅雨の時期のほうがよほど晴れが多かったような気がします。

 

 

…まいったなぁ、せっかくの朝マズメの時間帯なのに、これじゃ雨宿りしている間に終わってしまうぞ。


フローターカバンを開いてオニギリの無事を確認すると、雨が入り込まないようにスーパーの袋を2重に縛って防水対策を施します。

 

これでよし、ということで、やれやれ、この木の下から投げられるところでも投げてみようか、と周りを見回してみると、

 

何やら沖のど真ん中、土砂降りの雨の中でヒロさんがこちらに向けて何か叫んでいます。

 

 


ヒロ「…○△%$¥!!」

 

 

 

…雨を防げるものが何もない沖でずぶぬれになりながら何を言ってるんでしょう。

 

雨音のせいで何を言っているのか全く聞き取れません。

 

 

 

―…どうしたんですかー!!

 


ヒロ「…□@#¥$○×+$%!!!」

 

 

 

 

 

…ん?


ヒロさんがこちらに向けて何かを掲げています。

 

あれは…、

 

 


―え、バス!?

 

しかもデカい!

 

この距離からでもはっきりわかるくらい明らかにデカい!

 


…ウソ、この土砂降りの中で釣ったのか!

 

ちょ、写真…、

 

 

―ヒロさん、ちょっとそれ写真…!

 

ヒロ「…%$¥アアアアー!!」

 

 

 

!!

 

 

 

 

…あああ!バス落っことしちゃった!!

 

ちょっと!今のデカかったでしょ、かなり!

 

…向こうが何を言っているかわからないということは、こちらが何を言っているかもわからないのでしょう。

 


逃げられる前にサイズはちゃんと測ったんですか、写真はちゃんと撮ったんですか、

 

言いたいことは山ほどありましたが、断念して雨宿りを続けることにします。

 

…しかし、さっきの、50あったんじゃなかろうか。

 

 

 

…雨が若干弱まったところを見計らって木の下から出てきた僕は、さっきやり途中だったミノーを試してみることにします。

 

ジャークの間隔を変えつつ、水面ぎりぎりを狙ったり潜らせたりと試してみますが、チェイスすらありません。

 

 

―魚影は少ないけど出ればデカい、みたいなフィールドなのかな…。

 


たしかに、それはそれでトッパーという人種が好みそうなフィールドではあります。

 

どうしようか、クランクも試してみようか…、

 

 

…おや、某やさんじゃないですか。


いつの間にか近くで釣りをしていた某やさんのところへ寄っていきます。

 

 

―どうですかー?

 

某や「さっきあっちで釣ったよ!」

 

―え、マジですか、いつの間に!


某や「雨が降ってすぐだったよ。魚がいそうなカバーの近くをしつこくやったら出たね」


言いながら、写真を見せてくる某やさん。

 

…こ、これは。

 

 

 

太い。


某や「ギュンギュン引いたよ、長さはそれほどでもなかったけど今までで一番太いバスだったかも」


―たしかに、2㎏くらいありそうな体してますね…。


某や「ダイレクトリールだから引っ張り出されちゃってさー」

 

 

 

…ぐぬぬ。

 

しまった。


ヒロさんにしても某やさんにしても、あの土砂降りの一瞬で釣ったんだ。

 

あれがチャンスだったんだ、オニギリなんか気にして避難してる場合じゃなかった…。

 


…その後は反応らしい反応もないまま、池は完全に沈黙してしまいました。

 

厳重に結びすぎたスーパーの袋を四苦八苦してほどき、無事に救出したオニギリを頬張りながら考えます。

 

 

―これはもう、完全に魚が上を見てないぞ。

 

ワンチャンをモノにしたあの夫婦はともかくとして、ここで釣りたいなら多分サーフェイスはだめだ。

 

水深がどの程度かはわからないけれど、もう少し下、2~3m下げて攻めてみればひょっとしたら何かしら反応が…。

 


…あ、夫婦が仲良く寄り添ってる。

 

ちょっと僕も近くに寄って状況を聞いてみようか…。

 

 

 


ヒロ「誘いがダメなんだよ~、誘いが」

 

某や「ほー、例えば、どのように?」

 

ヒロ「こうやってね~、奥に入れるでしょ?」

 

某や「いや、枝に引っかかってるけど」

 

ヒロ「これも誘いだから~。ここからね、こうやってゆすってね~」

 

某や「いや、取れないでしょそれ」

 

ヒロ「と思うでしょ~?でね、ここから取りに行くでしょ~?」

 

某や「取りに行くところまでが誘いなんだ」

 

ヒロ「そう!ここから取りに行くところまでが誘いだから~」

 


…なんだか、仲の良い友達みたいだな。


同じ趣味を、お互いが同じように楽しめる夫婦というのは、それはかなり幸せなことでしょう。

 

そりゃあ、一緒に暮らしていれば、気に喰わないことも喧嘩することもたまにはあるでしょうが、

 

こうした思い出が、夫婦の絆を少しずつ強くしていっているのでしょう。

 


…そういや、最近は嫁さんと釣りに行ってないな…。

 

 

某や「あ、ビジ夫さん、どうですか」


―いや、もう全然ですね。


某や「この近くに秘境って呼んでる野池があるんですけど、そこ行ってみませんか」


―秘境?


某や「サイズはちっちゃいんですけど、いくらでも釣れる癒し系の秘境です」

 

 

…正直なところ、このままここで同じことを続けていても、果たして魚が釣れるのかという不安があったところだから場所移動の提案はまさに渡りに船、

 

某やさんやヒロさんのビッグフィッシュを目の当たりにしていた分、ここの魚にちょっぴり未練が無いわけでもないけれど、ここは素直に乗っかっておくのが正解な気がする。

 


―わかりました、ぜひそこに行きましょう。

 

某や「…ただ、そこ、ここ以上に道がハンパないんだけどね」


…え?


某や「登るのはなんとかなると思うけど、さっき雨降ったし下るのが大丈夫かわからない」

 

…え、それどういう…


某や「まさに秘境だから」

 

…。

 

 

 

 

 


多分、これはマジでヤバイ。


デンジャラスなスメルを感じ取った僕は「やっぱりここで納竿でもいいですよ」という声が喉まで出かかっていたのですが、

 

「あそこだったらビジ夫さんでも満足するまで釣れるでしょ」

 

とか、

 

「ビッグベイトでも多分釣れるよね、同じくらいのサイズが」

 

とか、

 

某やさんとスイメンさんでワイワイと、何やら僕にかなり気を使って考えていただいている様子なのが見て取れて、

 

僕はそのセリフをグッと飲み込みます。

 

 

…こうなったら毒を食らわば皿までか。

 

腹を据えた僕は、今日は行くところまで行ってやると、半分ヤケクソのような気持ちでエントリーポイントまで引き返したのでした。

 

 

…フローターをバッグにしまって車に詰め込み、さて、では秘境とやらに案内していただこうではないかと、鼻息も荒く助手席に乗り込もうとした僕だったのですが、

 

ふとスイメンさんの車が気になってあらためて横から眺めてみます。


暗いところではあまり気が付かなかったのですが…。

 

 

 

 

 

 

 

…なるほど。

 

でっかいタイヤを履いて、車高を上げて、これが房総フローター乗りの車だ、これが秘境仕様だ、ということなんでしょう。

 

駆動方式はもちろん4WDで、これならタイヤの一つや二つ脱輪したところで何の問題もないのでしょう。

 

 

…なるほどなるほど。


感心しながら、次に某やさんの車を眺めてみます。

 

 

…。

 


完全にどノーマルの軽です。

 

これであの山道を爆走していたのですから信じられません。

 

 

スイメンさんの車ですらあの衝撃だったのですから、某やさんの車ではその比ではなかったはずなのに車を降りた某やさんもヒロさんも平然としていた。

 

まるで「ちょっとそこのコンビニまで来てみました」とでも言わんばかりにケロッとしていたわけです。

 

 

…なるほど、これは、どうやらクレイジーなのは奥さんだけではなさそうだな…。


妙に納得して、再びスイメンさんの助手席に乗り込んだ僕だったのでした。

 

 

 

 

さぁ、では煮るなり焼くなり好きにしてくださいということで、再び助手席の取っ手にしがみつきながらガッタンゴットンと山道を下っていたわけだったのでしたが、急に、おっ、という表情をしたスイメンさんが、

 

スイメン「あ、あそこサルがいるよ」

 


…え?

 

―あ、ほんとだ!可愛いサル…、


サル?

 


スイメン「あっ、違う?」


―ウリボウだ!ウリボウですよあれスイメンさん!

 

 

見ると、体長は30cmほどでしょうか、ウリボウが3匹チョコマカと車の前方を走っています。


―やばいやばい、轢いちゃいますよ、スイメンさん!

 

スイメン「親が近くにいると思うんだけどね、見えないね」

 


…野生のウリボウなんてものを目撃するとは思ってもいなかった僕はちょっぴり興奮しています。

 

いくら山奥とはいえ、あんな産まれて間もなさそうな自然のウリボウに出くわすなんて、野良カビゴンに遭遇するよりよほど奇跡的なことでしょう。

 

時節柄、ポケモンネタでお送りしております。

 

 

…そう言えば亀山ダムで釣りをしている最中に、山ではイノシシ狩りをやってるから注意せよ、なんて放送を聞いたことがある気がしますが、

 

ぜひ、この3匹には人里に降りないように、山奥で静かに暮らしていてほしいと、そんなことを考えた僕だったのでした。

 

後編に続く