初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ

バス釣りド初心者の中年バサーがベイトオンリーで印旛新川に挑みます。


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―群馬県に、誰も知らない日本で最後の秘境ダムがあるらしい。







…そんな藤岡弘のようなことを言い出したのは釣り友達のWestさんです。





West「行ってみませんか」

―Westさんに秘境と言われてもなぁ。ていうか群馬って。遠い。

West「僕の嫁さんの友達の旦那さんに聞いたんですけどね」

―関わり薄!信頼できる情報なんですか。

West「警察官なんで。大丈夫じゃないですかね」



…本当かなぁ。

日本のバス釣りの歴史は本場に比べて浅いとはいえ、すでに40年近くを数えるとも聞きます。

そんな日本で、いまさら未開の秘境なんてものがあるものでしょうか。



―フローターとか出せるんですか?



West「ボート屋さんがあります」


―いやそれ全然未開じゃないじゃないですか。





West「お客さんの大半はトラウトなんですよ。バスは少ないらしくて」






…なるほど。

トラウト釣りの名所にバスが同居しているような場所なのか。

それなら案外盲点ということもありえるのかもしれない。



West「もう、釣れる気しかしませんわ」





…Westさんに言われてもなぁ。



というのは声には出さずに、どうしたものかと考えた僕だったのでしたが、

結局は「未知のフィールド」というものに対する興味の方が勝った僕は、その申し出を受けることにしたのでした。




―じゃあ、行くのは6月24日ということで。





…しかし、群馬か。群馬に行くということは、間違いなく丸一日車を占有してしまうことになる。



僕が車を出すと決まったわけではないですが、念のためその日に車が使えるかどうかを嫁さんに確認してみます。




嫁「特に用事はないからいいよ」


―お、そうかい?じゃあ悪いけど一日使わせてもらうかもしれない。


嫁「どこ行くの?」

―群馬だってさ。


嫁「群馬!?なんでわざわざ?」

―なんか未開のダムがあるらしい。わかんないけどね。


嫁「群馬かー。若いころあたしも行ったわ。〇〇ってとこなんだけど、全然釣れなかったね」

―そうなの?へー。まぁ、群馬ってあんまりバス釣りのイメージないしね。




それだけに、ひょっとしたら、ひょっとすることもあるかもしれない。

Westさんからの話を話半分に聞いていながらも、それでもちょびっとは期待しながらその日を迎えた僕だったのでした。






車を出すことになった僕は3時にWestさんを迎えに行きます。

Westさん自慢のピカピカのエレキ一式を詰め込むと、一路群馬県への道をひた走ります。


到着予想時刻は6時ぴったり。

…深夜にも関わらず3時間の走路ということは、帰りはいったい何時になるんだろうか。


若干の不安が無いでもないですが、今日は土曜日で明日も仕事はお休み、

帰りの渋滞に巻き込まれたとしても明日はグダグダしていて大丈夫と思うと気が楽です。


最近出たリールのあれがどうだとか、ナニがどうしたとか、

バサー同士ならではの会話は途切れず、一路群馬へひた走ります。


日本のロッドとアメリカのロッドがどうのとか、高弾性がどうしたとか低弾性がああしたとか言い合っているうちに、いつの間にか東北道を降りて、車は市街地へ。


―あ、そういえばコンビニどうしましょう。寄ります?

West「たしか、手前にありましたよセブン」

―じゃあ、まだ寄らないで大丈夫ですかね?

山の方とかだとコンビニ全然無かったりするじゃないですか。

まだ10kmあるから途中にあるだろくらいに思ってたら一軒も無いとか。

West「いや、あったはずです。大丈夫」

―まだ慌てる時間じゃないと。了解です。


…たしかに、高速を降りたとはいえナビによると目的地へはまだ40km以上の道のりらしいし、

今飲み物を買ってもヌルくなってしまうしなぁ。


West「なんか、車で道を走ってて橋があると下を覗いちゃいますよね」

―ああ、川かと。

West「そう、釣れるんじゃないかと」

―わかるわかる。バサーあるあるですね。



そんなどうでもいい話をしている間に、いつのまにかナビはダムまでの残りの距離を7kmと表示しています。


―ぼちぼち、ですかね。あ、そこセブンありますよWestさん。


West「あ!ビジ夫さんそこのバス停見てくださいよ○○女子高前って書いてありますよ!」

―おお、本当だ、なんかちょっとあれですね、なんかちょっとあれですね!

West「いやー、どうなんですかね女子校って。どうなんでしょう」

―どうなんでしょうねぇ、女子校。どうなんでしょう。



…車は静かにセブンを通り過ぎます。





West「お、なんか上り坂になってきましたね」

―山に入ったんですかね。たしかに僕、耳がキーンとしてきましたよ。

West「あ、そうなっちゃう系の人ですか。ていうかいつの間にか山ですけどコンビニやばくないですか」

―え、さっきセブン寄るか聞いてもスルーされたんでもっと先にあるのかと思いましたけど違うんですか。

West「え?セブンあるって言いました?」

―言いましたよ思いっきり!どうするんですかこれ完全にコンビニとかいう雰囲気じゃなくなってきてますよこれあったとしても完全に無人の地元特産野菜販売所とかですよこの雰囲気!

West「ちょっと調べますから待ってください…、あ!さっきの女子校の近くにあったらしいですよ!それが最後だ!」

―だから僕そこでセブンあるって言ったじゃないですかどうするんですかもう着いちゃいますよ!





…わぁわぁと責任を押し付けあって、最終的には女子校の近くにコンビニがあるのが悪いという結論に至り、それはめでたしということになったのですが、

しかし実際問題どうすべきでしょうか。


West「引き返します?面倒ですけど」

―いやー、うーん…。今から7km引き返すのもなぁ。

もう、いいんじゃないですか?最悪自販機で水が買えればなんとかなりますよ、たぶん。

West「…そうしますかぁ」




…なんだかいきなり幸先の悪いスタートになってしまいましたが、しょうがない。

あとはもう食べ物やらを胃に入れるヒマもないくらいバッコンバッコン釣れ続けることを祈るしかないでしょう。


…僕はダムのほとりの無料駐車場に車を寄せます。

車から降り、駐車場の中からダムを覗くと…。


―わ、すごい!思ってたより雰囲気ぜんぜんいいところじゃないですか!

West「あそこなんていかにも釣れそう」

―ですね、水も結構よさそうだし…。


…やはり、山々に囲まれたダムというのはそれだけで地元の千葉には無い雰囲気を持っているもので、

なんだかどこで何をやっても釣れそうな気がしてきます。









全景を眺めてみると、規模的には、どうやらあまり広くはないらしい。

面積だけで言うと、大きめの野池と言ってしまっても差し支えないくらいの広さです。


…ただ、おそらくダムである以上は、水深は野池のように浅くはないのでしょう。



West「カタヤマさんは先に着いて近くを散歩してるらしいです」

―カタヤマさん?今日はカタヤマさんもご一緒だったのか。

それは非常に心強い、何か想定外の事態が発生したとしてもきっとカタヤマさんからアドバイスをもらえば…


West「あ、あのあっちから歩いてくる人そうですよ、カタヤマさーん」

―お、ほんとだ、おはようございま…





カタヤマ「そこにデッカいカブトムシいましたわー!」








…既に群馬の自然を満喫していらっしゃる!



―いやいやカタヤマさん、カブトムシもいいんですけど今日はあくまでも…、

あ、カタヤマさんのご友人のポンパさん。

ポンパさんもご一緒だったんですね、おはようございます。



…ブログには書いたことがなかったかもしれませんが、以前にもご一緒したことがあるポンパさん。

間近でその釣りを拝見したことはありませんが、とりあえず僕より上手いことは間違いないでしょうから、これも心強い。



―今日は4人?

West「です」



…どうやらこれで今日のメンバーは全員そろったらしい。

挨拶もそこそこに車をボート屋さんに移動させます。



―う、駐車スペースから桟橋まで結構距離ありますね。カートとか無いのかな?

West「無さそうですね…。あ、そこ一輪車落ちてますよ、あれ使えってことかな」

―あー…、一輪車かぁ。

…これであそこまでの距離を運んでいくのは辛い。

結構急な斜面になってるし…。

しかし、無いものは仕方がない。



4人がかりでヒィヒィ言いながら桟橋までエレキ一式を移動させます。

ボートへのセッティングを行っていると、ポツポツと僕ら以外のお客さんの姿も見え始めましたが、

大量の荷物をヒィヒィ運んでいる僕らを尻目に、彼らは「ちょっとそこまで」感が溢れ出ている軽装です。


―近場から来てるのかな?トラウトがメインのダムというのは本当だったんだ。


80近いように見受けられるおじいさんがボート屋のご主人と話し込んでいますが、時折こちらを眺めて笑っています。


おじいさん「…すごい荷物だな!」

ご主人「ブラックはねぇ、大変だよ」



…なるほど、おおよそ会話の内容は判断できました。

やはり、ここではバス目当てのお客さんというのがほとんどいないのでしょう。

これは、否が応でも期待が高まります。



…Westさんがエレキの取り付けを行っている間に、僕は料金を払ってくることにします。


ご主人「遊漁料とボート代あわせて二人で5500円ね」

―はい、よろしくお願いします。

ご主人「ボート屋閉めるのは4時なんだけど、ブラックは片付けに時間かかるでしょ、悪いんだけど30分前には戻ってきてくれるかな」



…3時半に帰着ってことか、房総に比べると随分早いな。

夕マズメがやれなさそうなのは残念だけど、まぁ、あんまり遅いと帰りが大変になるし、このくらいでちょうどいいかもしれない。


―はい、わかりました、



と返事をして、Westさんのところに戻るとセッティングもほぼ終わっているようです。


―いきますか。

West「いきましょう!」



いよいよ、未知のダムへの挑戦が始まります。



West「水はまぁまぁですね」

―そうですね、水温は何度ですか?

West「23度くらいですかね」



…お決まりの会話を交わしつつボートを進めていきます。


West「あっちの岸をカタヤマさんたちがやってるみたいですから、僕らはそっちからやっていきますか」

―そうですね、ひとまず魚の付き場所調べましょうか。



初見で何も情報のないダムならば、最初にやるべきはバスのおおよその居場所を特定することでしょう。

僕は迷わずビッグベイトを手に取ります。

サーチルアーとして、一番信用しているルアーかもしれません。


まずは岸際ギリギリに落として、ゆっくりと引いてきます。


…これだけバサーが少なくて、しかもメインベイトがトラウトなら、これで案外あっさり喰ってきちゃったりなんちゃって…、


…しかし、チェイスはありません。



―じゃあ、カケアガリかな?

ブレイクがあるであろうラインに沿って同じように引いてみます。


…しかし、こちらも反応なし。






…おや。

一抹の不安を覚えます。


―ひょっとして、あんまり活性がよろしくないのかな。

群馬の季節の進み方はよくわからないけれど、時期的にアフター真っ盛りということもありえる。


…といっても、ポイントも何もわからないダムで、じゃあ撃ちで丁寧にやってみますかなんていうのも面倒くさい。


West「水深はここで10m超えてますよ。そのへんから急にズドンと落ちてますね」

…なるほど、やはり小規模とはいえダムはダム、それなりの水深があるということか。

こりゃやっぱり撃ちで底をとって…、ってやっていくのは効率が悪そうだ。


―リアクション狙ってみるか。


…ジャークベイトを手に取ります。

これも魚を追いかけさせやすいルアーですから、サーチのつもりでやっていってみるのもいいでしょう。


これを岸と言わず沖と言わず投げまくって、ひたすら魚の反応を待ちます。


West「…あっち側がバックウォーターになっているはずなんですよ」

―へぇ。なるほど、それはちょっと確認せざるをえませんね。


…Westさんがボートを進めます。






…が、







―浅っ!!


West「水深1mもないですね。底が見えちゃってる」



―そっちの方に進んだら座礁しますよ。そうか、川筋には入れないダムなんですね…。




…ダムの釣りの中でも、普段馴染み深い川筋に絡んだ釣りが好きな僕はちょっぴりガッカリしますが、

どうやら自分が今いるこの一帯は、このダムでは珍しいシャロー地帯になっているようです。


川筋から流れてきたゴミが溜まっていて、ひょっとしたらその下にバスが付いているかもしれません。

そう考えてトップでゴミの脇を通したり、ゴミが薄い場所を狙ってジャークベイトを落としてみたりしますが、しかし、反応はありません。



―うーーーーん…。



…ところで、Westさん、ここまで、バス、見ました?

West「いや一匹も見てないです」



…。


…嫌な予感がする。

今まで何度となく経験してきたあの感覚が蘇ります。



ざわ…。



いやいや、まだ始まったばかり、たまたま僕らが通ってきたポイントが良くなかった可能性だって…、


―…あ、カタヤマさん。カタヤマさんもこっちに来たんですね。どうですか?

カタヤマ「アタリはありましたけどね、バスっぽくないですね。たぶんトラウトですわ」

―バス見ました?

カタヤマ「見てないです」





…。












やばいやつだ。










これ絶対やばいやつだわ間違いないわ。

百歩譲って、僕とWestさんの二人だけなら、まぁこんなこともあろうかというか、むしろいつもこんな感じばっかりだろうという気もするけれど、

カタヤマさんとポンパさんの二人も全く同じ状況というのはマジでヤバイ。


何しろ真冬釣行にご一緒して、こっちは当然の如く完全試合を達成している真横で、



「5バイト2フィッシュでしたわ」





なんて平然と言ってのけるのが当たり前の人なんだから、カタヤマさんは。







…時間はとっくに7時をまわっていて、気温が高くなってきました。

朝マズメも既に終わっているのでしょうか。

というかそもそも今日は始まってすらいないのかもしれません。


首筋を汗が伝います。


West「反対側にもう一つバックウォーターがあるはずなんですよ。そっち行ってみましょう」

…なぬ、なんだ、まだそんなポイントが残っていたんですか。

―そうしましょうそうしましょう、と全力で同意して長距離移動を開始します。



…みちみち、出っ張った岬や橋脚や立ち木などなど、ダムならではというポイントを撃っていきますが、やはり反応はありません。



―うーん、やっぱり、これだけやってるのにチェイスすらないというのが異常だと思うんですよね。

まったく見当違いのことをやっているとしか思えないんです。


West「そうですね…、水深10mとか20mとかに沈んでるのかなぁ。ダムだとアフターの時期って魚が沈んだりするんでしたっけ?」

―いやー、ちょっとわかんないですけど、そうなのかもしれませんね…。



シャローはもちろん、岩盤沿いとか、5mラインくらいのカケアガリとか、

そういった地形はかなり意識してやってきたつもりです。


あとは、やってないのはWestさんが言うとおりのディープくらいですが、

しかしそんな真冬のような釣りが本当に必要なんでしょうか。




West「あ、そこのワンド、流れ込みがありますよ!アツそうじゃないですか?」

―お、ほんとだ!普通なら絶対ついてそうな感じですよね。



…奥まったシャローのワンドに、適度にカバーがあって、日陰になった先に流れ込みがある。

たしかに普通なら一級ポイントと考えるべき場所です。



ただし、「普通なら」です。




Westさんは撃ちをやるようですから、僕はサスペンドミノーを投げてみます。

極力スローに、ポーズを長めにとるようにして引いてくると…、


…! 魚影?





あ、コイか…。なんだ。びっくりさせやがって。



―ていうか、ここコイ多くないですか。

West「多いですね」


…そう、さきほどから見える魚影はコイばかり。

たまに表層近くを5cmくらいの見たことのない小魚の群れが通り過ぎたりしますが、あれば多分トラウトの稚魚なのでしょう。



West「…ここで何も反応ないとかありえますか」

―やっぱり普通の状況じゃないんでしょうね、今日は。



…どうやら、Westさんの撃ちモノにも何も反応が無かったようです。

すっぱりと見切って、更にボートを先に進めることにします。






West「この先がバックウォーターのはずですけど…」

…がっかりしたようなWestさんの視線の先を見ると、どうやらここも先程と同じで、川筋は浅すぎて入ることができないようです。


West「ていうかめちゃめちゃ減水してますよ、そこの岩盤見てくださいよ」

…たしかに、言われるとおりに岩盤に刻まれた水の跡を確認すると、どうやら満水時から10m近く減水しているようです。


―満水だったら川筋にも入れるんでしょうね。

West「でしょうね…、あ、そこの!?それバスじゃないですか?」


―え?



…いや、あれはコイでしょ。バスじゃないですよ。

West「近くに何匹か固まってますよ!一匹バスじゃないですか?」


―え?


あ!ほんとだ!バスだ、40くらいありますよ!


…今日初めての見えバスに一気にテンションが上がります。






…が、


―ああ、もうこっちに気がついちゃってますね。






さっさと身をひるがえして沖に逃げていくバス。

ダメ元で逃げる先にルアーを投げてみますが、当然喰ってくることはありません。



West「いましたね」

―いましたね。このダムにバスはいないかと思ってました。

West「一匹だけですけど」

―まったくシャローに上がってないというわけじゃないんでしょうね。



ただ、さっきのは釣れないやつだったっぽい気もしますが…。

こっちが気づく前に気づかれちゃってましたしね。




…そこからはひとまず似たような魚がいるんじゃないかと二人で四方八方に巻物を投げまくります。



…が、当然反応はありません。



―最後の生き残りだったんですかね。

West「そうかもしれませんね」



気がつけば日はすっかり昇り、のどはカラカラ、コンビニを逃したことでお腹もペコペコ、

この状態で帰着時間までやり続けるのは厳しすぎます。



―いったん、休憩入れませんか。飲み物補充して、できればお昼もとって。

West「そうですね、いったん仕切り直したほうがいいかも」



カタヤマさんたちに連絡を入れ、ボート屋さんに引き返します。








ご主人「あれ、どうしたの。あがっちゃうの?」

―いや、休憩取ろうと思いまして。

ご主人「どう?釣れた?」

West「いや、それが全然で」

ご主人「あらら。いやーでもこないだ初めて来たって人が50cm釣ったって言ってたけどねぇ」


…なぬ?


ご主人「せっかく千葉から来たんだもん。もっとやっていったほうがいいよ」

West「そのつもりです。ちょっと仕切り直しということで」

ご主人「ていうかそのあたりにブラックいるよ」






―え?


ご主人が指を指す方向を見ると…。




…あ。



たしかに!バスだ!見えバス発見…、






…が、そこにいたのは5cmくらいの豆バスたち。

仲良くトラウトの稚魚に混じって泳いでいます。



―Westさん、そこバスいますよ。ちっちゃいですけど。

West「あ、ほんとだ…。でも大きいのがいないですね」

―たぶん、付き場所が違うんでしょうね…。





うーむ。






…お昼をとるつもりならここがいいよということで、ご主人に教えてもらったうどん屋さんに向かいます。



West「さっきご主人に聞いたんですけど、今年はやっぱり水が少ないらしいです」

West「減水のせいなんでしょうね、この異常さ。普段なら初見で50釣れるくらいのポテンシャルはあるってことなんでしょうから」


―ですね。ただ、たぶんですけどバスの絶対数自体も多くないんだと思いますよ。

West「トラウトがメインだから、ガンガン放流したりして、バスの稚魚とか食べてるのかもしれませんね」

―バスは保護してないでしょうからねー。



…うーむ、と相変わらず二人で悩みながら、ひとまず午後に向けてエネルギーをチャージします。








仕切り直しの午後。


プランは考えたかと聞かれれば、まったく考えていません。

そう広くもないダムですから、午前中にやったことをそっくりやり直してもお釣りがくるくらいの時間はありそうです。


僕もWestさんもディープを取るような釣りを試すつもりはまったくありませんから、やはりダメだと思いつつも、岸際やシャローを重視してやっていきます。


スピナベ、あるいはクランク、あるいはプロップといった巻物、

テキサス、ヘビダン、フットボールにヘビーキャロライナのような撃ち、

ポッパーにペンシルに僕の伝家の宝刀プロップペッパーまで、


表層と言わず中層と言わず、

縦といわず横と言わず、

午前に通ったルートを、考えられる限りあらゆる方法を試してみます。





―あ、午前中には無かったシェードができてる!







…しかしダメ。










―あ、このへん、水に流れが出てきてる!











…しかし、そこもダメ。















―なんなんだここは。




こんな釣り場がこの世にありうるのか。








…ほとほと疲れ果てた僕の目にカタヤマさんたちのボートが接近してくるのが見えます。






…あ、カタヤマさんたちだ。

東葛のシャローマンことカタヤマさんのことですから、きっと、僕らが休憩をとっている間にも休まずひたすらシャローを探してはやり続けていたのでしょう。


―どうです?何かありました?

カタヤマ「なんにもないよ!岸際も立ち木もなんにもなし!」











…ええー…。

あのカタヤマさんが、ここまでやって何もないのか。


きっと、僕らでは考えもつかなかったようなことも思いついていたのでしょう。

僕らでは引き出しのどこを探しても出てこないようなこともやっていたのでしょう。




それでもダメなのか。

こんな場所が世の中にあっていいのだろうか。





この世に地獄という場所があるなら、それはここのことだろうと僕は思ったのでした。










…時間も1時をまわって、たぶん今が一番暑い時間帯でしょう。

おそらく30度近い気温になっているはずです。



汗はダラダラ、モチベーションはとっくの昔に地面の底を突き破ってしまっていて、

果たしてこのままやり続けることに意味はあるのか。

さっさと帰って家で酒でも飲んで寝たほうがよっぽど有意義な時間の使い方なんじゃないのか。









…でも、






―わざわざ群馬までやってきて、まさかデコって帰るわけにいかないですよね。

West「ですね」






その一念。

もはや僕らの体を突き動かすのはその一念しかありません。



どんな形だろうが、とにかく一本とって、そうしなきゃこのままおめおめ帰るわけにはいかないじゃないか。

がんばりましょう、Westさん、もうひとふんばり…、



…あれ?カタヤマさんたち、あがっちゃってる?なんかオカッパリしてますよね?



ボート屋の桟橋に立つカタヤマさんとポンパさん。

何やら道具は船に積みっぱなしのまま、ロッド一本だけでオカッパリをしているようです。




West「オカッパリにしたんですかー?釣れましたー?」

カタヤマ「ォ-! ○△@#□&~~!」




―…なんですって?

West「4匹釣ったって」



―ハァ!?



West「たぶん、あそこに浮いてた豆バス釣ってるんだと思います」



…なんと!

急いで桟橋に近づき話を聞いてみます。








カタヤマ「いやー!やっちゃいましたわ。ついついやっちゃいました。だって全然ダメなんだもん」

―やっぱりダメでしたか。…いやいや、ていうかその豆バス釣れるもんなんですか。どうやったんです?

カタヤマ「いや、スピニングでリアクションですよ。このワームを付けて水面を跳ねさせると喰ってくるんです」


…言いながらキャストするカタヤマさん。




小さなワームをピョンピョンと水面を跳ねさせながら引いてくると…、






「バショッ!!」





!!


ほんとに出た!




カタヤマ「まぁ、ほぼノらないんですけどね。運がいいとノるんです」


…ほえー…。何だこの釣り。今まで見たこと無い。

―ポンパさんも同じように釣ったんですか?


ポンパ「釣れましたよ」


へぇぇ…。



カタヤマ「ビジ夫さんもやってみます?これ貸しますよ」

…言われるがまま、タックルを受け取って水面を跳ねるようにワームを引いてみると…、






「バショッ!!」




!!


出た!なんだこれ面白い!



カタヤマ「困ったときにやってみると釣れたりするんですよ」







…さすがだ。

やはり僕とは釣りの懐の広さが全然違う。





ご主人「あんたたち、もうあがるの?陸からやるなら4時まではやっていいけど」




…Westさん。

二人でコックリとうなずきあって、ひとまずボートの装備を片付けてしまいます。

汗だくになりながらエレキ一式を抱えて坂道を昇り、無事車に積み込んで、さぁ、あと1時間ちょっと。

最後の勝負です。




カタヤマさんのスピニングでワームをキャスト。

水面を跳ねさせるように引いてきます。




「バシュッ!」

「バショッ!」



出た!









…けど、ノらない。

出るんだけど、ノらない。





…まぁ、魚も小さいし、トップウォータープラグのようなトリプルフックが付いているわけでもないんだから、

ノリが悪いのは仕方がない。

ここは辛抱強く続けていくしかありません。





…ボート屋の閉店時刻が刻々と迫っています。













「バシュッ!!」



…ぐあー!今の惜しかった、しかも結構いいサイズ(20cm)じゃなかったか、今の。


いやいや、そんなことを悔やんでいる場合じゃない、たぶん残された時間はあとわずか、

少しでも多くキャストしなければ…!






「バショッ!!」


…出た!








…ノッ…た?








ノッた!ノッてる!




オリャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
























…イヨッシャーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!













カタヤマ「あ、ビジ夫さん釣った!?」


ポンパ「釣れてる!おめでとうございます!」




―やった、やりましたよお二人とも。お陰様で釣れましたよ!

いやー、もうギリギリでした。よかった、本当に。



カタヤマ「ちっちゃくても一匹は一匹ですわ」

―そうですね、ありがとうございました。




カタヤマ「よーし、じゃあこれで全員釣ったし、帰りますか!」

―ですね!もう思い残すことはありません!






…お礼を言って、スピニングタックルをカタヤマさんに返却します。


ご主人「釣れた?よかったね、じゃあ門閉めちゃうから車移動しちゃってー」

―ハーイ!

カタヤマ「じゃあ、お疲れ様でした!俺らこのまま帰っちゃうんで」

―はい、じゃあまた今度!ほんとにありがとうございました!

ポンパ「いや、よかったよかった!お疲れ様でしたー!」

















































West「………」





































―あら、どうしましたWestさん。

早くロッド積んじゃってくださいよ。















West「…はい」


―ラーメンでも食べて帰りましょ。佐野ラーメン、美味しいですよ。









West「……」















2017/6/24(土)

弱風
気温:30度
水温:23度
アタリ:0
バラシ:0
ゲット:0






…まぁ、最後の一本はノーカンでしょうね、普通に考えて。

しかし、本当に厳しかった。



今までもバイトどころかチェイスすらない完全試合だって何度も食らってきたけれど、

今回のはちょっと質が違った気がします。


それこそ、全打席三球三振の81球完全試合でも食らったような気分です。




自分の釣りがここまで通用しないと実感したことは今までに無かったし、

ひょっとしたら、自分でも気が付かないまま、僕はちょっと「イキってた」ところがあったのかもしれません。

そんなプライドもあっさり破壊されて、これからはもっと謙虚にイチから頑張っていこうと思った僕だったのでした。
 






…無事に帰宅して、待ち望んでいたお酒をチビリチビリやっていた僕だったのでしたが、


嫁「…で、どうだったのよ」





―あー、うん…。デコったわ。いやーひどかった。こんな経験、初心者以来したことないかも。

嫁「フーン。なんてとこだったの?」

―〇〇ダムとか言ってたかな。


嫁「はぁ?〇〇ダム?あたし行ったことあるって前に話したじゃん!」


―え?



嫁「んでデコったって」


―はぁ!?いや聞いてないよそんな話!


嫁「絶対言ったわ!あーあ、〇〇ダムのことだって知ってたら、やめた方がいいよ、って言ってたのに」










…。









…どこが誰も知らない未開のパラダイスじゃい!







はぁ、しかし、今日は本当に叩きのめされたなぁ。

ある程度狙った通りにバスが釣れるようになってきたなんて思うこともあったけど、とんだ思い上がりだったわい。



いつかあのダムにリベンジを果たすそのときのため、これからがんばって勉強し直そう。












…いや、やっぱり二度と行くことはないな。


そう思い直して、早々に床に就いた心身ともに疲労困憊の僕だったのでした。

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…なんじゃ、この水の汚さは…。

 

 

 

6月10日

 

花見川の最上流に浮かんでいた僕は、周辺を見渡しながら途方に暮れていたのでした。

 

夜明けとともに入水した上流の水から、何やら怪しげな異臭が漂ってくることに、僕は早々に気がついていました。

 

しかし、それを「どっかに死んだヘラでも浮いてるんだろう」と心の中で片付けて、

 

僕は眠い目をこすりながら、それでもがんばって早起きができたことに満足しつつ、

 

岸際に向けてトップウォータールアーを投げ続けていたわけだったのでした。

 

 

 

…しかし、日が完全に昇り、どれ水温でも測ってみようかと水中を凝視した結果がこの有様です

 

 

―これは、まさか、アオコじゃないのか。

 

 

 

…今はたしか6月の上旬です。

 

僕が知る限り印旛水系でもっとも水質に優れた花見川の最上流。

 

それがこの時期にアオコが浮いているなんてことがありえるのでしょうか。あっていいのでしょうか。

 

 

手元のリールを見ると、本来半透明なはずのフロロカーボン素材のラインは、既に半褐色に染まっています。

 

 

…僕、さっきエントリーした直後の手が濡れた状態でペットボトルのお茶を開けなかったか。

 

 

 

若干潔癖気質の僕は一瞬意識が遠のきますが、がんばって現世に踏みとどまると、この惨状を理解するために頭を働かせます。

 

…なぜ、こんなことになっているのか?

 

 

つい先日梅雨入りが発表されたばかりとはいえ、それまでも細かい雨はチョコチョコと降っていたはずだし、

 

何より2週間ほど前にここを訪れたときにはこんな状態ではなかった。

 

 

…何か、最近で大きな気温の変化でもあったっけ?

 

 

色々と考えてはみますが、昨年までと大きく異なるような要因は何も思いつかないのでした。

 

 

―花見川の上流がこの有様ということは、中流や下流はどうなっているんだろう。

 

もっとひどいことになっているのか、あるいは案外下流にくだるほど水質というものは安定しているかもしれない。

 

 

…しかし今更再上陸して、どれ様子でも見に行ってみるか、なんてことにはなりません。

 

朝マズメの今、エントリーしたばかりの上流を見切ってしまうには早すぎると僕は判断したのでした。

 

…というか、それほど気合を入れていたわけではない単独釣行、要するに単に移動が面倒くさかった僕です。

 

 

ひとまず、投げ続けていたプロップペッパーをそのまま岸際に投げてみます。

 

チェイスは…、ない。

 

 

うーむ、と僕は腕を組みます。

 

…こりゃ、水面を追っかけてきて喰うような状況じゃなさそうだ。

 

トップを投げるにしても、何かもっとこうネチネチとした…、

 

 

…考えながら投げたルアーが、岸際の草に引っかかります。

 

 

 

―むむ、いいところに入るかと思ったのに、邪魔な草が…、

 

 

ちょいちょいとゆすってやると、ポチャンと着水するプロップペッパー。

 

どうやら葉っぱにフックが掛かっていただけらしい。茎の部分でなくてよかった…、

 

 

と、回収しようとリールを巻こうとした瞬間、水中から何かの影が接近してプロップペッパーに体当たりします!

 

 

―え?

 

 

 

 

と思ったときには既にロッドに重みが乗っています。

 

 

あわててアワセを入れて寄せてくると…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―…バスだ。釣れた。

 

 

どうやら、草をゆらして着水した光景が、バスからは虫やカエルが水中に飛び込んだように見えたのでしょうか。

 

もちろん、狙って釣れた魚ではありませんが、とにもかくにもこの水の状況で早々に一本釣れた僕は安堵します。

 

 

…どうやら魚自体はいるらしい。

 

いるけれども、食わせるにはそれなりのコツがいる日ということらしい。

 

 

水面にポチャンと落として定点をネチネチできるルアーと言えば…

 

 

…ポッパーかな。

 

そう考えた僕はプロップペッパーからポッパーに変更します。

 

 

岸際にキャストしてしばし間を置き、ゆっくり、ゆったりとアクションを入れてみます。

 

 

「ポコン………、ペコン………」

 

「ポコン………、パコン………」

 

 

 

…しかしバスが様子を見に来る気配すらありません。

 

 

 

―違うのか、ネチッとした食わせが正解なのかと思ったけれど、違うのか。

 

 

それでも、しばらくは同じ攻めを継続していきます。

 

 

「ポコン………、ペコン………」

 

「ポコン………、パコン………」

 

 

 

…反応、なし。

 

ここまでやって反応がないならやはり正解ではないらしい。

 

だとするとどうしようか、いっそフロッグでも使ってみようか、

 

あるいは、ペンシルとか?

 

 

…いや、そもそもネチッとした攻め自体がだめなのかもしれない。

 

食い気が低いなら、逆にリアクションを狙ってみてはどうだろうか。

 

 

 

思い立って、僕は連続トゥイッチのドッグウォークを入れてみます。

 

まるでジャーキングでもしているように、できるだけ早く、できるだけ細かく、連続でルアーを動かし続けると、

 

 

 

 

 

「ジャボッ」

 

 

 

 

!?

 

出た!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ドッグウォークに変えてみたらあっさり出た。小さいけど。

 

 

しかし今の一本はたまたまかもしれません。

 

継続してポッパーのドッグウォークを試してみます。

 

 

…ジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッ

 

ジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッ

 

 

 

 

 

「ジャボッ!」

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また出た!!

 

 

 

…今度は40アップとまではいかないけど、まあまあのサイズが釣れた。

 

ということはコバスならではのパターンというわけでもなさそうだ

 

 

…リアクションか。

 

 

ならば、と僕は再びルアーを変更します。

 

手にしたのはフローティングのジャークベイト。

 

 

さっきの魚がポッパーの連続ドッグウォークを喰ってきたなら、こいつのジャーキングにも必ず反応したはず!

 

今日の正解パターンを確信した僕は、テンション高く岸際に向けてジャークベイトをキャストします。

 

 

 

…ジャッ!ジャジャジャッ!ジャジャジャッ!ジャジャジャッ!

 

ジャジャジャッ!ジャジャジャッ!ジャジャジャッ!

 

 

 

 

…。

 

 

あれ、反応がない。

 

おかしい、さっきのが正解パターンだとすると、トップよりもむしろ表層直下のこのルアーの方が釣れやすいと思うんだけど。

 

 

あれだけ短時間に連続して釣り上げることができたんだから、このルアーにも早々に反応があっていいはず…。

 

 

…下流に下るにつれて水はどんどん汚さを増し、水面には何やら変な油のようなものが目立ち始めます。

 

 

 

―引き返すべきだろうか。

 

 

いや、いったん支流との合流地点まで下って、その周辺の状況を見てからさらに下るか引き返すかを判断しよう。

 

そう決めて、相変わらずジャーキングを繰り返しながらどんどん下っていきます

 

 

…もう、ここまで来ると水が濁りすぎて水中の状況が全然わからない。

 

喰ってくるその瞬間まで、魚の動きが把握できません。

 

 

―支流の水が綺麗なら、合流地点からは水質が回復している可能性がある。

 

 

 

それに望みをかけて、下るペースを早めていきます。

 

もはやルアーをキャストすることもそこそこに、支流との合流地点まで一刻も早く到達するべく足こぎに全力を注ぎます。

 

 

…そういえば、フローターで一日浮き続けるとすると消費するカロリーは果たしてどのくらいなんだろうか、

 

なんて釣りとは全く無関係の疑問が頭に浮かんだ頃、僕はいよいよ支流との合流地点付近に差し掛かりました。

 

 

 

 

―さぁ、水の状態はどうだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

…。

 

大差ない…。

 

 

 

と言うかむしろ支流の方から大きめのゴミが流れてきて、それが岸際に溜まっているものだからジャークベイトが投げづらくてしょうがない。

 

 

…支流ですら、こうなのか。

 

一体全体、なんなのでしょう、今日は。

 

 

去年の今頃も僕はこうして花見川に浮いていましたが、これだけ水が汚かったことは一度も記憶にない。

 

 

 

 

 

…引き返すか。

 

釈然としないまま、フローターの向きを反対側に変えます。

 

そして釈然としないといえば、このジャークベイト。

 

2本目と3本目の反応を見る限り、あれはジャークベイトで喰ってきてもおかしくない魚だったはず。

 

 

そう思ったけれど、水面直下だとダメで、水面上だからこそ釣れた魚だったということなんだろうか。

 

 

…その仮説を確かめてみるために、再度ポッパーに戻します。

 

釣れたときと同じように岸際から距離をとり、同じようにキャストしてからの連続ドッグウォーク。

 

 

 

ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!

 

ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!

 

 

 

 

 

 

 

…反応がない。

 

アレッ?

 

 

 

おかしい、あれだけ短い時間の中で連発したんだからこれが正解ならそんなことは…、

 

 

 

 

 

ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

…やっぱり反応がない。

 

アレッ?

 

 

パターンが終わってた?ただの時合い?

 

偶然?たまたま魚が溜まってたところを直撃できただけ?

 

 

 

…わからん。

 

ただでさえ普通じゃない状況、こんな時にバスの考えることなんてわからんわい。

 

 

 

…ふと気がつくとペットボトルのお茶がカラになっています。

 

ここまで無心でルアーをキャストし続けて気が付きませんでしたが、どうやら急激に気温が上がってきているらしい。

 

 

―…この気温のせいもあるのかなぁ。

 

つぶやきながら、それでも未練がましくポッパーを投げ続けますが、やはり反応は皆無です。

 

 

…やっぱり、朝マズメが絡んで一瞬の時合が発生しただけだったんだろうか。

 

一時間エントリーが遅かったら、デコってたかもしれない。

 

そんなことを考えながら進んでいくといつの間にかエントリーポイント近く。

 

もう一度下る気力はなく、時計を見ると8時過ぎ、この日は納竿としたのでした。

 

 

 

 

2017/6/10(土)

弱風
気温:17→26度
水温:21度
アタリ:3
バラシ:0
ゲット:3

 

 

―しかし、今日は紙一重だった。

 

3本釣れたことは釣れたけど、まかり間違えばデコっていても全くおかしくない日だった。

 

 

水がなぜここまで悪くなっていたのか、それは結局わからずじまいだったわけですが、

 

苦しんだ中でも、しかしそれなりに収穫があったのでした。

 

 

それは、たった一つのルアーであっても使い方次第で全くバスの反応が変わるということ。

 

ポッパーには「定点を攻められる」という長所があるわけで、どうしてもそれにこだわった使い方をしてしまいがちなわけですが、

 

大胆に視点を変えて使ってみれば、新しい発見があることもある、

 

そんなことを知った一日だったのでした。

 

 

 

 

…関東はすでに梅雨入り宣言が出されたわけですが、なにやら中途半端なパラパラとした雨ばかりで、

 

ドカンと一発豪快に雨でも降れば、いよいよ2017年のバス釣りも最盛期に突入するのかなと、

 

そんなことを考えている今日この頃だったのでした。

 

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前回、なんだか微妙な空気になりながらもひとまず2017年初バスをゲットした僕だったのでしたが、では次に考えなければならないことは何かというと、

それはいつ2017年初フローターを繰り出すべきか、ということだったのでした。


ビジ夫です。こんばんは。



2017年の春。

色々な人たちから、「今年は春が遅い」という話を聞きます。

それは気温のせいなのか、雨風の影響なのか、未だ1匹しか釣り上げていない僕にはわかりようもありませんが、

春が遅い = 水温が低い = フローターが出せない

という安直な三段論法によって、まぁ、今年は5月の中旬くらいかなと、僕は勝手に見積もっていたのでした。



そもそも、フローターは水温が何度くらいあれば問題ないのでしょうか。

…この疑問には前提があって、「ナイロンウェーダーの場合」という条件が付いてきます。

僕のようなミーハーではない、ガチンコのフローター乗りの方々は当然のようにネオプレーン製のウェーダーを所持しているものなのでして、

これであれば、「真冬でも楽勝」と豪語する強者どももいるわけなのですが、

…いやどう考えてもナイロンだろうがネオプレーンだろうがどうすることもできない一線があるだろうとも思うのですが、

いずれにしても、ナイロンウェーダーしか持っていない僕としては、早く水温が上がらないかなぁと、その日を待ち望んでいたというわけだったのでした。


僕の経験則から言うと、フローターを出せる水温はなんとなく「20度あればいける」あるいは「15度を切るときつい」という感覚はあるものの、

じゃあその間の17度とか18度だとどうなのか?と言われれば非常に悩ましいことになってしまいますし、

そして、今まさにこの時期の水温がそのくらいなのだろうとも考えていたのでした。





5月4日

僕はこの日、釣り友達のオカピさんと釣行の約束をしていました。

このオカピさん、以前に主催していた印旛水系大会を通して知り合った方で、基本的な釣行スタイルがフローターメインという、僕の貴重なフローター仲間でもあります。

そして得意な釣りはジャーキングということで、僕はジャーキングの釣りを覚え始めた頃、このオカピさんからジャーキングを解説したDVDをお借りしたこともあったのでした。

そしてその時に、「ジャーキングを覚えるなら専用ロッドを使ったほうが絶対に良い」と口角泡を飛ばす勢いで熱弁され、

「なんなら使っていないロッドがあるからそれを持っていってくれ」と目を血走らせながらロッドを差し出され、図々しいことにお言葉に甘えてロッドまでお借りしていたのでした。


正直なところ、釣行は常にロッド2~3本で色々な釣りに使いまわすことを基本としていた僕にとって、

自分の釣りの比率としてそこまで高くはないジャーキング用に専用ロッドを用意する必然性というものがあまり感じられなかったのですが、

オカピさんがそこまで言うなら相応の理由があるのだろうと、「じゃあ、自分で専用ロッドを買うときまでお借りします」ということになったのでした。


ちなみにそのロッドがこちらになります。








スミスというロッドメーカーの、30年くらい前のロッドなんだそうです。

長さは5フィート6インチでテーパーはファースト、Mクラスのロッドということですが、対応ラインの幅が8ポンドから20ポンドと、日本製のロッドでは考えられない表記がされています。








グリップはシングルで、ガングリップが装着されています。

「このガングリップがジャークに最適なんですよ!」とオカピさんは僕ではないどこか遠くを見た目で語っていましたが、

正直なところ、なぜガングリップだとジャークがし易いのかというのも僕には理解ができていません。


これに20ポンドのナイロンラインを巻いたベイトリールを取り付ければ、ジャーキングタックルの完成ということになるのだそうです。






…そして、お借りしてから約一年、このタックルを使ってバスも何本か釣ることができましたが、

ここ最近になってようやく、このタックルの利点というものがわかってきたのでした。


それはミーハーの僕が解説することはあまりにもおこがましい内容なので、またどこかで機会があれば書きたいなとも思いますが、

しかしこれほどジャーキングがやりやすくなるのであれば、これは専用のロッドを購入する価値はある、と僕は判断したのでした。





そうして今年に入り購入したのがこちらのロッドです。







何が何なのかさっぱりわかりませんね。

シマノのゾディアス1510M-2という、5フィート10インチのロッドになります。


長さ自体はオカピさんからお借りしているロッドよりも長いのですが、こちらはグリップがダブルになっているため、ブランクスの長さはほぼ同じです。

これでようやく長々とお借りしていたロッドを返せるわいと、僕はおニューロッドが自宅に届くや否やさっそく近所の川でジャーキングを試してみたのですが、




…あれ?

…おや?





…なんだかわかりませんが、異様な違和感があります。

今までと同じようにジャークしているはずなのに、同じように動かせている気がしない。


これはどうやらブランクスの弾性の違いであったり、あるいはダブルグリップになったことによるバランスの違いが原因のようですが、

オカピさんロッドに慣れきってしまっていた僕は今更新しいロッドでイチから感覚を掴み直すのも面倒くさいということで、

「これ売ってください」と、お借りしていたロッドを無理やりお願いしてそのまま買い取ってしまったのでした。



せっかく買ったショートロッドは、この際フローター用のロッドということにしてしまいましょう。

…オカッパリ用の長いロッドはフローターだと取り回しが悪かったから、むしろちょうどよかったわい。


ということにして、そんなこんなでGWに突入した僕はオカピさんと「4日はどこへ行きましょうか」と相談をしていたのでした。




オカピ「近場で浮いて、午前で撤収くらいだと調整しやすいですね」




…さすがオカピさん、僕はまだオカッパリともフローターとも何も言っていないのに既にフローターが前提になっている。

―ぼちぼち、支流にも魚が入ってくるんじゃないですかね。桑納とか、神崎とか…。

オカピ「神崎はエントリーポイント限られますよね。桑納ってどんな感じですか?」

―お、桑納にしますか?あそこも割りとエントリーしやすい方だと思いますよ。

橋のたもとからエントリーすることになると思います。

オカピ「桑納にしましょうか。では当日はよろしくお願いします!」




こうして、5/4は桑納川で2017年の初浮きということになったのでした。







当日。

ありがたくも4時半に迎えに来てくれたオカピさんの車に乗り込み、桑納川に向かいます。


オカピ「桑納ってオカッパリとバッティングするイメージですけど問題ないですか?」

―ああ、新川の合流付近のことですよね。そこではなくて、上流側に進んでいこうかと。

オカピ「滝みたいになってる方ですか」

―そうそう。その途中はオカッパリが難しい場所がいくつかあるので、そういったところをやればいいんじゃないかと思ってます。

オカピ「なるほど、そうなんですね」



…やはり、オカピさんは生粋の浮き輪乗りだけあってオカッパリとのバッティングが気になるらしい。

たしかに、川幅も狭いし、あまりにもオカッパリが多いようならそもそも釣りにならないかもしれない。




…そして、僕にはもう一点、気がかりがあったのでした。


―実は今年は結構春が遅いんじゃないかって情報がありまして。ひょっとしたら支流の上流にはまだ魚が入ってないかもしれません。

下流の方なら入ってると思うんですが…。


オカピ「なるほど。まぁ、とりあえずやってみましょう」

―そうですね、まったくいないってことはないと思うんで。



そう、どれだけ春が遅いとはいえ、5月にもなったこの時期にまったく魚が入っていないとは思えない。

そう考えながら、オカピさんの車を桑納川下流の駐車スペースに誘導すると、さっそくエントリーポイントの下見をするべく車を降りたのでした。



…むう、オカッパリの方が2名ほど…。

まぁ、あの位置なら、すいません、って声をかけてススッと通らせてもらえば大丈夫かな。

エントリーポイントも問題なさそうだし…。


オカピ「この辺ってこんな水汚かったでしたっけ…」

…おや、何を今更…、ってオカピさんは印旛水系はあんまりやらないんだったかな?


―こんなもんですよ。むしろ、夏になったらこんなもんじゃなくなりますよ。

オカピ「ああ、そうですよね。新川ですもんね」



そうか、オカピさんは割りと水の汚さを気にする系の方だったのか。

だったら花見川の方がまだよかったかもしれない…。


オカピ「先に入っちゃってください。追いかけますんで」

―そうですか?じゃあお言葉に甘えてお先に入っちゃいます。


勧められるがまま、ちゃちゃっと準備を済ませてエントリーポイントから入水します。





―…冷たい。

我慢できないほど冷たいというわけではないけれど、決して快適な水温ではない。



…え、この時期でまだこんなに水温が低いのか?

水温計を置いてきてしまって確かなことはわからないけれど、これは15度くらいしかないんじゃないだろうか。



…なんだか悪い予感がします。



最初はトップからと考えて手に取っていたタックルをホルダーに戻し、撃ちモノ用に持ってきたタックルを取り出します。

釣行の一番初めから撃ちモノを使うというのは、最近の僕にはあまりないことです。

休日バサーなりにではありますが、ぼちぼちと印旛水系に通っていた僕の嗅覚が敏感に危険な香りを察知したのでした。



…後を追ってエントリーしたオカピさんは、さっそく得意なジャーキングから入ったようです。

正直なところ、それでいきなり釣ってもらいたい。

そうしたら、僕も余計なことは考えずにもう一度トップ用のタックルに戻せるというものを。



…しかし、オカピさんには今のところ何の反応もないようです。



―オカピさん、すいませんが僕はいきなり撃ちをやらせてもらいますわ。


…何がすいませんなのかよくわかりませんが、一応断っておきます。


オカピ「全然大丈夫です。むしろさっさと釣っちゃってください。こっちも強気になれるので」


…オカピさんも似たようなことを考えていたようです。

お互いがお互いを早く釣れ、早く釣れ、と念じながら、ゆっくりと2艘のフローターは桑納川を遡っていきます。

僕は岸際を30cm刻みで、なるべく着水音を立てないように、静かにテキサスリグを放り込んでいきます。

着底したらしばし放置。

ワンアクション入れて、回収。






…しかし反応が全くない。







朝一番からこれだけ弱気に丁寧にやっているのに、ここまで反応がないというのはさすがにおかしいんじゃないか。

なんといっても、バスどころかギルの反応すら無い。

魚影も全く見ないし、そもそも川面から生命反応のようなものが感じられない。



僕の心の中の釣りセンサーは、ピコンピコンと注意報を鳴らしています。




…なんかおかしい。

これは、やっぱり水温が低すぎるんじゃなかろうか…。




―オカピさん、オカピさんはどんな感じ…、


と、振り向いて話しかけようとすると、何やら竿も振らずに道端のおじいさんと話し込んでいるオカピさん。


―どうしました?何を話してたんですか?

オカピ「今の方ヘラ師っぽいんですけど、今年はヘラも全然だそうです」














…僕の釣りセンサーが盛大に警報を鳴らしだしました。



今、何時だろう。6時過ぎか…。

普通なら朝マズメの真っ最中、仮に移動するにしても、この時間帯をやり通してからのほうがいいか…。

いや、一刻も早く移動して、少しでも移動先の方の確率を上げたほうがいいかもしれない。


うーむ…。





―オカピさん、移動しましょう。

オカピ「そうですね、移動しますか」

―水温低すぎる気がしますよ。まだ本流から魚が入ってないんじゃないでしょうか。

オカピ「水冷たいですよね!僕も思いました」

―僕から桑納って言っておいて申し訳ないですが、花見川行きましょう。あそこならもう少し状況良いと思います。

オカピ「了解です。よろしくお願いします」



さぁ、そうと決まればグズグズしている時間はありません。

えっほ、えっほとエントリー地点まで引き返して速やかに撤収準備に入ります。

オカッパリならちゃちゃっと車に戻ってそのままブーンと発進できるところですが、フローターはそうもいきません。

ウェーダーを脱いで、フローターの空気を抜いて、なんやかんやで車を発進できたのは6時半。


…花見川に着くのは7時位か。せっかく早起きしたのに、やっちまったなぁ…。

思いっきり出鼻をくじかれて、先行き不安な心境のまま、オカピさんに花見川へのルートをナビする僕だったのでした。









…さぁ、そして花見川に到着です。

急いで岸に降りてエントリーができることを確認すると、大急ぎでウェーダーを履いてフローターに空気を入れてライフジャケットを装着して、

本日二度目のエントリーです。



…温かい。

水温が全然違うじゃないか!これは20度くらいあるぞ、たぶん。



桑納も花見も同じ印旛水系なのに、場所が変わればここまで水温も違うのか…。

あるいは、本流と支流という違いもあるかもしれないけれど、こういう基本的なことをもう少し事前に調べておくべきだった。


オカピさんも花見川に浮くのは初めてのようですが、「なんだかここなら釣れそうな気がする」と、やはり先程の桑納との状況の違いを肌で感じ取っているようです。



…とはいえ、ひとまずは撃ちモノを継続して反応をみてみよう。

岸際は竹やらゴミやらでごちゃついているようですから、テキサスよりも貫通力に優れているという直リグに変更します。


まずはクローワームをセットして、岸際ギリギリに投げ込んでみます。



…ゆっくりゴミの間を抜けていったラインの沈み方に、なんだか少し違和感を覚えます。




…あれ、これ、喰ってるんじゃない?

別に勘違いでもいいやと、ラインスラックを巻き取って、








…思いっきりフッキング!













…ゴン!!




―やっぱり喰ってた!!



巻かれないようにゴミの間を引きずり出して…、















ゲット!!





―いやー、釣れた!釣れましたよオカピさん!!

やっぱり移動して正解でしたね。

オカピ「さっきと全然違いますね!テキサスですか?」

―いや、直リグですね。しかしこんなあっさり喰うとは…。



…こりゃ、ひょっとして、久しぶりの爆釣パターンか!?

急に気を大きくした僕はさっきまでの悲壮感もどこへやら、楽勝ムードに包まれたような錯覚を覚えます。


―…巻物に変更してみようか?


…いやいや、とりあえず同じやり方であと一匹釣ってみようか。

それがアッサリ釣れるようなら、後はイケイケで好きなようにやってみよう!




そこからしばらく、下流側に進みながら岸際を撃ち続けます。

…とはいえ、キワのキワは竹が折り重っていたり、草が覆いかぶさっていたりしてなかなか思うように攻められません。

その竹の隙間、草の薄いところを狙って直リグを落とし込んでいきます。


…。








あれ、反応が全くない。


さっきあんなにあっさり釣れたのに、岸際で釣れたのはたまたまだったのか?

振り返ってオカピさんを見ると得意のジャーキングを繰り出しているようですが、

しかしそのジャークベイトにも何の反応もないらしい。


…このあたりの水深はたぶん2mくらい。

てことはジャークベイトなら充分に水底から魚を引っ張れる水深です。


…岸から離れているというわけでもないらしい。

やっぱりキワなのか、竹やらゴミやらでキワのキワを攻めきれてないだけなのか…。




気がつけば一番実績の高いエリアまで釣り下ってきていました。

エントリーポイントから行ける範囲では、この周辺が一番魚が溜まっているはずです。


―オカピさん、たぶんこの一帯が一番釣れると思うので、ちょっと丁寧にやってもらっていいですか。


…まだ釣り上げていないオカピさんに先を譲ります。

振り返り、あらためて自分が撃ってきた岸を見ても、岸際がストラクチャに覆われていないところを見つける方が難しいくらいで、

魚はひょっとしてあの下に潜んでいるのではないだろうか。


…そう考えた僕は、姿勢が低いフローターの利を活かして、岸際に覆いかぶさる竹の奥に無理やり体を突っ込んでみます。

その奥の奥、竹が一番折り重なったところへ直リグをぽちゃんと投入。


すると着水した瞬間、





…スゥッ







―ラインが動いた!


即座に竹に絡まないように気をつけながらフッキング!











ゴッ!



…乗った!







しかし問題はこの入り組んだ竹の間からどうやって引っ張り出すか…、

ラインはたしか12ポンドだったような気がする。

力任せに引き出すのはラインブレイクが心配だし、なにより魚が可哀想…、




…う、重い?






あれ?コイツそこそこいい魚なんじゃないか?


え、あれ?結構引く!

40アップは間違いない!!


なんでこんなときに限っていい魚なんだ!!(?)




…やっぱりここは無理せず慎重に、ゆっくりじっくりやったほうがいい。


ええと、まずこの隙間にラインを通してこっちに引っ張って…、

いや、そっちじゃない、こっちか、

んで、ここをくぐらせてこうしてああして…。


…なんだか魚釣りじゃなくて知恵の輪でもやっている心境になってきていますが、

それでも少しずつ魚は寄ってきています。


…そんでもってこっちでこうして引っ張れば…!






ザバァッ!!




…浮いた!!



すかさずランディングネットで…!

















ゲット!!


…つーか掛かり浅っ!

あぶない、これ無理に抜いてたら絶対バレてたな。

慎重にやって正解だった、あぶないあぶない。





…あ、オカピさん。

オカピ「おめでとうです。また直リグですか?」

―です。もう、奥の奥でしたね。ほら、そこのあたりですよ。

オカピ「それ、ストレートワームですか?あんまりバルキーなワームは使わない感じですか?」

―や、状況次第ですよね。ここらへんはごちゃごちゃしてたんでスリ抜け重視でストレートワームにしてみました。

オカピ「なるほど、そうか直リグか…」


なにやら妙に納得した様子のオカピさんが自分の釣りを再開するために離れていくのを見送ると、あらためて釣り上げたバスをしげしげと眺めてみます。



…しかし、最初の一本からどうなることかと思っていたけど、追加できて本当によかった。

やっぱり、岸に覆いかぶさっているカバーの中に潜んでいるということか。

どうにかその中に放り込めれば、今みたいにわりと簡単に喰ってくるのかもしれない。




…ありがとうー、とお礼を言ってバスをリリースします。

…ひとまず、僕はこの一本で大満足。

あとはオカピさんが釣ってくれれば最高なんだけど…。





…バシャァ!!


…え?



あ!オカピさんが魚を掛けてる!?

おお…、おおお?結構竿がしなって…、

あれ?それ結構いい魚じゃないですか?

がんばれ!慎重に…、



あ、その体勢はハンドランディング狙ってますか?

さすが、僕みたいにすぐネットに頼りきるヘタレフローター乗りとは違うということですね!


今だ!そこですよ!






おおおおおーーーー!
















―すごい、いい魚じゃないですかオカピさん!


オカピ「僕も直リグです。教えてもらいましたからね」

―なるほど、いやいやリグというより実力ですよ。

しかし良かった、これで心残りなく上がれますね!

オカピ「そうですね、いい場所教えてもらってありがとうございます」

―いやいや、そんなこと…、あ、時間も11時ですし、今から引き返せばちょうどお昼くらいに上がれそうですね。引き返しますか。

オカピ「わかりました。引き返しますか」



意気揚々とエントリーポイントに向けて流していく僕とオカピさん。

いい魚を釣り上げたという満足感から、可能性の低そうなトップやら巻物やらも投げてみる心の余裕もできています。

もちろん、投げれども投げれども何の反応もないわけですが、なんなら鼻歌でも口ずさんでしまうくらい、僕の心はおおらかになっています。



さて、そんな感じでエントリーポイント近くまで引き返しますが、何やら岸際に人影が見えます。



…あ、エントリーポイントにオカッパリの人がいる。

どうしようかな、声をかけてあがらせてもらってもいいけれど、別にそんなに急いで上がらないといけないわけでもないし…。


―オカピさん、エントリーポイントの反対側に結構有望なポイントがあるんですよ。最後にそこやってみますか。

オカピ「了解です」

―流れ込みがあってその周辺と、流れが当たる対岸周りに魚が付きやすいんですよね。

流れ込み周りはお譲りしますよ。僕は対岸側やってみます。



…恩着せがましく言って、僕はジャーキング用のタックルを取り出します。

このエリアは先程までのように岸際のカバーも濃くなく、奥にべったりというよりは広いオープンエリアのどこに潜んでいてもおかしくない気がする。

ジャークベイトで広く探って寄せて釣るほうがいいかもしれないと判断したのでした。



…ジャッジャッジャ!ジャッジャッジャ!!


オカピ「…あら、ビジ夫さん結構サマになってるじゃないですか。ジャークベイターっぽいですよ」

―ふっふっふ、お借りしたDVDも観ましたしね!

オカピ「なるほど、良かったです」

―ログは最初の一本釣るまでが遠いんですよね!



…なんて通ぶりながらジャーキングを繰り返していると、





…ヒュッ



…え?



何かがルアーに向けて走ったと思った瞬間、










ガツッ!!











あ、喰った!?



―喰った、オカピさん!!

あわせ…











…フルン!











―ああああああーーーーーー!バレたーーーーーーーーーー!!!

















…ガクッ



オカピ「…今の、横から喰ってきました?」

―横からでしたね。すっ飛んでくるところ見えましたよ。

あんまり大きくは無かったですけど…



…はぁぁぁぁー、今の、釣りたかった。

横からアタックしてきた分、変なところに掛けちゃったのか。

一瞬だけど重み乗ったしなー。

残念無念。



…しかし個人的にログで釣れるときというのは、いきなり底の方からヌッとバスが沸いてきて食いあげるようなパターンが多かったものだから、横からすっ飛んできてかっさらう今のような食い方は珍しい。

直リグで2本釣って、最後にバシッとハードルアーで締めたかったところでしたが、しょうがない。

こういう方が僕らしいと妙に納得して、この日は納竿としたのでした
 



2017/5/4(木)

弱風
気温:?度
水温:?度
アタリ:3
バラシ:1
ゲット:2




出だしはどうなることかと思いましたが、最後には二人とも釣ることができてよかったよかった。

僕としても、バラした一本は残念でしたが半日で3本も魚を掛けられたなら充分です。


最近はめっきり渋くなったと聞く印旛水系ですが、実際出かけてみればこうやって楽しませてくれるのですから、

こういうフィールドが近所にあることに感謝して、今年はもう少し時間を見つけて通ってみようかなと、

そんなふうに感じた、GWど真ん中の、本流に浮く分には問題ないけれど支流に浮くにはまだ早い、とある日のお話だったのでした。
 
 
 
 

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