前回、なんだか微妙な空気になりながらもひとまず2017年初バスをゲットした僕だったのでしたが、では次に考えなければならないことは何かというと、
それはいつ2017年初フローターを繰り出すべきか、ということだったのでした。
ビジ夫です。こんばんは。
2017年の春。
色々な人たちから、「今年は春が遅い」という話を聞きます。
それは気温のせいなのか、雨風の影響なのか、未だ1匹しか釣り上げていない僕にはわかりようもありませんが、
春が遅い = 水温が低い = フローターが出せない
という安直な三段論法によって、まぁ、今年は5月の中旬くらいかなと、僕は勝手に見積もっていたのでした。
そもそも、フローターは水温が何度くらいあれば問題ないのでしょうか。
…この疑問には前提があって、「ナイロンウェーダーの場合」という条件が付いてきます。
僕のようなミーハーではない、ガチンコのフローター乗りの方々は当然のようにネオプレーン製のウェーダーを所持しているものなのでして、
これであれば、「真冬でも楽勝」と豪語する強者どももいるわけなのですが、
…いやどう考えてもナイロンだろうがネオプレーンだろうがどうすることもできない一線があるだろうとも思うのですが、
いずれにしても、ナイロンウェーダーしか持っていない僕としては、早く水温が上がらないかなぁと、その日を待ち望んでいたというわけだったのでした。
僕の経験則から言うと、フローターを出せる水温はなんとなく「20度あればいける」あるいは「15度を切るときつい」という感覚はあるものの、
じゃあその間の17度とか18度だとどうなのか?と言われれば非常に悩ましいことになってしまいますし、
そして、今まさにこの時期の水温がそのくらいなのだろうとも考えていたのでした。
5月4日
僕はこの日、釣り友達のオカピさんと釣行の約束をしていました。
このオカピさん、以前に主催していた印旛水系大会を通して知り合った方で、基本的な釣行スタイルがフローターメインという、僕の貴重なフローター仲間でもあります。
そして得意な釣りはジャーキングということで、僕はジャーキングの釣りを覚え始めた頃、このオカピさんからジャーキングを解説したDVDをお借りしたこともあったのでした。
そしてその時に、「ジャーキングを覚えるなら専用ロッドを使ったほうが絶対に良い」と口角泡を飛ばす勢いで熱弁され、
「なんなら使っていないロッドがあるからそれを持っていってくれ」と目を血走らせながらロッドを差し出され、図々しいことにお言葉に甘えてロッドまでお借りしていたのでした。
正直なところ、釣行は常にロッド2~3本で色々な釣りに使いまわすことを基本としていた僕にとって、
自分の釣りの比率としてそこまで高くはないジャーキング用に専用ロッドを用意する必然性というものがあまり感じられなかったのですが、
オカピさんがそこまで言うなら相応の理由があるのだろうと、「じゃあ、自分で専用ロッドを買うときまでお借りします」ということになったのでした。
ちなみにそのロッドがこちらになります。

スミスというロッドメーカーの、30年くらい前のロッドなんだそうです。
長さは5フィート6インチでテーパーはファースト、Mクラスのロッドということですが、対応ラインの幅が8ポンドから20ポンドと、日本製のロッドでは考えられない表記がされています。

グリップはシングルで、ガングリップが装着されています。
「このガングリップがジャークに最適なんですよ!」とオカピさんは僕ではないどこか遠くを見た目で語っていましたが、
正直なところ、なぜガングリップだとジャークがし易いのかというのも僕には理解ができていません。
これに20ポンドのナイロンラインを巻いたベイトリールを取り付ければ、ジャーキングタックルの完成ということになるのだそうです。
…そして、お借りしてから約一年、このタックルを使ってバスも何本か釣ることができましたが、
ここ最近になってようやく、このタックルの利点というものがわかってきたのでした。
それはミーハーの僕が解説することはあまりにもおこがましい内容なので、またどこかで機会があれば書きたいなとも思いますが、
しかしこれほどジャーキングがやりやすくなるのであれば、これは専用のロッドを購入する価値はある、と僕は判断したのでした。
そうして今年に入り購入したのがこちらのロッドです。

何が何なのかさっぱりわかりませんね。
シマノのゾディアス1510M-2という、5フィート10インチのロッドになります。
長さ自体はオカピさんからお借りしているロッドよりも長いのですが、こちらはグリップがダブルになっているため、ブランクスの長さはほぼ同じです。
これでようやく長々とお借りしていたロッドを返せるわいと、僕はおニューロッドが自宅に届くや否やさっそく近所の川でジャーキングを試してみたのですが、
…あれ?
…おや?
…なんだかわかりませんが、異様な違和感があります。
今までと同じようにジャークしているはずなのに、同じように動かせている気がしない。
これはどうやらブランクスの弾性の違いであったり、あるいはダブルグリップになったことによるバランスの違いが原因のようですが、
オカピさんロッドに慣れきってしまっていた僕は今更新しいロッドでイチから感覚を掴み直すのも面倒くさいということで、
「これ売ってください」と、お借りしていたロッドを無理やりお願いしてそのまま買い取ってしまったのでした。
せっかく買ったショートロッドは、この際フローター用のロッドということにしてしまいましょう。
…オカッパリ用の長いロッドはフローターだと取り回しが悪かったから、むしろちょうどよかったわい。
ということにして、そんなこんなでGWに突入した僕はオカピさんと「4日はどこへ行きましょうか」と相談をしていたのでした。
オカピ「近場で浮いて、午前で撤収くらいだと調整しやすいですね」
…さすがオカピさん、僕はまだオカッパリともフローターとも何も言っていないのに既にフローターが前提になっている。
―ぼちぼち、支流にも魚が入ってくるんじゃないですかね。桑納とか、神崎とか…。
オカピ「神崎はエントリーポイント限られますよね。桑納ってどんな感じですか?」
―お、桑納にしますか?あそこも割りとエントリーしやすい方だと思いますよ。
橋のたもとからエントリーすることになると思います。
オカピ「桑納にしましょうか。では当日はよろしくお願いします!」
こうして、5/4は桑納川で2017年の初浮きということになったのでした。
当日。
ありがたくも4時半に迎えに来てくれたオカピさんの車に乗り込み、桑納川に向かいます。
オカピ「桑納ってオカッパリとバッティングするイメージですけど問題ないですか?」
―ああ、新川の合流付近のことですよね。そこではなくて、上流側に進んでいこうかと。
オカピ「滝みたいになってる方ですか」
―そうそう。その途中はオカッパリが難しい場所がいくつかあるので、そういったところをやればいいんじゃないかと思ってます。
オカピ「なるほど、そうなんですね」
…やはり、オカピさんは生粋の浮き輪乗りだけあってオカッパリとのバッティングが気になるらしい。
たしかに、川幅も狭いし、あまりにもオカッパリが多いようならそもそも釣りにならないかもしれない。
…そして、僕にはもう一点、気がかりがあったのでした。
―実は今年は結構春が遅いんじゃないかって情報がありまして。ひょっとしたら支流の上流にはまだ魚が入ってないかもしれません。
下流の方なら入ってると思うんですが…。
オカピ「なるほど。まぁ、とりあえずやってみましょう」
―そうですね、まったくいないってことはないと思うんで。
そう、どれだけ春が遅いとはいえ、5月にもなったこの時期にまったく魚が入っていないとは思えない。
そう考えながら、オカピさんの車を桑納川下流の駐車スペースに誘導すると、さっそくエントリーポイントの下見をするべく車を降りたのでした。
…むう、オカッパリの方が2名ほど…。
まぁ、あの位置なら、すいません、って声をかけてススッと通らせてもらえば大丈夫かな。
エントリーポイントも問題なさそうだし…。
オカピ「この辺ってこんな水汚かったでしたっけ…」
…おや、何を今更…、ってオカピさんは印旛水系はあんまりやらないんだったかな?
―こんなもんですよ。むしろ、夏になったらこんなもんじゃなくなりますよ。
オカピ「ああ、そうですよね。新川ですもんね」
そうか、オカピさんは割りと水の汚さを気にする系の方だったのか。
だったら花見川の方がまだよかったかもしれない…。
オカピ「先に入っちゃってください。追いかけますんで」
―そうですか?じゃあお言葉に甘えてお先に入っちゃいます。
勧められるがまま、ちゃちゃっと準備を済ませてエントリーポイントから入水します。
―…冷たい。
我慢できないほど冷たいというわけではないけれど、決して快適な水温ではない。
…え、この時期でまだこんなに水温が低いのか?
水温計を置いてきてしまって確かなことはわからないけれど、これは15度くらいしかないんじゃないだろうか。
…なんだか悪い予感がします。
最初はトップからと考えて手に取っていたタックルをホルダーに戻し、撃ちモノ用に持ってきたタックルを取り出します。
釣行の一番初めから撃ちモノを使うというのは、最近の僕にはあまりないことです。
休日バサーなりにではありますが、ぼちぼちと印旛水系に通っていた僕の嗅覚が敏感に危険な香りを察知したのでした。
…後を追ってエントリーしたオカピさんは、さっそく得意なジャーキングから入ったようです。
正直なところ、それでいきなり釣ってもらいたい。
そうしたら、僕も余計なことは考えずにもう一度トップ用のタックルに戻せるというものを。
…しかし、オカピさんには今のところ何の反応もないようです。
―オカピさん、すいませんが僕はいきなり撃ちをやらせてもらいますわ。
…何がすいませんなのかよくわかりませんが、一応断っておきます。
オカピ「全然大丈夫です。むしろさっさと釣っちゃってください。こっちも強気になれるので」
…オカピさんも似たようなことを考えていたようです。
お互いがお互いを早く釣れ、早く釣れ、と念じながら、ゆっくりと2艘のフローターは桑納川を遡っていきます。
僕は岸際を30cm刻みで、なるべく着水音を立てないように、静かにテキサスリグを放り込んでいきます。
着底したらしばし放置。
ワンアクション入れて、回収。
…しかし反応が全くない。
朝一番からこれだけ弱気に丁寧にやっているのに、ここまで反応がないというのはさすがにおかしいんじゃないか。
なんといっても、バスどころかギルの反応すら無い。
魚影も全く見ないし、そもそも川面から生命反応のようなものが感じられない。
僕の心の中の釣りセンサーは、ピコンピコンと注意報を鳴らしています。
…なんかおかしい。
これは、やっぱり水温が低すぎるんじゃなかろうか…。
―オカピさん、オカピさんはどんな感じ…、
と、振り向いて話しかけようとすると、何やら竿も振らずに道端のおじいさんと話し込んでいるオカピさん。
―どうしました?何を話してたんですか?
オカピ「今の方ヘラ師っぽいんですけど、今年はヘラも全然だそうです」
…僕の釣りセンサーが盛大に警報を鳴らしだしました。
今、何時だろう。6時過ぎか…。
普通なら朝マズメの真っ最中、仮に移動するにしても、この時間帯をやり通してからのほうがいいか…。
いや、一刻も早く移動して、少しでも移動先の方の確率を上げたほうがいいかもしれない。
うーむ…。
―オカピさん、移動しましょう。
オカピ「そうですね、移動しますか」
―水温低すぎる気がしますよ。まだ本流から魚が入ってないんじゃないでしょうか。
オカピ「水冷たいですよね!僕も思いました」
―僕から桑納って言っておいて申し訳ないですが、花見川行きましょう。あそこならもう少し状況良いと思います。
オカピ「了解です。よろしくお願いします」
さぁ、そうと決まればグズグズしている時間はありません。
えっほ、えっほとエントリー地点まで引き返して速やかに撤収準備に入ります。
オカッパリならちゃちゃっと車に戻ってそのままブーンと発進できるところですが、フローターはそうもいきません。
ウェーダーを脱いで、フローターの空気を抜いて、なんやかんやで車を発進できたのは6時半。
…花見川に着くのは7時位か。せっかく早起きしたのに、やっちまったなぁ…。
思いっきり出鼻をくじかれて、先行き不安な心境のまま、オカピさんに花見川へのルートをナビする僕だったのでした。
…さぁ、そして花見川に到着です。
急いで岸に降りてエントリーができることを確認すると、大急ぎでウェーダーを履いてフローターに空気を入れてライフジャケットを装着して、
本日二度目のエントリーです。
…温かい。
水温が全然違うじゃないか!これは20度くらいあるぞ、たぶん。
桑納も花見も同じ印旛水系なのに、場所が変わればここまで水温も違うのか…。
あるいは、本流と支流という違いもあるかもしれないけれど、こういう基本的なことをもう少し事前に調べておくべきだった。
オカピさんも花見川に浮くのは初めてのようですが、「なんだかここなら釣れそうな気がする」と、やはり先程の桑納との状況の違いを肌で感じ取っているようです。
…とはいえ、ひとまずは撃ちモノを継続して反応をみてみよう。
岸際は竹やらゴミやらでごちゃついているようですから、テキサスよりも貫通力に優れているという直リグに変更します。
まずはクローワームをセットして、岸際ギリギリに投げ込んでみます。
…ゆっくりゴミの間を抜けていったラインの沈み方に、なんだか少し違和感を覚えます。
…あれ、これ、喰ってるんじゃない?
別に勘違いでもいいやと、ラインスラックを巻き取って、
…思いっきりフッキング!
…ゴン!!
―やっぱり喰ってた!!
巻かれないようにゴミの間を引きずり出して…、

ゲット!!
―いやー、釣れた!釣れましたよオカピさん!!
やっぱり移動して正解でしたね。
オカピ「さっきと全然違いますね!テキサスですか?」
―いや、直リグですね。しかしこんなあっさり喰うとは…。
…こりゃ、ひょっとして、久しぶりの爆釣パターンか!?
急に気を大きくした僕はさっきまでの悲壮感もどこへやら、楽勝ムードに包まれたような錯覚を覚えます。
―…巻物に変更してみようか?
…いやいや、とりあえず同じやり方であと一匹釣ってみようか。
それがアッサリ釣れるようなら、後はイケイケで好きなようにやってみよう!
そこからしばらく、下流側に進みながら岸際を撃ち続けます。
…とはいえ、キワのキワは竹が折り重っていたり、草が覆いかぶさっていたりしてなかなか思うように攻められません。
その竹の隙間、草の薄いところを狙って直リグを落とし込んでいきます。
…。
あれ、反応が全くない。
さっきあんなにあっさり釣れたのに、岸際で釣れたのはたまたまだったのか?
振り返ってオカピさんを見ると得意のジャーキングを繰り出しているようですが、
しかしそのジャークベイトにも何の反応もないらしい。
…このあたりの水深はたぶん2mくらい。
てことはジャークベイトなら充分に水底から魚を引っ張れる水深です。
…岸から離れているというわけでもないらしい。
やっぱりキワなのか、竹やらゴミやらでキワのキワを攻めきれてないだけなのか…。
気がつけば一番実績の高いエリアまで釣り下ってきていました。
エントリーポイントから行ける範囲では、この周辺が一番魚が溜まっているはずです。
―オカピさん、たぶんこの一帯が一番釣れると思うので、ちょっと丁寧にやってもらっていいですか。
…まだ釣り上げていないオカピさんに先を譲ります。
振り返り、あらためて自分が撃ってきた岸を見ても、岸際がストラクチャに覆われていないところを見つける方が難しいくらいで、
魚はひょっとしてあの下に潜んでいるのではないだろうか。
…そう考えた僕は、姿勢が低いフローターの利を活かして、岸際に覆いかぶさる竹の奥に無理やり体を突っ込んでみます。
その奥の奥、竹が一番折り重なったところへ直リグをぽちゃんと投入。
すると着水した瞬間、
…スゥッ
―ラインが動いた!
即座に竹に絡まないように気をつけながらフッキング!
ゴッ!
…乗った!
しかし問題はこの入り組んだ竹の間からどうやって引っ張り出すか…、
ラインはたしか12ポンドだったような気がする。
力任せに引き出すのはラインブレイクが心配だし、なにより魚が可哀想…、
…う、重い?
あれ?コイツそこそこいい魚なんじゃないか?
え、あれ?結構引く!
40アップは間違いない!!
なんでこんなときに限っていい魚なんだ!!(?)
…やっぱりここは無理せず慎重に、ゆっくりじっくりやったほうがいい。
ええと、まずこの隙間にラインを通してこっちに引っ張って…、
いや、そっちじゃない、こっちか、
んで、ここをくぐらせてこうしてああして…。
…なんだか魚釣りじゃなくて知恵の輪でもやっている心境になってきていますが、
それでも少しずつ魚は寄ってきています。
…そんでもってこっちでこうして引っ張れば…!
ザバァッ!!
…浮いた!!
すかさずランディングネットで…!

ゲット!!
…つーか掛かり浅っ!
あぶない、これ無理に抜いてたら絶対バレてたな。
慎重にやって正解だった、あぶないあぶない。
…あ、オカピさん。
オカピ「おめでとうです。また直リグですか?」
―です。もう、奥の奥でしたね。ほら、そこのあたりですよ。
オカピ「それ、ストレートワームですか?あんまりバルキーなワームは使わない感じですか?」
―や、状況次第ですよね。ここらへんはごちゃごちゃしてたんでスリ抜け重視でストレートワームにしてみました。
オカピ「なるほど、そうか直リグか…」
なにやら妙に納得した様子のオカピさんが自分の釣りを再開するために離れていくのを見送ると、あらためて釣り上げたバスをしげしげと眺めてみます。
…しかし、最初の一本からどうなることかと思っていたけど、追加できて本当によかった。
やっぱり、岸に覆いかぶさっているカバーの中に潜んでいるということか。
どうにかその中に放り込めれば、今みたいにわりと簡単に喰ってくるのかもしれない。
…ありがとうー、とお礼を言ってバスをリリースします。
…ひとまず、僕はこの一本で大満足。
あとはオカピさんが釣ってくれれば最高なんだけど…。
…バシャァ!!
…え?
あ!オカピさんが魚を掛けてる!?
おお…、おおお?結構竿がしなって…、
あれ?それ結構いい魚じゃないですか?
がんばれ!慎重に…、
あ、その体勢はハンドランディング狙ってますか?
さすが、僕みたいにすぐネットに頼りきるヘタレフローター乗りとは違うということですね!
今だ!そこですよ!
おおおおおーーーー!

―すごい、いい魚じゃないですかオカピさん!
オカピ「僕も直リグです。教えてもらいましたからね」
―なるほど、いやいやリグというより実力ですよ。
しかし良かった、これで心残りなく上がれますね!
オカピ「そうですね、いい場所教えてもらってありがとうございます」
―いやいや、そんなこと…、あ、時間も11時ですし、今から引き返せばちょうどお昼くらいに上がれそうですね。引き返しますか。
オカピ「わかりました。引き返しますか」
意気揚々とエントリーポイントに向けて流していく僕とオカピさん。
いい魚を釣り上げたという満足感から、可能性の低そうなトップやら巻物やらも投げてみる心の余裕もできています。
もちろん、投げれども投げれども何の反応もないわけですが、なんなら鼻歌でも口ずさんでしまうくらい、僕の心はおおらかになっています。
さて、そんな感じでエントリーポイント近くまで引き返しますが、何やら岸際に人影が見えます。
…あ、エントリーポイントにオカッパリの人がいる。
どうしようかな、声をかけてあがらせてもらってもいいけれど、別にそんなに急いで上がらないといけないわけでもないし…。
―オカピさん、エントリーポイントの反対側に結構有望なポイントがあるんですよ。最後にそこやってみますか。
オカピ「了解です」
―流れ込みがあってその周辺と、流れが当たる対岸周りに魚が付きやすいんですよね。
流れ込み周りはお譲りしますよ。僕は対岸側やってみます。
…恩着せがましく言って、僕はジャーキング用のタックルを取り出します。
このエリアは先程までのように岸際のカバーも濃くなく、奥にべったりというよりは広いオープンエリアのどこに潜んでいてもおかしくない気がする。
ジャークベイトで広く探って寄せて釣るほうがいいかもしれないと判断したのでした。
…ジャッジャッジャ!ジャッジャッジャ!!
オカピ「…あら、ビジ夫さん結構サマになってるじゃないですか。ジャークベイターっぽいですよ」
―ふっふっふ、お借りしたDVDも観ましたしね!
オカピ「なるほど、良かったです」
―ログは最初の一本釣るまでが遠いんですよね!
…なんて通ぶりながらジャーキングを繰り返していると、
…ヒュッ
…え?
何かがルアーに向けて走ったと思った瞬間、
ガツッ!!
あ、喰った!?
―喰った、オカピさん!!
あわせ…
…フルン!
―ああああああーーーーーー!バレたーーーーーーーーーー!!!
…ガクッ
オカピ「…今の、横から喰ってきました?」
―横からでしたね。すっ飛んでくるところ見えましたよ。
あんまり大きくは無かったですけど…
…はぁぁぁぁー、今の、釣りたかった。
横からアタックしてきた分、変なところに掛けちゃったのか。
一瞬だけど重み乗ったしなー。
残念無念。
…しかし個人的にログで釣れるときというのは、いきなり底の方からヌッとバスが沸いてきて食いあげるようなパターンが多かったものだから、横からすっ飛んできてかっさらう今のような食い方は珍しい。
直リグで2本釣って、最後にバシッとハードルアーで締めたかったところでしたが、しょうがない。
こういう方が僕らしいと妙に納得して、この日は納竿としたのでした
2017/5/4(木)
晴
弱風
気温:?度
水温:?度
アタリ:3
バラシ:1
ゲット:2
出だしはどうなることかと思いましたが、最後には二人とも釣ることができてよかったよかった。
僕としても、バラした一本は残念でしたが半日で3本も魚を掛けられたなら充分です。
最近はめっきり渋くなったと聞く印旛水系ですが、実際出かけてみればこうやって楽しませてくれるのですから、
こういうフィールドが近所にあることに感謝して、今年はもう少し時間を見つけて通ってみようかなと、
そんなふうに感じた、GWど真ん中の、本流に浮く分には問題ないけれど支流に浮くにはまだ早い、とある日のお話だったのでした。
…気がつけば桜もとうに散り、GWも目前となっている今日このご
いまだ初バスを釣っていなかった男、
その話はちょっと置いておいて、唐突ですが皆さん、「
例えばそれは「
いわゆるルアーのジャンルということですね。
スピナーベイトとか、ミノーとか。
僕も5年も6年もバス釣りをやっているわけですから、
そういえば、
それは、先月の12日に釣り友達であるWestさんが開催した亀
…実は僕はその大会のことも記事に書いていたのですが、9割ほど
…で、それはよいのですが、いや全然よくはないのですが、
アレを。
僕がいまだかつて一度も使ったことのない、
それが、こちらです。
「アラバマリグ」ですね。
厳密にはアラバマリグというのは商品名で、
で、そんなこともどうでもよいのですがこのアラバマリグ。
以前に、
とにかく登場がセンセーショナルで、
長いバス釣りの歴史の中で、
こちらはすぐに熱心なファン層を獲得し、
それとは対照的に、まだまだ一般のバサーには浸透していない、
それはなぜか。
…まぁ、
一つには、大げさな言い方をすると「美学」
バス釣りは基本的に自分を相手にする趣味ですので、
しかしバサーなら誰しも自分自身にルールを課して魚を釣っている
自分はトップウォーター以外ノーカンだという方もいるでしょうし
ワームまではOKだけどフォーミュラはどうかと思う方もいるでし
ただ、アラバマリグは大多数のバサーの美学にそぐわなかった、
いずれにしても、
「他人が使う分にはなんとも思わないけど、
…と、こんなところだったのでした。
ところが、僕のその程度のぼんやりとした感想なんてものは、
先の大会でけんけんさんが勇ましくアラバマリグで魚を釣り上げた
なにしろ釣ってるわけです。
先に書いた大会は参加者が全14人、しかしただの14人ではあり
その道ではブイブイと言わせている強者どもが揃っていたのです。
ヒエラルキーで言えば三角形の頂点付近に位置する方々なわけで、
世が世ならすぐさま無礼討ちにされていても文句は言えないところ
そんな豪の者がひしめき合った中で、
しかも、2匹釣ってるのです。
14人中13人がデコっている中で、
大事なことなので2回言いました。
これはつまりどういうことかと言うと、
「アラバマじゃないと釣れない」という、
単純な僕は、単純にそう考えたのでした。
さて、そういうことであれば善は急げと言うではないですか。
今日、
ふと、とある光景を思い出したのでした。
それは某中古釣具屋にうず高く積み上げられたアラバマの在庫の山
出始めには品薄となったアラバマも、
その供給に対して思うほどの普及が進まなかったアラバマは、
…なにも、生き急いで新品を買うこともあるまい。
次に中古釣具屋に寄ったときにでも、二束三文で積まれたそれを、
大人の余裕を取り戻した僕は、
…4月某日。
17時半に日本橋のお客様オフィスで打ち合わせを終えた僕は、
海釣りをメインとした一階には目もくれずにバス釣りをメインとし
―そうそう、
無い。
無い?無い!
なぜだ、たしかに昔はこのあたりに置いてあったはずなのに。
今日はぷらぷらーっとタックルベリーにやってきて、
―しょうがない、2つ3つ、在庫消化に協力してやるか。
…なんて恩着せがましく買っていくつもりが、
そもそもが、
一ヶ月前だろうか。はたまた二ヶ月前だろうか。
いや、ひょっとして半年?一年前…?
…。
そもそもが、
そんなもんいちいち記憶しているわけがなかったのでした。
…しょうがない、そういうことなら、
そこまで労力をかけるくらいならいっそ新品を買ってしまおう。
幸い、キャスティングも近くにあることだし…。
なんてこった、
ブツクサ言いながら今度はキャスティングの扉を叩きます。
えーと、アラバマリグアラバマリグ…。
…無い。
無い?無い!
そんな馬鹿な、
ていうか、それいつの話だったっけ。
一年前?二年前?
…。
日本橋キャスティングは既にアラバマリグを見切ってしまったとい
しょうがない、新品で我慢してやるか、なんて僕の思惑は、
…まぁ、次に亀山に行くのもいつになるかはわからないし、
鼻息を荒くしてアラバマアラバマ言っていた僕の熱意もスッと冷め
ということで(?)、4/22の土曜日のお話です。
ネバー初バスマンであるところの僕としては、
このところ、週末にちょこちょことした用事が入ってしまって、
釣りに大きな支障がある用事ではなかったはずなのですが、
嫁「あんた最近釣りに行ってなくない?」
―…そうだっけ?2週間くらい前に行ったような気がするけど…。
嫁「つーかまだ今年釣ってないって言ってなかったっけ?
―…だって夕方から子供の歯医者って言うからさ。
嫁「明日はダメだよ。車使うから」
―…。
嫁「今から行ってくれば?
…こんな理由で心配される夫って僕くらいなんじゃなかろうか。
まぁ、でも確かに、別に今日釣りに行けない理由は何もない。
今から新川でも行って、1,2時間やって帰ってくればいいか。
―んじゃ行ってくるわ。
あいよ、と返事して、車に適当にタックルを詰め込み、
休日の八千代道の駅の駐車場は相変わらずの混雑っぷりで、
川の方を見ると、バサーがたくさんいる。
…いや、むしろいすぎじゃないか?
だいたい10m間隔くらいでしょうか、ポツンポツンと、
ちょっと前まで、
…ん?というかそもそも僕自身が新川いつぶりなんだっけ?
えーとたしか、最後に来たのが印旛水系の大会で…。
…。
…まぁ、細かいことは置いておこう。
とにかく久しぶりの新川。
どうやらポイントも色々と変わってしまっているようです。
以前に釣り上げたことのあるポイントが潰れていたり、
ちょこちょこと工事もしていたようですから、
…お、あそこにカバーなんてあったっけ。
近くに人がいるけど、あそこは撃ったのかな?
どうやら反対方向に攻めていっているようだし、
…その方が距離をとるまでしばし待ち、
―あそこなんて、いかにもいそうだけどな。
一人でつぶやいて、
着底して、放置。
…スッ。
ん、ラインが動いたような…?
試しにあわせてみると…、
ガツッ!!
…喰ってた!!やった、初バス!!
…ヨッシャーーーーイ!!
ちっちゃいけど、初物はサイズに関わらず嬉しいものです。
…あ。
先程近くにいた人がこっち見てる…。
なんだろう、そこはさっき俺がやってたのに、
―あ、ども、こんにち…
「プイッ」
!!
ああっ!目をそらされた!!
…もうそれだけで僕のグラスハートは粉々になり、
2017/4/22(土)
晴
弱風
気温:19度
水温:?度
アタリ:1
バラシ:0
ゲット:1
というか今回釣行記でもなんでもないな、これ。
完全にタイトル詐欺な、2017年の初バスのお話でした。
あけましておめでとうございます。
おかげさまでブログ開設からまる6年を迎えることができたのでして、これも一重に普段から読んでいただいている皆様のおかげと深く感謝しています。
2017年が皆様にとっても良い一年となりますことを心からお祈りいたします。
これからもよろしくお願いいたします。
…ということで、いつのまにやら2017年になってしまいました。
年末から年始にかけてのドタバタとした忙しさは毎年のことで…、
と、言いたかったのですが、実は例年になく仕事が落ち着いていた2016年の年末だったのでした。
思いがけないことに歓喜した僕は、ここぞとばかりに釣りに行きまくり、
…もっとも、大半が海だったわけなのですが…、
非常に充実した年末を過ごすことができたのでした。
そんななかでも、実は2回だけバス釣りに出かけていたのですが、それはいずれも釣り友達であるWestさんからのお誘いでした。
唐突に「2016年はエレキ一式を揃えてボートバサーになる」と宣言し、情報収集なんかを始めていたらしいWestさんを、どこまで本気なのやらと、半信半疑で生暖かく見守っていた僕だったのでしたが、
予想に反して、ちゃくちゃくと装備を整えたWestさんは、ついに11月、単独ボート釣行が可能になるまでに一式を揃えてしまったのでした。
West「ビジ夫さん、将監川行きませんか」
―はぁ、将監川、ですか。
West「はい。実は僕、あそこをホームにしようと考えているんですよ」
―なぬ?
―Westさんといえば花見川、花見川といえばWestさんではなかったのですか。
主に下流的な意味で。
―West「ボートですよ。ボートは将監をホームにしようと思ってるんです」
―…はぁ、そりゃまた渋いところをセレクトしてきましたね…。
―West「で、ですね。将監にはボート屋さんもあるんですけど、10フィート未満のボートは置いてないんですよ」
―はぁ。
West「で、ビジ夫さん、こないだ免許とったじゃないですか」
―…。
West「ということで将監に行きませんか」
…手こぎボートとはいえ、エレキを取り付けるとそれは動力機付き船舶と見なされてしまい、10フィートを超えるボートを操船するには船舶免許が必要となってしまう。
そのことを僕も免許を取得する過程で学んだわけですが、どうやらWestさんもそのへんはきちんと意識しているらしい。
…というか…、
―というか、それ、せっかくエレキ一式揃えたのに将監川一人で釣行できないじゃないですか。
West「だから免許持ちに声かけてるんじゃないですか」
…。
なんだか、どう考えても、将監川をホームにするつもりなのであればエレキを買うより前にやるべきことがある気がするのですが、
あまり深くは突っ込まないことにして、素直にお誘いを了解した僕だったのでした。
こうして、11月6日の日曜日に、Westさんと、Westさんのピカピカのエレキを使って予定通り将監川をご一緒したわけなのですが、
…なんと釣れてしまいました。
この日は秋から冬へと季節が移ろっていることを非常に意識させられた一日で…、
…まぁ、ありていに簡単に言ってしまうと超寒かったわけだったのですが、
そんな中でも、水深1mにも満たないようなドシャローで、ちゃんと巻物に反応するバスがいるんだ、ということを学ばせてもらったのでした。
West「ホラ、ちゃんと釣れたじゃないですか」
…自分もきちんと釣り上げて、Westさんは鼻の穴を大きくしています。
―…マグレですよ、マグレ。事故フィッシュですよ。
West「これからも将監川のポテンシャルを見せつけてあげますから」
…自分だって片手で数えるほどしか将監川の釣行経験が無いくせに、Westさんはすっかりホーム気取りですが、
実際、釣らせてもらったことも事実、その点は感謝をして、今年のバス釣りはこれで釣り納めかもしれないな、なんてことを考えていたのでした。
…そうして、いつの間にか季節も進んで冬。
もうそろそろ年末か、今年も一年、早かったなぁ、なんて哀愁漂っていたところ、
West「魚探も買いました」
…。
だから、その前に、やるべきことがあるでしょう、って。
West「仕事納めは12月28日ですか?29休みなら将監川行きませんか?」
―いや、29が仕事納めなんですよ。…まぁ、実はもともと休むつもりだったんですけど。
West「じゃあ大丈夫ですね、29日」
―たぶん、大丈夫です…。一応嫁さんに確認しますが。
West「お願いします」
…年末にそんなことをやっているヒマがあるなら家の掃除でもしろ、
そう言われることを懸念していた僕だったのでしたが、ウチの車を使わないならいいよ、とアッサリ許可が降り、
すいませんが車もよろしくお願いします、とWestさんにお願いをして、どうやら今年の釣り納めは12月29日ということになったのでした。
当日。
朝6時半に迎えにきてもらい、将監川へ向かいます。
…将監川をホームにする、という宣言を聞いたとき、どうせエレキを買ってどこかへ通いこむなら、房総のダムでも通えばいいのに、
というのが実は僕の最初の感想だったのですが、
こんな時間に集合しても7時過ぎには現地に到着できるわけですから、たしかにこの地理的な強みは見逃せません。
張り切って房総ダムをホームにすると宣言したところで、通うのがしんどくなっていつしか足が遠のいて…、
なんてことになれば本末転倒なわけですから。
…とはいえ、
―何も、こんな季節に魚探を買うこともないでしょうに。
と、ついつい呟いてしまう僕だったのでした。
West「何を言ってるんですか、やる気あるんですか」
―え、だって今日は魚探のテストのために行くんじゃないんですか。
West「違いますよ!だいたい、なんですかそのタックルは。こないだの釣行のときのルアーつけっぱなしじゃないですか」
―バレましたか。いや、だってもう今日は絶対釣れないじゃないですか。12月の終わりに。
撃ちモノやっても釣れるわけないし、どうせなら巻物とジャークベイトで通そうかなと思って。
West「…弱気だなぁ、大丈夫ですって!」
…そう。
例えばダムなら、地形の変化を見ながらあれこれ考える余地がありそうな気がする。
…でも、今日これから行くのは水深が最大でも2m程度の、非常にノッペリとした地形の将監川なのです。
そもそもが、ぶっちゃけて言ってしまうと将監川に魚探は必要なのでしょうか。
West「大丈夫ですって!」
…まだ根拠なく大丈夫と言い張っているWestさんに適当に相槌をうちつつ、車載の温度計を確認します。
電光の温度計が指している温度は…、1度。
―というかWestさん。気温1度しかないじゃないですか…。
West「僕が家をでたときは0度でしたよ。ちょっと上がってきてるじゃないですか!」
…そのポジティブさを見習いたいですよ、本当に。
…そんな不毛なやりとりをしているうちに車はいつの間にかボート屋さんに到着し、Westさんはボートの準備を始めるべく精力的に桟橋へ駆け寄っていきます。
…が、何やら困っている様子のWestさん。
West「ああっ!ラダーが取り付けられるボートが余ってない!」
…え?
―あ、ほんとだ、めぼしいボートが全部出払っちゃってて古いのしか残ってないみたいですね…。
…ん?
というか、こんな日になんでこんなに客がきているんだ?
てっきり、そんな酔狂な客は僕らくらいだろうと思っていたのに。
West「ほら。ね。釣れちゃうからですよ、将監川」
―…いや、きっと、ボートのメンテナンスか何かで陸にあげちゃってるんですよ。
あ、そこ、そのボート、ラダー付きそうじゃないですか?
West「あ、ほんとだ。これいいですね、これにしましょうか」
…よかった、よかった、ということでボートの準備を始めますが、僕は内心、まだ意外さを隠せません。
なにしろボートですから、お金を払ってまで釣りにきているわけで、
この寒空の下、おそらく釣れない可能性のほうが高いであろうバスを探し求めるために、そんなにたくさんの人達が来ているのか。
そんなに魅力的なフィールドなのか、将監川…。
僕が将監川を訪れたのはこれで3度め。
印象としては、なんというか、あまり目に見える変化の少ない川という感じです。
雰囲気としては花見川の下流域に近いでしょうか。
…ただWestさんいわく、将監川は時間によって水門の開け閉めが行われているため、時間帯によって水深がガラッと変わるんだそうです。
といっても、せいぜい50cm程度ではないか、と思われるのですが…。
West「最初、長門川の方に行ってもいいですか?」
―いいですよ、おまかせします。
…そして、将監川といえば長門川に合流している川ということでも有名かもしれません。
将監川自体は、川というよりは単なる細長い沼、といった性質のフィールドですが、長門川に合流していることによってその懐が広がっている一面があるのかもしれません。
…寒い寒い、と二人して言い合いながら、長門川までの水路を流していきます。
Westさんのピカピカの魚探によると、水温は7度あるらしい。
おそらく真冬のピークには水温は5度を切るでしょうから、今日は気温のわりには「ちょっとはマシ」という日なのでしょう。
先週、暖かい日が続いたことも影響しているのかもしれません。
僕はロッドに付けっぱなしになっていたスピナーベイトをそのまま巻き、Westさんはサスペンドミノーを使っているようです。
West「定番の橋脚ありますけど、撃っていきますか」
―今日、撃ちモノ持ってきてないです。
West「スピナベ撃ちましょう!」
…撃ちモノの概念が崩れるようなことをWestさんが言い、一応、形式的に橋脚の周辺をスピナベで落とし込んでみますがやはり反応はありません。
Westさんは相変わらずサスペンドミノーを熱心にあちらこちらに投げ込んでいます。
…そういえば、
Westさんが開幕からここまで、ハードルアーを投げ続けているのは珍しい。
Westさんといえば、オカッパリ釣行にロッドを3本持ち込んできて、
しかもそれがベイトフィネス2本にスピニングタックル1本で、
さらに釣行が終わる頃には、3本全てにスモラバがセットされていた、
なんていう一般的なバサーが聞けば眉をひそめるようなエピソードにも枚挙に暇がないわけですが、
要するに、どちらかというとWestさんはもともとフィネスな釣りが好きなはずだったのでした。
真冬の釣りといえば、なんとなくスピニングで丁寧に、というイメージがありますが、
いや、これは僕の、房総ダムなんかを経験した偏ったイメージなのかもしれませんが、
そのスピニングがそもそもボートに積み込まれていない。
…ボートバサーに転身するにあたって、何かWestさん自身に期するところがあったのかもしれません。
…が、それを尋ねてしまうと「実はそうなんですよー!」とか怒涛のように話かけられて、なにやら面倒な流れになりそうな気がして、僕は気がつかないフリをすることに決めたのでした。
―…それにしても、あれだけボートが出払ってた割に、他のボートと全然すれ違わないですね。
West「ですね…」
長門川と将監川の合流付近は、まるで僕らの貸し切りのように静まり返っています。
ハイシーズンの時期なら両手を上げて神に感謝するところですが、この真冬の釣行では逆に不安になってしまいます。
…実績があるのはこっち方面じゃないんだろうか。
そんな考えも頭をよぎりますが、かといって、じゃあどうしたいという希望も言えない僕は、おとなしくWestさんの操船に身を委ねます。
…あ、そうだ。
―魚探の調子はどうですか。
すっかり忘れていましたが今日の主目的は魚探のテストだったのでした。
バッチリと魚は映っているんでしょうか。
West「内臓の地図によると、このあたりには川がないことになってますね」
…。
…それダメじゃないですか…。
West「いや、でも、この魚探は等深線のどうたらこうたらが…」
―…しかもその画面、魚がお魚さんマークで映る設定にしてあるじゃないですか。僕も魚探には詳しくないですけど、それ完全に初心者まるだしですよ。普通、魚探買ったら真っ先にその設定を変えるらs
West「あえてお魚さんにしてるんですよ!あえて!」
…将監川をホームにする!と宣言していたのに、その将監川が存在しないことになっていて、あまつさえお魚さんマークで魚探初心者まるだしになってしまっているWestさんが、なんだかちょっと哀れに思えてきた僕は、魚探の話から会話を逸らします。
―今日、何時くらいまでやりましょうか。
West「お昼までやって、帰ろうかと思ってますけど」
…たしかに、これから気温が上がるとは言え真冬に一日釣行は辛い。
今が8時過ぎだから、あと4時間くらいか。
何の根拠もなく丁寧にやっていっても仕方がないし、今日は巻けるだけ巻いて終わりにしよう。
持参した2本のロッドのうち、1本にはスピナベがセットしてある。
もう1本にクランクをセットして、今日はこの2本のローテーションでやりきってしまうことに決めたのでした。
West「日も出てきたし、コンクリのとこやってみましょうか」
―了解です。
コンクリブロックの岸際に移動し、斜めにブロックが入っている箇所を見繕ってその真上をクランクで通してみます。
…Westさんは相変わらずミノーをやったり、時おり小さめのシャッドか何かも試しているようです。
…二人で同じようなことをやりきれば、ひょっとしたらどちらかにはマグレが起こるかもしれない。
もともと釣れるとは思わずに来ている今日ですから、もしそうなったら万々歳でしょう。
そんなことを考えながら巻き続けますが残念ながらコンクリブロックには反応が無く、さて、Westさん、どうしましょうか。
West「将監に戻っていいですか。その周辺でやって、時間が来たら終わる感じで」
―了解です。じゃあついでにボート屋さんでトイレ休憩ですかね。
ボートの後部座席に腰をおろして、ボート屋さんへ引き返していきます。
…あれ。
なんだか、ボート屋さんに近づくにつれてライバルのボートが増えてきた気がする。
出払っていたボートは、あんまり遠出せずにボート屋さん近辺でやっていたということか。
トイレを済ませて、今度は長門川とは逆側に出船します。
West「…あ、このへん!魚がいますよ!!」
―お魚さんマーク映りましたか。
West「映りました!このへんですよ!」
…なるほど、魚探をアテに魚を探している人たちが多いから、このへんにボートが密集しているということなんだろうか。
―タナはどのくらいですか?
West「たぶん1mくらいです!」
…じゃあ、普通のクランクでタナが合いそうだ。
スピナーベイトを置いて、クランクを付けたタックルを手に取ります。
West「このへんなんかは、浅いところから急に落ち込んでるんで付いてそうですよ」
―なるほど、はっきりしたブレイクがあるんですね。たしかに、そこから魚を引っ張れればおもしr
…ブルルン!!!
!!!!!!
―わ!…あ、れ?
West「どうしました!!」
―魚っぽい反応があったんですけど…、
たぶん、スレですかね。コイかな?
West「きっとバスですよ!やっぱりこのへんが怪しいんじゃないですか!?」
…まぁ、正直なところ8割がたバスではないだろうな、と思ったわけですが、今日はじめての生き物の反応に自分から水を差すこともないし、
たぶんバスだったということにして、帰りの車で話の肴にするのもいいかもしれない。
…と、この時の僕は思いながらクランクを巻き続けていたのでしたが、
…ゴッ!!
え、
え?
ググン!!!
うそ、
―うそ、きた?
きた!Westさん!!
West「え!?あ、あ、ほんとだ!ビジ夫さん!!」
あがってくる魚を水面でいなしながら魚体を確認します。
それは、コイのスレでもヘラでもない、紛れもないバスの姿そのものです。
―ヤバい!Westさん!Westさん!
…ギャーギャーと喚きながらWestさんが差し出してくれたネットめがけて…、
ネット、イーーーーーーーー、
…イーーーーーーーーーン!!!!!
West「マジか!ビジ夫さん、12月29日ですよ!!!」
―ヨッシャーーーーー!!まさかですよ、まさかまさかの!!
…大の大人が、あたりの目も憚らずに船上でひとしきり大騒ぎしています。
こんな真冬の、凍えるような気温の中で、まさかクランクで喰ってくるとは想像の外だったのでした。
―どうせ撃ちモノやったって釣れるわけないし、まだハードルアーの方が可能性がありそうだ、
…たったそれだけの根拠でやり続けていたのでしたが、まさか本当に釣れるとはまったく考えもしていなかった僕でした。
…それと同時に、横で僕以上にニコニコしているWestさんが、ずっと釣れる釣れると言い続けていたところに、
無理でしょうとか釣れませんよとか、そんなネガティブなことばかり言っていたことを思い出して、なんだか少し恥ずかしくなったのでした。
「…こんにちは!!釣れましたか!!」
…不意に声をかけられてそちらを振り向くと、一艘のボートが近寄ってきます。
先ほどの大人げないバカ騒ぎを聞いて、様子を見に来たのでしょうか。
「すごい、何で釣れたんですか!?」
…思い返せば、真冬に釣行したことは数あれど、
釣った人に声をかけたことはあっても、声をかけられるなんてことは初めての経験です。
―ク、クランクです!
「え、シャッド!?」
―いえ、クランクです!
「え、グラブ!?」
…この寒さの中、僕のろれつもおかしくなっていれば、聞いてきた方も耳元までニット帽をかぶっているしで、会話がまったく噛み合いません。
…じゃ、がんばってくださーい、とお互いエールを交換してその方々と別れると、あらためてWestさんと顔を見合わせます。
West「…納まりましたね」
―納まりました。
まさか納まるとは思ってませんでした。
West「最初のアタリも、やっぱりバスだったんですね」
…そうか。
言われてみるとそうかもしれない。
あれは自分がやってたことが正解だというサインだったのか。
僕はそれをコイのスレだとばかり思いこんで無視してしまったけれど…。
West「ほら、やっぱり将監川ですよ」
…ぐうの音も出ません。
水深が2mしかないとか、のっぺりしてて変化がないとか、魚探とかいらないでしょとか、
浅はかなことを考えちゃってすいませんでした。
West「…それじゃ、そろそろあがりますか!」
…え、もういいんですか。
West「もう、昼すぎちゃってますしね」
…あ、いつの間にか12時半ですね。
今日は釣らせてもらっちゃって、ありがとうございました。
West「今のところ、ビジ夫さんには100%釣らせてますからね。ガイドでもやろうかな」
…いや、それはやめたほうがいいです。
と断言して、2016年の釣り納めとなったのでした。
2016/12/29(木)
晴
弱風
気温:1度→8度
水温:7度
アタリ:2
バラシ:0
ゲット:1
…正直なところ、
僕もWestさんも二人して似たようなことをやっていたわけで、
どちらに釣れていてもまったくおかしくない、というよりも、実力で釣った気がまるでしない、釣れちゃった感でいっぱいだったのですが、
釣り神様からのちょっと遅めのクリスマスプレゼントだったのだろうということにしたのでした。
Westさんが釣れなかったのは非常に残念でしたが、
しかし、たとえ真冬だろうが、巻物でも釣れるときは釣れる、なんて話を自分で確かめることができるとは思ってもみなかったのでした。
そんな機会を与えてくれたWestさんに感謝しつつ、将監川を後にした僕でした。
…ということで、僕にとっては最高の終わり方ができた2016年でしたが、すでにカレンダーは1月に入っているわけでして、
気の早い釣り友達の中には、早くも初バスを獲った、なんて報告もあがっているようです。
毎年、1月2月はヌクヌクと過ごしてきていた僕だったのでしたが、今年は魚の感触を忘れないうちに、早々に初釣りの計画でも立ててみようかなと、そんなことを考えている僕だったのでした。




