降るのだか降らないのだかハッキリとしない天気が続いていますが、
しかしいよいよ夏の足音が聞こえてきたという今日この頃です。
僕は、梅雨入り直前のこの時期というのが凄く好きなんです。
アフターからようやくバスが回復してきて、気温も水温もそれほど高くはなく、
カバーから積極的に出まわって餌を追いかける。
この5月の末から6月の頭という短い時期が、僕は凄く好きなんです。
それだけに、梅雨入りは遅いに越したことはないというのが、僕の願いではあります。
…もっとも、雨が降ろうが晴れていようが結局は釣りに行くので、関係ないだろうと言われればそうなのですが、
今回は、そんな梅雨入り直前のお話です。
5月25日。僕は房総のとあるコンビニの前に立っていました。
初めて来た土地。
何も無い、山と畑の間を縫うように走る道路と、ポツンと存在するコンビニ。
こんなところに、ダムなんてあるんだ??
肝心の勅使河原さん…は、まだ到着していない様子。
ちょっと標高があるのか、肌寒い。
気温は14度。
今日はフローターだわい、などと僕はロンT一枚にハーフパンツにサンダルと舐めた格好をしています。
コンビニの店長が、どこに海水浴でも行くのかと、奇異の視線を投げかけてきます。
合流までにトイレと買い物を済ませておこう、そう思ったところに一台の車の到着と懐かしい顔が。
―おお、勅使河原さん、お久しぶりです。
相変わらずニコニコとしている勅使河原さんに、僕も釣られてニヤニヤと挨拶を済ませます。
数日前。
「房総でフローターが出せるダムを案内しますよ」
友人の勅使河原さんから突然の連絡が。
―え、マジですか、勅使河原さん。
「以前に色々案内してもらったお礼です」
色々案内したって…。
確か、去年花見川と、フローターが出せるダムを一つ紹介したけど…。
どちらも勅使河原さんに釣らせてあげることはできない駄目ガイドっぷりを発揮したのみ。
勅使河原さんはその後、勝手にフロータースキルを着々と上げていったのです。
そのお礼って…。
なんとも義理堅い話です。
もっとも、僕からしてみれば恐縮こそすれ、断る理由は何もありません。
「じゃあ、25日の朝5時に、この住所のコンビニに来てください」
そう言われて辿り着いたのが、このポツンとしたコンビニでした。
結構遠いんですねー、なんて会話を交わしつつ、久しぶりの再会を喜び合います。
この時期の朝5時ですので、夜は完全に明けきっています。
何やら勅使河原さんはアゴヒゲを伸ばし始めたようですが、
突っ込むか、突っ込むまいか、迷っている時間も朝マズメの貴重な時間帯が惜しいということで
ひとまず移動することにします。
勅使河原さんの車の後を付いて、目的のダムへ。
…ダム?
ダム…か?
貯水池?
いや、ダムって書いてあるな…。
ちっちゃ!
ちっちゃいな随分!
着いたところは、何やら野池と言われても納得しそうな小規模なダム。
しかし各所に見える立ち木や沈み木、オーバーハングやコンクリ岩盤など、
小さいながらも、食欲をそそるポイントが随所に見受けられます。
へー…、房総のダムと言えば亀山や高滝のような、一周まわるのに一日じゃ足りないようなダムばかりをイメージしていたけれども、
こんなダムもあるんだ…。
ほうほう、とウロチョロ見て回る僕をよそ目に、テキパキとフローターの用意を進めている勅使河原さん。
…アッ!
勅使河原さん、今手にしたそれ、まさか例のヤツですか!
去年からフローターを始めたばかりの勅使河原さん。
しかし、ちょっと見ない間にそのフローテストとしてのスキルはメキメキと上達し、
光の早さで僕を追い抜いていたのです。
その一つの象徴が、こちら。

…写真を撮り忘れていましたので勅使河原さんのブログからの転載ですが、
おわかりでしょうか。
そう。
このフローターはエレキを搭載しているんですね。
勅使河原さんのフローターは僕の持っている型と全く同じもの、
ゼファーの158というモデルですが、このモデルはエレキの搭載などは全く考えられていません。
それに無理くりエレキ用のマウントを搭載し、バッテリーも積み、
一箇所に重量が集中するため浮力を追加し、同じ型であるはずの僕のフローターとは、
既にノーマルのファミリーカーとGTレーシングカーくらいの差が生じていたのでした。
なるほど、これは楽でしょう。
大きな移動を伴うダムの釣りにはもってこいです。
勅使河原さんのテキパキっぷりにもよるのかもしれませんが、
準備にもそれほど時間がかかるものでもないようです。
ここまでの気概はちょっと僕には欠けているのは事実ですが、
しかし、カッチョええなぁ。
フル装備でいくらくらいかかるんだろう。
…気がつけば既にいつでも進水の用意ができている勅使河原さん。
僕も慌てて用意を済ませ、初の小規模ダムに乗り出したのでした。
「水、綺麗でしょう」
言われてみると、確かに水は凄くクリアで、シャローエリアはボトムの地形がわかるほどです。
へー…、定期的に水が動いてるんだろうか。
僕はクリアな水質をあまりポジティブに捉えられないのですが、
しかし先日の花見川のような、ドチャ濁りよりは100倍マシなのは確かです。
勅使河原さんに牽引してもらい、ダムの中央エリアに向かいます。
…楽だ。
こりゃ一回やってしまうと、元の足漕ぎには戻れそうもありません。
お、あの岩盤、見るからに良さそうな形!
後で日が昇ったら撃ってみようか…。
あ、あのポツンとある立ち木もいいな。
テキサスを一直線に落としてみたい。
狭いエリアに良さそうなポイントが密集していて、これはフローターには有り難い。
このダムこそまさに、本当の意味で「フローターダム」と言えるのかもしれない。
そんなことをツラツラと考えながら、中央エリアに到着。
何やらこのダムは中央にシャローエリアがある珍しい構成になっており、
活性の高い時間帯などはそこにベイトと、それを追うバスが溜まったりするとのこと。
さっそく精力的にルアーを投げている勅使河原さん。
僕は…、勝手もわからない初のダム、ひとまず広範囲を探るためにプロップペッパーを結びます。
岸ギワを中心に巻いていきますが、反応はありません。
バスは、どこに溜まっているんだろう。
すると、後ろで水しぶきの音が。
振り返ると、勅使河原さんがどうやらヒットした模様!
「出た、出たよ!」
出た、という言い方から、どうやらトッププラグでかけたようです。
弓なりのロッドの先が細かく振動している様子が僕からもよくわかります。
が。
フッ、と力の抜けたようにロッドの半円が一直線に戻ります。
「…ああああああああああああ」
あちゃ…、やっちゃいましたね、勅使河原さん。
しかし開始早々です。
活性は期待できるのではないか?
勅使河原さんがかけたと思わしきポイントは、そのダム中央のシャローエリア。
バスは広く移動しているのかもしれない。
今日はピンの釣りは効率が悪いかな?
念のため、3/8オンスの自作ラバージグとビッグダディの組み合わせで岸ギワを撃ってみます。
1mおきに撃ち続けながら、ダムの奥へ。
…反応、ないなぁ…。
やっぱり、散ってるのか、それとも…。
上?上見てるのかな?
さっきの勅使河原さんもトップでかけたようだし…。
試しにポッパーで攻めてみることに。
…キュポッ!
…パコッ!
できるだけその場で首振りを続けるようにアクションさせてみます。
…スッ。
あ、バスだ。
バスがキワの沈み木から出て来ました。
…喰う?喰うか?
パショッ!!!
喰ッ…
…乗らない。
いや、でも今のはヒントだろう。
どうやらバスは上を見ている。
…時間制限的なものかもしれない。
パターンが変わる前に、しつこく同じ攻めを継続してみることに。
目についたライトカバー。
根がかりをしない程度のギリギリにポッパーを落とします。
…キュポッ!
…あ、またバスが寄ってきた。
しかしこの水の透明度、これではトップのサイトフィッシングです。
…ん?
デカい。デカいぞ!
…しかも2匹?
両方共楽勝で40オーバー。
50までは無いと思うけど、たぶん、45はあるな…。
さすがに先ほどのバスよりは慎重です。
ゆったりと、近寄ってきますが、イマイチ踏ん切りがつかない模様。
…競え!競い合え!
先に近づいてきたバスがルアーの目の前で動きを止めます。
こういうとき、ルアーはどうしたらいいんだ?
動かした方がいいのか?止めておいた方がいいのか?
悩みかけた瞬間、
後ろを追ってきていたバスが、スッと前のバスを追い越して、パク。
!!??
おっっっっしゃああああ喰った!!!!!!!!!!!!
口に入ったことを確認してフッキング!
ガン!
乗った!…あ?
サッと逃げていく2匹のバス。
ロッドに重みはありません。
…バレた?
あああああああああああああああ!!
いや、今のは理由がわかってます。
完全に僕が悪い。
なまじサイトに近い状況で、バスが口を使ったのが見えてしまったのが悪かった。
重みが乗る前にアワセたもんだから、たぶんクチの端っこにかかって、すぐ外れてしまったのでしょう。
トップのアワセは、遅すぎるくらいでちょうどいい。
どこかで聞いたセリフです。
クッソォ…。
冷静になりきれなかった。
45…。
しかし嘆いていても自業自得。
切り替えてポッパーの攻めを継続します。
…キュポン!
…パコン!
ススッ。
あ、またバスが寄ってきた。
今日は本当にポッパーがマッチしているようです。
近寄って…、
喰った!!
バスが反転して、まだまだ…
重みが乗った!!!
オッシャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
フルフッキング!
今度は完全に乗った!
ブラインドなら自然にこのタイミングでのアワセになるはず。
見えているってのは、良し悪しだなぁ、ほんとに。
ランディングネットで取り込みます。

35cmくらい。
お腹がヤバいくらい凹んでいます。
サイズは先程とは比較になりませんが、まずは一安心。
そのまま岸を撃っていくと、やがて岩盤に辿り着きました。
…あ、ここエントリーしたときに気になった岩盤だ。
岩盤大好きな僕。
さっそくジグで直撃してみます。
距離をとって、やや高めにキャスト。
糸フケを出し気味にして岩盤を直撃させ、カーブフォールにならないように岩に沿って一直線に落とします。
着水してすぐ、ラインが一瞬走った気がしました。
半信半疑でアワセてみます。
…ゴン!
喰ってた!!!!?????
ラインがミシミシと軋みます。
40アップだ、これ!!
よっしゃ!よっしゃ!!
今シーズン初の40アップゲット!
興奮してゴリ巻くと、水面直下を近づいてくるバスの魚影が見えます。
横っ腹を上にして、ギラリと光るその魚体。
…デカい!やった!
きちんと竿を立てて…、クチを上に向けて寄ってきた所を…、
ネットイーーーーー、
ガッ
ぬお、ネットの入り口に引っかかt
バシャアッ!!!
…。
ア~~~~~~~~~~~~!!!!!
40アップ…、今シーズン初の…、40アップが…。
今まさに、本当にすぐ手を伸ばせば届く距離で、僕の両手をスルリと抜けて逃げ去っていったのでした。
皮一枚だったのか、フッキングが甘かったのかな…。
ガックリと、うなだれる僕。
さっきのポッパーの45は勉強代として諦めるにしても、
コイツは獲れただろう…。
同じように岩盤を攻めていきますが、結局反応は最初の一度きり。
呆然と再びポッパーに持ち替え、岸撃ちに戻ります。
浮き草の周辺。
ギリギリに落として一呼吸置いたところ。
…スッ。
…またバスが出てきた。まだアクションさせてないのに。
この時間帯、バスはよっぽど上を気にしているようです。
溜めに溜めて、1ポコ。
…ポコン
バコォ!!

30cmくらいでしょうか。
その様子を見ていたらしい勅使河原さんが近づいて来ました。
今日は完全にポッパーが合ってるようですよ。
勅使河原さんに伝えます。
もともとは勅使河原さんにヒントをもらったのですが、これで貸し借りなしだな、うん。
勅使河原さんは上流方面へ向かったようですが、僕はもう少し留まって同じ攻めを継続します。
…ポコン
…ペコン
…。
あれ?
急に反応が無くなった。
いや、さっきまでバホバホ出てたのに急にそんなことはないだろう。
しつこく続けます。
…反応、なし。
…あれ??
なんだ、視線が変わったのか。
ジグに変更して底の反応を見ます。
…。
…うーむ。
これ、カバーから離れたんじゃないか?
勅使河原さんの方を見ると、やはりカバーを攻めている様子ですが、
しかし同様に反応無いようです。
カバーから離れたってことは、その辺をウロウロしてるってこと?
ひとまずクランクに変更して周辺を撃っていきます。
根拠無く撃ちまくっていると、
…バシャシャ!
あ、勅使河原さんヒットしてる!
カバー?それとも何かしらストラクチャを撃ったんだろうか。
ちょっと近づいて聞いてみようかと思ったその時。
…ガン!
適当に投げていたクランクにヒット。
岸とは真逆の沖合でヒットです。

30cmくらい。
ん?やっぱりカバーを離れてその辺をウロウロしてるのか?
しばらく同じクランクを投げ続けますが反応ありません。
…タナが違う?
シンキングのスイッシャーに変更して、カウントダウンで色々なタナを試してみます。
…ガン!

35cmくらい。
今のは表層にかなり近かった。
てことは?
トップではないけど表層直下、そしてカバーではなく沖をウロウロしていて、
そんでもって横の動き?
スピナベに変更してバジング気味に表層直下を巻いてみます。
…。
あれ、反応ないな。
うん?なんだ、どんなパターンだこれ??
何だか訳がわかりません。
とりあえず、後半に反応のあったクランクとスイッシャーに戻します。
…が、反応なし。
あれ???
そこからは、ありとあらゆる持参したリグを試しますが全て反応なし。
あ、勅使河原さん。
勅使河原さん、反応どうですか?
「なんかね、まだスポーニングの途中みたいよ」
え、スポーニング?
「デカいオスは皆ネスト守ってるわ」
え、この時期に??
確かにスポーニングは場所によって6月くらいまで続いたりするとか聞きますが…。
「反応悪いし、全体的にはアフターかもね」
…出たよ、アフター。
そういえば確かに今日ここで釣ったバスは皆ガリガリだったけど…。
でも、なんだろう。
決して出ないわけでもない、パターンがイマイチ掴み切れないようなこのモヤモヤは。
最初は完全に上目線、それもカバーを絡めてネチネチとした定点がかなり有効だったはず。
それが10時くらいからだろうか?
急にバスがカバーから離れ始めたのは。
巻物でやたらめったら投げれば釣れるのかと思えば、それも一瞬で終わってしまった。
その後、その後のパターンが、わからない。
勅使河原さんの釣果を聞いても、僕と同じような感じらしい。
釣れないわけじゃないんだけど、なんだか消化不良な感じが残る。
うーん。
「日が昇って、活性終わっちゃたかもね。移動しようか」
そうですね…。
たしかに今のパターンを掴むのは僕には敷居が高そうですが…。
でも、なにか、どこかに何か正解がありそうな気がするんですよね…。
―房総名物の担々麺でも食べて次に行こう。
勅使河原さんの提案を受け、頭の中が?マークのまま、ここは撤収となったのでした。
移動先ではオカッパリでなんとか一本。

35cm以上40cm未満という感じ。
ここもイマイチパターンが分からない。
全体的に消化不良で、この日の釣行は終了となったのでした。
2013/5/25(土)
曇
弱風
気温:14度→19度
水温:18度
アタリ:10くらい
バラシ:6くらい
ゲット:4+1
しかし、このフローターダム、ポテンシャルは充分に感じました。
小規模な場所とは思えないクリアな水質に、時折見えたスクールからは魚影の濃さが窺えました。
そしてバラしたとはいえ40アップの割合。
…ここは、出る時は出るな。
根拠はありませんが、そう思えるに足る感触を受けました。
勅使河原さん、この日は手取り足取りナビゲートいただいて、どうもありがとうございました。
思っていたイメージとはまるで違うダムでしたが、
房総にもこんなダムがあるのかと、良い意味で期待を裏切られました。
ありがとうございました。ただ…。
一言、これだけは言わせて頂きます。
房総担々麺。あれは担々麺ではなくどう考えても酸辣麺です。
…いや、美味しかったですけどね(笑)
後日、同じ都内で働いていて業界も同じ、ということで、
一度サシで飲むしかないと、平日仕事終わりにご飯を食べてまいりました。
いやー、やっぱこの年くらいのバサーになると、色々深いこと考えてるんだな。
ロッドの考え方やリールの考え方についても色々語ってましたが、
勉強になりましたね。
もっとも、酔っ払って、半分くらいしか覚えてませんが…。
そちらもまたよろしくお願いします(笑)
※6/8の大会へ参加のご連絡をいただいた皆様へ
ご連絡内容に一部補足と訂正がございます。
皆様のアドレスへ連絡をさせていただきますので、
ご確認をよろしくお願いします。