初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ -26ページ目

初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ

バス釣りド初心者の中年バサーがベイトオンリーで印旛新川に挑みます。

僕には持病があります。




それは「不整脈」という病気で、

一度発作が起これば目の前は真っ白に、

バクバクと心臓が高鳴って、真冬でもシャツがビシャビシャになるほど脂汗をかきます。




立っていることはできず、買い物の最中だろうが通勤電車の中だろうが、

その場にへたり込んで10分は動くことができません。




この不整脈とも10年来の付き合いですし、悪い意味で慣れてきてしまったところもありますが、

ここ数年は、発作が起きて目の前が遠くなる都度、ボンヤリと思うことがあります。









「ああ、今日は釣れそうだな…」












…別に気が変になっているわけではありません。


発作を起こすとき、どんな状況が多いのか。

僕はやがて気がついたのです。





気圧が急激に下がると、発作が起きる、と。





発作とまではいかなくても、気圧が下がると気分が悪くなることに気がついた僕は、

気圧の変化を文字通り肌で感じることができるようになったのでした。






「…ぐっ!目眩が…、ハァハァ、こ、この気圧は…」






「…釣れる…」




ガクッ。








…別に死んだりはしませんが。






さて、気圧が下がるとバスが釣れるというのは良く聞くセオリーですね。

雨の降り始めが釣れるというのは気圧が下がるわずかな変化をバスが読み取るからだという話もあります。





では日本で最もポピュラーな、気圧が下がる代表的な日とは??







9月1日。








この日は以前から房総へフローターを繰り出す予定になっていました。

メンバーは、ぺりきんさん、426さん、かいてんさん、勅使河原さん。



これほどの人数でフローター釣行するなど過去に経験もなく、

僕はこの日をそれはそれは楽しみにしていたのでした。





前日の8月31日。



僕はQVCマリンフィールドに居ました。

もちろん、贔屓の球団である千葉ロッテマリーンズの応援のためだったのですが、

この日は浜風で有名なマリンでも珍しいほどの強風が吹き荒れています。




風速10mを超えることも珍しくないマリンですが、試合の初めから最後まで吹き続けるというのはあまり経験がありません。



―なんだか今日は風が強いねぇ。

何の気なしに隣に居た嫁さんに話しかけた僕だったのですが、



嫁「え、台風きてるでしょ、何言ってんの」




…台風?




嫁「台風」






…ウソ、明日の天気は?



嫁「雨降るっしょ」




えええええ!?




…マジか。

せっかくのフローターなのに…。



嫁「いやいや、そもそも風が強すぎてフローターは無理でしょ」



無理…かぁ?






チロリーン




あ、勅使河原さんからメールだ。



勅「明日は予定通り?風強くない?」




…嫁さんと同じこと言ってら。


あー…、そうですね、念のためオカッパリの用意もしていきますか。




残念だけど、今更日程を変えるわけにもいかないし。

命も惜しいしなぁ…。


フロは無理でも、最悪オカッパリならなんとかなるだろう。

ダムに行きたかったけど、状況によっては野池かな。



全員にオカッパリの用意もするように伝えて、ひとまずロッテの応援に戻った僕だったのでした。






午前2時。


球場から戻った僕は寝る間もなく、かいてんさんと合流し、房総へ向かいます。




―水が心配ですね。


相変わらずの強風にハンドルを取られながら、かいてんさんに話しかけます。




今年は梅雨が短過ぎて、そのツケがあちこちに影響しています。


ダムでも川でも減水がひどく、水が枯渇しないまでも、水の悪い部分をギュっと濃縮したような、

最悪の水質に苦しめられているバサーも少なくないでしょう。




「その分バスが密集してるでしょうから、考えようですよ」




…まぁ、そういう考えもありますかね。

ただ、そうなると活性は相当低いでしょうから、喰わせは厳しいかもしれないですねぇ。


全員がボウズ回避できれば万歳、って感じかもですね。





この時期のバスの活性の低さは、推して知るべし。

まして今年は例年と比べてもかなり状況は悪い。





…せめてもう一週早く台風が来てくれていたらなぁ。



そんなことを考えつつ、ネガティブな二人は集合場所のコンビニに到着しました。






少し早めに着いた僕たちは、車内で仮眠を取ることに。


集合時間の4時。


ぺりきんさんのメールで目が覚めます。





「もう着いてます?」




慌てて車を降りて、ぺりきんさんにご挨拶。


おお、いつの間にか全員集合してましたか。


それじゃ、ご案内しますけど…。





…ひょっとしたら水が無くて5人で呆然と立ち尽くすことになるかもしれません…。







勅・か・ぺ・4「…。」





―そしたら、まぁ、他のところへ行くとして、ひとまず向かってみましょう。





せっかくの釣行を始める前から台無しにするような、身も蓋もないことを言い放ち、車に乗り込んで先導します。

着くのは丁度夜明けくらいかな?

すぐに水の様子を見て、ダメそうなら他のところへ…。



どのみち活性は低いでしょうし、どこかにエントリーさえできれば万々歳。


…どんどん今日の目標が下がっていきます。





エントリーポイントに到着。






…あれ?


風が弱くなってる。






勅「水、案外あるね」





お、ほんとだ。


暗がりですが、オカッパリをしている先行者も見受けられます。



…風も、止んできましたね。これならイケるんじゃないですか?




か「いやー、もうオカッパリにしましょうよ。高滝行きましょう、高滝」





フローターは、ほぼ初めてのかいてんさん。

わかる。

最初は怖いもんですよね。


でもこのくらいの風なら充分に出せる範囲ですし、むしろ無風よりはこのくらいは吹いていたほうが、バスの活性も期待できるでしょう。




…ここまで来て何をヘタレてるんですか。ホレ、準備準備!




か「こうしましょう。日が昇るまでここでやって、日が昇ったら高滝行きましょう」






…もはや返事もせず、準備を進めます。







岸際までヒーコラ言いながらフローターを持ち運ぶと、しらじらと夜が明けてきました。



水の調子は…。







…。








…こりゃ、ヤバイね。



茶色というより、焦げ茶色の水面。

減水は10m近く進んでいるようです。


そりゃあ、水質も悪くなるでしょう。




分かっていたことではありますが、こりゃ先が思いやられる。






―んじゃ、とりあえず僕から切り込みますよ。

お先にー。


未だ準備中の皆を尻目に、エントリーできそうな岸際に向かいます。






…お、この辺はなだらかだな。これならエントリーも…。






…ズムッ。





う、土が柔らかい。


足が沈み込んでしまった。



―あー、この辺、泥が柔らかいんで気をつけて…、









…む。





足が、抜けない。






それどころかますます沈み込んでいくじゃないか。






ちょっと待て。ちょっと待とう。


冷静に分析してみようじゃないか。



足がどんどん沈んでいく。


秒速1cmくらいか?2cmか?





OK、じっとしているとヤバい。

じっとしているとヤバいぞ、これは状況が悪化するばかりだ。


とにかく一刻も早く脱出しなければならない。





右足は既にひざ下まで埋まっている。


まずはコイツをどうにかしよう。



左足がますます沈み込むのを覚悟で、まずは右足を引き抜こう。



左足にぐっと力を込めて…、






オリャアアアアアアアア!抜けろーーーーーーー!!!!


ヌアアアア、抜けろ、抜けろーーーーーー!!!!










…ハァハァ、





OK、OK!

一回冷静になろう。一回冷静になろうじゃないか。




…なんだ、皆、なんですかそのニヤけ顔は。

いや、これ、ふざけてるわけじゃないから。






左足は今のでさらに10cmは沈み込んだ。


右足は…、




全然抜けてない…。













OK、OK!







これはまずい。これはまずいことになった。


今度は左足がひざ下まで埋まっている。

右足も相変わらずどんどん沈んでいっている。





その昔、戦国の時代、

忍と呼ばれる一族は右足が沈む前に左足を前に出すという斬新な方法で

水面を走る術を身につけていたという。




まず、右、そして左!


右、左…、






う、動けない…。

















―た、た、た、助けてーーーーーーーー!!!!!








…ダム湖に響き渡る34歳サラリーマンの絶叫。










…どうにかこうにか脱出に成功し、精魂尽き果てた僕が見た光景は。






か「ビジ夫さん、何してんですか。こっち足場固いっすよ」



4「こっちもエントリーできそうス」





う、



う、







うぬれら…。









切り込み隊長としての職務を全うし、慎重に固い足場から再度エントリーを試みます。






…成功。




続いて426さん。ぺりきんさん、かいてんさん、勅使河原さんとエントリーしていきます。




さて、状況ですが。




水はまっ茶っちゃのドチャ濁り。

そして弱まったとはいえ強風です。



朝一はトップからと思い、ポッパーをリグってきた僕でしたがこれではアクションがまともにつけられません。


ならばいきなり岩盤を撃ってみようと移動を開始します。





…その後ろで、






ペ「きた!!」






ぬお!?ぺりきんさんヒット??


フローターの間際でバスが激しく抵抗しています。




…おお、ランディングした!


開始5分も経ってない?

凄い、いきなりか、さすが。



ヒットしたリグを聞きたいと思ったものの、距離が開きすぎていたためそのまま先に進みます。






すると、




4「キタ!!」





お、426さんも!?





か「喰った!」




かいてんさんも釣った!!










…アレ?


この減水、この水質で、いきなりラッシュ?


今日活性高い?





にわかには信じられません。



夏の終わり、雨がやっと降るようになったこの時期です。

活性が上がるには、まだ早いはず。




―巻物を試してみようか?

チラリと思ったものの、



…偶然の可能性が高いんじゃないか。


そう判断し、岩盤撃ちを続行します。








オープンに見える岩盤。


ヘビーダウンショットを投げてみます。






…僕はオープンな岩盤撃ちはヘビーダウンショットを多用します。

その理由は、また何か記事のネタが切れた時にでも書こうかと思いますが…。








しかし、投げたリグはなかなか沈んでいきません。


どうやら、ここらの岩盤がオープンに見えるのは、表層のみのようです。


シンカーをチョイチョイとゆすって、引っ掛かりを外したと思っても、

またすぐに次の引っ掛かりでシンカーが止まってしまいます。



…沈み木か。



もともとは岸に沿って立ち木がズラっと並んでいたのでしょう。

それがそのまま沈み木となって残っているらしい。





チョイチョイ…、



プルン。





…ゴッ!!!








!?



喰った!!







リアクションか?

沈み木の中に潜んでいたらしい。



ぐ、巻かれ…、巻かれ…、ない!

出てきた!



オリャアアアアアアアアアアアア!!!!
















初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-41


41cm。



いきなり40アップ!


おっしゃあ!!




いや、うまく引きずり出せてよかった。

皆いきなり釣りだして多少焦っていたのが正直なところですが、

どうやら乗り遅れずにすんだようです。





40出ましたよー!

なんてアピールしつつ、先に進みます。





…フム。


ひょっとしてデカイやつは同じように沈み木の中に潜んでるんだろうか。

ただ、これだけゴチャゴチャした水中ではヘビダンは不利です。




ラバージグに変更します。





同じように枝に引っ掛け引っ掛け、沈めていきますが…。






426「キタ」





426「クッタ!」





何やらさっきから後ろで426さんが釣りまくっている。


シャロー狙いか?





―426さん、リグ何ですか?


426「スモラバス」



なるほど。シャロー狙いですか。


426「シャロー狙いス」





…ふむ。


食い気のある魚がシャローに寄ってるんだ…。




てことは?てことは?


やっぱり、今日活性良いんじゃ…?






…いや、でも9月1日ですよ。

夏の一番暑い時期、まとまった雨が降り出す直前の、一番釣れない時期ですよ。


そんなうまい話があるかなぁ…。




何しろ渋い渋いと言われる関東のフィールドで鍛えあげられた僕です。

今日は活性が良いかも、何て言われても、そう簡単に信じることはできません。



…大体、この時期の魚なんてやる気もなく底のあたりをフラフラしてて、

たまたま目の前を通ったリグに気まぐれにクチを使ってみた、なんて、

そんなシチュエーションじゃないと釣れないんだ。




それよりなにより、ちょっと釣れてる人がいるからって、



混ーぜーてー!


なんつってポイントに割り込むってのはどうにも性に合わない。




しばらく岩盤撃ちを継続していきます。






勅「きた!」


…あ、勅使河原さん釣った。



おお?これで全員ボウズ回避した?


正直、5人でフローター出したなら一人くらいはボウズが出るかも、なんて不吉なことを思ってましたが

開始してまだ1時間も経ってないうちに全員が釣った。



426さんなんて、もう5,6本釣ってるんじゃないか?




…あれ?

これ、今日、活性たか…





いや、そんなわけないって!

そんなうまい話はないよ!



邪念を振り払い、先へ進みます。




相変わらず岩盤を中心に、底を取りながら撃っていくとコバスがポロポロと釣れてきます。




…しかし、サイズが上がらない。





ジグのトレーラーをポークに替えてサイズアップを狙ってみます。





…バシャシャ!!








20cm…、あるか?よく喰ったな…。



むしろサイズダウン。

うーん、何が正解なんだろう。







日の当たるエリアに出ました。




勅使河原さんはエレキの機動力を活かしてかなり先へ進んでいます。

それをかいてんさんが追いかけています。




後方に426さんとぺりきんさん。


どうやら、二人はエントリーポイント方面へ引き返す模様。




…あ、どうしよう。

僕はどちらに行こうか…。




ここから先は僕もあまり進んだことが無いエリア。


戻ったほうが無難な気がするけど…。





かいてんさんを追いかけます。



―かいてんさん、どうですか?




か「チャターおもしろい、マジで!」



お、チャターですか、いいっすね。


か「ゆっくり巻くと、ゴゴゴッってくるんですよ!」







ふむ。




案外横が効くのか…?





僕もチャターを手にしてみます。


プルプルプル…


チドリの感触が心地いい。




ゴッ!!








!?









…根がかった…。




う、これはダメなやつだ…。


フンッ!






ブヅッ!







…新品だったのに…。ブレードジグ…。





か「すげーチェイスしてきますよ!」








…ロストしたからもう試せないですけどね。



さて、この辺りは開けているようです。


ヘビダンにチェンジ。










初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-38


38cm。





岸ギリギリではなく、少し引いてブレイクを落としたところでヒット。


日が当ってるし、ここらは沈んでるのか。



エントリーポイント近くのアタリ方とは違います。





―かいてんさん、僕ちょっと戻ってみますわ。




水中に浸した足が感じる水温が、明らかに高い。

水温がかなり違うようです。




岸際を撃ち撃ち、戻っていきます。



ポロポロと釣れるコバスは、全てベタ底。






…うん、ダメだわ、ここは。


エントリーポイント近く、40アップを釣った岩盤に戻ります。





ラバージグを投げてみると、やはりポロポロとコバスが釣れる。

そしてアタリ方が違います。


だいたいフォールか、着水してすぐ、表層の浅いところで反応があります。




このあたりは日光を遮る遮蔽物が多くあり、おそらく水温もかなり違うのでしょう。




…あれ、勅使河原さんが釣ってる。






…ん?また釣ってる。



…え?また釣ってる?





同じく引き返してきていた勅使河原さん。

立て続けにバスを釣っています。





…おお!?それ結構いいサイズじゃないの?




え、何投げてるんだあれ??



ヘビダンかテキサスか…。




いずれにしても沈みモノリグのはず。





…あの短い距離で立て続けに釣るということは…。


投げたところにバスがたまたま居たとは思えない。

バスの方から喰ってきていなければ、ちょっと理解できない現象です。





…ふむ。

てことは、てことは、あり得ないと思ってたけど…。







…パショッ!






ん、捕食音?


音のした方向を見やると、水面に波紋が残っています。




ベイトフィッシュを追いかけていたというより、水面の羽虫か何かをつまんだような音。




…コバスっぽいなぁ…。




思いつつ、念のためその場所へキャストしてみます。









…ヒュッ






…ぽちゃん







ゴッ!!!!!









!!?


喰った!!







ぐ、おお、引く。



引く!デカイ!






―デカイ、デカイっす!これ!




近くにいた勅使河原さんとかいてんさんにアピールします。





コバスなんてとんでもない。

これ50近くあるんじゃないか。




ミシミシとロッドがきしみます。




無理やり巻いたらダメだ、少しずつ、少しずつ…、


時間をかけて…、













初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-45


ゲット!!!






いよっしゃ!アブネー!!


…って、あれ?





サイズを測ると、45cm。


あれ、45?絶対50近くあると思ったのに…。



か「…ここの魚、サイズ以上に引きますよね」





かいてんさん。

たしかに。


もうちょっとあると思ったんですけどね。





か「釣れる魚、みんなコンディションいいですよ。痩せてる魚いないし」




あ、言われてみればそうかもですね。


てっきり水が悪くてコンディションも悪いかと思ってたんですけどね…。





うーん。


ここまでくれば、もう認めるしかありません。





今日は、活性が高い!




…とくれば?





巻物でしょう!







…現在午後2時です。

気がつくのが遅すぎです。



もっと早く認められたはずなのに、先入観が邪魔をしていたのです。



このフィールドが、いつもこうなのかはわかりません。


しかし、今日この瞬間は間違いなく活性が高い。





クランクを手にします。






…ヒュッ!






グリグリ…







ゴッ!!







喰った!!!


…が?





フルン





くあ、バレた。





喰ってくるじゃん。

巻物喰ってくるじゃん!





くっそ、もっと早く気付いてれば…。








…あ、ぺりきんさん。


どうですか、調子は?




ぺ「さっき、今日イチをかけたんですけど切られちゃいました」




…ははぁ、スピニングですね。

スピニングなんて使ってるから切られちゃうんですよ!




ぺ「沈み木が多いですしね…」




そうそう、ベイトで強気にいきましょう、強気に!





無責任なことを言って先へ進みます。




岸際に沿ってクランクでざっくりと攻めていきますが…、








ガッ




ゴッ








…アタリではありません。


全て沈み木への根がかり。





このあたりは今までと比べてもさらに沈み木が集中しているエリアのようです。

フローターの利点を活かして、ロストまではいかないものの、こうも根がかっては満足に攻められません。






…ゴン!




喰った!!






う、巻かれ…










…せっかくヒットしてもこの有様。


木の周辺についているようですが、皆どうやって引きずりだしているんだろう。




バスはいるようですが、ここは僕の腕には余る。


引き返します。





ぺ「テキサスでいいの釣れましたよ」




お、マジっすか!

どうしようかな、僕も沈みモノに変えようか…。

まぁでも、そろそろアガリの時間だし、最後まで巻物でやってってみるか。





ぺ「デカイ!!」






…お、ぺりきんさん、ヒット?

あれ?デカイ?


結構デカくないですか、それ?




うお、デカい!デカいじゃないですか、何cmですかそれ!?




ぺ「45ですね」




おお、いいサイズ!

おめでとうございます!


ぺ「ありがとうございます」




何で喰いました?


ペ「スコーンですね」




…スコーンか。

使ったことないな。


チャターはさっきロストしちゃったしなぁ…。






…あ、勅使河原さんと、かいてんさんが戻ってきた。





勅使河原さん、なんだかツヤツヤしています。


なんだ、なんか勅使河原さんがツヤツヤしているぞ。





…あれ?


かいてんさんがゲッソリしている。


なんだ、かいてんさんがゲッソリしている。

まるで生気を感じません。


魂が半分ほど抜け出ているような印象を受けます。





―勅使河原さん、何本くらい釣りました?




勅「40くらい釣ったんじゃないかな。人生で一番釣ったかも」




40!?


40っすか!マジッすか!





…あれ、かいてんさん?




か「…同じことやってるのになんで釣れないんだ…」








う。


皆まで聞くまい。







帰りも考えて、そろそろあがりますか、とここでお開きになりました。








2013/9/1(日)

強風→弱風
気温:30度
水温:?度
アタリ:数知れず…
バラシ:10以上
ゲット:20くらい







後で聞いてみると、426さんは30本くらい。

ぺりきんさんは20本近く。


かいてんさんも12本くらい釣ったとのこと。



…なんだ、ちゃんと二桁釣ってるんじゃないですか。

しかも40アップも2本出たんでしょう。


それで何が不満なんですか。



か「オレ以外バカスカ釣って…」



そんなこと言ってたらバチがあたりますよ。

一回の釣行で二桁釣れることの方に感謝しないと。



か「…」





そもそも、かいてんさんは今日が初めてのフローターですしね。

これで悔しがってフローターにハマってくれても面白いことになりそうです。





…さて、前フリの不整脈の話なのですが、

実はこの日、僕は低気圧の日特有の気持ち悪さを全く感じませんでした。


それほど気圧は下がっていなかったのか、

あるいは、気圧の下がり方がゆっくりだったのか。


いずれにしても、気圧の変化でのバスの活性は期待できないと早々に思い込んでいたのでした。




…別に、気圧が下がらなければバスが釣れないというわけでもあるまいに。


変にバス釣りに慣れてくると、こういった先入観や思い込みが足を引っ張るケースが増えてきます。


今日なんて、本当は一日巻物で通したっていいくらいだったのに。

経験を大事にしつつも、初心に帰って色々と試してみる。


それを忘れないようにしようと誓った僕だったのでした。






…さて、今月末の大会ですが、まだ参加者を募集しています。

オヒマな方はどしどしご連絡をお願いします。


今度こそはきっと、釣れる大会に…



…なると思います…。たぶん。
こんばんは、ビジ夫です。


すみません、告知が遅れてしまいましたが、

第4回印旛水系オカッパリ大会を、9月28日に執り行いたいと思います。

緩い大会ですので、お暇な方はぜひ気楽にご参加ください。


imba.suikei@gmail.com


参加をご希望の方は、こちらのアドレスまでご連絡をお願いいたします。



ご連絡の際は、お名前(H/N可)、お車の有無、釣り歴を記載していただければと思います。



ルールはまだ決めていません。

こちらは決まり次第、参加者の皆様へご連絡させていただきます。



また、大変申し訳ないのですが、参加人数に制限を設けさせていただくかもしれません。

何しろローカルの大会ですので、一般の皆様にご迷惑をお掛けする可能性があり、

この点はどうぞご理解をお願いいたします。








…さて、告知としては以上なのですが、

何の話をしたものか…ということで、

ちょっと、最近思ったことを書かせていただきます。


思ったこととは、「フロッグ」について。






夏の代名詞ですね。トップですね。




一番の特長は、そのウィードレス性能。


カバーを攻めることを得意とした異色のトップウォーターです。




しかし、悲しいかな、バス釣りの世界においてウィードレス性能とノリの良さというものは反比例する宿命にあり、

フロッグもその宿命を逃れることはできません。


僕は今まで度々フロッグを使ってバスにクチを使わせてきましたが、

一度たりとも乗せられたことはありません。



ウィードレス性能は非常に魅力的です。


カバーの上をスイスイと滑らせ、ガボっとバスが飛び出る瞬間というものは、

他のトップウォーターでは味わうことのできない醍醐味と言って差し支えないでしょう。




しかし、繰り返しますが、乗らない。





これが本当に乗らないのです。



パクっと咥えて沈んで行った!よし、フッキング!



…スポーン!!!





ここまでがフロッグを使う上での1セットと言ってしまって良いでしょう。







…やはり、フロッグを使う上ではカチカチのヘビーロッドと伸縮性のないPEラインが必須なのか。



だとしたら、僕にとってフロッグとは物理的に使用する事ができないルアーということになります。





…えー。


まじですか、新品で1500円もしたのに。




こうして、僕のタックルボックスの中でフロッグは半ば飼い殺し状態にあったわけなのですが、

そんなとき、とある方からこんな話を伺いました。



「僕はアシストフック付けてますよ」










…はい?





フロッグにアシストフックですか?


それじゃフロッグの唯一無二の長所、ウィードレス性能が台無しじゃないですか。


そんなフロッグが投げられる状況なら、それこそ無理せずにペンシルでもポッパーでも、

何でも好きなトップを投げればいいじゃないですか。



それこそ、量が多すぎるからとラーメン二郎で麺半分、ヤサイ少なめを頼むようなもの。

アイデンティティそのものを否定しかねない発言じゃないかと、


何言ってんだ、この人は、と、その時の僕は呆れ半分で話を聞いていたのでした。








しかし、やがて僕はフロッグを投げるたび、ある傾向が目につくようになります。



それは、





着水バイト、いわゆる落パクが多いという事実。






オープンなエリアにフロッグを投げ、さて、1アクションさせようかというところ。





「バショッ!!!」








ぬお、出た!?







ウオラアアアアアアアア!!!!!!!











…スポーン!!!








ここまでが1セットであることは言うまでもありません。







乗らないという点は置いておいて、着水させてすぐのバイトがあまりにも多い。


それは、フロッグの着水音に起因するのではないかということに思い至ったのでした。






ハードルアーのトップウォーターを着水させたときの「ジャボッ」「チャポッ」という着水音と比較し、

フロッグのそれは「ペシャッ」「パショッ」という軽い着水音です。



ワームの類を着水させた時の音に近いかもしれません。


そしてその違いが、明らかにバスの興味を引いているように感じられる。





ハードルアーとソフトルアーの使い分けにも通じるかもしれません。


この、フロッグの着水音が明らかに効いていると思われるケースが多々あるのです。






…だとしたら?







オープンエリアで、フロッグにアシストフックを付けて投げる価値は充分にあるのでは?





そう考えた僕はさっそく新しいフロッグを購入し、

カバー用にノーマルのフロッグ、

オープン用にアシストフック装備のフロッグと、

2種類のフロッグを持参して釣行に臨むようになったのでした。





…もう9月ですが。







この自分なりの結論というものは、ある程度確信を得られたところで

あらためてご報告させていただきたいと思います。




トップの中でも尖った性能を持つフロッグ。



皆さんのイメージとはどのようなものでしょうか?



「ブラックバス」と一言で言っても、日本には2種類のブラックバスが存在すると言われます。




…2種類?


3種類?4種類?




細かい話はどうでも良いとして、大別すると「ラージマウス」と「スモールマウス」。

この2種類が、日本におけるブラックバスであると言われます。




…仮にもバス釣りを趣味としていてこの2種類を知らないことなど有り得るはずがないのですが、

念のため、受け売りの知識を披露しておくこととします。



僕らが通常「バス」と言えば、それはブラックバスの中でもラージマウスを指します。

それに対して、「スモール」という呼称がスモールマウスに対するそれとなります。



…もっとも、ブラックバスという呼称は、スモールマウスの幼魚が黒っぽい魚体をしていることに由来するとも言いますので、

そうなるとバスのスタンダードとはラージなのか、スモールなのか、

そんなどうでもいいことを考えつつ、スモールマウスバスについての話です。




スモールはおおよそ関東よりも北、清涼で涼しい気候を好むと言われています。


日本で初めて確認されたのは福島県の桧原湖とも、長野県の野尻湖とも言われますが、

日本への導入の目的がはっきりしていたラージマウスとは違い、

いつ、なぜ、どのように導入されたのかは「不明」とされています。




名前の通りクチがラージマウスバスと比較して小さめで、

筋肉質の魚体と、それゆえかサイズに比して強烈な引きと、


虎柄とも言われる縞模様と、

そして時折確認される真っ赤な瞳、


ラージマウスをメインに釣行している自分にとって、スモールは非常に刺激的で、美しい魚です。









そしてこのスモールマウスですが…、



僕はスモールを釣ったことがありません。








話は遡り、7月。




―嫁さんよ、今年もちゃんと8月に休みが取れそうだよ。




僕は年に一回、嫁さんに対する孝行として、

子供たちを僕の実家に預け、日頃の苦労を労うために

嫁さんの行きたいという場所に旅行に出かけることを心掛けていますが、

子供たちが夏休みの期間中である7月末から8月の間でなければ、通常の土日だけではそれほど遠出することができません。



嫁「じゃあ割とどこでも大丈夫そうだね」



うん。そうだね。

今年はどこ行きたい?



嫁「もう決めてる。福島!」



ああー、福島ね。

アレでしょ、大河ドラマの影響でしょ。




嫁「別にそれだけじゃないよ、前から行きたかったし!」




ホントかー?

ミーハーなだけなんじゃないのー?




嫁「…桧原湖に寄ろうと思ってたけど。止める?」









え、桧原湖?桧原湖の方行くの?




嫁「桧原湖のほとりに泊まるつもりだけど」




―行くよ!絶対行く!





桧原湖と言えば、スモールのメッカじゃないか。

常々、スモールを是非一度釣り上げてみたいと思っていた僕は、一も二も無くこの希望を承諾したのでした。






嫁「…言っとくけどね、観光がメインで釣りはついでだからね」



わーってるよ。そのくらい。



嫁「色々周りたいから、釣りは初日に1時間か2時間しかできないよ」







…おう。



なんだ、良い具合に僕を追い詰めてくれるじゃないの。


あれか、その1時間か2時間で結果を出せと言ってるわけだ、この僕に。




…いいよ、上等だよ。


僕といえば追い詰められた時こそ真価を発揮する男、




そんな男になりたいと思ってる僕だよ。






わかった、いいよ、初日に1時間ね。






嫁さんからしてみれば、わざわざ僕のために釣りの時間を割いてくれるということなのでしょう。


感謝こそすれ、恨む筋合いではありません。





―あ、でも、そもそもなんだけど。

そう言えばスモールってどうやって釣ればいいんだろうか。



嫁「なんかね、オカッパリだったらスピニングでキャロだって」



…なにそれ、ナニ情報よ、それ。



嫁「お兄ちゃん情報」





…ああ、そうか、そりゃ説得力あるね。






以前にも書いたことがありましたが、僕が釣りを始めることになったキッカケである嫁さんが釣りを始めたキッカケが嫁さんのお兄さんなのでして、

嫁さんいわく、お義兄さんのもっとも得意な釣りが、キャロライナを使ったスモールの釣りだということらしい。



―しかし、なんでスピニングなんだろう。

そう言えば、たしかにスモールと言えばスピニングというイメージが有る。




…なんで、スモールはベイトじゃなくてスピニングなんだろうね??


嫁「…さぁ」







…うーむ。




たぶん、たぶんだけど、僕が想像するに…。



スモールマウスというくらいだから、きっとスモールはラージよりも小さなリグを使って釣りをするのだろう。

ということで、小さなリグを扱いやすいスピニングということなんじゃなかろうか。



でもそうすると困っちゃうんだよねぇ…。





何しろ僕はベイトタックルしか持っていません。


バス用のスピニングと言えば、わずかに嫁さんが1セットを持っているのみ。

それも、ちょっと普通のスピニングタックルではないのです。




―嫁さんですが、「一本のタックルで大概の釣りができるように」と、

行き着いた結果が、「8~10ポンドのラインを使ったスピニング」だったそうです。



長めのMLのロッドに、2500番程度の大きめのスピニングリール。


これに太いナイロンラインを巻いて、フィネスからハードプラグまで何でもやる。


これが、嫁さんの釣りです。





スピニングの釣りと言えばこの嫁さんの釣りしか知らなかった僕は、

一般的なスピニングタックルの繊細さを初めて知った時に、随分と驚いたものです。



…そもそも、ドラグなんて適当に締め込んでおけばいいくらいに思っていて、その重要性が全くわかっていなかったのですから。





スモールとは、そんな一般的なバス用スピニングタックルの無い僕と嫁さんでも、釣りになるものなのでしょうか。







嫁「イケるイケる」


―え、スモールやったことあるの?




嫁「無いけどイケるよ。同じバスだもん」




…そんなもんかぁ?



嫁「そんなもんだよ」







…いい加減なヤツだなぁ。

そもそも、先人たちの知恵の結晶が今の常識なんだろうに、

スモールがスピニングというからには、それなりの理由がちゃんとあるんじゃないの。




嫁「ラインが太かろうが細かろうが、食う時は食うし食わない時は食わないよ」







…。

まぁね。



別にタックルを見切って食ってくるわけでもないだろうしね。




慣れない、変なことをやるより、二人とも普段通りにやってみっか。


嫁「それで大丈夫だと思うよ」






たしかに、ちょっとくらいクチが小さかろうが、その分デカい魚を獲ればいいだけの話だな。


慣れないことをやって後悔するより、ラージとかスモールとか気にせずに、いつもどおりやってみよう。




…そう決めて、僕は特に大した用意もせずに当日を迎えたのでした。








8月8日。






予定通り子供たちを実家に預け、いざ福島へ。

観光と、喜多方ラーメンの有名店をハシゴして、



嫁「じゃあそろそろ桧原湖に行こうか」





きました。




ついに、僕が初めてスモールマウスバスを釣り上げるその瞬間が。





―あ、でも桧原湖って結構広いよね。

そんな簡単にオカッパリポイントなんて見つかるのかな。




嫁「大丈夫」


なにが。


嫁「お兄ちゃんに一番のポイント聞いてきた」








…なにそれ?

何その手際の良さ。






嫁「一番釣れるっていうワームももらってきた。あんたの釣りカバンに入れといたから。もう廃盤らしいよそのワーム」



…女神か、貴女は?








1時間しかできないよとか憎まれ口を叩いておきながら、

僕のために嫁さんは嫁さんで準備してくれてたんだなぁ。




そんなツンデレ嫁の心遣いに感謝しつつ、いざ、お義兄さん必勝のポイントへ向かいます。






車を走らせること1時間。



桧原湖が見えて来ました。





…おお、凄いじゃん。


凄い良いとこじゃん、これ。





山々に囲まれた湖は、キラキラと斜陽を受けて水面に柔らかな光を反射しています。


木々が落とす影。


鳴く水鳥たち。


静かに湖面に浮かぶボート。






僕に写真の趣味があれば、ここぞとばかりに撮りまくって釣りをする時間などあっという間に無くなってしまったでしょうが、

幸いにも、僕がもっとも興味が有るのは湖自体ではなく、そこを住まいとした生き物に対してです。




車はゆっくりと、湖の沿道を走り抜けます。






嫁「…ここらへんらしいけど」





…ここ?




なんだか崖っぽいけど。

降りるところあるかな。ちょっと見てくるわ。





車を降りて崖を覗いてみると…、






―あ、これか。


明らかに人が下ったと思わしき草を踏みつけた道があります。




―あったわ、たぶん下まで行ける。


嫁さんに報告し、いざ釣行の準備です。



二人して長靴に履き替え、タックルを手に、

カバンを背負って…、






…あれ?
























…カバンがない。




あれ、嫁さんよ、釣りカバンは?





嫁「え。知らないけど」




え、だってさっきワームをカバンに入れたって…。


嫁「家でだよ」








え?








僕、車に積んでないよ。








嫁「アタシも積んでない」










…え?





タックルは持ってきたけどリグってきてないよ、僕…。

























8月8日 桧原湖 釣行





2013/8/8(木)

弱風
気温:29度
水温:?度
アタリ:-
バラシ:-
ゲット:-






















…いやいやいやいや。







いやいやいやいやいやいやいやいや。




ウソでしょ、ちょっと。

福島の桧原湖だよ。あの有名な。



タックルだけあってルアーもワームも無いとか、そんなこと有り得るわけないでしょ。




嫁「アッハッハ、一番大事なの忘れてるじゃん」








…笑い事じゃないだろうが!



え、ウソでしょ?



なんちゃってーとか言って、シートの下からカバンが出てきたりするんでしょ?





嫁「持ってきてないよ、ほんとに。家でリグってこなかったの?」




…フックまではセットしてきたけど、ワームは現地でと思って付けなかったよ。





嫁「…あーあ」








…。





ウソでしょ?


そんなこと有り得る??



よりによってこんな大事な日に、カバン忘れるとか有り得ないでしょう。





…思考が停止する僕。






嫁「どうすんの、5時にはホテルにチェックインしないといけないよ」



…現在3時半。



あと1時間半近く釣りができたはずなのに。




嫁「道具買いに行く?」




…どこに?


今からまた山を下って買って戻ってきたとして、何時になるのよ。




嫁「近場で売ってるかもしれないじゃん」


…釣具屋なんて途中に一軒も無かったじゃん。

今からそんなの探して何時間かかるのよ。




嫁「…でも何もしないと釣りできないけど」



嫁さんの方が冷静です。



しかし、思考がストップして半ば意固地になってしまった僕は、

そんなの無理だとか、間に合わないとか、否定的なことばかりを言って嫁さんを困らせます。



嫁「…途中、ボート屋があったじゃん。ボート屋なら売ってるんじゃない?」








…ボート屋?




あったな、確かに。





ボート屋、確かに売ってるかもしれない。


ボート屋まで引き返して何分だ?

30分として往復1時間、釣りができるのは…。





嫁「…今日は諦めてさ、明日釣りしようよ。1時間くらいならいいからさ。とりあえず今日は5時までに売ってるところ見つけよ?」







…何それ。


女神か、貴女は?






正気に戻った僕。


そもそもカバンを忘れたのは僕なのです。

僕が否定ばかりして、嫁さんが解決策を考えているこの現状がまずおかしい。





…ゴメンとも言えず、「うん」と答えて、ひとまずボート屋を目指して引き返します。





途中のボート屋。



店から出てきたオヤジさんに、ワームは置いてないかと訊ねてみます。





「今置いてないんだよね。昔は置いてたんだけども」





…ですよねぇ。


わざわざ桧原湖まで来てワームの用意もしてない人なんていないですよね。



…僕以外には。






トボトボと車に戻る僕。






嫁「無かったか」



―うん、もうホテルチェックインの時間だし、いいよ、行こう。




嫁「途中、土産物屋さんあったよね。最後にそこ寄ってみようか」






…土産物屋かぁ。


桧原湖で釣った記念に土産物屋でワーム買ってきましたってか。

ゲーリーのご当地ワーム、なんつって。



…皮肉を言っていても始まりません。

ダメで元々なのです。


土産物屋に向けて走り出します。





…10分後。


着いた場所は、完全な土産物屋です。



―これ土産物屋だよ…。


嫁「土産物屋だね」



これはいくらなんでも無いでしょう…。




…まぁ、せっかく来たのです。

中を覗いて、ジュースの一本でも買ったらホテルに行くか。


そう思い、店の奥へ向かったところ、何やら紙で作られた手作りのポスターが。




「釣具コーナー」







…釣具コーナー!?




慌てて駆け寄ります。








…ある。


あるよ。


ウソでしょ、土産物屋に釣具が売ってる。




コーナー自体がうっすらとホコリを被っているのは、かなり以前から売れ残っているからなのでしょう。


ここを訪れる多くの客には無意味な代物かもしれませんが、

しかし、今の僕にとっては宝の山であることに違いありません。






ワーム、ある。


フック、ある。




バレットシンカー、あるよ。




…イケる。

僕の釣りができる!





オバチャーン!これください!






え、それ買う人いるんだ、とでも言いたげなオバチャンの表情を無視して会計を済ませます。








嫁ー!売ってた!あったよ釣具!





ほーらね、という感じの嫁。


さすがだわ。半分以上諦めかけてたけど、僕の嫁が嫁さんで良かった。



あっという間に上機嫌になる現金な僕。


…おっとっと、危ない、チェックインの時間だ。


慌ててホテルへ急行し、滑り込みで受付に飛び込んだのでした。








ホテルに入り、大浴場でひとっ風呂浴びて人心地ついた僕は、あらためて今日の戦利品を確認します。


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-カットテール

4インチカットテール。


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-ダブルテール

4インチダブルテール。


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-フック

1/0オフセットフック。


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-シンカー

5gと7gのバレットシンカー。






家から持参したタックルは3本。


MLでナイロン10ポンドのタックル。

Mでナイロン12ポンドのタックル。

MHでフロロ14ポンドのタックル。



MLのタックルはカットテールでヘビダンに。

Mは同じくカットテールでキャロライナに。

MHはダブルテールでテキサスに。





…完全にイケるやん。

完全に釣りができるやん。



逆に、ふだんパンパンになってる僕のカバンには何が入ってるんだ?

たったこれだけの道具でも、充分に釣りができるやん!




嫁さんよ、イケるわこれ。完全にイケるわ。





嫁「イケるね。アタシはキャロ一本でいくから。カットテールだけ頂戴」




おう、いいよ。いくらでも使ってくれ。

さぁ早く寝よう。


明日は早起きしてチェックアウトして朝マズメだ!






嫁「…いや、朝食の時間決まってるし、ダメだから」



…ガク。






翌8月9日。



6時に起床し、朝風呂と朝食を済ませます。


外は快晴。

気温も高くなりそうです。





出掛けにホテルの従業員に、最近の桧原湖の釣りはどんな状況か知っているかと訊ねてみます。





「…釣りですか、お客様。実は今年はヤマメもイワナもさっぱりでして、大変申し訳無いのですが…」








「バスだけになっちゃいます…」











…いや、いいですよバスで。





「何しろ今年はあまりにも不漁なものですから、漁業券すら発行してないような状況でして。私どもからすれば、ヤマメもバスも区別がつきませんもので…」


「なのでお客様、大変申し上げ難いのですが…」









「バスだけ、になっちゃいます…」








いや、バスだけでいいですって。




…なんだろう、そんなに僕はバサーに見えないんだろうか。

確かに外見は完全にオッサンだけれども…。




なんとなく釈然としませんが、あまり気にしないことにして昨日のポイントへ向かうことにします。





到着すると、先行者ナシ。


隠れたポイントなのか、平日が幸いしたか。





急いで準備を済ませ、岸際に降り立ちます。







気温は25度もありません。


さすがに福島。


…もっとも、1時間後の気温がどうなっているかはわかりません。




水は完全なクリアです。

この真夏に水は透き通り、「飲める」と言われたら信じてしまいそうです。




水深は…、1mも無いか。

シャローが延々と広がっているエリアのようです。




そして手前側の岸にはカバーとオーバーハングに岩盤が絡んでいます。



…なるほど、こりゃ確かに良さそうなポイントだ。

多分、フィーディングの魚が入ってくるポイントと見た。





フムフムと考えている僕を尻目に、嫁さんは早速良さそうなポイントへ立って精力的に投げ出しました。

8ポンドラインのスピニングタックルで、リグはキャロライナです。




…あ、ずるい!いいとこ取りやがった!


僕も負けじと投げ始めます。






沖をキャロライナでザックリ巻いてくるも反応なし。


じゃあ手前側の岩盤はどうだろうか。




…ヘビダンを手に取ります。






岩盤を覗いてみると…、





…ん?


岩盤手前のカバーに真っ黒な魚体が見えます。


デカいな、鯉か?



普通、ラージの見えバスと言えば、灰色ぽい魚体に尻尾の先だけが黒く見えるものですが…。






…あれ?



スモールじゃないか、これ?





急激に心拍数が上がります。


…あの魚体、鯉じゃないよ、バスだ多分。



初のスモール見えバス。


しかもデカい。40はゆうにありそうです。





見えバスはゆっくりと移動し、カバーの奥に入って行きました。






…イケる、あいつ気づいてない。



進行方向を予測し、カバーの奥にヘビダンをキャストします。




ラインテンションは完全にフリーに、湖面に浮かぶラインを凝視します。





…喰え、気づけ。






ジリジリとその瞬間を待ちます。






すると…、ラインがフッと動きました。








…喰ったな、さっきの奴なら…。





ラインスラックを巻きとって…、





ガツンとフッキング!!











ズン!!!









乗った!デケェ!!





カバーから引きずり出します!

水面を踊る魚体の大きさを見て、先ほどの魚であることを確信。






―喰った、デカいこれ!




嫁さんが気づきます。




嫁「…そこから抜けそう?」





ムリムリムリムリ!


ちょっとそこどいて!そこの浅いところからランディングする!





嫁さんをどかせ、ポジションを入れ替えます。


スロープ状に岸が湖に落ち込んでいるポイント。

ベイトのパワーに任せてこっちに寄せ…、寄せ…、





…めっちゃ引く!



めっちゃ引く、なにコレめっちゃ引く!




ヤバイ、嫁さん、これヤバイ、めっちゃ引く!


ヤバ…










ブヅッン






















…ウソだろぉ…。


10ポンド切りやがった。





宙を仰ぐ僕。




嫁「え、ブレイクしたの!?」









…。


答える気にもならない僕。






うおぉぉぉぉ…やっちまった…。


ライン傷んでたのかな、巻き替えたのいつだっけ?


それともカバーから抜いた時にダメージがあったのか。

深めにフッキングしちゃって歯でこすれたか。




そもそも10ポンドのタックルで投げたのが失敗だったか。

冷静にテキサスに持ち替えてれば…。




悔やんでも悔やみきれません。




40は余裕であった。

45くらいあったかもしれない。


…いやいや、ひょっとしたら50近くもあったかも…。




逃した魚はなんとやら、です。





切れたタックルをリグり直す気力もなく、呆然と岸際に佇む僕。









嫁「どのへんで出たの?」



…そこのカバーだよ。

でも荒らしたからもう魚いないと思うよ。





嫁「あそ」





…今のなぁ…、最後に突っ込まれてブレイクしたんだよなぁ。

瞬間的にクラッチ切ってたら大丈夫だったのかな。

上手い人だったらそうできたんだろうか…。



ベイトだからって、無理やり巻いていいってわけじゃないんだよなぁ…。





ああ~~~~~、もう!

5分前からやり直させてくれ!





嫁「喰った!」













…は?




とっさに意味が理解できず、嫁さんの方を見やると…。




弧を描いているロッド。







え?





嫁「ちょっと、そこからランディングするから!どいて!」






え、出たの?





突き飛ばされるようにどかされる僕。



必死に巻いている嫁さん。






キン!キキキキキ…






…ドラグ出てる。


え、ウソでしょ?ほんとに?











初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-嫁さん



この女、釣りおった!!!





え、どこで喰った?カバー?




嫁「いや沖。沖からそこのカバーに向けて寄せてくる途中で喰ってきた」






何それ。

何そのもっともらしいアプローチは!




嫁「いやー、初スモールだわ。噂通り引くねー!」





…何してんだ僕は、さっさと釣らなきゃ!




慌ててキャロのタックルを手に、沖に投げます。


で、カバーに寄せてきて…。







…喰わない。




嫁「荒らしちゃったから魚いないかもよ」





…うっさいわ!



チキショー!僕だって、さっきかけたんだからね!

でかいやつ!こっちの方が全然引いたわ!




…何それ。

何その憐れみの瞳は!




ちょっと待ってろって、すぐデカいの釣ってやるから!





嫁「時間」




…え?



嫁「もう時間だから」





















2013/8/9(金)

弱風
気温:25度
水温:?度
アタリ:1
バラシ:1
ゲット:0












嫁「お兄ちゃんにお礼のメール送っとこ」





…良かったね、良ござんしたね。


ああ、でも僕だってかけたんだって、デカいやつを…。

あれが獲れてれば…。





嫁「うんうん、わかったって、見てたから。デカかったよ」





…ガク。







その後、予定通り観光を済ませて帰宅しました。








初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-城


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-滝


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-イワナ


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-ジュース


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-野菜


初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-そば





初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ-ムラ






釣りは残念なことになってしまいましたが、しかし観光はそれを補って余りあるくらい楽しめました。


美しい県です。


釣りでも観光でも、もう一度訪れたい、そんな気持ちになった今回の旅行でした。






…いや、やっぱ釣りだな。

近い未来、そう遠くない将来、

僕はここにリベンジする。


そう決めました。



初スモールは桧原湖で獲ります。


その日には、福島がまた少しでも、かつての姿に戻っていますように、祈っています。