初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ -16ページ目

初心者が行く!印旛新川ベイトでオカッパリ

バス釣りド初心者の中年バサーがベイトオンリーで印旛新川に挑みます。

前回、柏ブンブンの5000円福袋をゲットして、ホクホクと家路についた僕だったのでした。





一年の計というものは元旦にあり、

2015年の僕のバス釣り、その計の第一歩がこの福袋というわけなのでした。



もっとも、普通に考えて福袋というものの性質として、

入っている商品をそのまま買うよりお得ですよ、というのがそのアイデンティティなのでして、

損をすることがない、というのが大前提にあるわけなのですが、

しかし、タックルをベイトで縛っている僕である。




…昨今の、なんとかフィネスとか、どうとかフィネスとか、

そういった流行りにあわせたルアーばかり入っていたとしたら、

せっかく良い物が入っていたとしても、使い道なく結局は損で終わってしまった、

そんな可能性も充分に考えられたのでした。






自宅に戻り、福袋を前に目を閉じて深呼吸します。









…カッ!!







―いでよ!アクションカメラー!!!!!!











…バリバリバリバリ!!!









―ちぃ、やはりアクションカメラは入っていないか。


いや、しかし、これは…?











スタッガー


あ、スタッガーだ。


使ったことないけど、これはなかなか評判の良い…、




…って、3インチか!

くはー!4インチだったら春先から早速使ったものを。






…まぁ、ライトテキサスかなにかで使い道を探してみよう。

次だ、次。
















エグジグ


…スモラバ。

これ。

この系統を恐れていた。





…まぁ、いい。

スモラバは1000個あっても足りないというWestさんにでも売りつけよう。















ブリッツ


…あ、ブリッツ入ってた。

これは良いね。

早速タックルボックスに入れておこう。




















ナベ


…お、スピナベ!

一番使う3/8オンス!

これもタックルボックス行き。
















活虫


…あー、これかぁ…。



これね、知ってる。

釣れるんだ。

すっごい釣れるんだよね、これ。




…でも投げられないっしょ。

これベイトじゃ投げられないんだよ。





…まぁ、いい。

6ポンドのタックルでストロングスタイルと言い張るWestさんにでも売りつけよう。












チャター


あ、チャターベイト。

1/4オンスか、でも全然OKだよね。

3/8はもう持ってるし。


これもイタダキ。





…結局3勝3敗?

がんばって4勝2敗かな。


最終的な勝ち負けはWestさんの買取額次第ということか…。






…ということで、2015年初釣行となる新川です。


2月1日。





年末の喧騒と、新年のどこか凛とした雰囲気も一段落して2月です。

やれやれ、ようやく2015年という響きも慣れてきたかなといった今日この頃。



最近、新川に行っていないことに気がついた僕である。

もとい、そもそもバス釣りに行っていないことに気がついた僕である。



この、なんとか「である」という言い方がちょっと気に入ってきている僕である。




釣り始めどころか、ここ何ヶ月バスを触っていないだろうか。

なんとか「始め」というものは、普通1月の間に済ませてしまうものではないだろうか。


そういった諸所の事情から僕は釣りに行こうと思い立ったわけですが、

その狙いは当然、初バスということになるわけです。




初バスというものは、釣りを始めて毎年毎年、

やはり、サイズや状況に関わらず印象深いものになるわけでして、

2011年のあの一本も、2012年のあの一本も、

僕は今でも、そのときの感動を鮮明に覚えているわけです。



私の初めてのバス、それは新川で私は31歳でした。

その匂いは刺激的でアンモニア的で、

こんな素晴らしいバスを獲れる私はきっと特別な存在なのだと感じました。







…そんな初バスを2月の新川で釣り上げられたら、それはなおのこと記念の一本ということになるのがわかりきっているわけでして、

次の日曜は釣りに行くよ、と、僕は早々に嫁さんに宣言をしていたのでした。




当日。

天気は晴れのようです。



日が昇り、気温が最も高くなる時間帯から、夕まずめまでをやろうと決めていた僕はゆるゆると布団から起きだし、

久しぶりに釣りカバンを整理し、タックルを吟味して昼食を摂っていたのでした。




―んじゃ、食べ終わったらボチボチ行ってくるわい。



嫁「釣れないと思うけどねー」


―釣れる釣れないじゃないんだよ。釣り始めだから。セレモニーみたいなもんだからさ。



嫁「ま、いいけどさ」



―じゃ、行ってくる。6時までには帰ってくるよ。













嫁「風、強いよ」






…ゴォォォォォォオオオオオオウウウウウウ!!!!











…。




玄関を開けた瞬間に、体が揺れるかと思うほどの強風が吹きすさんでいます。














…バタン。


ドアを閉じて…、







―風強すぎるだろこれ!





嫁さんに文句を言いに行きます。






嫁「風強いって言ったじゃん」



―限度があるわ!行けるかこんなもん!






嫁「あたしのせいじゃないでしょうが。でも、案外いいかもよ」





―…なにがよ。





嫁「どうせ釣れないんだからさ、これくらい普通の状況じゃないほうが何か起こるかもよ」






…。






…一理あるかも。








確かに一理あるかもしれない。

冬の新川バスなんて、普段どんなところにいるかなんて見当もつかないけど、

風が強いというだけで、除外できるポイントがあるんじゃないか。


つまり消去法で、可能性が高いポイントがわかるんじゃないか。






…。







―じゃあ行ってきます。





嫁「いってらっさい」







…なんだかうまいこと乗せられたような、

その気にさせるのが上手なやつだわい。







ハンドルを城橋に切ります。







到着すると、狙っているポイントに先行者はいないようですが、

川岸のサイクリングロードを歩くバサーの姿が見受けられます。




…この寒い中、ようやるなぁ、みんな。



時間も時間ですから、ポイントも既に撃たれた後かもしれません。




川岸に降り立ちます。







…ゴウゥ!!!









…寒い。


到着時の気温は7度だった。

で、たしか風速1mごとに体感温度はマイナス1度だったか。



この風速、5mは超えているはず。

てことは、体感では0度くらい…。




…ゴウゥッ!!!







…さぶいさぶい。


さっさと始めましょう。





まずはピンを丁寧に直リグで探っていきます。

一投に時間をかけて、繊細に、ときに大胆にリアクションも狙って…、






…ゴォォォォゥ!!







―さぶい。




水は茶濁り。

この強風のせいでしょうか。


普通、冬は水が澄んでくるものと思ってましたが…。




強烈な北風のせいで、川は上流から下流に向けて流れています。

別に大和田の配水場を開けているというわけではないのでしょう。



5gの直リグでは、放置しておくとジワジワ流されていってしまいます。

水の表面だけでなく、水中もそれなりの流れがあるようです。




…撃ちじゃダメだ。

釣れる釣れない以前に、僕が凍えてしまう。




…巻き用のタックルを手にします。

冬の定番と言われる、メタルバイブ。

これで釣り上げたことは一度もありませんが、有効と言うなら試してみましょう。



底を取り、リフトフォール。





…ブルルル!…ストン。

…ブルルル!…ストン。






…はぁぁぁぁぁ、さっむぅ。

このベイトがねぇ、冬はキツイ。



両手に息を吐きかけながら、底を取り続けます。





金属製のリールは、手のひらで温まったと思った次の瞬間には、

強風のひと吹きでキンキンに冷却されてしまいます。



…冬用にプラスチック製のリールを買おうかしら。








城橋で考えていたピンでは反応無く、移動することにします。





やっぱり、風が避けられるということと、

今日は天気自体は晴れてるわけだから、日当たりがいいところ…。





…道の駅に向かいます。




西側の岸、ジャカゴが重なったところ。


風上にカバーが濃く、シャローの日当たりがいい場所。

そういった場所を探して降り立ちます。





直リグをズル引いてみます。






ズルズル…。

ズルズル…。





水深は殆ど無いはずですが、茶濁りのせいで水中の状況は全くわかりません。





ズルズル…。

ズルズル…。





…真冬に釣る人ってのは、凄いもんだよなぁ。

何が凄いって、その精神力が凄い。




ただでさえ、一年で一番釣りづらい時期で、

そこに魚がいるかどうかもわからない状況で、

信じて釣りを続けられるというその心理が本当に凄い。



釣り自体のスキルと、経験と、知識と、

それだけなら冬にバスを釣ることは難しい。


もちろん運もあるでしょうが、それを引き寄せる精神、

これでしょうね、やっぱり一番大事なのは。













…いそいそと帰り支度をして、車の暖房でヌクヌク温まってる僕とは違うわい。







早々に諦めて車中でそんなことを考えながら、

かじかんだ指の感覚が戻ってきたところで、自宅に向け車を発進させた僕だったのでした。







2015/2/1(日)

強風
気温:7度
水温:?度
アタリ:0
バラシ:0
ゲット:0






…まぁ、釣り始めはね、セレモニーみたいなもんですから!

次は本気出す!





…まずはこの軟弱な精神をどうにかしなければ、

1月2月に新川でバスを釣ることなど、夢のまた夢、ということになりそうです。

2014年も終わりに差し迫った、とある昼下がり。

僕は年末の買い出しのついでに寄った某大型電気店で、うーむ、と腕組みをしながら棚の商品を眺めていたのでした。



いや、眺めていた、などという生易しい視線ではなかったかもしれません。

凝視していた、いやいや、むしろ睨みつけていたと言っても過言ではなかったかもしれません。


放っておけばそのうち両眼からレーザーでも出てきそうな勢いで僕はその商品を注目していたわけですが、

その理由はその商品に付いていた値札にあったのでした。



「28,000円」






…高い。


小遣い制の、いちサラリーマンにはトゥーマッチエクスペンシブと言わざるを得ません。



何よりその商品はそれ単体ではおそらく僕が期待する用途には使えなく、

色々と備品を揃える必要がありそうなのです。



そうすると、どういうことになるのか。


35,000円?

40,000円くらいにはなってしまうのか?




――いや、無理無理。


全く現実的な金額とは思えません。





だがしかし。

もしもこれを入手して、ああしてこうしたものをそのようにして…。




もうかれこれ100回以上はこのループを繰り返しながら、

相変わらず僕は、うーむと唸りながらその商品をレーザーで射抜き続きていたわけなのですが、

なにゆえ、僕がバス釣りブログで電気店でのこんな話を書いているかというと、

その商品とは「アクションカメラ」と呼ばれている製品だということに起因します。





大体、2年くらい前ですかね。


アメリカ製だったか、「GoPro」とかいう製品がその先駆けだった記憶がありますが、

僕が見たのは、とあるスノーボーダーが自分の滑りをこれで録画していたものですが、

スノーボードのように激しいスポーツであるにも関わらず、しっかりとその興奮が録画された映像を見て、

一般家庭向けカメラの技術はついにここまできたのかと、ずいぶんと感動した覚えがあったのです。



その後、日本の各メーカーもこのジャンルに追随するようになって、

ユーザーは色々な選択肢から、自分の趣味を映像として記録することが可能になりました。


スキーやスノーボードは言わずもがな、

サイクリングやジョギング、

やがて球技に至るまで。



もちろん、この手のカメラというものは単に記録するだけでなく、

それを編集する技術ありきで、残される映像に天と地ほどのクオリティの差が出てきてしまうことも理解しているつもりです。


しかし、カメラの進歩とともに、そういった映像編集ソフトの性能も向上しているそうですから、

一昔前にはマニアックな知識が無ければ作成できなかったような映像でも、

今ではちょっとした工夫をすれば、作成できるようになっているのではないか…。




…ダラダラと書いてますが、要するに読んでいただいている方々の想像通り、

僕はこのカメラを使って、普段の釣行を記録映像として残すことができないか、

なんてことを考えていたのでした。



もっとも、こんなものを装備した状態で釣りなんてしていれば、

なんだコイツはと、居合わせたバサーの皆様に遠巻きにヒソヒソ話をされてしまうのが関の山でしょうから、

おそらくフローターでの釣行時がメインということになるでしょうが、

トップウォーターをカタカタと引いてきて、あるいは、パコンポコンとアクションを入れた瞬間に、


「バッシャ!!」



とバスが飛び出る瞬間。







ウィードの際ギリギリにテキサスを投げ入れて、

着底するや否や、


「グンッ!」



アタリを感じてフッキングを入れる瞬間。





そんな瞬間を記録しておいて、後でその映像を繰り返し眺めながらニヤニヤする、





…ちょっと、面白そうだと思いません?

思いませんか?






ただ、その「ちょっと面白そう」に対する投資として、

30,000円だか40,000円だかは、果たして適正な金額なんだろうか。


まして、釣りというジャンルでこのカメラが期待するような性能を発揮してくれるのか、

それは完全に不透明です。





そんなわけで、僕はたまたま立ち寄った電気店でたまたま見つけたアクションカメラを、

通りすがる人たちが二度見するほどの形相で眺めていたわけなのですが、

なにを見てるんだ、という嫁さんの声に我に返って、

なんでもない、と答えながら、スルーすることに決めたのでした。





…何か、家計で購入できる良い口実はないかなぁ。






さて、この年末年始ですが、

毎年のことではありますが、掃除をして、嫁さんの実家に行き、自分の実家に帰れば終了と、

そういった釣りとは無縁の生活を送っているわけなのですが、

自分の実家から自宅への帰り道には国道16号を使っていて、

その国道16号には、あれがあるのです。




そうです。




ブンブン柏店です。



年末年始に限らず、実家に帰るタイミングでは必ずと言ってよいほど僕はここへ寄っていますが、

普段のブンブンとこのタイミングでのブンブンでは、売り場に一つの大きな違いがあるわけです。




そうです。




福袋ですよ!




福袋と言えば、福袋の値段以上の商品が入っている、というのがその醍醐味なのでしょうが、

ただ、一方で自分が欲しいと思わない商品が入っていた時点で、ある意味で損になってしまう可能性もあるわけで、

欲しい商品がちゃんと入っているのか、あるいは、ハズレ商品は入っていないだろうか、


そのあたりのドキドキを楽しむこと自体にお金を払っているのかもしれません。




そんな福袋に、僕は昔、手痛い打撃をくらってしまった苦い記憶がありまして、

福袋という響きにあまり良い印象を持っていなかったものですが、

しかし2015年。

僕にとってはバス釣りを始めて5年目という記念すべき節目。



2015年のバス釣りライフを占う意味でも、いっちょう、福袋を試してみようかと、

かなり以前から、僕はそう決めていたのでした。




自分の実家に帰り、仕事はどうだとか、健康には気をつけろとか、

そういった話に曖昧な返事を返しつつ、

ぼんやり眺めていた箱根駅伝は青山学院大学の衝撃的な勝利で幕を閉じ、

さて、ではそろそろおいとまさせていただきます、と、

酒を飲んでいた僕は嫁さんに運転を任せ、さぁ、そのブンブン柏店です。



ガー、と自動ドアが開いた店内はそれほど混みあってはいないようです。

もう1月も3日。

初売りはさぞ賑わったのでしょうが、それも一段落というところでしょうか。


足早にバスの売り場に向かいます。






あった。


ありました、福袋が。

値段は3,000円と、5,000円と、一万円の3種類。



ハズレが有り得ることを考えれば、ここは3000円の福袋か…。

いや、こういったものは縁起物ですから、ここはバーンと気張って一万円の福袋を…。

いやいや、一万円て、お年玉をもらえる年齢でも無いのにそんな出費が許されるか。

いやいやいや、年間でバス釣りにかける投資を考えれば、ここでの一万円がどう影響するというのか…。




福袋を満載しているカゴの周りをグルグルと周りながらひとしきり悩みます。




うーむ、ここは…。










5,000円のにしておこうか。







…こういった、中途半端な、どちらつかずな性格が釣りにもよく悪影響を与えています。

自分でもわかっちゃいますが、わかっちゃいるのですが、そういうどちらつかずなことをやってしまう僕だったのでした。





ちなみにこの5,000円の福袋、

6点のルアーが入っていて、ざっと3勝3敗といった内容で、

どちらつかずな僕に相応しい、勝ちとも負けとも言えないどちらつかずな結果となったのでした。



さて、2015年、あけましておめでとうございます。

皆様にとって、釣りのみならず、素晴らしい一年となることを祈っています。


1月といえば、ビジ夫家では毎年家族全員でインフルエンザにかかることが恒例のようになっていますが、

今のところ、まだその兆候はありません。


皆様もお体に気をつけて、良い初釣りをお迎えください。



今年もよろしくお願いいたします。

かつてその場所を訪れた際は嫁さんと二人、

夫婦旅行の、あくまでも「ついで」として立ち寄ったのでした。



季節は真夏だったにも関わらず、その場所は非常に涼しげで、

自分を取り囲む山々の緑、高い雲の白、隙間から見える空の青がコントラストを織り成していて、

感動した僕は近いうちに、またその美しい場所を訪れることになると、確信に近い予感を抱いていたのでした。




…時系列がおかしくなってしまいましたが、9月3連休のお話です。












嫁「…ということで、今年のキャンプなんだけど」





――おお、きたね。

毎年恒例の家族キャンプね。



元々は「テントを張ってBBQをやる」こと自体を目的に実施してきたものですが、

段々と慣れてくるとテントやBBQは副次的な目的になって、大人は観光に、子供は娯楽施設に主目的をシフトしつつあったのでした。



それに伴って、最初は近場で満足できていたキャンプ場は次第に遠方化する傾向が出てきて、

ここ数年は山梨や長野と、複数の県を跨いだ遠征も珍しくなくなってきました。



…さぁ、今年はどこまで遠出するつもりなのか!?





嫁「…キャンプ行けるの今年が最後になるかもしれないから」







…へ?







嫁「いや長男来年から中学だからさ」


――ああ、そういうことか。






部活、ね。






僕も学生時代は運動系の部活動に所属していましたから、嫁さんが何を言っているのか理解できます。


中学校の部活というものは基本的に土日祝日も練習が行われて、

何か用事があるからといっても「休む」という発想は無かったものです。




毎年9月の3連休をキャンプにあてていたビジ夫家ですが、

一日ならいざ知らず、二日も三日も休ませるというのは長男も部活仲間たちの中で立つ瀬がなくなってしまうかもしれません。





運転係の僕としては年々走行距離が伸びていくことに不平を漏らしていたものですが、

そうか、今年で最後と考えると、今更ながら自分自身も結構楽しんでいたことを思い返して感慨深いものがあります。





嫁「…ということで、今年は家族みんなで楽しめることをやろうと思ってさ」



――ふむ。




嫁「桧原湖でキャンプしようと思います」



――えっ!





嫁「桧原湖の周りってキャンプ場とレンタルボートが一緒になってるところがいっぱいあってさ」

嫁「ボート2台借りて、家族で釣りしたらいいんじゃないかと思って」



――いいじゃないの!それいいじゃないの嫁さんどうしちゃったのちょっと!




嫁「ライブウェルも持っていってさ、皆で釣った魚を入れていったら楽しいんじゃん?」









――ああ、なるほど、そういうことだったのか。


嫁さんは、もともとかなり前からそんな計画を立てていて、

だからあの時、意味深なことを言ってたんだ。





キャンプで一泊二日、ガッツリ桧原湖でボート釣り。

嫁さん了解のもとで、費用は全部家計持ちなんて、そんな夢の様な話があって良いのでしょうか。

そんなうまい話を、問屋が卸してくれると、そういうことなのでしょうか。





嫁「…まぁ、釣りできるのは初日に2時間くらいになっちゃうと思うけどね」













…え?







嫁「いや他にも行きたいとこあるし」



――え、釣りしに行くわけじゃないの!?








嫁「釣りもするけど観光もするよ」






…初日だけ2時間?家族でボート釣り?







…うん?


最初の想像とだいぶ違う嫁さんの宣告に、僕の灰色の脳細胞が珍しくフル稼働を開始します。




…うーむ、え、と、微妙?


確かに、そりゃあ2時間だけでも桧原湖で釣りができるというなら幸せなことだけど、

2時間じゃボート乗ったところで何もできない気が…。



やがて、僕の脳が導いた結論は、





―いや、それだったらボート借りるのは勿体無いよ。

オカッパリでいいんじゃないかな…。





嫁「…えー、オカッパリー?せっかく桧原湖行くのに?」




…おそらく、僕の反応が意外だったのでしょう。

嫁さんは不満そうです。




―うん、2時間じゃむしろオカッパリの方が可能性ある気がするよ。

事前にポイント絞っておいて、車でサクサク周ったほうが…。




嫁「…オカッパリだったら別に桧原湖じゃなくてもいいじゃん」




…いや、そんなことないでしょ…、と言いかけて、


…あ、わかった。

なんで嫁さんの言ってることと噛み合わないのか。


釣れるとか釣れないとか、そういう問題じゃないんだ。



僕は「魚を釣るには」って、そればかりを最優先に物を考えていたけど、

嫁さんはそうじゃないんだ。


家族で楽しんで思い出を作ることが最優先なんだ。

だから、短時間でもボートを出そうと言ってるんだ。



…そりゃそうだ。

年に一回の家族旅行なんだから、それを優先するのは当たり前じゃないか。



今更ながら自分自身の勝手さに気づいて、顔が熱くなります。




…まったく、いくら桧原湖に執着があるからと言っても、

発想が大人げないにも程がある。


反省した僕は、



―ゴメン、やっぱり皆でボートに…

嫁「…そしたらさ、アンタだけ釣りやってなよ。アタシは子供たちと遊べるところに行くから」




―え、


いや、そんなつもりじゃないんだよ。

ごめんごめん、子供たちもボート乗りたいよね、きっと。



嫁「アタシもそんなつもりで言ったんじゃないよ。子供たちもきっとそれほど釣りしたいわけじゃないからさ」





―え。



嫁「釣りするくらいなら他に行きたいって言うよ、きっと。だからアンタだけやってれば」





…どうやら、僕が嫁さんの考えていたことを察したように、

嫁さんは嫁さんで僕の思考を察したのでしょう。



その時の、嫁さんの表情はまるで名のある彫師が彫った木彫の仏像のように神々しく、

僕は思わず拝みながら、念仏の一つでも唱えそうになったのでした。



…初日に、キャンプ場にチェックインするのが午後1時。

そこから夕ご飯までは釣りをしていてよい、との菩薩のお告げによって、

ここに一年ぶりの桧原湖釣行が確定しました。



…ならば?どうする?

釣行時間が当初の2時間よりも延びたとはいえ、がんばっても5時間程度か。


オカッパリでもいいけれど…、










…ここは一つ、フローターを持っていって浮いてみるというのはどうだろうか。




昨年、夏に桧原湖を訪れた際、広い、美しい湖にプカプカと浮かびながら、

ゆったりと釣りを楽しんでいるフローテスト達を目撃していたのです。

そんな彼らを、羨ましいと思いながら見つめていたのです。


できうることなら、自分もフローターを持参して、浮いてみたいとあれからずっと考えていたのです。




――フローターを持って行ってもいいだろうか。

と、おずおずと菩薩に問いかけてみます。





嫁「えー、テント乗らなくなっちゃうじゃん」


…そうか。

あんなデカブツを積んだらスペースがかなり限られてしまう。


仕方がない。

例えオカッパリだって、半日釣りができると思えば充分じゃないか。








嫁「…まぁ、たしかコテージみたいなのも借りられたから、それでもいいか」






嫁ーーーーーー!!!!



ナンマンダブナンマンダブ。







…キャンプ前日、フローター一式は過剰すぎるほどその存在感を主張し、

車の後部スペースを実に半分も占領して、菩薩をして「やっぱり許可しなければよかった」と言わしめたのでした。




9月12日。金曜日。

深夜2時に出発します。


例によって僕以外は早寝早起き、僕は会社帰りからそのままの出発です。




ガラガラの首都高から一路福島を目指します。


到着予定は6時。

一度寝たはずの子供たちは後部座席で爆睡です。



嫁さんも助手席でウトウト、僕は眠気覚ましのスルメをカミカミ、

なんとなく釈然としないまま、車はやがて福島に入り、磐梯山のふもとに到着しました。







猪苗代湖



猪苗代湖です。



100mも高低差があればそれを「山」と呼ぶ千葉では決して見られない光景が広がっています。


おそらく、空気中に含まれる不純物の濃度も千葉とはだいぶ違うのでしょう。

遠目に見える空と、山々との境界はクッキリと、まるで絵の具で縁をなぞったようです。










…少し肌寒い。

気温を確認すると15度しかありません。




―今日の天気は晴れのはずなんだけど…。

福島ともなれば9月でこのくらいの気温は当たり前なんだろうか。



事前に週間天気予報だけ確認して、余裕余裕と思っていたフローターでしたが、

さすがにこの気温で浮く勇気はありません。




…まぁ、昼になれば、暖かくなるっしょ。




桧原湖の到着予定は昼過ぎ、一日で一番暖かくなるはずの時間帯。

いくら東北地方とはいえまだ9月の半分、昼で20度を超えてくれれば大丈夫なはず。


チラッと脳裏をよぎった心配は、そのまま頭の片隅に押し込んで、

まずは釣りのことは考えずに素直に観光を楽しもう。





…野口英世ロボが見たい、という子供たちの要求にうなずいて、

まずは朝食を摂るべく市内に向けて走りだしました。









簡単に食事を済ませ、野口英世ロボと対面し、日新館を周ったところで時間はそろそろ12時になろうとしています。


嫁「…んじゃそろそろキャンプ場に行こうか」



はい来ました。

ここからの数時間は、僕にとってはこの一泊二日の中でもメインとなる時間帯になるでしょう。


行こう行こう、今から向かえば丁度チェックインの1時頃じゃないの、なんて言いながら車に乗り込むと、




ポツン




あれ?フロントガラスに水滴が…?





ポッ、ポッ





…ザァアアアアアアアアア





――雨!?



うそ、天気予報で雨なんて言ってなかったよね!?



嫁「山の上だしねぇ。変わりやすいのかも」




…。


レイン持ってきてない。





嫁「あっちの方は雲の切れ目があるし、すぐ止むんじゃない?」





…あ、本当だ。

雨はすぐに止み、また日が差し込むようになってきました。




どうしようか、せめてレインウェアとは言わずとも、雨ガッパだけでも買っていくべきだろうか…。


山の方を見ると、そちらには雲がかかっていない。




…いけるか?大丈夫?




どのみち、雨ガッパじゃ襟元や袖口から雨が入り込んで気休めにしかならないだろう。

そう判断して、祈るような気持ちのまま、車を走らせ続けたのでした。








つづら折りの山道を登り続け、やがて眼前に一年ぶりの光景が広がります。


子供たちが興奮の歓声をあげます。


それを窘める嫁さんも、表情はどこか楽しげです。




…桧原湖は明治時代に磐梯山が噴火したことによって誕生した、非常に歴史の新しい湖だということを最近知りましたが、

その際に桧原村という村が一つまるまる湖の底に沈んだんだそうです。


房総のダムのように、湖の中に鳥居が沈んでいたり、沿道の並木が地上から水中に続いていたりという場所があることを不思議に思っていましたが、

なるほど、とその理由を理解するとともに、この場所がそういった悲劇の地だったということを知って、少し複雑な感情になったものです。



…しかし、美しい場所です。

一年ぶりの桧原湖は、やはり一年前と同じ桧原湖でした。



360度全方位を山々に囲まれて、その景色は山無し県民である僕を簡単に圧倒します。


車の窓を開けて空気を肺に吸い込めば、明らかに関東とは違うその感触に、

空気には実は味があったのかと錯覚を覚えるほどです。




…人ってのは、本来、こういう場所に生きるべきなんだろな、

なんて薄っぺらいことを考えながら、嫁さんの誘導に従って走り続けると、やがてそのキャンプ場に到着しました。




荷物を降ろして、休憩もそこそこに湖の岸際へ向かいます。


岸はゆるやかに湖に落ち込んでいて、これならどこからでもエントリーできそうです。





…よし、行くか。






え、もうやるの?ちょっとは休めば?とか嫁さんが言ってますが、それどころじゃありません。

ここから夕方までの一分一秒は珠玉の時間です。

長旅の疲れなどは一時のこと、そんなものは湖の上で休めばいいのです。













フローター




準備が整いました。


さぁ、念願の桧原湖フローター釣行。

いざ、エントリーです!














嫁「なんか気温13度しか無いけど。フローターにするの?」





え。





嫁「さっきの雨のせいかね?寒いよね」


車の温度計を確認した嫁さんが忠告してくれます。











…寒い?

たしかに寒い!



言われてみると確かに寒い。


一年ぶりの桧原湖に興奮して気が付かなかったけど言われてみると確かに寒い!



ここが山の上だということをすっかり忘れていました。


山の麓で15度で、昼には20度にはなるだろう、なんて、

山の麓が15度なら山の上は13度なんて、当たり前にある話じゃないか。



…こんなところで山の無い県の県民の考えの浅はかさが発露することになるとは。



今までのフローター釣行において、20度を下回る気温でフローターを出したことはありません。

それも17度とか18度とかの話ではなくいきなり13度。



…大丈夫なのか、それは。

釣りになるのか。






生粋のサムガリータである僕にとって、残暑を想定した軽装で気温13度という時点ですでに活動を停止してもおかしくない状況なのですが、

それに加えてフローターなどとはあまりにも無謀と思えます。



…大丈夫か。

生命の危険は無いものか。


ここはフローターは諦めてオカッパリに切り替えるのが大人の判断というものではないのか。







チラッと嫁さんを見ると呆れた顔をしてる。

でもなぁ。せっかく後部座席を半分も空けて持ってきたフローターなのに。


僕は、フローターを出せばオカッパリの3倍釣れるというのが持論ですが、

例えば、仮に、ここでフローターを諦めてオカッパリに切り替えるとするじゃないですか。


その結果、そうですね、2本くらい釣れるとしましょうか。

オカッパリだと2本釣れるわけですよ。



で、寒いのをガマンしてフローターを出すとしますよね?

そうすると、2本×3ですから…



6本!!



え、嘘でしょう、6本も釣れちゃうの!?

本当に?


え、そんなんフローター出すしか無いじゃん。

6本ですよ6本。


6本釣れるならフローター出すでしょう普通。








さぁ、では出航ー。





士気も高く沖に向けて漕ぎ出します。















…あ、さむぅ…。


今更気づいたけど、息ちょっと白くなってるし。




末端冷え性の指先がジンジンとしてきます。





いやいや、でもまだイケる。寒いけど、まだもうちょっとイケる。

寒いのは寒いけど、イケる。ギリギリだけど。



指先をハーハーして温めながら、あらためて状況を確認してみます。




気温は言わずもがなの13度。


水温は…、

意を決して手を水の中に突っ込んでみると…、



温かい。




あら?これは意外。

これ多分20度近くあるんじゃなかろうか。


てことは、この辺でも今日は結構寒い日ってことなんだろう。

いつもはこの水温くらいの気温はあるってことだよね、たぶん。




なんて日だ…。




なんて愚痴をこぼしながら、あたりを確認します。





エントリーしたのは、ゆるやかな、というか、ゆるやかすぎるシャロー。

海釣りなら遠浅、という表現になるでしょうか。




今、僕はエントリーポイントから50m以上沖にいるはずですが、

ロッドを立てて水深を測ると、1m程度の水深しかありません。




…そもそも減水してるんだろうなぁ。

岸を見ると、この間まで水の中にいました、と言わんばかりの水草が岸際で萎びれています。



この延々と広がるシャローエリアにも、入れ替わり立ち替わりボートが入ってきます。

ということは、それなりに望みのあるポイントではあるんだろう。



水底は泥のようですが、ウィードが密集していて底は取りづらいように思えます。




…まずはシャロークランクを引いて、ウィードに引っ掛けない程度に、水面直下を試してみることにします。










…うううううううリールが冷たい。


リールをわざわざこんなキンキンの金属で作ることもないのに、

釣りをするのは夏ばかりだとでも思ってんのか。


逆にリールを温めてカイロのようにできる商品があれば1万円でも買うというのに、

シマノもダイワも消費者心理の勉強が足らんなぁ…。





…寒さのあまりおかしなことを考えながら、それでも機械的にクランクを巻き続けます。




時折、フローターの真下を小魚の群れが通り過ぎていきます。

ベイトがいるってことは、バスがいてもおかしくない…。




…ふあああ寒い!寒い寒い寒い!



かじかんだ指先は、水中に突っ込めば一時的には収まるのですが、

水から引き上げると気化熱によってそれ以上の反動が待ち受けています。




…大丈夫大丈夫。

ギリギリだけど、ギリギリだけど釣りができないわけじゃない。


この低気温はさっき雨が降ったせいだろう。

なら、時間が経てば経つほど気温は本来の高さに戻っていくはず…、








…ゴゴゴ…、ゴロゴロ…。










…嘘でしょう。


空を見上げると、晴れ間はいつの間にか消え去って上空を暗雲が立ち込めています。




風向きを確認して、風上の方を見やります。

風上には山があり…。







…ああ。

降ってるよ。


あっち雨降ってる。



山が霧のように煙っています。

あれは、あちらの方だけ雨が降っているということなんでしょう。




…ということは、風に乗っていずれ雨雲がこちらに到達するのは間違いありません。



どうしよう、急いで岸に戻って避難するか…、

でもまだエントリーしたばかり、そもそも雨がすぐに上がるという保証があるのか。


そもそもが遠浅のこのエリア。

戻ってオカッパリに切り替えたとして、オカッパリでは魚のいる場所に届かないのではないか。





限られた時間、それもただの釣行じゃない、福島の、桧原湖釣行。


この機会を逃しては、次はいつ来れるかわかったもんじゃない!




雨よ、来るなら来い!


たかが水滴ごときが、この僕の釣り熱を冷ませr





ザアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
















…ファアアアアアアアア!!!


寒い!寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い!!!!!!









…いや、イケる。桧原湖釣行だぞ、去年からの因縁の、

嫁さんがわざわざ気を回してくれた釣行なんだぞ。




肉体を捨てよ、精神と切り離せ。

心頭滅却すれば火もまた涼し。


…いや、逆か。


いやいや逆もまた真なり。


無心だ。とにかく今できることは無心でロッドを振り続けること。

ロッドを振り続けられてさえいれば、きっとバス釣り神様はそんな僕を嘉みしたもう…、














無理!!!!!






無理でした!ごめんなさい!



寒いんだもんだって!




フオオオオオオオオ寒い!寒い寒い寒い!!






…寒い寒いと叫び続けながら全力でオール漕ぎ、

エントリーポイントからフローターを担ぐ手には感覚が無く、

そのままキャンプ場のシャワールームに飛び込んだ僕だったのでした。










2014/9/13(土)
曇→雨
弱風
気温:13→9度
水温:?度
アタリ:0
バラシ:0
ゲット:0








シャワーを浴びて人心地ついた僕を迎えたのは、雨上がりの見事な虹でした。














虹



写真には写っていませんが、この虹の外側にはもう一つ虹が架かっていて、

そういうのをダブルレインボーと呼ぶんだそうです。




気温を確認すると、9度。


雨に濡れたまま釣りを続けていたらどうなっていたかわからない気温でしたから、撤収は致し方ない判断だったと我ながら思うわけなのですが、

しかし、なんというか、

運が悪かった、というには、あまりにも準備がお粗末すぎました。




レインウェアを忘れたことは勿論なのですが、山の上にある湖で釣りをするということを、色々と舐めていたんだろうなぁと反省します。

年一回の、貴重な釣行をこんなことで潰してしまうとは…。



…やがて子供たちと戻ってきた嫁さんと顔を合わせた時の気まずさといえば…。





嫁「来年は、一人で勝手に行ってね」



…ハイ、そうさせていただきます。






フローターなら3倍釣れる、とはいえ元が0なら何倍しようが0のままです。





桧原湖リベンジ、ならず。



なんだかシリーズの様相を呈してきましたが、

こうなったら釣り上げるまで続けるしかないでしょう。


来年、また来るから覚悟しておけ、と、

捨て台詞を残して、その美しい福島を後にした僕だったのでした。