ビジョナリーマネジメントの渥美です。
さて、今回は時事ネタからの学びです。
東京都目黒にあるミシェラン一つ星のレストラン
「ラッセ」のオーナーシェフ、村山太一さん。
そんな栄誉を受けた彼が、4年前からファミレスの
「サイゼリア」でアルバイトをしている。
先日、知人の院長先生から
そんな驚きの記事を紹介されました。
9年も連続でミシェラン一つ星を獲得している
シェフが、なぜ格安ファミレスのサイゼリアに?
4年も前ですからコロナ禍の影響ではありません。
多くの人が抱くであろう疑問を記者が確認したところ、
「サイゼリアの方が美味しい料理を出しているから」と
真剣に答える村山シェフ。 そう言い切る根拠とは?
詳細は末尾に紹介したWeb記事をご覧頂くとして、
私の率直な感想をシェアしたいと思います。
まずミシェラン星獲得というプライドを捨てサイゼリアに
アルバイトに入ってまで学ぼうとする姿勢が凄いですね。
これって歯科で例えるなら、著名な専門医が
学びを深めるため予防管理型の歯科で助手をする、
みたいなものでしょうか?(例えが下手でスイマセン…)
実際、この記事の視点は、歯科医院における
『専門治療型』と『予防管理型』に置き換えて
考えることもできそうです。
例えば、記事の中で触れられている
「サイゼリアのキッチンでは包丁を使わない」は、
「予防管理型では外科用の器具は使いません」、
サイゼリアの効率化と再現性を追及した
マニュアルの存在は、予防管理型医院における
診療システム構築にも通じるものがあります。
また、高級店はサイゼリアに無いもので
付加価値を高めて勝負すべし、との視点もしかり。
どちらが良い悪いではなく、どちらを目指すか?
で、こだわるべき部分が違ってくるのは納得です。
そして村山シェフがサイゼリアで働くようになって
大きな気付きの一つが、スタッフ教育について。
料理人の世界では、
「教えない、先輩の動きを見て盗め」が当たり前で、
自分もそれで一つ星シェフまで上り詰めた。
つい自分の成功体験をスタッフにも強要し、
動きに遅さや間違いがあると当然のように怒る。
しかし、それだとスタッフは怯えるようになり、
かつては退職者が後を絶たなかったのだとか。
(歯科でも同じような話、ありますよね?)
一方、サイゼリアではアルバイトに上下関係がなく、
村山シェフが入職時には、高校生のバイトリーダーが
丁寧に仕事を教えてくれたのだとか…
(高校生から素直に教えを乞う村山シェフも凄いですが)
そのリーダーは、モタついているスタッフを
積極的に助けるなど優しい空間を感じたのだとか。
サイゼリヤの基本理念、「人のため 正しく 仲良く」。
その基本理念がアルバイトにまで浸透し、
みんな幸せそうに働いている。それでいて生産性も売上も高い。
その凄さを肌で感じた村山シェフ、
自分の店にも「人のため 正しく 仲良く」精神を取り入れ、
これまで当たり前だった上下関係を取り払い、
新人には丁寧に仕事を教える。
また、どうやったらスタッフが幸せに働けるかを追求し
労働時間も半分程度に抑えたところ、スタッフは職場が
好きになり、自主的に動いてくれるようになり、
スタッフ一人あたりの売上はなんと2.5倍へ!
『心理的安全性』の効果に言及されていて、
まさに我が意を得たりでした。
余談ですが、サイゼリアって世界最大の
イタリアンレストランなんですね。
大手と差別化するため、「効率」と「体験」の価値配分を
村山シェフはどう考えたか?とても興味深い記事でした。
下記URLから記事に飛べます、よろしければご一読ください。
https://news.livedoor.com/article/detail/19362558/?fbclid=IwAR0q6gciQSGxpix8squpPNOMrcYU4xGiUJO67ZnxjuEsKxti_31Vv41LeMI
ちなみに私は、サイゼリアのハンバーグだけは
高品質とは思えず、デニーズやロイヤルホストの方が好きですが…