こちらの記事では前回の記事
で投稿した水難事故で現場に居た
同行者の方より連絡が有りました。
(自分が投稿してすぐでした。)
その事故の「証言」を聞き、
釣り人の方に伝えたい「思い」
等もありましたので、こちらに投稿し
釣り人の皆さんに共有したいと思います。
目次
■事故現場に居た同行者からの「証言」
■話を聞いて「感じた事」
■事故後に向き合う「試練」
不必要に「不安を煽りたい」訳ではなく
事故から見える「課題」を見つけ
皆さんでこの様な事故が起こらないよう
情報を周知し、注意喚起を促す事で
今出来る事をしていきたいと思います。
ご遺族様や身内の方には辛い内容ですが
「釣り人」にとっては
向き合わなければいけない課題
なので、あえて投稿しています。
(もう何十年も繰り返してる、この水難事故の「負のループ」はいい加減にやめましょう。
自分達の世代で止めましょ💪)
■事故現場に居た
同行者からの「証言」
どうも、伊豆のVISA無し健ちゃんです。
「ご連絡頂いた内容」を少しカットして
なるべくそのまま貼ります。
初めまして。いつも拝見させて貰っています。
石廊崎での落水事故。
自分の仲間でした。
亡くなった方は15年以上ヒラスズキをやっているベテランの方です。
当日、朝
自分は下田の磯で釣りしていたのですが、
そこまでウネリが入ってなく
お昼頃
石廊崎の方に移動し合流したら
満潮と台風ウネリで磯は
大分波が這い上がって来ていました。
事故が起きたのは合流して入ったや先でした。
初めて連れて行ってもらった場所で
「磯の状況」も「ポイント」も分からず
釣り座より高い所でノットを組み直していました。
すると名前を呼ばれ
「釣れた?」と思い見たら落水していました。
※落水の原因は見ていなかったので不明。
足を滑らせたのか。高波にさらわれたのか。
何かしら注意を怠って落ちたのは間違いないと思います。
ただただ目の前を流されて行く姿を見ている事しか出来ませんでした。
運良く「電話が繋がった」ので
海上保安庁に連絡する事ができました。
※電波がない場所なら尚更救助も困難になっていたと思います。
事故当日の「自分と同じ思い」をする方が
1人でも減ればと思い、
これからも安全を呼びかけて言ってもらえると助かります。
ヒラスズキゲーム。
間違えなければ素晴らしい釣り
だと思います。
という内容のご連絡でした。
■話を聞いて「感じた事」
◼元々は「繋がってない方」でしたが
この情報発信を見ていてくれたんですね。
◼ここには書いていませんが、当日は
「午前も魚が爆釣だった」事もあり
普段よりも無理をしてしまい易い状態だった。
◼同行者の方は
・「ベテランの方の案内」
・「自分が知らない場所」
という事も有り、当日は言われるがままついて行くパターンだった。
これって自分がもし"同じ立場"だったら
確かに「荒れ過ぎだからやめましょう」
とは思ってもなかなか言いづらい状況。
磯ヒラスズキの場合、
「荒れ過ぎた磯に入る事」自体が
自分も0ではないですし、
伊豆半島でやっている方は多分
誰もが1度は行った事が有るかと思います。
◼「名前を呼ばれ」落水に気付いた。
これは名前を呼べただけでも
意識が有るだけまだ運が良い方ですよね。
磯だと「呼んでも聞こえない」がよくある話なので。(ヘルメットの重要性)
◼流されて行く姿を見てる事しか出来なかった
これは落水事故で荒れている場合、
皆さんが口を揃えて言われる言葉ですよね。
(助けに行った側まで事故になる確立大)
※スローバックの出番という状況でない場面
離れて救助要請をし見失わないよう見守る
これ位しか出来ないのも現実ですよね。
(同じ立場ならそうしていたと思います)
◼電波がない場所なら尚更救助も困難
この話を聞いて思ったのは、
伊豆半島って圏外の磯が結構あります。
まだ電波があっただけ良かった。
◼事故当日の「自分と同じ思い」をする方が
1人でも減れば
これはもう分かりますよね。
自分の「無力感」と「後悔」
これが同行者の方には一生ついてきます。
最後に「呼ばれた声」も一生耳に残ります。
■事故後に向き合う「試練」
亡くなった方もご家族様も本当に気の毒なのですが、
残った同行者の方も
「良かったね」だけでは済まない現実。
亡くなった方は一生帰ってきません。
この経験は「自分の中にしまっておく」
では解決にはならないんですね。
同行者の方は今回の事で気付きました。
これからも同じ事は繰り返し起こる。
伊豆だけでなく全国で毎年必ず、
誰かが釣りで亡くなっています。
なぜ繰り返されるのか?
その「原因」と思われるのは
事故後に当事者が情報発信をし辛い環境
ここにその原因があるかと思います。
・言ったら恥ずかしい
・言ったら責められる
という空気を作り出しているのは
周囲の環境
事故にあった方々が対策を発信していけば
今よりは確実に事故は減るかと思います。
何より経験者の言葉には重みがあります。
周囲がやるべき事は
事故の「否定」や「批判」ではなく
一緒に考える事なのかなと思います。
現に同行者さんは居ても立っても居られず
事故後に情報発信をした所
「賛否両論」の意見も有り
その投稿を削除しています。
その投稿自体は自分は見ていませんし
削除の理由も知りません。
ただ「日本の風潮」としてよくある
謝ってる人に対して「責める」という現象が
大なり小なり起こっていたかと思います。
日常でも見かけるじゃないですか。
「謝罪会見で謝ってもガンガン叩く」
「叩かれてる人に更に追い討ちをかける」
話が極端で、
起こってなかったかも知れませんが、
これから先、きっと本人に届くと思います。
これをやられてしまうと
「言いたくなくなる」のが普通なので、
出来れば応援してあげてください。
同行者さんは誰よりも1番反省しています。
その上で「伝えていかないと」と思い
今回の様に自分にまで連絡をくれました。
自分の所にもよく届きますが
「投げっぱなし」の批判はやめましょ。
「意見を言うだけ」って誰でも出来ます。
それが批判のみなら誰も聞きません。
何かを指摘する場合には
「改善案」を同時に出す。
これって「優しさ」だと思うんですよね。
「愛ある指摘」をお願いします。
この記事を読んで「思った事」や
「こうした方が良い」等の意見もあれば
是非聞かせてください。
また原因や対策、
自分が思う事等は
記事を書ける様なら書きたいと思います。
「共感できた」
「明日は我が身だな」
と思った方はこの情報をシェアしていただけると助かります。
素人でもベテランでも危ない釣りという事に変わり有りません。
自分がこの投稿をしている目的は
釣り人が「今より釣りを楽しめる」環境作り
では良い釣りライフを。
終わり
〈この記事を書く著者の紹介〉
フィッシングアドガイド代表
・VISA無し健ちゃん(プロガイド)
1987年 静岡県沼津市出身。伊豆半島在住。
2021年 サラリーマン退職→プロガイドの道へ
「フィッシングアドガイド」として起業
2023年 釣りオンラインコミュニティ開設