『一度も植民地になったことがない日本』 | virtuallythereのブログ

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10日位前図書館でこの本を見つけた。

ヨーロッパに長く住んでらっしゃる著者の方が
ヨーロッパ人の日本、日本人への観点を書いてらっしゃる本。
う~ん、おもしろそう。って事で読んでみた。

まさしく、おもしろかった!
よ~くわかるぞ、って事も多かったし。


ヨーロッパ(特にフランス)における日本の漫画の人気はすごいらしい。
『Manga』って言葉は普通に通じるとか。
確かに私の住む土地でも『Naruto』『InuYasha』なんかは普通にTVで放映されてる。
(アニメの人物は英語で話してるんだけど、主題歌が日本の歌なのが面白い・・・)


日本は戦後アメリカの占領下に置かれたとはいえ、
敗戦国としての占領であって、完全なる『植民地』になった事はない。
これって結構世界でもあまりない事なのかも・・・
アジアではタイと日本だけだと思う。

著者の方は長くオランダに住んでいらっしゃるが、
オランダには『ゲスト・ワーカー』と呼ばれる『オランダの旧植民地』からの
出稼ぎ労働者がたくさんいるらしい。
この本に出てきたのは南米・スリナムからオランダに働きに来ている女性の話が出ていた。

その『ゲスト・ワーカー」である彼女が著者の方に聞いた。
「日本の『マスター・カントリー』はどこですか?』

そうです、日本には『マスター・カントリー(ご主人様の国)』がないんですね。

でも、ザッと考えても何回かは『植民地』になる可能性があったんじゃないでしょうかね。。
すごい古い話では『元寇』。それから『日清戦争』『日露戦争』
あと、たまに恐ろしくなるのはもし日本が昭和20年8月15日に終戦しなかったら・・・
それ以上にまだ踏ん張って戦争してたとしたら。。
ソ連が北海道に攻め込んできて、北海道はソ連領になってかもしれない。恐ろしや・・

織田信長が本能寺の変で死ななかったら・・・鎖国がなかったら・・・
普段ちょっと私が頭の片隅で考えている様な話も著者の方も考えているようで嬉しかった。
ただ、『秀吉のキリスト教禁止』『鎖国』に関しての考え方は私とは異なりますが・・・


著者・デュランれい子さん、学生時代(30年位前?)のロンドンです凄ざまじい差別を受け、
住んでらっしゃるオランダでも戦争に関していろんな事を吹っかけられ、
それでも冷静にそれぞれの方に対応しているようで恐れ入った!
(注:オランダはインドネシアを植民地としていたが、太平洋戦争下、旧日本軍が
オランダ軍からインドネシアを奪回した。それに対して恨みを持つオランダ人もいるらしい)

嫌だよなぁ・・・この手の話を吹っかけられるのは。
私なら何て答えるか・・・いろんな葛藤が心をよぎる。

自分の中で答えが出せない事が多々ある。
日本人としての価値観、倫理観と他民族・他国家を理解したいという考えの間を行ったり来たり・・・
宙ぶらりんになりそうだ。