カミソリ負けを早く治したい!
カミソリ負けするとヒリヒリと痛く、赤いぶつぶつができて恥ずかしいので、早く治したいですよね。ニキビやアトピー性皮膚炎の方などは、常備薬が手元にあるという方もいるでしょう。
しかし、手元によさそうな薬があるから、これを塗っておけば…と考えるのはちょっと待ってください。同じ皮膚の炎症でも、原因が違えば塗る薬も違ってきます。
カミソリ負けに塗ってはいけない薬
カミソリ負けが赤いぶつぶつだからといって、ニキビの薬は塗ってはいけません。見た目は似ていてもまったくの別物ですから、逆に悪化させてしまう可能性があります。
ニキビの薬には、硫黄が含まれているものがあります。硫黄は皮膚の脂分を吸収しますから、ニキビにはいいのですが、カミソリ負けの肌に塗ると肌が乾燥してしまいます。これにより、肌荒れが起こり、カミソリ負けがさらに悪化してしまうことになるのです。
また、アトピー性皮膚炎の方などは、ステロイド外用薬を医師から処方されている場合もあるでしょう。カミソリ負けも炎症だから、とステロイド外用薬を塗りたくなるかもしれませんが、これもいけません。
カミソリ負けは、カミソリにより皮膚に小さな傷ができ、そこから雑菌が入り込むことによって起こります。一方、アトピー性皮膚炎は、免疫の過剰反応により起こる炎症です。ステロイド外用薬は免疫抑制のための薬で、カミソリ負けに塗ると雑菌への抵抗力を抑えてしまいます。
では何を塗ればいいの?
家庭にある医薬品でカミソリ負けにオススメなのは、オロナインです。オロナインには殺菌作用のあるグルコン酸クロルヘキシジン液や、止血薬のラウロマクロゴールが含まれており、雑菌の活動抑制と、傷口の止血に効果があります。
オロナインは、かつては長期使用をすると肌が乾燥することが問題となり、「オロナイン皮膚症」を引き起こすと考えられていました。これは、当時のオロナインの軟膏基剤に脱脂作用のある陽イオン界面活性剤が含まれており、皮膚の脂分を吸収してしまっていたからです。
しかし、現在販売されている「オロナインH軟膏」では、この点は改良されていますので、安心して使うことができます。オロナインはニキビにも効きますので、髭を剃る場所にできてしまったニキビには、ニキビ薬ではなくオロナインを塗って様子を見るとよいでしょう。