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ミルベゼ 横山千晶オフィシャルブログ Powered by Ameba

バイオリニスト横山千晶のブログです。
mille baisers(ミルベゼ)というユニットを組んで活動しています。

12月12日

ハクジュホール本番。
14:00にホテルでMARCと待ち合わせ。
出てきたら声が悪化してて超かわいそうだった。目もなんか腫れて咳も出るみたい。
でも大丈夫だよ!って言って笑っててマジどこまで天使やねんって思った。
それよりちあきはちゃんと眠れた?って私のことを気にかけてくれた。
『よく寝たよ!元気だよ!』と答えて出発。

タクシーで会場入りするとき、MARCが飲んでた痛み止めが無くなってるのに昨日気付いてたので新しいのを買って渡したら
『あー!なんて親切なんだ。ありがとう。』と喜んでくれた。そしていつもりんごジュースを飲んでるのでその日もりんごジュースをあげた。
それもめちゃ喜んでた。

会場に着いて、
MARCはとっても会場を気に入っていた。

素晴らしいところだ!!!と感動していたので嬉しかった。

楽屋は大部屋とプライベート小部屋みたいなのがあって、大部屋はみんなと一緒だからもし1人でゆっくりしたかったらここの小部屋を1人で使っていいよと言ったら
『なんでよ、自分もみんなと一緒にいるよ』と言ってた。フレンドリー

マネージャーもMARCがりんごジュースをよく飲むのを知っていたので買って持ってきて渡すと

私があげたりんごジュースとマネージャーがあげたりんごジュースが2つ並んだ。

『ぼくのコレクションが増えた。笑』
『みんな僕がフランスへ帰ったら、影で僕のことを「りんごおじさん」って呼ぶだろ?笑』

と言ってみんなを笑わせていた。

サウンドチェックが始まると、とても丁寧に音を作っていった。リハーサルも丁寧だった。

不安要素がなくなるように、時間をかけてサウンドチェックしたと思う。

本番さながらに演奏していたから、スタッフさんも聴き入っていた。

ミルベゼのLe berceauという曲をリハしたとき、なぜかMARCは立ち上がって踊りながら演奏していた。この曲はみんないつも立ち上がってジャンプする曲なんだって一度も話したことないのに、踊ってくれたのがすごく嬉しかった。
風邪で声が出ないので
『今日は僕は歌えないけど、こんなふうにダンスはできるよ』と言って私を笑わせてくれた。

私も本番くらい気持ちが入っていてリハが終わった後もう帰ろっとって言いたくなった。笑

リハを終えて楽屋に戻ると和気あいあいと話しが弾んだ。
MARCはベースの鳥越さんのことを『こんな良いベーシストどこで見つけてきたんだい?』と私に聞いてきたので
『見つけてきたも何も彼は日本でとても有名なベーシストだよ』と伝えると
『うん、全く驚かないね。そりゃそうでしょうね』と言っていた。
鳥越さんもMARCのプレイや音楽を気に入ってくれたみたいで、MARCに『この曲がすごい好き。もう感動して泣いちゃう』って伝えててそのあともいろいろ話してて
鳥越さんがあんなに楽しそうに話すところを初めて見たからそれがめっちゃ嬉しかった。

ミルベゼの大好きなMARCのことを大好きになってくれるメンバーと演奏できることはなんて幸せなんだろうと思った。

あんまりにもリラックスして本番に楽譜を忘れた。

リハなう


楽屋でお弁当なう



本番スタート

幸せな時間









コンサートの感想は内緒で!
言葉にするとあまりにも安っぽくなってしまうので。私の心の中にしまっておきます。

ただ人生で最もしあわせな時間だったことは確か。

終演後は急いでお片付けして、ホテルに送って荷物を置いてミルベゼとMARCと通訳のヒロキくんと事務所の社長と3時ごろまで打ち上げをした。

そのときMARCはほとんど声が出ないくらい体調悪そうだったのに、打ち上げに参加する!と言ってくれた。

いろんな話をしてすごく幸せだった。
胸がいっぱいで私は料理を全く食べられなかった。そしたらMARCがそれを見て
『ちあき、食べなよ!』というので
『胸がいっぱいでお腹が空かないんだよ』と答えたら
『でもお昼のお弁当も全然食べてなかったでしょう?』と言われて
私がなんで知ってんだ?!ってびっくりしてたら

『よく見てるでしょ?』と言って笑ってた。

この数日、ろくに食べずの生活だった。

ちなみに打ち上げに関しての考えも話していた。

MARC曰く『ライブのあとのこの時間はすごく大切。みんなで楽しく食事をして楽しい思い出にするんだ。もしライブでうまくいかないことがあったとしてもこの時間はそのことは話さないで心から楽しむ!僕とディディエもいつもそうしてた。必ずライブの前ではなく、あとに食事をしたよ』


若い頃は、曲のセトリの紙を打ち上げの場所に持ってきてここが悪かった、あれが悪かったと反省会をしたらしい

『でもそれは間違ってるってことに気付いたんだ』と。

打ち上げに対する気持ちまで素敵な人だった。

具合悪くて早く休みたいはずなのに。

明日の予定は12:00-15:00リハでそのあとまた銀座に買い物と食事に行こうと約束していたが体調が悪そうだったので起きたら連絡してねと伝えた。


3日目 お わ り
12月11日
朝9時ごろに起きた。
それからバイオリンの弦を替えて、昨日のリハーサルの録音を聴きながら少し曲のおさらいをした。
MARCからメールがきて
お昼頃にロビーに集合しよう!ということになった。

私がホテルのロビーに着いたときにはすでに小久保くんとMARCは2人で話していて、ペダルなどを用いた音作りについて話していた。

MARCのアコーディオンはMIDIシステムが使えるから、足元のペダルやスマホで操作して自由に音を変えたり作ったりできる。

彼の音楽の表現力の豊かさには、そういった音作りへの情熱と研究熱心なところが出てるよねって思った。

MARCは『ちあきはバイオリンをアコースティックでしかやらないの?』って聞いてきた。

だから私は、バイオリンの音を変えたりするのあんまり好きじゃないんだ〜って言った。

そしたら『あなたはあなたのやり方でそのままでもちろん大丈夫だけど、もしアナザーストーリーがあるとすれば、ペダルを使って音作りをしてみることはすごく音楽の幅広がって良いと思うんだけどな〜!まぁいいけど!笑』的なことを言ってた。

その日以来、小久保くんとMARCがペダルとかエフェクター使う組で私だけアコースティック組っていうのをネタとしてイジってくるようになって、それがウケた。

ホテルを出て
どこに行きたい?って聞いたんだけど、
『君たちを信用するからどこかへ連れて行って!』ってめっちゃニコニコ笑顔で言われて

奥さんのお土産に着物(おそらく浴衣)と息子のお土産にコマを買いたいと言うので
とりあえず浅草に連れて行った。

そしたら『あ!ここ来たことある!』って言われた。笑

いちおう軽く散歩した。
観光客向けの浴衣(なんか生地が安っぽくてダサい)が何着か置いてあって、これ買わなくて良いの?って聞いたら

『なんか観光客向けっぽくて違うんだよな〜。もっと観光客が買わなそうなところで買いたい』と言っていた。

『自分は観光客じゃなくてミュージシャンだからね』ってなぞの理由をふざけて言っていた。

コマは買わないの?と聞いて
木で作られたおもちゃのコマをいくつか見せたんだけど、すべて違うみたいで

どんなのがほしいの?って聞いたら

コマを指で回す仕草から、思いっきり引っ張って回す仕草に変わってそこで小久保くんが『コマはコマでもベイブレードを欲しがっている』ということに気付いた。

めちゃ納得した。
フランスでもベイブレード流行ってんだね。笑

浅草にいるとき結構のどの調子が悪化してて声が出しづらくなっててすごく心配だった。
薬局に行ってのどぬーるスプレーを教えてあげたら使ってみるって言って、それを持ってレジに並んでたから外で待ってたんだけど、薬局から出てきたらめっちゃ笑ってて『どうした?!』って聞いたら
『自分が買おうとしたやつよりも、こっちのほうがよく効きますよって言われて倍くらい高いほうを買わされた!マーケティングだ!』って言って爆笑してた。

私たちは、観光客向けではない浴衣をゲットするため銀座に移動した。

移動中とても大切な音楽の話をした。
オリジナル曲で1曲複雑だからやるのをやめた曲があって、それのことについて質問された。
『あの曲はもう二度とやらないの?それともアレンジし直してこれからもやるの?』
と聞くので『これからアレンジをまた考え直してまたやるよ』と答えた。
そしたら
『難しい音楽はジャズとかの人はよく分かるけど、何も知らない人でも口ずさめるようなシンプルなメロディの音楽を作ることはもっと大変でもっと大切なことだと思う。自分はそれのちょうどいいところを目指して作曲してるんだ。大切なのはダメだったからってその曲を諦めないで、何年かかってもいいから何度も何度も繰り返し音を出してコードとメロディの違和感がある部分はとことん研究してアレンジ加えるべき。』ということを言っていた。

MARCの作曲のコンセプトとミルベゼの作曲のコンセプトが同じだったことにめっちゃ感動した。

ジャズ出来る人は難しい曲でも楽しめるけど、何も知らない人が聞いても口ずさめて楽しめるような音楽がMARCのゴールだ!と後日ハッキリ言っていた。
MARCは私たちの新曲やオリジナル曲のことをすごく考えてくれていて、後日一緒にコードとメロディの違和感について考えながらアレンジしてくれた。やらない曲のことまで心配してくれてんのが信じられない。
本当に音楽と向き合うことを大切に大切にする人なんだよね。私たちにもその大切さを伝えたくてすごく気にかけてくれてるのが伝わった。

そして、浴衣ですが
1軒目はやはり浴衣は売ってなくて、この時期はどこを回ってももう浴衣はないと思いますよ。と言われた。

でもダメ元でもう1軒に行ってみたら
浴衣が売っていた!!

MARCはめっちゃ喜んでた。
私が奥さんと同じくらいの身長だったので代わりに試着して何着か見せてあげた。

そしてお気に入りの1着をゲット!嬉しかった!

そのあと回転寿司に行ってみたいと言ってたから築地のすしざんまいの回転寿司に行った。

でもこの時間はお客さん少ないからネタを回してなくて意味なかった。
でも仕方ないからそこで食べた。

板前さんがMARCのために頼んだ寿司をちょっと先からレーンに乗せて流してくれたので回転寿司気分は少しは楽しめた模様。

味はすごく美味しかったみたいでとっても気に入っていた。MARCが板前さんにフランス語で『すごく美味しい!』ととびっきりの笑顔で話しかけるので、板前さんもMARCのことを気に入ってサービスでミニチュアお寿司をいくつか作ってくれた。

この人はまわりの人を笑顔にするし、まわりの人に可愛がられるタイプの人なんだろうなと思った。

演奏してるときの雰囲気と違って少年のようにはしゃぐのでこちらも見ていて飽きなかった。

そのあとビックカメラのおもちゃ売り場でベイブレードをゲット。
ベイブレードを購入するMARCは私にとっては非常にシュール。憧れの世界で活躍するミュージシャンが、日本のビックカメラで一緒にベイブレードを選んでいる。



そのあと、Appleへ。
いくつかコードを買ってた。

店員さんとやたらと長く話し込むし、たくさん冗談を言って笑わせていた。
お店を出たあと『Apple shopの店員さん(あとケータイショップ的なとこの店員も)はクレーム言ってくる客が多くてストレス溜まる仕事だから、たまには自分みたいな客が彼らを笑わせてあげることが大切なんだよ』と言ってた。

そのあと
ボールペンを買いにitoyaへ。
四色ボールペンに興味津々でお土産に4本くらい買っていた。

そしてジョバンニミラバッシ(ピアニスト)からメールで銀座の山野楽器にある自分のCDを、訳あって1種類買い占めてきてくんない?という依頼が。

それを丁寧にやってあげるMARC
MARCをパシるジョバンニ
ウケた

そのあともたくさん買い物したり散歩して、ホテルに戻った。


1日中思いっきり遊んで楽しかった。
MARCも『今日はすごく良い日だった。いい買い物もできて、たくさん冗談を話してたくさん笑ったね。』と言っていた。

体調だけが心配だったけど。
この1日ですっかり距離が縮まった気がして嬉しかった。明日は緊張せずに楽しめるなと思った。
そんなこんなでホテルまで送って解散。

2日目 お わ り

12月10日
MARCが来日する日の前夜は緊張して一睡もできなかった。
空港へ迎えにいくときずっとMARCの音楽を聴いていた。初めて彼の音楽を聴いたときのことを思い出していた。

到着ロビーに彼が出てくるのを待っている時間が今思うと緊張のピークだった。

出てきてすぐにMARCは私たちを見つけてくれてとびっきりの笑顔でハグしてくれた。

『久しぶりだね。元気だった?日本へ招待してくれてありがとう』と言ってくれた。

私はすごく嬉しかった。
私はフランス語は上手に話せなかったけど、MARCはフランス語と英語で私たちにたくさん話しかけてくれた。

リハーサルまで時間があったので、車で渋谷へ向かいリビングルームカフェでランチをした。

私たちはいつもここでライブをしてるんだよって伝えたら『本当に素晴らしい場所だね』と感動していた。

そこでいっしょに食べたパスタもすごく美味しいと喜んでくれた。

ミルベゼのホームでもあるリビングルームカフェにMARCといるのか…と思ったら初めて実感が湧いてきてテンションが上がった。

私が緊張していたけど、MARCはすごく笑顔で冗談を言ったりして笑わせてくれた。

そのあと通訳のヒロキくんと合流して、フランス語でストレスなく話せているMARCを見て私はホッとした。

誰と話すのも笑顔を絶やさず、店員さんにも優しい笑顔で話しかけていてなんて優しい人なんだろうと思った。

長いフライトで疲れているはずなのにそんな素振りは一切見せないでくれた。

昨日は緊張して眠れませんでしたと伝えたら、『僕も飛行機の中で眠れなかったから同じだね!』と笑っていた。

そのあとスタジオへ歩いて向かった。
渋谷でMARCは自撮り棒を取り出してスマホで街並みを撮影しながら大はしゃぎしていた。
めちゃくちゃ可愛かった。

『フランスには自撮り棒を持ってる日本人がたくさんいるんだけど、日本にいるフランス人の僕の方がひどいでしょ?笑』と自分のはしゃぎっぷりを話していて面白かった。

スタジオに着いたときに、今年残念ながら急に亡くなったディディエ(バイオリニスト)の話を聞きたくて私が彼について質問をした。

家族からディディエが倒れたという電話が来たときにはもう手の施しようがない状態だったと聞いた。

さっきまでずっと笑顔だったのに、悲しそうな表情でディディエのことを話してくれた。

『本当は次に一緒にプロジェクトをやろうって誘われてたんだけど、それもできなかった。』と言っていた。

私はどうしてこんな悲しいことを質問してしまったんだと後悔してMARCに『悲しい話をさせてしまってごめんなさい』と伝えた。

MARCは『ディディエの話をするのは僕にとって決して悲しいことではないよ。良い思い出が蘇ってくる。彼は僕の心の中にいるから寂しくない』と言っていた。

小久保くんが私のバイオリンケースにあるディディエのサインを指差して『ここにもディディエはいるよ』と言った。

MARCはまた笑った。

いよいよスタジオ入り。
始まる前にMARCが『ちあき、ストレスを感じないようにリハをするんだよ。分かったかい?』と言ってくれた。たぶん私が緊張してピリピリしてるのが伝わってフォローしてくれたんだな。

MARCがセッティングをしている姿を見て、とうとういっしょにリハをするのかと思ってまた緊張してきた。
でも
MARCがいつも使っているアコーディオンを見て嬉しくなった。わたしの大好きなアコーディオン。

リハーサルが始まったらMARCは一切譜面を見ずに演奏していて本当に驚いた。
ミルベゼの曲をすべてメモリーしてくれていた。

MARCの演奏は本当に素晴らしくて、何度も泣きそうになった。
リハ中もほとんど笑顔だった。笑顔で私たちのことを見てアイコンタクトをしながら演奏していた。

MARCのオリジナル曲をリハしたら、ちゃんと仕上げてきてくれたのが嬉しいよ。ありがとうと言ってまたハグしてくれた。

リハではたくさんアドバイスをくれて、とてもとても勉強になった。

MARCはものすごい世界で演奏しているすごい人なのに、まだまだ若く技術的にも表現力も未熟な私たちに対して決して威圧的な態度をとることはなく、愛情を持って接してくれた。
音で導いてくれて、音で優しく包み込んでくれる人だった。
のちに通訳のヒロキくんがMARCってお父さんみたいな人ですよね。と言っていて、たしかにと思った。




いっしょに演奏できたことが楽しくて緊張が消えていた。

リハを終えてホテルまで送ったら、何か食べに行こうかと誘ってくれた。
めちゃくちゃ疲れてるはずなのに、ごはんに付き合ってくれるなんてどこまで優しい人なんだ…と思った。

どこにでもあるチェーンの居酒屋に入った。
いっしょにビールを飲んで枝豆を食べて
馬肉とか刺身とか食べた。
最初は馬肉ってことを内緒にして『これなんのお肉でしょうか?』って食べさせて
あとから『馬肉だよ』って教えたら、目をまん丸くして『なに?!?!』的な超良いリアクションをしてくれた。
どの料理も美味しい!って喜んでくれた。

ビールはアサヒが好きなんだよと言ってた。

去年、韓国のジャズフェスにミルベゼがMARCを見に行ったときのこととか話した。

MARCはそのときもいっぱい笑わせてくれた。ユーモアいっぱいの素敵な人だなと改めて思った。


これは夢か…?!と何度も思った!
最高に幸せだった!

店員さんにもとびきりの笑顔で『ボンジュール!マドモアゼル!セテトレボン!』って言ってて愛嬌たっぷりでめちゃくちゃ可愛かった。

ホテルまで見送って、解散。

明日からの毎日にワクワクして興奮して帰宅した。

明日起きたらメールしてねとMARCに伝えて寝た。

1日目 お わ り