第68日目-2010年8月1日(日)15:00~


まずは作業に入る前にニス作りをします。
ニス塗りのはじめの段階で塗る黄色のニスを作ります。
ウコンから抽出した黄色い色素が入った液を透明なニスに混ぜ、ニスに色をつけていきます。
少しづつ液を注いで色合いを見ながら調合し、完成。


次に、ニスを塗る前の最終チェックをします。
全体の細かな部分の確認をし、削り足りない部分や、面の出ていない箇所をスクレイパーを使って修正。
さらに、パフリングまわりで細かな隙間が開いている箇所を確認します。


パフリングを埋め込む際には、板に溝を掘り、そこにニカワを流してパフリングをはめ込んで固めました。
たとえ隙間があってもニスが入り埋まっているはずですが、掘った溝が広すぎるとニスでは埋めきれずに隙間が開いてしまいます。


見ると結構小さな隙間が開いています。
このままニスを塗ると隙間にニスがたまって不自然なムラができてしまうので、ここにパテをつめて隙間を埋めていきます。
木の隙間を埋めるので、オガクズなどをボンドで練って埋め込むのかと思いましたが、意外なことにここでは小麦粉を使用します。
調理に使う小麦粉を木工用ボンドで練って、これをヘラで隙間につめます。
隙間が狭すぎてパテが入らない箇所はナイフで隙間を広げてつめます。


綺麗につめるのは難しく、はみ出てしまいました。
すぐに乾くのでつめたパテが外れないように慎重にスクレイパーをかけて面を整えます。
この作業が終わったら、全体を紙ヤスリで丁寧に磨き上げ、ツルツルになるようにします。


これでニス塗り前の作業が完了しました。
早速ニス塗り!と思ったら、その前に杢だしの作業がありました。
メイプル材を使っている部分には綺麗な杢が入っています。
ニスを塗った後にこの杢が際立つように赤ニスが入ったアルコールを塗り、綺麗に浮き出て見えるようにします。
この赤ニスが入ったアルコールは実は赤ニスを塗る際に筆を洗ったアルコール。つまり再利用です。


何度も同じところに塗るとムラができてしまうので、同じ部分に重ならないようにサッと軽く塗ります。
横板、ネック、裏板を塗って作業完了。


ニス塗り直前の楽器を眺めて写真を撮りました。

ヨシミツのバイオリン製作日記


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第67日目-2010年7月25日(日)15:00~


今日は楽器を磨き上げる作業をします。
まずは全体を眺めて、彫りの浅い部分の修正をします。
それほど大きな修正はないので、細かな部分をスクレイパーでちょこちょこ削っていきます。


そういえば、横板をバンドソーでカットするときに、ミスして少し裏板が欠けている部分がありました。
当初は完成が近づいた時点でパテを埋める予定でしたが、より綺麗に仕上げたいのと、結構掘りが深かったので、木片を埋め込むことにしました。
裏板と同じ厚さのメイプルの端材を探して小さくカットし、裏板の木目と併せるように2つの辺の直角出しをします。


あわせて、裏板の欠けている部分もノミで少し削って直角出しをし、木片とピッタリ面が合うようにします。
細かな作業で神経を使うので疲れます。
時間をかけて何とか完成。
貼り付けたあとにすぐに削りたいのと、一度接着したら二度と剥がすことがないので瞬間接着剤を使用します。
数分おいて、くっついたのを確認し、ノミとナイフを使って裏板と同じ形に整えます。


これが終わったら全体に紙ヤスリをかけて磨きます。
本体の外周は面とりしてあるので、せっかく作った面を崩さないように注意して作業します。


さらに、軽く水を湿らせた布で全体を磨きます。
こうすることでヤスリでも取りきれなかった細かな毛羽立ちが水分を含んで起き上がります。
これを、再度紙ヤスリで磨けばより綺麗になるという仕組みです。
ニカワで接着した部分を濡らさないように注意して作業します。


これで、ニス塗り前の作業は完了!と思ったら、クレモナスタイルの典型である、f字孔の部分の傾斜をつけわすれていたことに気づき、慌てて丸ノミで余分な部分を削りとります。
削った部分を中心に紙ヤスリをかけて作業終了。


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第66日目-2010年7月11日(日)15:00~


仕込みをしたボタン部分からネックにつながるラインが荒削りだったので今日はここの整形作業を行います。


まずは裏板のボタン部分です。
左右が対象ではなく、少しいびつだったので、平ノミで左右対称の形にします。
その上で頂点部分の高さを削って低くし、お饅頭のような潰れた円形にします。
形が整ったら角の曲線の面とりをします。
さらに、言葉では難しいのですが、お饅頭のような円形のラインが本体部分に食い込むようなラインを小さな金ヤスリを使って彫り込みます。


これができたら形を整えた裏板のボタンからネックにつながるラインを整形します。
大まかに形を整えてあったので、一見すると完成のような形になっていましたが、まだまだ削り足りません。
コンパスで26mmの幅をとり、表板のネックと接する部分(表板の厚さの中間部分)に針をおき、26mmのところにマークします。
左右から同じマークをして、重なるようになったら完成のラインです。
確認してはナイフとノミを使って削ることを繰り返し、なんとか完成。


今度は、その26mmの頂点につながるラインを整えます。
スクロール側のラインが急な角度だったので、同じような印象になるよう削っていきます。
今まではネックと本体を接着していなかったので取り扱いが楽でしたが、仕込みをしたので、いろんなところにぶつけて楽器を傷つけないように注意しながら作業をします。


この作業で既に3時間が経過してしまいましたが、最後にネックの手のひらをスライドさせる部分が波打っていたので、スクレイパーを使って平面にし、作業終了です。


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第65日目-2010年7月4日(日)15:00~


仕込み部分にニスを塗って接着しますが、いきなりニスを塗っても木が吸い込んでしまうのであらかじめ軽く塗って土台を固めておく必要があります。
前回の作業の後に糟谷さんにやっておいていただいたので、その部分の確認をします。
もう面はあっているはずなので、実際にネックをはめてみて、ずれがないかを再確認します。
特に問題はないので、ネックと本体の接する面を金ヤスリで磨いて綺麗にします。


これができたらボタン部分とそこに接するネックのカーブを整える作業を行います。
裏板のボタン部分はカクカクとした粗どりの状態でした。
不要な部分を平ノミで落として丸型にします。


次に、ネックをはめて仕込みのラインを書き写し、余分な部分を削ってボタン部分の上部のカーブのラインを作ります。
ノミが入りにくい部分なのでナイフを使って削っていきます。
もうだいぶ削っていたはずでしたがかなりの削りカスが出ました。
チェックしては削ることを繰り返しおおまかに完成。


仕込みをした後にも全体にヤスリをかけたり微調整をしますが、ネックがついてしまう分、作業がしにくくなってしまうので、接着前にいろいろな部分の確認と調整を行います。
まずはプンタの部分。
ここは大きさや角度を整えてはいたものの、まだきっちりとは調整ができていませんでした。
結構大きくて見た目も悪かったので大きさを整えます。
基本的にはヤスリで削りますが、横板に接する部分は傷つけやすいのでナイフを使ってそぎ落とします。
その上で逆側から全体的にヤスリをかけて綺麗な面に整えます。


知っての通り、表板に4箇所、裏板に4箇所のプンタがあるので、合計8箇所を仕上げなくてはなりません。
うまくできる自信がありませんでしたが、教わりながら何とか時間を時間をかけて完成。


これでやっと仕込み部分を接着できます。
ニカワを温めていただき、たっぷりと塗りこんでボディーにネックを仕込みます。
ニカワを塗ると木がふやけて膨張するし、冷めると接着力が落ちてしまうのでのんびりと作業をしていられません。
すばやく塗って接着。
この接着時にズレが生じていないかを確認してクランプで固定します。
さらに上下左右の振りが曲がっていないかを確認して作業終了です。

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第64日目-2010年6月27日(日)13:00~


前回に続いてネックの仕込みを続けます。
今日は、ネックの上下左右の振りを微調整したうえで、仕込みの深さを調節し、ほぼ完成の段階にもっていきます。


まずはこれまでやってきた作業の確認をします。
本体にネックをはめて上下左右のどの向きにも曲がりがなく、適切になっていることを確認します。
若干のずれがあったので、ノミで接合面を削って修正します。
いろいろな角度から目で見て、いずれかの方向に傾いていないか?バランスはどうか?の確認をします。


これが完了したら角度の最終調整です。
ボタン付近を掘って角度をつけ、指板の高さが26~27mmになるようにします。
削りすぎは危険なので、少し削っては本体とネックをくっつけて角度を測ります。


角度ができたら今度は裏板のボタン部分とネックの仕込みの接する面がピッタリあうように平面にしていきます。
裏板側は完全に平面の状態なので、ネック側を削って平面にします。
何度も削っては確認の繰り返し。
ノミでは平面を出せず、カンナも使って削ります。
2時間かけてやっと面が整いました。


これに加えて、作業の途中でニス作りの作業を行いました。
前回、細かくちぎってプラ板の上で乾燥させていたニスの原料をパリパリはがしてコーヒーミルで細かく砕きます。
もう1週間経っているので完全に乾燥していると思っていましたが、意外と乾いていませんでした。
湿気で砕いたものが微妙にくっつき気味ですが、瓶に入れてひとまず作業終了です。

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