映画「ちょっと思い出しただけ」。 | taka。のブログ

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MON 26 JUL  AM6:07

 

 

監督:松井大悟

脚本:松井大悟

撮影:塩谷大樹

照明:藤井勇

主題歌:クリープハイプ

出演:池松壮亮、伊藤沙莉、河合優美、尾崎世界観、成田凌、永瀬正敏、國村隼、高岡早紀ほか

作品名「ちょっと思い出しただけ」

2022年2月11日公開

上映時間:115分

 

 

タイトルのとおり、野原葉(伊藤沙莉)がちょっと昔を思い出すストーリーだが、

それは観終わって初めてわかる。

 

 

冒頭の時計のデジタル表示

米テレビドラマ「24」を思い出すが、この映画ではこの日が一つのエッセンス。

ネタバレになっちゃうのかわからないけど、この日は葉の恋人 照生(池松壮亮)の

誕生日。

そして、物語は

SUN 26 JUL AM8:07

FRI  26 JUL AM6:07

THU 26 JUL AM9:07

と、まるで小説の章のように進んでいく。6章仕立て。

つまり、冒頭の時刻は2021年のことであり、2016年まで過去に遡って展開する。

物語としておもしろく、内容もわかりやすい。

 

そしてそのデジタルの時計が映された後は、きまってその照生の部屋を映していく。

そこに6年の時間の経過が見え隠れする。

また、デジタルの表示から何年かを知らなくても、

冒頭に葉が運転するタクシーの横っ面の「東京2020」のマークで時期がだいたい

わかるような仕掛けになっている。

 

 

その恋人二人の時間の経過の中に、数々の人間模様が描かれる。

 タクシーの客で、高岡早紀や渋川晴彦らおっさん3人組、尾崎世界観

 Bar とまり木で、マスターの國村隼、ちゃらっぽい客の成田凌、そして大学生の河合優美

 公園のベンチで、毎年毎年見かける永瀬正敏

 さびれた商店街で、客のいないストリートミュージシャンの尾崎世界観

いずれも役名がわからない人が多いので、役者名にした。

 

 

 

 

ものすごく気に入った映画なので、あれこれ言いたくなるが、

長く語るのが苦手なのであまりは語らないけど。

葉が運転するタクシーに2週間ぶりに会った照生が助手席に乗って、

痴話げんかとなる6分50秒1カットのシーン。

この日も照生の誕生日。

伊藤沙莉の自然な演技がものすごく好印象で、すごく気に入った女優さん。

まだ29歳なんだ。

映画「寝ても覚めても」に出てたみたいだけど、まったく覚えてない。

 

 

 

あと尾崎世界観がそのままミュージシャンなので、その音楽がものすごく心地よい。

 

 

最後に1つだけネタバレが少し入るかもしれないけど、

ずっとデジタルが7分(:07)を表示していた。

それが、最後のタクシーの中のスマホの表示は、AM0:07からAM0:08に変わる瞬間が映される。

そう、ここに未来に向かって歩き出したという意味が込められていると思う。

 

最後にじわっと全体の余韻が残るいい映画です。