VINTAGE FIVE STATE 修理の実績(83) PROPHET-5 オーバーホール4 | Vintage Five State

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PROPHET-5 rev.3

SEQUENTIAL CIRCUITS PROPHET-5 rev.3の修理を受付けました。 これで4台目。

 

去年の年末からだと、5台目になります。 やっとラストの1台。

 

 

動作チェックしてみると、こんな感じ。

 

1)鍵盤はガタガタ  キー接点の接触不良 多数

2)パネル  ツマミの接触不良 多数

3)プログラムメモリー 消失

4)ベンダーホイールにヒビ  

5)MODホイールの動きが重い

6)VCO 1ボイス 音が出ない  

 

これも、年数が経ったのPROPHET-5だと、ありがちです。

 

 

お見積りにOKをもらえたので、まずは、内部コネクターの接点を「VFS」接点洗浄/保護処理します。

 

これをやっておかないと、原因不明な症状が出る場合があります。

 

 

つぎに、VCOの音が出ないのを修理します。

 

VCO-ICをチェックすると、信号がきちんと出ているのでOK。

 

VCOのAとBの「音量」を決めるICから、音が出ていません。

このICを交換したら、復活しました。

 

 

キーボード

つぎが、キーボードのオーバーホール。

 

インシュレータゴム

インシュレータゴムの全交換、キー接点の「VFS」接点洗浄/保護処理を行い、キー接点の折れを対策します。

 

つぎに、キーの高さを調整したうえで、潤滑して動きを良くします。

 

 

パネル

つぎが、パネルのオーバーホール。

 

パネル基板

パネル基板のボリュームの接点を、「VFS」接点洗浄/保護処理を行ないます。

 

ボリュームの軸にグリースを注入して、回し心地をスムースに復活させます。

 

 

CPU基板

ご要望により、プログラムメモリー消失「対策」もやっておきます。

 

PROPHET-5は個体差で、プログラムメモリーが消えやすいものがあるので、その予防ですね。

 

 
 

つぎに、ベンダーを掛ける感触を調整。

 

そしたら、左側のホイールにヒビが入っているのを発見!

再見積もりをお出しして、ホイールが割れないように補強します。
 
MODホイールの動きの重さも、ついでにメンテしておきます。
 
 
これで、一通り修理が完了したので、アナログシンセ音源の「チューニング」をやっておきます。
 
プログラムデータをロードして、それぞれの音色もチェックします。
動作確認したところ、問題なし! 修理完了!
 
さらに、ちょっと時間をおいて、あらためて最終チェックもしておきます。
 

 

YAMAHA HS8

YAMAHA HS8で試聴すると、「PROPHET-5」らしい音がきちんと出ています。
 
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
 
 
この数ヶ月で、PROPHET-5を全部で5台メンテしましたけど、なかなか大変でした。
 
とはいえ、きちんと直してくれてありがとう、キーボードとつまみの動きがスムースになって感動しましたというメッセージをいただきました。
 
そのかいは、ありました。

 


 

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