VINTAGE FIVE STATE 修理の実績(82) PROPHET-5 オーバーホール3 | Vintage Five State

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SEQUENTIAL CIRCUITS PROPHET-5 rev.3の修理を受付けました。

 

年明けから、PROPHET-5の修理依頼がドドッと来ましたけど、その中の一台です。

 

 

動作チェックしてみると、こんな感じ。

 

1)鍵盤はガタガタ  キー接点の接触不良 多数

2)パネル  ツマミとボタンの接触不良 多数

3)プログラムメモリー 消失

4)ベンダー センタークリックが弱い

5)VCF レゾナンスしない  1ボイス

 

これも、年数が経ったのPROPHET-5だと、ありがちです。

 

 

内部

お見積りにOKをもらえたので、まずは、内部コネクターの接点を「VFS」接点洗浄/保護処理します。

 

これをやっておかないと、原因不明な症状が出る場合があります。

 

 

キーボード

つぎが、キーボードのオーバーホール。

 

インシュレータゴムの全交換、キー接点の「VFS」接点洗浄/保護処理を行い、キー接点の折れを対策します。

 

つぎに、キーの高さを調整したうえで、潤滑して動きを良くします。

 

 

ベンダー

つぎに、ベンダーを掛ける感触を調整。

 

そして、パネルのツマミとボタンをオーバーホールします。

 

 

パネル基板のボリュームの接点を、「VFS」接点洗浄/保護処理を行ないます。

 

ボリュームの軸にグリースを注入して、回し心地をスムースに復活させます。

 

ボタンの接点は、洗浄して動作チェック。

 

 

プログラムメモリーの内容が消えていたので、バッテリーをチェックしたところ「0.9V」!

 

バッテリーが終わってるので、新品に交換します。

 

 

ご要望により、プログラムメモリー「消失対策」もやっておきます。

 

PROPHET-5は個体差で、プログラムメモリーが消えやすいものがあるので、その予防ですね。

 

ひどいものは、鍵盤を弾いたり電源を切ったりすると、いつのまにかメモリー内容が消えてしまいます。

 
 
VCF

つぎに、調子の悪いVCFを修理します。

 
VCFのICを交換することで、レゾナンスの掛かりが正常に戻りました。
 
 
これで、一通り修理が完了したので、アナログシンセ音源の「チューニング」をやっておきます。
 
プログラムデータをロードして、それぞれの音色もチェックします。
動作確認したところ、問題なし! 修理完了!
 
さらに、ちょっと時間をおいて、あらためて最終チェックもしておきます。
 

 

YAMAHA HS8

YAMAHA HS8で試聴すると、「PROPHET-5」らしい音がきちんと出ています。
 
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
 
 
PROPHET-5のオーバーホールは大変ですけど、きちんとやれば新品同様に復活します。
 
ただ、鍵盤の並びはわずかにバラツキが残りますので、ご容赦お願いします。

 


 

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