常連のお客様より、STUDIO ELECTRONICS P-FIVEの修理依頼を受け付けました。
いつもお世話になっております。
P-FIVEといえば、「PROPHET-5」の中身を抜き出して、ラックマウントしたもの。
MIDI-MOOGと同様に、PROPHET-5の基板がそのまま入っています。
動作チェックしてみると、こんな感じ。
1)ACインレット 割れ
2)VCOの音程が合わなくなる 1ボイス
3)W-MOD LFO-NOISEつまみ グラグラ
4)POLY-MOD PW-A「ON」で、VCOの音が出なくなる 1ボイス
5)パネル ツマミ ひとつ紛失
そんなにヒドイ状態ではないですけど、少なからず故障が出てます。
お見積りにOKをいただいたので、修理していきます。
まずは、割れたACインレットを、新品に交換。
つぎに、内部配線のコネクターに「VFS」接点洗浄/保護処理を行います。
アナログシンセは、接点の鮮度が大事。
つぎに、電源オンから時間が経つと、音程がおかしくなるVCOの修理。
これは、VCOに送る「キーCV」用のICがヘタっていました。
POLY-MOD PW-Aを「ON」すると音が出ないVCOは、VCOの「IC」を交換して修理OKです。
つぎに、グラグラになっているW-MODの「LFO-NOISE」つまみを修理します。
パネルの基板をハズしてみたところ、LFO-NOISEのボリュームの「カシメ」がゆるくなっていました。
つまみを、どこかに当てた感じですね。 カシメを修正して、チェックして修理OKです。
紛失していたツマミは、ドンピシャのものが入手できなかったので、似ているツマミを取り付けます。
ピッタリのつまみは、アメリカにあることはあったんですが、1000個ロットとか2万円以上買えということで、申し訳ありませんが買えませんでした。
今は円安で、送料も高いですし。
これで一通り修理が完了したので、内部の調整箇所をチューニングしてきます。
VCO/VCF/VCAをチューニングしますけど、このへんは、ほぼPROPHET-5と同じです。
最後に、全体を動作チェックして、修理完了です。
ベンダー、MODホイール、MIDIチャンネルなど、P-FIVE独自の機能ですが、こちらも問題ありませんでした。
RECORDを押しながらPATCHナンバーを押すと、「1→2→3」というようにインクリメントします。
たとえば、RECORD+「1」だと、MIDIチャンネルの指定ができます。
SYSEXの送受信もできますので、それでプログラムデータの転送も可能です。
YAMAHA HS8で試聴すると、「PROPHET-5」らしい音がきちんと出ています。
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
STUDIO ELECTRONICS製品は、P-FiveとMIDI-MINIのみ修理受付いたします。
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