VINTAGE FIVE STATE 修理の実績(80) PROPHET-5 オーバーホール2 | Vintage Five State

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SEQUENTIAL CIRCUITS PROPHET-5

SEQUENTIAL CIRCUITS PROPHET-5 rev.3の修理を受付けました。

 

年明けから、PROPHET-5の修理依頼がドドッと来ましたけど、その中の一台です。 2台目

 

 

底板 フタ

このPROPHET-5でおもしろいのが、底板が加工してあって、キー接点にアクセスできること。

 

パカッとフタを開けると、こんな感じ。 便利〜 

 

通常のPROPHET-5のキー接点は、よく接触不良になるので、こういう仕様にしたんでしょうね。

当店の「VFS」接点洗浄/保護処理をすれば、ほぼ2年は接触不良が再発しません。

 

CPU基板

MIDI基板も、蛇の目基板でハンドメイド。 左のケーブルの先にある、小さい基板。

 

rev.3なので、本来はMIDI無しのものを、改造しています。

 

PROPHET-5は、接触不良で鍵盤が使えなくなるので、MIDIが必須な時代もありました。

 

 

動作チェックしてみると、こんな感じ。

 

1)鍵盤がガタガタ  キー接点の接触不良 多数

2)パネル  ツマミとボタンの接触不良 多数

3)ベンダーの感触がちょっと悪い

 

年数が経ったのPROPHET-5独特の症状ですけど、アナログシンセ音源は健在。

MIDIとメモリー用バッテリーも、OKでした。

 

 

鍵盤

お見積りにOKをいただいたので、修理を進めます。 まずは、鍵盤から。

 

インシュレーターゴム

インシュレーターゴムを全交換して、キーの並びを調整。

キー接点には、「VFS」接点洗浄/保護処理を行ないます。

 

そして、キーの「潤滑」をすることで、新品同様の弾き心地が復活します。

 

 

終わったら、全部の配線コネクターの接点も「VFS」接点洗浄/保護処理して、故障の原因を潰しておきます。

 

 

パネル基板

つぎに、パネルのツマミとボタンをメンテします。

 

パネル基板のボリュームの接点に「VFS」接点洗浄/保護処理を行なって、軸にはグリースを注入。 スムースな回し心地を復活します。

 

ボタンの接点は、洗浄しておきます。

 

 

動作確認したところ、ツマミのセッティング次第では、パネルの「LED」がチラつきます。

 

メンテしたのに、接触不良が直っていない!?

 

 

調べてみたら、ボリュームの中の抵抗体が、ひとつ擦り切れちゃってました。 

 

これでは、接触不良どころの話じゃありません。

 

ボリュームの抵抗体を修正して、なるべくこの位置を使わないボリュームと交換して、パネルLEDのチラツキも直りました。

 

 

修理が一通り終わったので、アナログシンセ音源とベンダーを調整して、修理完了!

 

さらに、ちょっと時間をおいて、最終チェックします。
 

 

YAMAHA HS8

YAMAHA HS8で試聴すると、「PROPHET-5」らしい音がきちんと出ています。
 
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
 
 

 

PROPHET-5のオーバーホールは、きちんとやれば新品同様に復活します。
 
ただ、鍵盤の並びはわずかにバラツキが残りますので、ご容赦お願いします。

 


 

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