気ままな読書日記/この数ヶ月で読んだ本(2023.2/12) | PARISから遠く離れていても…

PARISから遠く離れていても…

わが心の故郷であるパリを廻って触発される数々の思い。
文学、美術、映画などの芸術や、最近では哲学についてのエッセイなども。
時々はタイル絵付けの仕事の様子についても記していきます。

こんにちは~。

真のPARIS好きと自称するvingt-sannですが

読書はそんな自分にとっての

人生で″かけがえのない友″

基本的には備忘録ですが

よければ一緒に語り合いましょう。

 

 

前回の読書日記を書いたのが11/19だった。

その後約3カ月近く経つ間に読んだ本を右から順番に並べてみた。

左矢印         左矢印         左矢印

 

 

現在、創作活動にも力をいれているため

一冊ずつの感想など詳しく書いている余裕がないが

今回は全体の思考の流れというものを書いておきたい。

 

 

手当たり次第に読むというよりは

頭の中でまず引かれる興味の対象というのがあり

ある本を読んでいる途中で

それに関連した本を手に取りたくなる。

大きな川の流れが基本にあり

途中で現れる幾つもの支流に身を任せて

再び元の大きな流れに合流するイメージだろうか。

 

 

クローバー

 

 

本さてカミュの『シーシュポスの神話』はカミュを理解する上で絶対に外せないエッセイ。昔からどうしても難解なイメージが先に立ち挑戦出来ずに今日まできてしまった。わずか200頁なのに1ヶ月近く時間がかかったが、それでも哲学を齧り出した今だからこそ読み通すことができたのかもしれない。ポイントとして多くの哲学者たちの基本の理解なくしてカミュの言う<不条理>の意味は理解できないだろうという点。これからも折に触れ何度も読み返したい。

 

本吉本隆明の『西行論』は、以前に感銘を受けた辻邦生の『西行花伝』があくまでも小説のため、批評家は西行についてどう見ているかを知るためだった。その中の「中世の宗教者たちは、現在で私達が見ているところの宗教者(僧侶)ではなく、時代的に思想というものが宗教という形をとる以外になかった」という言葉にはとても納得した。加えて写真にはないが、西行については以前読んだ小林秀雄のエッセイ『栗の樹』に入っている<西行>についても再読した。小林は大筋では西行がなぜ出家したか?というようなことには興味はないようだが、やはり殆どは<思想詩>であると見ているところは吉本と同じなのが興味深い。

 

 本ヨ―スタイン・ゴルデルの『フローリアの「告白」』は、ヨーロッパ中世世界(キリスト教)というものを考える上で、偉大なる教父哲学の祖とも言われるアウグスティヌスのについて調べる中、子まで設けた女性を信仰のために捨てたという事実を知り、それを小説にした本だということで手に取った。脚色もされているだろうが私小説的な部分も含まれ、キリスト教に拘らずとも恋愛小説として十分に興味深く読めるものだった。

 

本クリストフ・バタイユの『安南』も、やはり他の方の読書感想文で知り興味を持った本。フランスからヴェトナムの熱帯雨林の地へ派遣されたキリスト教の宣教師たちが辿る苦悩と愛というものの真実。当時二十歳になったばかりの著者が記した94年の史上最年少のドゥ・マゴ文学賞を受賞した本である。短いセンテンスの詩的な文章は原文も美しいのだろうが、辻邦生訳ということでも惹かれたのかもしれない。

 

本小川洋子の『小川洋子の偏愛短編箱』は映画のブログを書かれているkenkou-oyajidaさんが今年の初めに記事にされていて、ぜひこれは読まなければと思い立ったもの。もともと小川洋子は好きな作家の1人で、取り上げたことはまだないが結構作品には目を通しているのだ。印象に特に残ったのは吉田知子の『お供え』。後はやはり田辺聖子センセイの『雪の降るまで』は傑作の一つだと思ったこと、この場を借りてお伝えします。ところでこの『雪の降るまで』の雪って、最後に大庭が以和子にいう「白いもんが見つかるようになってから、男と女は……」のメタファーでしょうか?

 

本鈴木隆美の『恋愛制度、束縛の2500年史』は、これまでに読んできたものの総合的な意味も含めて読んでみようと思い立った本。日本とヨーロッパとの恋愛観の対立というものについて、古代ギリシャの時代から現代日本の恋愛まで非常にわかりやすい表現で解説している。なぜか随分後の方まで著者は女性だと思い込んでいた(文体のせいだろうか)。知っていることも多く退屈に思える章もあったが、<第5章ロマンティックラブとは?>は実に新鮮でもちろん自分にとってということだが、この部分に出合えたことだけでも満足だった。ちなみにロマンティックラブとはロマン主義のことを指し、西洋絵画の世界ではお馴染みであるものの、文学の世界、とりわけドイツロマン主義の旗手と言われるノヴァーリスという作家は読んだことがなく、大変興味をそそられた。

 

 

 

 それでぜひともすぐに読みたくなって手に入れたのが

本ノヴァーリス作/今泉文子訳

『夜の讃歌・サイスの弟子たち他1篇』岩波文庫

下矢印

 

 

『夜の讃歌」は長編詩、「サイスの弟子たち』は哲学的な小説

そして『他一篇』には哲学的断章集が収められている。

 

 

この小説については今度ゆっくりと感想を書きたいと思う。

 

 

 

 この他にも合間に少しずつ読んだものに哲学関係の本で、本『道徳形而上学原論』カント/篠田英雄訳(岩波文庫)、本『老年について 友情について』キケロ―/大西英文訳(講談社学術文庫)、本『アウグスティヌス講話』山田 晶/(教文館)がある。

 

 

クローバー  クローバー  クローバー

 

 

 

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by vingt-sann

 

 

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