個展が無事終わってホッとした後は
しばらくぼうっと何もする気になれなかった。
祭りの後の静けさとはこのことを言うのだろうか。
「よく頑張ったじゃない。諦めないでよかったね」
本来ならそう言ってくれるであろう相手も今は隣にはいない。
しかしもしその人がまだ隣に存在していたとしたら
自分は果たしてこの絵を描いただろうか。
そんなことを考えてみたりもする。
毎日よく夢を見る。
なんだか夢の世界のほうがリアルな気がして
トンネルに似たパサージュの薄暗い闇の中を
どこまでもふらふらと漂っていく。
魚のように泳いでいく。
出口はあるのだろうか。
そうそう魚と言えば
今年の春頃に制作した人気者の<イワシちゃん>たち
読者の方にはもうお馴染みだとは思うけど…
通称は左がメキシカンで右がポルトゲ
(写真はあすてかさん撮影のもの)
とても気に入って絵まで描いてくれて
今回私とほぼ同時期に開催した
彼女の個展<ASUKA展>のための一枚として出品。
ASUKA展でも人気があったようで三本の指に入るとか入らないとか
でも版画ではないし一点物だからね。
こちらがその作品
みなさま、ごめんなさい
彼女がこれを描いていると聞いた時から一目見た時から
<これは私の手元に置くべきもの>だと思ったので。
なぜならこれは正しく魚座を表すもの。
反対方向に泳ぐリボンで結ばれた2匹の魚がシンボルとなっている。
ギリシャ神話から来ている話だと
美の女神アフロディーテと息子のエロースが
怪物に襲われた際に互いが離れ離れにならないように
リボンで結んだといわれているようだけど、まあそれはともかく
私にはこれが私たち2人の肖像画のように思えた。
2人とも魚座だしこれならば堂々と記念写真のつもりで
部屋に飾っておいてもよいかなと。
しかしいざとなれば飾る場所を考えあぐねてしまって。
そんな中やっと少しだけいらない本の整理ができたので
取りあえずはそのスペースに飾っておくことにした。
タイトル ー魚座の肖像ー
明日はもう師走
もうそろそろ出口に辿りつくだろうか。
夢から目覚めて光の方へ
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