パサージュ巡り⑦パサージュ・デュ・グラン=セール<まるで不死鳥のごとく> | PARISから遠く離れていても…

PARISから遠く離れていても…

わが心の故郷であるパリを廻って触発される数々の思い。
文学、美術、映画などの芸術や、最近では哲学についてのエッセイなども。
時々はタイル絵付けの仕事の様子についても記していきます。

サン・ドニ通りを挟んで向かい合う2つのパサージュがある。

今回御紹介するのはパサージュ・デュ・グラン=セール。(以下、グラン=セールと記す)

    サン・ドニ側の出入り口、145番地。  

 

 地図でだいたいの場所を確認しておこう。

 ⑦が上記のグラン=セールで⑥が後で御紹介するブール・ラベになる。

 メトロの最寄り駅は4号線のエティエンヌ・マルセル。

 

 

このパサージュの建設時期は1825年とされているが定かではない。どうやら経営的に成功したとは言い難いようで1862年には公的機関の手に渡り、その後120年以上放置され1991年にやっとリニューアル・オープンに至った。グラン=セール(大鹿)という名は、ここが元は<大鹿館>という名の大きなホテルだったのに因んでつけられ、改装にはそのホテルの枠組みが再利用されたために高さも11.8メートルとなり明るく光がふんだんに取り入れられた美しいパサージュとなった。

ところでサン・ドニ通りと聞けばどんなイメージを持つだろうか。

サン・ドニ通りは1区のリヴォリ通りから2区のサン・ドニ大通りまで南北に伸びている通りで、パサージュ・ジュフロワのオテル・ショパンの記事でグラン・ブールヴァール付近は街娼の溜まり場になっていたと書いた。それは変わらずサン・ドニ通りと言えば現在でもポルノショップが軒を連ねるモンマルトルのピガールと肩を並べるれっきとした娼婦街だ。だが原型に忠実に復元されたリニューアル・オープン後は入り口付近に立つその姿も減ったという。

パサージュの2階以上は住居スペースとなっていて、4階部分には両側に歩廊がかけられているのがわかるだろうか。

 

 

歩廊のアップ部分

高さも突出しているが、通路の幅こそ3メートルと狭いがそれに反して長さは117メートルもある。

 

 

 

地下鉄のザジという映画(仏1960年。ルイ・マル監督作品)を御覧になったことがあるだろうか?主人公の女の子ザジがこのパサージュを駆け回るシーンがなんとも印象的である。

 

 

さてこのパサージュの中で私が気になるお店を一つ御紹介しよう。

7番地にあるRickshaw

(三つ前のパサージュの全体写真を参照。右側の紫っぽい地にオレンジの字体の看板)

最初この店の前を通りかかったときはとても興奮した。

入り口付近に無造作に並べられたコートフック、カラフルな模様のタイルが嵌め込まれて目を引いた。探して歩いていたわけでもない偶然の出会いに心は躍る。絵付けのサンプルに買っていきたい思いはやまやまだけど…みんな素敵でどれを選ぼうかと迷いに迷い、結局写真を撮らせてもらうことで落ち着いた。

 

 

 

 

最近お店のホームページを見てこの店がインドの装飾品やアンティークなどを取り扱う店だと知り納得。コンセプトはフリーマーケットの雰囲気でというらしく、古いランプ、引き出しや額などが店内の壁やスペースのいたる所に並べられていてコレクターの心をくすぐらずにはいられない。

特にドアノブの種類の多さには驚く。確か読者の方にもドアノブファンがいらしたように思うけども…。ウインク

   RickshawのHPより画像をお借りしました

 

それからパリに来るたびに何度かこの店の前を通り、一昨年も訪れたが店舗の出入りが激しい中で相変わらずこの店は健在であるようでなぜかホッとする。

 

最近ではサン・ドニ界隈も昔のイメージとはだいぶ変わり、このパサージュにもクリエーターや職人などの個性的でオシャレな店が次々に進出しているようだ。

流行アンテナ地区のエティエンヌ・マルセルが近いせいだろうか。

 反対側の出入り口、デュスーヴ通り10番地付近

 

 

 

おじぎ最後に一言ご挨拶を。

このブログを立ち上げて明後日の11/24でやっと1年を迎える。

そのうちの半年間、1年の半分はパサージュ巡りをしてきたことになる。

こんな長丁場になるとは思いもよらず、もっと他にも書きたい事や取り上げたいことがあるがパサージュ巡りはもう少しだけ続く。

読者の方々に支えられてここまで来れたことに感謝しつつ、これからも見守って頂ければと心より願うばかりである。

 

 

 

ベル   ベル  ベル

お手数ですが、コチラの記事を先に読まれたらぜひ新しい記事の

<パサージュ博物館①パサージュ・デュ・グラン=セール2018>

の記事へお戻り頂き続きをお読み頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

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