パサージュ巡り①パレ・ロワイヤル~パサージュ・デ・パノラマまで | PARISから遠く離れていても…/サント・ボームの洞窟より

PARISから遠く離れていても…/サント・ボームの洞窟より

わが心の故郷であるパリを廻って触発される数々の思い。
文学、美術、映画などの芸術、最近は哲学についてのエッセイも。
たまにタイル絵付けの様子についても記していきます。

どうぞさあ、いよいよパサージュ巡りをしようびっくりマーク


下のMAPでおおよその場所をイメージしていただくとよいかもしれない
尚、現存する19箇所のパサージュのうちここで取り上げるのは、あくまでも私が訪れた場所であることと、また記事の内容は私の独断と偏見に基づいたものであることをお断りしておくことにする。

(興味を持たれた方はぜひ自分の目と足で確かめていただきたい。)


           パサージュMAP( 地球の歩き方より )



      今回のコース①~④



①はメトロ(地下鉄)一号線のパレ・ロワイヤル・ミュゼ・デ・ループル駅。


●出口を出てパレ・ロワイヤル広場を通り抜けるとサントノレ通りに出る。


●コメディフランセーズ劇場(パレ・ロワイヤルの敷地の一角にある)の右側の方に門があるので、潜り抜けて中へ入るとストライプの円柱のオブジェで有名な中庭に出る。





このときは工事中だったが…。


パレ・ロワイヤル庭園

②中庭を抜けると広々としたパレ・ロワイヤル庭園へと続く。


この日は大雨が降ったりの怪しい空模様だったので、人影はほとんど見えなかったが、天気がいい日にはベンチや奥の噴水の周りには人がいっぱいだ。



庭園の周囲はこのような回廊でぐるりと取り囲まれている。


ギャルリー・ドルレアン

ギャルリー・ドルレアンと呼ばれるパレ・ロワイヤルの回廊。

写真ではわかりにくいが、様々な専門店、ブティックなどが並んでいる。


回廊の勲章専門店
こんな勲章専門店もこの場所ならではのものかもしれない


あくまでもこれは回廊でもちろんパサージュではない。

けれどもこの回廊の先には、18世紀にパサージュの原型と呼ばれる一部分ガラス屋根の通り抜けの商店街が存在した。あくまでも原型と呼ばれる訳は、


パサージュの定義を思いだしてほしい。

<パサージュとは、ガラス屋根で覆われた歩行者用の通り抜けの道>

パレ・ロワイヤルは改めて断るまでもないかもしれないが、宮殿であり、私有地である。だから一般歩行者のための通り抜けという定義からは外れている。

なぜわざわざこのような場所にパサージュの原型のようなものを造ったのかという疑問については、先に進みたいのでここでは割愛する。

ただパサージュ巡りの起点にココ選んだ理由として頷いていただけるだろう。(などと言っているけど実はそれは後から知りましたてへ)





庭園の中にはこんな並木道が続いている。


並木の下には等間隔でベンチが並び、私はよくここでランチのパンをかじったり旅日記を書いたり、物思いに耽ったりした。パリの華やかな中心街やルーブル美術館などの人通りの多い場所と目と鼻の先にある場所なのに、のんびりとくつろぐことのできる貴重な空間なのだ。


ここを訪れる度に、ああPARISへ帰ってきたという気持ちになる…。

パレ・ロワイヤルは私のパリ滞在の原点なのだ。




並木道を通り抜けパレ・ロワイヤルの敷地を出ると、プティ・シャン通りに突き当たる。この通りに面して、現在パリで最も美しくパサージュの女王と言われるパサージュがある。(近頃ではその名が有名になりすぎた感がないでもない)

    ↓

③ギャルリー・ヴィヴィエンヌ(プチ・シャン通り4番地)

隣のビストロ・ヴィヴィエンヌが入り口の目印




右側の柱には入っている店の名前がズラリ。

婦人服のブティックが多い





看板の文字の上部、アーチ型のラインに沿って左右対称に施された女神柱が見事だ。作者はパサージュのオーナーの娘さんであるという



ガラス天井からの日射しを受けて明るい

様子の室内??





いちばんの見所は、なんといってもこの床のモザイクタイルだろう。ガラス天井からの柔らかな光を通して淡い色合いが周囲の内装とマッチし、引き立つように計算されているのだ。



さて、ヴィヴィエンヌを紹介すれば、紹介しないわけにはいかないまるで兄弟分と言ってもよいパサージュがある。

その名もギャラリー・コルペール(プチ・シャン通り6番地)

ヴィヴィエンヌのすぐ左隣に並行して入り口があるのだが、ココは現在はすぐ隣の国立図書館の分館になっている。そのため入り口で持ち物検査を受けねばならない。昔はヴィヴィエンヌと奥で繋がっていて互いの行き来が自由に出来たが、今はそういう理由でヴィヴィエンヌの中からは行かれないようだ。

もっとも中にはレストランが確か一件あるのみでブティックなどは入っていない。だが建築様式や装飾的に見るべきものが多い鑑賞作品としての価値が高いパサージュである。

残念ながら私がこのパサージュを尋ねた頃は、パソコンやデジタルカメラ、ケイタイ等とは無縁の生活をしていた為、写真はむろん撮ったものの普通のカメラフィルムなのでここに載せることができず残念である。


●ギャラリー・ヴィヴィエンヌを後にして国立図書館の建物を左手に見ながらRue Vivienne(ヴィヴィエンヌ通り)を北へと進んでいく。

●交差点の右手にBourse(証券取引所)と地下鉄ブルス駅とが見えてきたら、そのまま真っ直ぐ通りを渡る。

●数百メートル先のRue St-Marc(サンマルク通り)に突き当たったら右に曲がりほどなくして左手になんとも殺風景で薄暗い感じの目立たない入り口がある。これが、④パサージュ・デ・パノラマである。


これで第1回目のパサージュ巡りは終わります。次回もお楽しみに!



この記事に興味を持たれた方で、私がパサージュ巡りの準備として書いた記事をまだ読まれていない方は、ぜひ読んでみて頂ければと思います。

     ↓     ↓     ↓

パサージュという名の屋外でも室内でもない空間①

http://ameblo.jp/vingt-sann/entry-12133910314.html

パサージュという名の屋外でも室内でもない空間②

http://ameblo.jp/vingt-sann/entry-12146085569.html



       こめんとお気軽にコメントや感想頂けると嬉しいです!