大衆同士の「分断」の縮図 | Violet monkey 紫門のブログ

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十字架の国  1998 不思議の国、ZIPANG

 

 

 

 

 

医療法人聖仁会 松本医院

@松本クリニック

【異世界の住人とは関わるべきではない ~人間関係の断捨離のすゝめ~】

 

こんばんは、院長の松本です。今回は、以前から書いておきたかったテーマについて触れておこうと思います(少し長いくなります)。

 

その前に、まずは先日地元の行きつけ(とはいえ月一程度)のバーに呑みに行った時の話をしておきたいと思います。

 

そのバーのマスター(店主)は、いつも私の話をよく聞いてくれて、しかもその話のほとんど全てについて共感してくれる方で、驚くほど価値観が似ており、なんでも話ができる方です(だからこそ行きつけになっているわけですが)。

 

先日いつものように、店主と話しながらカウンターで呑んでいた時ののこと。あるお客さん(中年男性)が入ってきてカウンターの私の隣の席に座って来られました。時時私と店主の二人で、世界情勢などについて語り合っていたのですが、そこにその方が便乗する形で三人で話をしました(バーで何の話をしてんだ!!とツッコまれそうですが・・・)。

 

そのお客さんは完全に西側諸国が中心となる形で行いわれてきた戦後の世界体制を軸にした価値観をお持ちのようでした。彼はもちろん新型コロナパンデミックも人工的とは考えておらず、もしそうだとしても中国(共産党)が悪いと思っておられ、ウクライナ戦争もロシアが一方的に悪い(NATO側に正義がある)、イスラエルでの戦争もハマスが一方的に悪い(イスラエル側に正義がある)という考えをお持ちでした。また、彼の話ぶりから日本の米軍による戦後支配体制についても全く理解はされておらず、中国・北朝鮮の脅威(造された脅威とは考えられない)に対抗するためにも、日本と米国の同盟関係が今後も重要であり、在日米軍の存在を必須と考えておられるようでした(典型的な右翼思想)。

 

さらに、彼からの細かい質問(例えばウクライナやイスラエルでの民間人虐殺の状況など)に対して、私が「(全てのニュースを追っていないので)詳細はわからないが、枝葉末節の話をするつもりはない。歴史的な観点からも全体像として考えたときにはウクライナ(NATO)やイスラエルの方にも問題があると思っています」というようなことを述べると、「ウクライナ側(NATO側)やイスラエルの方の問題というのなら、誰もがそうだとわかる根拠を挙げて解説をしてくれよ。それができないなら何もわかっていないのと同じだ」というように言われてしまいました(何度長嶋修さんの有料チャンネルを観ろと思ったことか・・・)。それに対して「それを解説するためには、過去のの歴史を紐解いて理解していく必要がある。私もまだ理解不足・勉強不足で全部を一つ一つ詳しく解説はできないが、確実に言えるのは今の西側諸国の立場を代表する大手メディアの報道だけでは、その裏に隠された真実まではわからないということです」ということを述べました。

 

すると、「君は歴史がどうとか、大手メディアのいうことは間違っているとか偉そうに言っているが、君のが正しい言うことは根拠は何も出ていない。ただ自分の頭の中で作り出した君はの世界観で話をしているだけだ」というようなことを言われました。

 

また、彼の言葉の節々には「アホ」・「バカ」というような誹謗中傷表現が多々あり、余計に印象を悪くさせました。

 

私は「これ以上何をどう伝えても全て否定されるだけだろう」と感じて、「あなたの仰る通りかもしれませんね。ご指摘ありがとうございます」と偽りの感謝の気持ちを振りまいて話を強制終了させました。その後は当たり障りのない日常会話をして最後のハイボールを飲み終えて帰宅することになりましたが、正直その彼の言動に対して少しばかりフラストレーションを感じてしまいました。

 

以上のことは、実際にこの私の身に起こった些細なことではありますが、今(に始まったわけではないです)この社会で実際に起こっている大衆同士の「分断」の縮図ではないかと私は強く感じました。

 

この世界が「フラクタル」構造になっているのであれば、おそらくこの「分断」が至るところで起こっているのだろうと思います。

 

そして、間違いなく私やそのバーのマスターが共有している価値観や考えの方が圧倒的にマイノリティであり、

それはこの社会の中でマジョリティに属する一般大衆レベルに拡散され共有されることは不可能でしょう(わかってもらおうとも思いませんが)。

 

また、残念なことに、この社会のマジョリティに属する一般大衆レベルの人間は、常に支配層に依存し、阿る(おもねる)態度を取り、忖度します。

 

ですから、多少頭の切れる人(intelligenceの高い人)は、支配層に屈せず抵抗しようとする少数の人間たちのことを見下し、攻撃的になります(まさにこれこそが“悪の凡庸”の一形態私は考えています)。

 

確かにマイノリティの中にも主張がはちゃめちゃにも関わらず、それを押し通そうとする厄介者(無自覚な知能=intelligenceの低い人)も少なからず存在するのですが、彼ら(マジョリティに属する一般大衆)はマイノリティの人間の主張が正しいかどうかに関わらず、スケープゴートにして叩く傾向があります。

 

先述したバーにあとから入って来られた中年男性のお客さんも、かなり攻撃的的抑圧的否定的な口調で話されていました。もともとそのような性格の方なのかもしれませんが、マイノリティを叩いてやろうという意図(悪意)を多少なりとも感じてしまいました。

 

この経験を通じて得た教訓として、「分断に巻き込まれて貴重な人生の時間を無駄にしないためも、人間関係の断捨離は必要だ」ということを改めて認識しました。

 

いわゆる「divide & conquer(分断して統治する)」というのが大昔から行われてきた支配層による大衆支配の要であるということは皆さんもご存知だと思いますが、このコロナ禍においてそれは顕在化してきたと思います。

 

特に、今回先述したバーで経験したことも踏まえて私が問題だと思うのは、やはりいつの世も「マイノリティ」に属する人間が叩かれる傾向にあるということです(もちろん例外は存在しますが)。根拠の不確かなめちゃくちゃな話をする人のことは傍に置いておくとして、皆さんの中にもこれまでどれだけ根拠のある話をしても、「あいつの言っていることはちゃめちゃだ」「あの人は頭がおかしくなった」「陰謀論者だ」「変な宗教に入信したのか」など、いろんな誹謗中傷を受けてきた人も数知れずおられると思います。

 

私の場合は、幸いなことに「松本医院」という場があり、このコロナ禍においても自分の好きなことを言いたい放題言っても、受け入れてくれる患者さんがたくさんいらっしゃったのでそこまで問題に感じることはありませんでした。しかし、そんな私でも、大学院生の頃や先述したバーのお客さんとのやり取りなどにおいては、自分がマイノリティであることを自覚した言動をせねばならず、かなり気を遣っており、やはりそれがストレスに感じるがありましたところ。

 

そういったストレスの積み重ねで、この社会の中で

生きづらさを感じたり

自分の主張を押し殺しながら生きていたりする人は、

大勢いらっしゃると思います。

 

そんな人たちは、とにかく「人間関係の断捨離」をできる限り早くすることが必要だと思います。

私の場合であれば、先述したバーのお客さんのような方とは価値観が合わないことはわかりきていますので、深く関わろうとは全く思いません。

 

私は「パラレル・ワールド」という言葉に代表される、量子力学でいうところの「他世界解釈」というリアルな物理世界を無視したトンデモ学説(=幻想)には与しない考えを持っています。しかし、全く価値観や情報が共有できない人とは、もはや住んでいる世界が全く違うと感じてしまいますし、本当に彼らは自分がいる世界に隣接するけれども全く異なる「パラレル・ワールド」に住んでいるのではないかと錯覚させられるほどです(おそらく相手も感じているそうでしょう)。

 

そんないわば「異世界の住人たち」とわかり合おうとするだけ、自分の貴重な時間と労力を無駄にするだけです。

 

そして、もし自分にとってそういう人たちと関わり合うこと自体がストレスになるのであれば、精神衛生上や健康の面でも良くないと思いますので、そのような人間関係はは本当に早く切り捨てた方が得策です。

 

今後も価値観の二極化・三極化は決して避けられませんし、

大衆同士のさらなる「分断」はより一層顕在化してくるでしょう。

 

そのような中で私たちが目指すべきは、もっと狭い人間関係でも良いので、価値観が合い、情報共有できる人たちとさらに深く関わっていくということだと私は考えています。つまり、人間関係はもっと「狭く・深く」を目指し、できればコミュニティ内で家族のように付き合える人たちと繋がっていくべきだと思います。

 

そして、異世界の住人とまで無理に関わろうとすると、お互い痛い目に遭うということを肝に銘じておくべきだと思います。長くなりましたが、以上です。