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ドイツ・メアブッシュにて☆2人と2匹で暮らすドイツ

2012年3月末、
旦那様の転勤でチワワ2匹を連れて神奈川県から
ドイツ・メアブッシュ市へ引っ越してきました。
初の海外生活でわからないことだらけで
ドキドキの毎日です。。。
日々の珍道中、犬のことなど綴っていきます。

御無沙汰しています。
学校の授業が始まり、あっという間に2月も半分が過ぎてしまいました。

あまりブログ更新の時間も取れないため、
ポルトガルの旅行記は今回のものを最後にしたいと思います。

ベレン観光をした日(前回のブログ参照)の夜に
念願のファドレストランへ行くことが出来ました。

ファドとは、ポルトガルの民族歌謡で、
もともとは貧しい階級の船乗りや娼婦、奴隷などが
つらい生活のなかで、人生の悲哀を歌った
「ポルトガル版ブルース」です。

歌い手のファディスタ、クラシックギター弾きのヴィオラ、
琵琶のようなかたちの12弦ポルトガルギター弾きの
ギターラの3人によって演奏されます。

リスボンには、ファド演奏を聴きながら食事のできるレストランが
たくさんあります。
一流ファディスタが登場する高級店もあれば、
地元の人が飛び入りで歌いあう大衆酒場のようなところまで
いろいろです。

私たちが行ったのはバイロ・アルト地区にある老舗の
「オ・フォルカード」。
ここはファド演奏のほかにポルトガルのフォークダンスも
見ることができます。

観光シーズンは予約しないと入れないほど
どのファドレストランも混み合うようですが、
12月末のオフシーズン、私たちを含め
10組ほどのお客さんしかおらずガラガラ。

途中日本人観光客の団体10数名がゾロゾロ
入ってきましたが、それ以外団体客もいなくて
静かなものでした。


お店にもよりますが、ここはショーチャージは取らない代わりに、
ミニマムチャージ(最低いくら以上注文してねというもの)が
決まっていて、20ユーロほどだったと思います。


アンコウのリゾットと、タコのグリル。
ポルトガルのワインとともに。。。。
どちらもおいしかったです。


30分ほど食事を楽しみ、いよいよショーの始まり。


私たちは早めに店に入ったため特等席に
案内され、ステージの目の前のテーブルでした。



一人目は若いきれいな女性ファディスタ。
伸びのいい歌声で気持ちがいい。
ファドってマイナー調のものばかりだと思っていたけど
結構明るい楽しいものもあるのね。
時折踊ったりしながら、3曲を熱唱。



続いて登場したのは貫録のあるおばさまファディスタ。
見た目(失礼)の貫録通り、パワフルで素晴らしい歌声。
言葉の意味は分からないけれど、感情をこめて
悲しい歌を歌われると、やはり胸に迫るものがあり・・・
涙が出そうなほど感動しました。


つづいてはフォークダンス。

男性が女性をぐるんぐるんターンさせる激しいダンスで、
女性は中にはいているカボチャパンツ丸出しで
回る回る!
力強く足を踏み鳴らし、汗が飛び散るほどの
スピード感と迫力。
素人には1曲踊りきることも不可能でしょう。
圧巻でした。


フォークダンスの伴奏はアコーディオンがひとりと
パーカッションのおじさんがひとり。
パーカッションといっても、水瓶?水差し?(なんていうのかな?)を
革張りのバチでボンボンたたく面白い楽器でした。



最後にマントのおじさまによるファド。
これがまた渋くて素敵。
ポルトガル語の響きの美しさを知り、
ポルトガルギターの音色にもうっとり。


1時間半ほどでショーも終わり。
繁盛期ならばまた、2部に新しいお客様が入って
もう1度ショーが行われるようですが、
この日はもうお客さんが新たに来る気配もなく・・・


アンコールのような形で、1人目のおねえさんがまた
3曲を歌い、
残念ながら2人目のおばさまは登場しなかったのですが
おじさまも3曲を歌い。
そしてフォークダンスももう1セット踊ってくれ。
ギターラとヴィオラふたりだけの曲もいくつか
披露してもらい、至れり尽くせり。


長々と3時間以上もショーを見せていただき、
大満足。


勢い余って終演後に自主CDを売りに来た
おじさまからCDを買ってしまいましたが・・・笑
(サイン付き)


おいしいワイン&サングリアをいただき、
上機嫌でアパートへと戻ったのでした。


翌日は最後にリスボンを観光して回り、
お土産を買ったり写真を撮ったり・・・


そして翌々日の30日には
アパートのオーナーさんに頼んで
早朝にタクシーを呼んでもらい空港へ。
朝5時というリクエストだったにもかかわらず
アパート前に時間通りに来てくれました。

ポルトガルの人は意外と(?)ちゃんと約束通り
時間通りに仕事をしてくれるので助かりました。

リスボンの人はとっても働き者です。


犬の諸手続きを終え、(帰りは一応ドッグパスポートの
チェックだけありました)
飛行機に乗って無事ドイツに帰還。


1週間のポルトガルの旅、
とても充実したいい旅でした。
また行きたい場所ベスト1かも・・・



12月28日

前日とは打って変わって朝からカラリと晴れたこの日。
リスボンでもっとも観光客でにぎわうベレン地区に出かけました。

リスボン中心部から約6kmほど。
大航海時代を称えるモニュメントや、世界遺産の修道院など
みどころがいっぱいの観光地区であるベレン。


まずはじめに向かったのは、「ベレンの塔」。
これはもともと1515年に造られた、テージョ川を通る船を
監視するための要塞だったそうで、
その後、税関や灯台としても使われていたものだそう。


午前中からかなりの観光客が見学の列を作っています。



石の階段を上がってテラスへ。


白い塔と青空のコントラストが美しい!


塔のてっぺんまで階段で登っていくことができますが、
階段はとても狭く人がすれ違うことが出来ないため、
上り口のところに信号がついています。


たとえば上りが緑ランプの時は下から上ってくる人専用、
上りが赤ランプの時は上から降りてくる人専用。


ですが、守らない人、上るのが遅い人などいて、
ゴチャゴチャになる時も多々あり、なかなか難しかったです。笑


赤ランプなので、「待ち」タイム。
このシステムはうまくいっているのか、いないのか・・・
でもこれがなかったらさらにクッチャクチャになるよね。


塔の上からみたテージョ川と、「4月25日橋」。
1974年4月25日に「リスボンの春」と呼ばれる新政府誕生の
革命が起きたことを記念して改名された橋だそう。


ベレンの塔見学の後はそのまま川沿いをまっすぐ歩いて
「発見のモニュメント」へ。



1960年にエンリケ航海王子の500回忌を記念して建てられた、
大航海時代を象徴するモニュメント。
航海王子を先頭に、ヴァスコダ・ガマ、マゼラン、
フランシスコ・ザビエルといった偉人のみなさまが
勢ぞろい。


モニュメントの前には世界地図の大理石モザイクがあり、
それぞれポルトガル船が辿り着いた年号が刻まれています。


日本へ最初にポルトガル船が漂着したのは1541年に豊後へ。
その後1543年に種子島にポルトガル人が来て鉄砲伝来。
ザビエルが鹿児島に来たのは1549年。
以後よく(1549)広まるキリスト教~

(懐かしい・・・笑)


そして次に向かうは、世界遺産のジェロニモス修道院。

発見のモニュメントから道を渡って公園を抜けた真正面にあります。



公園の噴水に虹が出来てた。


中の見学は時間がかかりそうなので、ひとまず近くで腹ごしらえ。


ベレンといえば、名物なのがパステル・デ・ナタという
ポルトガルの伝統菓子。(日本でエッグタルトと言われているもの)


ベレンにあるパステイス・デ・ベレンというお菓子屋さんは
1837年創業の老舗で、ジェロニモス修道院直伝のレシピを
いまも守り続けているお店。
「ポルトガル一おいしいナタ」が食べられると、
連日大行列しているそう。


このお店の周りだけ人だかりが。


カフェも併設されているけれど、とても混んでいるので
テイクアウトの列に並んで購入。
公園で食べます。



これがポルトガルナンバーワンのナタ。
400度のオーブンで短時間で焼き上げたパイは
びっくりするほどパリッパリ。
おまけで付けてくれるシナモンパウダーをかけて・・・
なかのクリームもとっても滑らかで甘さ控えめで
本当においしい!


リスボン滞在中、気に入って何度もナタを食べたけど、
ここのナタは別物ってくらい最高においしかった。


出来立ての温かいうちが一番おいしいけど、
持って帰って時間がたってからもおいしかった。


ポルトガルで一番忘れられない味です。



世界遺産、ジェロニモス修道院。


エンリケ航海王子と、ヴァスコ・ダ・ガマの偉業をたたえて
1502年に造られた修道院。
当時の繁栄を象徴するとても豪華な建物で、
マヌエル様式を代表する美しい建造物の一つ。



マヌエル様式の最高傑作ともいわれる回廊。
異国情緒たっぷり・・・。
いつも見ているドイツの教会・修道院とは
まったく違った雰囲気でとても魅かれます。


ライオンちゃんの写真を一人で撮っていたら
白人のおじさんが来て、
「ライオンの足に水をかけると幸運が訪れる」と
教えてくれました。
あいにく噴水の水は抜かれていたのですが、
わずかに貯まったドロドロの雨水をライオンの
足にかけるおじさん。
「君もやってごらん」と言われましたが
笑顔でお断りをしました。 
さすがにちょっと・・・ 笑  ごめんね。


教会にはヴァスコ・ダ・ガマの棺も置かれています。
真ん中に船が施された立派な棺です。



回廊はロープ、サンゴなど、船や海にまつわるモチーフを多用していて


教会も、柱はヤシの木をイメージしたデザインに、
海をモチーフにした彫刻。


大航海時代の海への思いが強く感じられます。


こんなマリン調の修道院は初めて見たので
デザイン的にも素敵だなぁと思いました。


ベレンの街をたっぷり夕方まで見て回り
観光終了。


夜は楽しみにしていたファド・レストランへ・・・
(その模様は次回のブログで。)








12月27日。

この日は日帰りで北部の街ポルトへ。

ポルトはポルトガル第2の都市で
ポルトガル発祥の地といわれる港町。
1415年にはエンリケ航海王子の指揮のもと、
大航海時代を切り開いていった
ヨーロッパの発展に重要な役割を果たした場所でもあります。
また、世界3大酒精強化ワインのひとつ、
ポートワインの生産地としても有名です。

※酒精強化ワインとは
まだ糖分が残っている発酵の途中にブランデーを加えて
酵母の動きを止めたワインで、食前・食後酒として飲まれるもの。


ポルトへはリスボンのサンタアポローニャ駅から
特急で3時間弱。
この日は朝の出発が早かったため、
地下鉄はまだ動いておらず、
早朝バスを乗り継いでサンタアポローニャの駅へ
向いました。
まだ夜明け前の真っ暗な小雨の中、
知らない土地で知らないバスに乗り、
無事駅に着くまでは不安でいっぱいでしたが
なんとか、特急の時間に間に合い、
ポルトを目指して出発。


ポルトガルの特急もなかなか立派。



車内も広々していて快適。
(写真は一等車)


ただ、線路があまり良くないのか、
天気が悪く風で煽られていたのかわかりませんが、
とにかく小刻みに揺れる、揺れる・・・
iPadで本を読んだりしていたんですが
完全に電車酔いして、あとは寝るしかなかった。


やはりドイツのICE特急の快適さには敵いません。


3時間弱でポルトに無事到着。


この日はあいにくのお天気で、
一日降ったり止んだり。
土砂降りではなかったものの、
青空に一度もお目にかかれなかったのは
残念でした。




ドウロ川沿いに広がるポルトの街並みです。
こんなオレンジ屋根のちいさな家々を眺めていると
ついつい「ジブリ映画」みたいだなぁなんて思ってしまいます。


川沿いに並ぶ高さも不揃いのエンピツのようなかわいい家々。
壁の色もバラバラのパッチワーク作品のような景色は
見ていてとてもワクワクします。


川沿いにはお土産物屋さんやカフェなどが並び、
観光シーズンにはお客さんでごった返すのでしょう。


この日はほとんど歩いている人もいませんでした。


見どころもたくさんあるポルトですが、
私が楽しかったのはこうした路地裏歩き。


狭い狭い路地を通り抜けて
軒先の洗濯物や、魚を焼くにおいを嗅ぎながら
ただぶらぶらお散歩しました。



カフェの店先ではカニ爪フライやバカリャウ(干し鱈)のコロッケなどの
お惣菜が売られています。どれもこれもおいしそう。
(レストランにランチに行く直前だったのでグっとガマン)



ランチはガイドブックで目を付けていたレストラン、
アバディア・ド・ポルト。
入り口が通りの裏手にあって分かり辛かったけど、
なんとか到着。


店内は落ち着いた雰囲気でお店の人のサービスもいい感じ。
実はポートワイン(というか酒精強化ワイン)があまり得意ではない
私たちは、残念ながら食前酒をパスし、ポルトガル産の
白ワインを注文。


今思えば、本場ポルトのポートワイン、一口だけでも
挑戦しておくべきだったなぁとちょっと後悔・・・


お料理は、私がどうしても食べたかった「トリパス」を注文。


トリパスとはポルトガル版「もつ煮」で、インゲン豆と一緒に
牛もつをじっくり煮込んだトマトベースの煮込み料理。


その昔大航海時代に、ポルトから船で航海に出る人たちのために
精のつく肉をすべて提供し、ポルトの人たちは残った臓物だけを
食べていたのだとか。
トリパスはそんな時代の名残で、ポルトの名物料理となっていて
ポルトガルのどこでも食べられるというわけではないみたい。
(リスボンでも探せば食べられるお店もあるかも・・・)


通常2人前の大きいお鍋で出てくることが多い煮込み系料理。
でもここのお店はハーフサイズ(1人前)もある。
ハーフサイズに、付け合せのライスがたっぷりついて10ユーロほど。
かなりお手頃。


トロトロになるまで煮込んだモツは絶品!
ヨーロッパではあまり食べる習慣がないので、
日本で食べて以来、約2年ぶりに食べたモツ煮込み。
最高でした。


そしてもう1品たのんだのがタコのてんぷら。
スライスしたやわらかいタコをサクっと揚げて
レモンを絞って食べるの。 これがまた絶品!!
オクトパスフィレと書いてあるお料理をオーダーしたら
焼きタコじゃなく、このてんぷらが来て、
うれしい誤算でした。
インゲン豆入りのライスがついて15ユーロくらい。


ポルトガルのタコ料理は、そもそも下ゆでの仕方が
日本と違うらしく、よく煮込んだ鶏肉のような、
ホロホロした食感でとにかくやわらかく美味。
毎日タコでもいい!と思えるくらい本当にどこで食べても
おいしかった。


サービスも味も雰囲気も、コストパフォーマンスも
とにかく抜群だったアバディア・ド・ポルト。
ポルトに行った際にはぜひ立ち寄ってほしいレストランです。


食後はまた街歩き。


みごとなアズレージョタイルの装飾のあるサン・ペント駅の構内。


大航海時代の栄華を今に伝える、キンピカな
サン・フランシスコ教会にも行きました。



360度どこを見渡してもキンピカキンピカ。

それなのに不思議と下品な感じはしなくて、
素直にその美しさに見とれてしまいました。

ヨーロッパの典型的な成金趣味のお城装飾なんかは、
個人的にあまり好きではないんだけど・・・
(というか食傷ぎみなんだけど・・・)

違いが何だったのか、どうして素直に見とれて
しまったのか、自分でもわかりません。
(ぜひその目で確かめてみてください)


ポルトガルの栄華がごく一時的だったという
悲しさのようなものがそこから感じられるからでしょうか。


エンリケ航海王子の家だったと言われているところ。
今は一部が博物館として使われています。



私たちは行きませんでしたが、このほかにも
ポートワインのワイナリーを訪ねる日帰りツアーなども
あって、観光は充実しています。


私は町の雰囲気や、食べ物なども気に入って
あと数日滞在してもいいなぁと思いました。


晴れた日のポルトはきっともっと素敵だろうな・・・


帰りはまた激揺れの特急で3時間。


もしまた来る機会があったら、絶対に電車じゃなく
飛行機で来ると心に誓ったのでした・・・