午後は旧市街広場から歩いて、ユダヤ人地区(ゲットー)へ。
この地区について簡単に「地球の歩き方」から抜粋しますね。
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ユダヤ人たちは隔離されたこの地区に密集して住み、キリスト教徒による迫害を受けていた。
18世紀後半ヨゼフ2世により差別は多少緩和。
19世紀半ば、正式にプラハ市の一部と認められ、
19世紀後半それまでの迷路のような細い路地、秘密の抜け道、不衛生な建物などが
取り壊され、現在のように整備される。
その際、ユダヤ人にとって大切なシナゴーグ(祈りの家、教会堂)や
墓地などはそのまま残された。
第二次世界大戦時にはナチスドイツに占拠され、ドイツ占領下の各国から
ユダヤ人が狩り集められ、ここからさらに強制収容所に送られた。
ここユダヤ人地区で戦後まで生き残ったのはわずか2500人にすぎなかった。
(地球の歩き方より)
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ドイツに来てから、改めてナチスドイツの歴史の勉強をしたり、
本を読んだりしていて、チェコのゲットーの話はいくつか
読んだことがあったので、とても興味深い場所でした。
ヨーロッパ最古のシナゴーグ(ユダヤ教の教会)旧新シナゴーグ。
1270年ごろに建てられたものだそうです。
この後、旧ユダヤ人墓地や儀式の家など、この地区の
共通見学チケットを買って、見て回りました。
シナゴーグや墓地はいずれも内部撮影が禁止だったこと、
また、この地区は現在もユダヤ人が暮らしていて、
カメラを構えるのが失礼な気がしたため、
この地区の写真はほとんど撮っていません。
一番印象的だったのがピンカスシナゴーグという場所で、
ナチスによって命を奪われた8万人の姓名と
死亡場所が壁一面にびっしり書かれていたり、
ユダヤの子供たちが強制収容所で描いた絵が展示されていたりと
かなりショックの大きいものでした。
そして最後に訪れたスペインシナゴーグ。
他のユダヤ人地区のシナゴーグからは少し離れたところにあり、
見つけにくかったのですが、1868年に再建された現在の建物は
スペインのアルハンブラ宮殿に似ているためスペインシナゴーグと
呼ばれているそうです。
内装はオリエンタルな雰囲気で、キリスト教の教会とは全く異なり
本当に美しかったです。
そしてこのシナゴーグに来たもう一つの目的、
実はここのスペインシナゴーグも教会コンサートが開かれる場所で、
事前にチェックしてきたプログラムによると、本日は
スメタナ&ドヴォルザーク、2大チェコ作曲家が
聴けるプログラム!
これは絶対行きたいということで、シナゴーグ外の
チケット売り場でチケットを購入。
楽しみです。
ユダヤ人地区の後は、ショッピングなどをしてホテルに戻り、
また夕方プラプラとコンサートへ出かけます。
(2日連続行けるとは思わなかった!)
昼間のシナゴーグ見学のときには、カメラは絶対ダメ、
と厳重だったシナゴーグ内。
コンサート開催時には緩くなるのか、コンサート客の
写真撮影に関してはなんのお咎めもなし。
みんな開演までの間、大きな一眼レフでバシャバシャと
シナゴーグ内を撮影しまくりです。
もちろん私も撮っちゃいました。
本当に美しい教会の中。
ユダヤ教の教会内に入るのも初めてなら、
コンサートを聴くのももちろん初めて。
いや、これはもう2度と経験できないかもしれない。
この空間にいることだけで感動してしまい、始まる前からなんだか
泣きそうです。
コンサートも大変素晴らしく、昨日の教会とはまた違った響きで
本当に美しく、鳥肌立ちっぱなしでした。
ドヴォルザークの「新世界より」、スメタナの「モルダウ」、チェコの2大作曲家の
代表曲をここで聞くことができ、一生の思い出になりました。
チェコ音楽以外にも、ソプラノの女性が出てきて、ハバネラとか歌ったり、
ウェストサイドストーリーや、ガーシュインのラプソディ・イン・ブルーなど
幅広い選曲で飽きさせません。
さらに、このオーケストラにはトランペットのおじいちゃんが
いたのですが、そのかたのトランペットが本当に素晴らしくて・・・
いつまでもいつまでも聴いて居たかった。
右から2番目、トランペットのおじいちゃん。
このシナゴーグでのコンサートが、この度一番の思い出となりました。
プラハを訪れる機会がありましたら是非このコンサートに
出かけてみてください。本当におすすめです。
帰りは日暮れのカレル橋をもう一度通りたいと向かいましたが、
かなり真っ暗になっていて・・・
酔っ払って物乞いのひとを蹴り飛ばしている若者や、
カレル橋の上を全速力で走り去る男性(おそらくスリ)など、
かなり危険な雰囲気・・・
怖くなって足早に渡りきり、ホテルへ戻りました。
やっぱりプラハ、治安の方はあまりよろしくないようです。
お気を付けください。 (何もなくてよかった・・・・)
翌日は午後のフライトだったため、
チェックアウトしたあと、ホテルのフロントに荷物を預けて
午前中はホテルの近くでお土産を買ったり、ランチをしたり。
ホテルのお兄さんはとっても気さくなひとで、
AAAの優良タクシーをお願いして呼んでもらったので
チップを渡そうとしたら、「そんなのいらないよ~」と
笑顔で跳ね返されてしまいました。
そして無事AAAのタクシーで割引クーポンを使って空港まで
1500円ほどで到着。
さようなら、プラハ。またいつか来れたらいいなぁ・・・・
母とも2人きりで貴重な時間を過ごすことができて、
いい思い出になりました。
外国をアテンドすることにもちょっと自信がついたし。
お留守番してくれたKさんとワンコたちに感謝です。
そしてデュッセルドルフ空港までお迎えに来てもらって
Kさん本当にいつもありがとうございます!
今度は犬連れでまたプラハに来れたらいいな。
~母とプラハ 終わり。~