夜に星を放つ/窪美澄 | VIKI(びき)のブログ

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夜に星を放つ/窪美澄

 

 

第167回(2022年)直木三十五賞

ノミネート3回目での受賞とのこと

窪美澄さん作品2作目

 

 

 

装画:松倉香子

装幀:大久保明子

 

 

 

表紙を見て星の王子さまを連想(私だけ?)

最後の短編の男の子がモデルかな

 

 

 

5編からなる短編集

短編が直木賞受賞、というのはこれまでにもあるけど

個人的にはできれば長編がいいなあ、と思ったのでした

 

 

 

荻原浩さんが受賞したのもなぜか短編だった

 

 

 

 

 

インタビュー記事で

使うエネルギーは長編、短編で変わりません、と窪さん

 

短編で短いから楽ということは全くなく、使うエネルギーは長編、短編で変わりません。原稿用紙50枚ほどの文量で書くというのは、頭を使う作業です。長編よりも難しいのではないかと、年々思うようになりました。

 

 

 

 

受賞時の会見での窪美澄さんの音声入りのインタビュー記事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇以下ネタバレします

 

 

 

【真夜中のアボカド】

何だろう

誰も嫌な人がいない

というかむしろみんな優しい

主人公綾ちゃんが婚活アプリで知り合った、別居中の奥さんと子どもがいることを隠していた麻生さんでさえ

何だか優しい

でもクズだな

 

 

 

リモートワーク、コロナの自粛生活、婚活アプリ、ホットヨガ、というワード

何年か後に読んだら懐かしくなりそうなワード

 

 

 

すでに少し遠い記憶になるつつあるコロナ

ついこの間まで、常にマスクしてたよね

屋外でもレッスン中でも

 

駅に向かう途中、なぜか視線を感じて

「あ!マスクしてなかった!」

とマスクをとりに戻ったのは1度や2度ではない、、

 

夏の海岸、には行かなかったけど

夏は、冷房つけつつ換気してマスクして手指消毒して

それでレッスンしてたなあ

 

緊急事態宣言下では、見事に街から人も車も消えて

信号が意味をなさないガラガラの道路

いつでも渡り放題

シーンと静まり返った街に

みんなどこいったのーと思ったなあ

 

 

 

「私、弓ちゃんの分まで生きるからね。結婚もするし、子どもも産む」

中略

「そんなこと考えなくていいの。綾は綾の人生を生きなさい。どんな生き方をしてもお母さんはいつも綾の人生を応援するよ」

 

 

 

 

生まれたときからずっと一緒の一卵性双生児の妹

妹が彼氏と同棲するまで上京後も一緒に住んでいた

その妹が2年前に29歳で突然の脳内出血で亡くなって

遺された両親、彼氏、主人公綾ちゃんの、少しずつ進んでいくお話

(コロナ禍)

 

 

 

 

 

【銀紙色のアンタレス】

16歳の少年のひと夏の話

なのだけどあんまりピンと来なかったな

設定と、行動が

 

ひとりでおばあちゃんちに滞在して泳ぎまくる、のか

短編の難しさかな

感情移入できず

 

思い込みの恋にやぶれて感傷に浸る少年

を取り巻く人々もみんなおひとり様だな

 

 

 

 

 

【真珠星スピカ】

ユーミンの真珠のピアス

不穏な歌かあ

悲しみとジェラシーとさみしくて泣きたい気持ちが痛いほど伝わる名曲だと思う

男性側から見ると不穏、なのか

 

 

 

 

 

 

泣かせにきたラスト

あー泣かせにきたなと思ってしまう

「作文を読む小学生のように〜」の一文でしらけてしまうのでした

ごめん

 

 

 

 

 

【湿りの海】

なんか気持ち悪い題名だなーと思ったら

そういう絵画があると

 

寝室のチェストの上に飾ってあるという設定

離婚した元妻が残していった絵

 

エティエンヌ・トルーベロ作

 

 

 

と思ったら、月のことを書いたサイトによると

「湿りの海は月面の南西部にある直径約380kmの円形の海」

なのだそうで

 

なかなか興味深いサイトなのですが

転載禁止と明記されてるので、紹介は控えます

ご興味ある方は「湿りの海」で検索されるとすぐわかると思います

 

 

 

話も登場人物もなんか気持ち悪い

子どものセリフ

「海、ちゅいたの?」

「にーたんといる」

も気持ち悪いぜー

 

 

 

長い子育ての、その日々のほとんどがうんざりするような時間で成立していることを僕は思い出した。

 

うんざりはそりゃあ当然あるけど「ほとんど」が同意できない所以か

 

 

 

 

 

【星の隨に】

まにまって読むのだけど

まにまって言葉、なんか気持ち悪いなあ

他力本願な感じも好きじゃない

 

 

 

子ども目線なため、全てはっきり描かれない系のお話

 

 

 

閉め出される件

閉め出されても誰も責めない、優しい子、なんだけどね

 

 

 

「生きていればいいこと〜」

これは年を重ねた人の常套句だよね

いいことがそのうち起こる

つまりほとんどは良くないのだよね

 

 

 

 

 

 

 

直木賞ノミネート時のインタビュー記事

 

コロナ禍のなんとなく気落ちする世の中に、明るい光を差すような優しい物語を書こうと思って、この本ができました。子どもの頃、通っていたピアノ教室に「ベッドタイムストーリーズ」という、寝る前に1話ずつ読むような読み聞かせの翻訳本が置いてあったんです。ピアノを弾くより、それ目的で通ってました。この本が、そんな本になればいいなと思っています。今日は散々な1日だったという人が、ベッドの中でこの本を読んで、少しでも気持ちがすっと和らいで眠りにつけたならいいな。