光のとこにいてね/一穂ミチ | VIKI(びき)のブログ

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光のとこにいてね/一穂ミチ

 

 

 

 

 

 

第168回直木賞候補作

2023年本屋大賞第3位

 

刊行以来、続々重版。大反響、感動、感涙の声、続々!
令和で最も美しい、愛と運命の物語


素晴らしい。

久しぶりに、ただ純粋に物語にのめりこむ愉悦を味わった。
さんざん引きずり回された心臓が、本を閉じてなお疼き続ける

──そのまばゆい痛みの尊さよ。(村山由佳)

まぶたの裏で互いの残像と抱き合っていた二人のひたむきさが、

私の胸に焼き付いて離れない(年森 瑛)

 

 




印象的でとても想像力を掻き立てられる素敵な表紙

表紙撮影には3時間を要したとのこと

 

影は、カメラマンの深野さんが、「光」のイメージを表現するためにどうしても陰影をつけたいと、撮影前に花屋に立ち寄って準備されたユーカリの枝葉によるものとのこと

 

 

 

 

 

 

一穂ミチさん

「スモールワールズ」

「パラソルでパラシュート」

に続く3作目

 

 

 

主人公は2人の女性

文中、私とわたしを使い分けて

私 小瀧結珠 こたきゆず

わたし 校倉果遠 あぜくらかのん

 

 

 

光のとこ

「とこ」

子どもの言い方が浮かぶ、かわいい

 

 

 

第一章 羽のところ

第二章 雨のところ

第三章 光のところ 

 

 

 

一穂さん

ところどころ描写が入り込めなくて

途中で集中力が途切れてしまう

 

のだけど、3作目も変わらず優しい人間を描く

コミュ障気味の、生きづらさを

 

パラソルでパラシュートがとても良かった印象から比べると

間延び?

 

連載小説(別冊文藝春秋)だったとのことなので、そのせいかな

設定も稚拙な印象

辛口でごめん

でも、一穂さんが大切に思っているであろうことは途中で何度も伝わってきて

優しさが染みる

 

 

 

わたしと私の使い分けも後から気づいた

互いのお守り同士だったという女性と女性の設定が

うまくわからないのかな

 

 

 

2人が通う女子高の図書室に飾ってあるという

ギュスターヴルグレイの写真

 

 

 

一穂さんが、写真評論家のさんの『沈黙とイメージ——写真をめぐるエッセイ』という本を読んで知り、いつかどこかで出したいと思われたそう

 

セピアで写真はおしゃれなのだけど

安らがないというか

唐突な感じがして私の中ではあまりうまくリンクしなかったな

 

 

 

 

◇以下、ネタバレします

 

 

 

 

そうだ、この子といると、私は自分のずるさや矛盾を突き付けられる時があった。

 

果遠ちゃんの、汲み取るやさしさに触れて

 

 

 

 

ひょっとしてわたしは、悪い人間なんだろうか。

無関心やからかいより、善意のほうがうっとうしいと感じてしまう。

 

多感で未熟な高校1年生の果遠がシスターに抱く思い

 

 

 

 

せっかく大人になったのに正しいほうを、幸せなほうを選べないなんて、選ばないなんて、そんなことがあるの?

 

彼氏とケンカして殴られているチサさんを、お母さん(アパートの隣の部屋に住む果遠の)は自業自得だという

自分から幸せを遠ざけているチサさん

 

 

 

 

「お前は強くてやさしいから、弱い母ちゃんを捨てられない。

捨てるのはいっつも弱い方なんだ。」

 

夜逃げするハメになった果遠ちゃんにチサさんがいい放つ

 

 

 

 

「そう。嬉しかったの。

何かができるようになるっていう喜びを見せてもらったのは、

自分にも何かができるんだって教えてもらったのは、私の方だったの。

 

小学生の時、時計の読み方がわからない果遠ちゃんに

結珠が教える

こんな出来事が2人の支えになる

 

 

 

 

最初は私のお腹の中にいて、それから胸の中、腕の中、

手をつないで・・・

瀬々はどんどんわたしから遠ざかる。

いつかはわたしtpお母さんみたいにふっつりと離れ、姿も見えなくなるんだろうか。

 

目を離しても平気になった我が子を見て思う

 

 

 

 

結珠ちゃんの流産の話をした時より冷静で、

それはとても長い間、「ママ」について考えてきたからだと感じた

 

乗り越えたのではなく、諦めて背を向けたということ

 

 

 

 

 

子どもという生き物が無自覚に発散する濃密なエネルギーを浴びてたまらなく懐かしかった。

草いきれのように立ち込める乱暴で瑞々しい魂の気配に、憧れめいた愛情を覚える

 

小学校の教員を休職中の結珠の思い

 

 

 

 

無口で、面白いリアクションをするわけでもないけれど、

水槽の中の水草みたいにそっと酸素を供給して、

傍にいる人の呼吸を楽にする穏やかさを備えている

 

夫の水人がはじめて店に来た時の印象

 

 

 

 

 

果遠ちゃんの愚かな一途さはいつだって私の胸を深々と射抜き、ほかの何でも埋められなくしてしまう。

 

小学生の時、結珠からこっそり拝借した防犯ブザーを大事に持っていて

自分の娘に貸したという果遠

大事なかわいい我が子なのにあげずに

 

 

 

 

 

水人のやさしさはいつもわたしを不安にさせる。

それに応えることができていないという後ろめたさのせいだろうか。

 

 

 

 

 

これは相談や質問でなく、結珠ちゃんがただ吐き出したくて話しているのだとわかった。

我慢強くて理性的な彼女にはけ口として選ばれたことが嬉しかった。

 

 

 

 

 

たった十分の間を持たせる雑談もできないなんて、

つくづく未熟な大人だ。

 

不器用な故の思いやり

 

 

 

 

逃げたって解決にならない、なんて言う人は想像力がない。

逃げは立派な解決策なのに。

 

 

 

 

実家にいる頃はママの顔色を窺うのに必死で気づかなかったけれど、こうして離れてみるとパパのいびつさもよく見える。

 

親離れのひとつの瞬間

 

 

 

 

もう、想像の中のあなたに「なぜ」や「どうして」を投げかけない。

欲しくても与えられなかったものの残像を見て指をくわえるのをやめる。

 

母親と無関係な人生を生きると決めた結珠

母のお葬式のリハーサル

 

 

 

 

ハーフパンツから覗く弟の膝は木のこぶみたいにごつっとしている。

その表面を所在なげにさする指を握ってやるべきなのか、触れない方がいいのかわからない。

 

思いやる気持ちはあるのに何もできない姉であるゆずの優しさ

 

 

 

 

その時、その瞬間を生きている子どもに、時間の効能を説くのは残酷だ。

 

残酷というよりは、伝わらない

 

 

 

 

 

 

一穂ミチさんロングインタビュー記事

インタビュー、構成:瀧井朝世さん

 

 

 

 

https://bessatsu-bunshun.com/n/n281a8f18e017