前回の投稿↓
「レクリエーションのダンスをいかにカッコよくするか」ということを目標に、日替わりでクラスのメンバーが一人ずつチェックしたりする仕組みを考えたみやぴん。
その仕組みを実現するために、当番ルーレットを画用紙で作って学校に持って行きました(クラス全員の名前が書いてあって、回せば毎日その人が”当番”て分かるやつね)
その日。
家に帰るとなんとなく元気のないみやぴん。
み「あのね、今日ルーレット持って行ったの。でもね、もう持って帰ってきたの…」
さ「え?そうなの?何があったの?」
み「朝先生に見せたの。『こういうのを作ってみたんですけどどうでしょうか』って。でね、先生が『いいんじゃない?』って言ってくれたから、教室に貼ったの。貼るとね、見た子が『これ何?』って聞くでしょ?だからね、『ダンスの練習のときに一人ずつ踊っているのを見る人を作って、皆のダンスを見てチェックしたり注意したりするんだよ』って答えたの。そしたらね『え、そんなのいらないんじゃない?自分より下手な子に注意されるとか嫌なんだけど』って言われてね…私、そんなこと考えもしなかった…」
泣き出すみやぴん。
あぁ、そうだったかぁ、と私は心の中でつぶやきます。
クラスに受け入れられても受け入れられなくても、とにかくみやぴんが考えたことを実行することから経験して欲しいと思ったのは私。
みやぴんが傷ついたり、嫌な思いをするだろうからそれは止めた方がいい、というのは端から手放していた考え。
ということで、ちゃんと向き合います。
さ「そうかー」
み「私はさ、みんなが上手にカッコよくダンスを踊れたらいいなって、そしたら林間学校がもっと楽しくなるかなって思ってたのに、なんでそんな風に言うのかなって…」
さ「そうだね。みやぴんが考えたことをあっさり否定されたのは悔しかったね。ところでみやぴん、お友達に説明したときに、その考えを説明した?」
み「どういうこと?」
さ「みやぴんは、『みんなが上手にカッコよくダンスを踊れるようになるために、林間学校がもっと楽しくなるように』って一人ずつ練習を見る役割を持ったらいいんじゃないかって考えたんだよね。ルーレットを見て何?って聞いてきたお友達に、それをちゃんと説明した?」
み「…しなかった」
さ「そうかー。じゃぁ、みやぴんが本当に伝えたかったことが伝わってなかったんじゃないかなぁ。どうやって説明したか、もう一度思い出してみて」
み「…練習のときに一人ずつ前に出て、みんなのダンスを見てチェックしたり注意したりするんだよ…って感じだったと思う」
さ「なるほど。もしかすると”チェック”とか”注意”とかっていうところだけが伝わったんじゃないのかな」
み「そうなのか…」
さ「せっかくみやぴんが一生懸命考えて、やってみたんだから、その考えの一番大事なところを伝えられて、伝わると良かったよね。母ちゃんはそれが伝わらなかったのが、残念だなーと思う」
み「うん…」
さ「ところで、みやぴん。今回のダンスはコンクールとかそういうの?」
み「ううん」
さ「そうだよね。レクリエーションだもんね。じゃあ、レクリエーションには何が一番大切だと思う?」
み「…みんなが楽しめること」
さ「うん。そうだと思う。でもね、みんなが”楽しめる”って難しいね。みやぴんにとってはカッコよく揃った踊りができるのが”楽しい”かもしれないし、でも、ダンスが苦手な子にとっては自分が踊れるように踊ることが”楽しい”かもしれないもんね」
み「…そういう風に思えなかった。皆でやることなんだから、きっちりできることが一番いいことだと思った…私一人で突っ走っちゃった…」
さ「うん。みやぴんがそう考えたことは悪いことでも間違ってることでもないと思うよ。でも、ちょっとだけ他の人の意見や考えも聞いてみると参考になることもあるかもね。母ちゃんも仕事してるときに考えなきゃいけないことがあるときは、一人で答えを出すことは少ないよ。いろいろ聞いてみるし相談してる。自分ひとりだけだと、考えが偏ったり狭くなったりすることがあるからね」
み「そうなんだ…私、友達の誰かに相談してみようとか考えることもなかったよ…」
さ「これからそうしてみたらいいんじゃない?自分に関わることは自分で決めて実行すればいいけど、皆を巻き込むことだったら、全員には難しくても、誰かに相談しておいた方がうまく回ることもあると思うよ」
み「うん…」
しばらく泣いた後「でもね、今日帰ってから公園に遊びに行ってね、男子も女子もいっぱいで鬼ごっこしたの。それが、今日は楽しかった」と泣き顔で歯を食いしばって笑おうとしながら伝えてくれたみやぴん。
できれば、我が子のこういう顔は見たくない。
見たくないけど、それも経験。
こういう経験の積み重ねがこれからのみやぴんを創る。
親子ともども、まだまだ修行の道。
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