レティシア妃 その13 消えていく存在 | スペイン王室

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スペイン王室の現役メンバーから、遡ってその先祖の方々まで、おもしろそうな逸話をピックアップしてお届けします!

面白いものだと思う。
婚約の儀の際、王室側は、フェリペ皇太子の
 

①ご両親(フアン・カルロス国王、ソフィア王妃)、
②姉妹とその伴侶(エレナ王女、ハイメ・デ・マリチャラル氏、
  クリスティーナ王女、イニャーキ・ウルダンガリン氏)
③伯母、叔母とその伴侶(ピラール王女、マルガリータ王女、
 カルロス・スリータ氏)
④従兄弟大勢とその伴侶


を招待した。フェリペ皇太子の祖父母は、父方も母方も全て
亡くなっていたため、招待しようがなかった。それに合わせる様に、
レティシア妃もご自分の親族を、婚約の儀に招待された。

①ご両親(へスス・オルティス氏、パロマ・ロカソラーノさん、 
 既離婚)
②姉妹とその彼氏(テルマさん、エリカさんとアントニオ・ビゴ
 氏*この時点ではまだ入籍しておらず。)
③従兄(ダビード・ロカソラーノさんと彼女のパトリシアさん。


↑婚約の儀の日の写真

このメンバーに、結婚式には祖父母が加わるが、それ以上
レティシア妃の親族が増えることはなかった。それどころか今日
まで減る一方だ。 しかし、よくよく考えてみて欲しい、レティシア妃
は三人姉妹だが、従兄弟が1人しかいない、なんてことがあるの
だろうか?


否。実際は、驚いたことにダビードさんに姉妹が1人いるらしい。
それも、昔からレティシア妃とは馬が合わない“アビガリ”と言う
名の女性が。ダビードさん曰く、レティシア妃はいつも、アビガリ
さん相手には、意味もなく偉そうな態度を取ったという。そう言う訳
で、レティシア妃は、彼女がダビードさんの姉妹で、従姉妹だと
言うのに、婚約の儀に招待なさらなかった。アビガリさんも、別に
そんなことを気にするわけでなく、翌年の3月8日に予定していた
自分の結婚式にレティシア妃を招待しなかった。

しかし、この結婚式の話をマスコミが聞きつけたのだろう。仲の
良いダビードさんの姉妹と言うのに、婚約の儀にも招待しない、
結婚式にも参列しない、では、2人の不仲をマスコミが面白い
ように取り上げるのは、目に見えたこと。そこでフェリペ皇太子
とレティシア妃は、結婚式の前日になって、


“出席します。”


とアビガリさんに電話一本で連絡されたらしい。その上、
サルスエラ宮殿側は、皇太子とレティシア妃の座席は、会場の
どの辺りにしろ、とまで指定してきた。式の前日にだ。

それまでは、普通の一庶民がスペインの村などによくある
レストランを会場に、ありふれたメニューだけれど、バンドを
呼んで、家族や親戚、友達を招いて、楽しく祝うはずの
披露宴パーティーが、

皇太子とその婚約者臨席の元、何十人ものマスコミがカメラを
構えて、パーティーの様子を伺うものに変わってしまったので
ある。


パーティー会場をひっくり返された挙句、記事には、


“フェリペ皇太子が冷凍海老を手で召し上がる羽目になった。”

とか、

“レティシア妃のお祖母さん方の歯はほとんど残っていない。”

とか、

“レティシア妃のお身内の服装は、誰も皆滑稽だ。”

とか書かれ放題。



このパーティー会場を去る際のフェリペ皇太子とレティシア妃
の映像が残っているが、ご結婚前のものとしては、お2人とも
険しい顔をされていて、珍しい。やはりパーティー会場で、何か
あったと言う感じだ。

ダビードさん曰く、このパーティーを機に、レティシア妃は、特に
家族に対して、服装や立ち回りに気をつけるよう厳しく言われる
ようになったと言う。アビガリさんもアビガリさんとダビードさんの
ご両親も結婚式には招待されていない。つまり、三人は、この
時点で、親戚付き合いのリストから消されたと言うことだろう。
(それとも、自分から辞退??)
逆に言えば、従兄でもダビードさんがリストに残されたのは、
“弁護士”と言う職故のみだったのかもしれない。他の従兄弟
おじおばは、親戚と呼ぶほどの社会的ステータスがなかった
と言うことか。(ちなみに、ダビードさんとアビガリさんの父親は、
EU議員付きの運転手で、長く両親共ブリュッセルに住んで
いた。)


実際父のへススさんだって、兄弟がいても良さそうだが、
分からない。従兄弟もいて良さそうだが、全く話題にならない
のだ。レティシア妃は、ご両親が離婚して以来、へススさん自身
との付き合いを絶っている。王族としての対面上、儀式や写真
撮影にへススさんと妻のアナさんを招待されることはあるが、
あれは対面上であり、親しく話しをされることは稀である。

そのように、元々少なかった身内も、エリカさん、パティお祖母
さん、パコお祖父さんの死、ダビードさんとの決別など、
どんどん減ってしまった。残るは、母のパロマさんと妹のテルマ
さん、父方祖母メンチュさん。

一説には、同じサルスエラ宮殿にお住まいのソフィア王妃から
両王女を隔離して、パロマさんに懐かせていると言う。レティシア
妃は二言目には、


“少しでも普通の環境で・・・”


と訴えられるが、レオノール皇太女は、将来女王になられる方。


“もっと、公式の場に出て、カメラや人の視線に慣れるのも必要。”


とは、退位前のフアン・カルロス国王も憂えていた。


やはり、一般庶民が王妃にもなるとなると、余程の資質に
恵まれた人でもないと難しいのであろうか。



“私、この人嫌いだから付き合わない。”


では、ニュースキャスターは務まっても、王妃は務まらない
だろう。メキシコと8月のマジョルカ島でのご様子を見ると、

 
“私、この公務は嫌いだからやらない。”


も加わってしまったようだ。
                

10年以上前、あるスコットランド人にダイアナ妃について
尋ねたら、


“ダイアナは自分の話を記事にして欲しい時は自分から
マスコミを呼ぶのに、マスコミが記事を求めて寄って来る
時は、嫌がって追い払っていた。それではいけない。
エリザベス女王を見てごらん。女王は、何時いかなる時も、
マスコミなんて相手にしない。だからどのメディアだって
エリザベス女王には敬意を払っている。”


と言っていました。その話に納得。


レティシア妃は、ちょっとダイアナ妃に似ているようだ。
両王女に普通の日常生活を送らせるため、と言って、学校
生活の写真は、新学期初日を除き、写真撮影が禁止
されている。それが、たまに両王女の学校へのお迎えの
時間と、パパ国王の外国訪問からの帰国の時間が
重なったりすると、これは良い絵が撮れそうだからと、
メディアを呼んで撮影を許可し、これ得たりと素敵な写真を
撮らせるのだ。




↑パパ国王が政府専用機から降り立つところを出迎える
レオノール皇太女、ソフィア王女。




↑感動の再開、感動の抱擁!!




↑その後は、再開の喜びも覚めやらぬ中、サルスエラ宮殿の
お庭を手を繋いで歩く仲良し親子の図。(よくよく考えてみると、
車は玄関に直付け出来るので、リュックを背負いながら散歩する
必要はないのだが・・・)

プライバシー、プライバシーと言っている割に、自分に都合が
良い時にだけ、マスコミを呼んで写真を撮らせる。ちょっと
ダイアナ風かな。