鍋割山、荒山 | おばあちゃんと 一緒に

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遠く忙しく暮らす子供達に、健康でいる証として60才代で始めたブログ、
しかし娘親子と同居、孫と付き合う日々、 孫達も成長し、とうとう私も70歳代になりました。そして2021年80歳になり、娘親子は独立し、また夫と二人暮らしになりました。

青年の家の登山口から、鍋割山と、荒山に登った。朝、家を6時20分に出て、すぐ後ろにあるコンビにで朝食のサンドイッチとお赤飯のおにぎり、ヨーグルトを買って登山口に向かった。国立青年の家のあたりから、車一台も走ってない山道は薄気味悪い、しかし新緑のまぶしさにこんな贅沢なことはないと気持ちを入れ替える。登山口は車一台も無い、私が今日の登山者一号である。用心のためカーベルをリックに着ける。6:45。鍋割り高原に着くと、芽吹きがやっと始ったばかりの山肌は枯れ木色である。、その中にピンクの色のムラサキヤシオが目を引く、あそこのピンクの花を早く愛でたいという気持ちが、先を急がせる。

 荒山高原 鍋割高原山桜1 山桜                   

しかしヤシオツツジは登山道から離れた岩の方に咲いていて、近く愛でる訳にはいかなかった。山桜が静かにさいていた。楚々と山に立つ山桜が私はすきである。鶯が鳴いていた。

 鍋割り階段 頂上直下 鍋割山、 頂上                        この山に登るのに、このコースが一番険しくきつい、鍋割り高原からは、岩の急登が続く、岩場を過ぎると平らな、雑木の林になる。岩場から開放され、本来なら気持ちの良い雑木林なのに、単独の私は早く抜け出たいという気が強く、小走りになる。

林を抜けると明るいくなり頂上まで階段が続く。7:45 頂上は誰もいない。静かな頂で一人朝食のサンドイッチを食べる。今日は周りが霞んで眺望はよくないが、この空間を独り占め出来る喜びを味わえた。8:04~8:15 荒山高原近くでやっと単独の男性に会う。荒山高原から荒山登山道にヤシオツツジが咲いていた。8:45


荒山高原  荒山高原 荒山ヤシオ  ヤシオ

今年の2月20日と27日にこの高原に来た時は雪があり今は地肌が見えている。残雪     荒山頂

荒山の頂上近くの登山道に雪の名残があった。頂上は樹林の中に祠が祭ってある。9:40~9:55 東側が開けているので行くと、一人の単独男性が「新聞を読んでいた」 「おはようございます」と声をかけた。するとその男性に「単独ですか、なんか、訓練かい」と聞かれたので「尾瀬に行くのでトレーニングなんですよ」と私が言った。するとその男性は自分の登山した話をし始めた。まづ最近は谷川の白毛門から笠ケ岳まで日帰りで行ってきたこと、谷川の馬蹄形を一日で歩いたこと、白馬を大雪渓から歩いて槍温泉につかって、下山、これも一日でやってしまったこと。私は馬蹄形、白馬も一泊して、やっとの思いで歩いたことを思い出した。次から次に出るお話を、ただただ聞いて、「またどこかの山でお会いましょう」と言って下山した。


下山を始め岩場を過ぎ平坦なところでサングラスをかけた一人の単独の男性に声をかけられた「上は何かあったかね」「未だ冬模様で花はないですよ」と言うと「私は来年80歳になるんですよ」といった。この男性が自分でつくった展望図を登山している人に、くれる人だということを私はすぐに分かった。私はこの方が70歳になると話した正月の雪のある鍋割山で始めて会った。それから何回となくこの山域で会っている。あれから十年も経つのかと思った。今日は三つ岩の展望図を頂いた。ヤシオとヒカゲツツジが綺麗に写っていた。


荒山高原に下山した10:35から10:40。何組かの登山者いた。人が出てきたのでカーベルをリックの中にしまう。山の中でのラジオ、カーベルの音を聞くのが好きでない。例えば笹の葉一つゆれる音を聞くのも私は山に来た楽しみの一つである。

荒山高原で二人ずれに、また「上は何かありますか」と、たずねられた。どうも皆ヤシオが目当てで来ているのだと思った。

鍋割山頂上に向かう途中見晴らしの良い所につくと、御夫婦が休んで今立ち上がろうとしていた。そしてこちらを振り向いた。私と目が合った。近くのIT御夫妻であった。御夫妻は森林公園から上がって、いつも此処でお弁当を食べ頂上に行かないで帰るのだといった。山には人それぞれの楽しみ方がある、しかし自然の中に身をおく気持ちよさは変わらないという話をして「またどこかの山でお会いしましょう」と言って別れた。


鍋割山の頂上に戻った。11:20~11:25

階段を下りてると一人の単独登山者が「 今年もまた会ったね、俺さ谷川に行こうと思ったら仕事になちゃまって、遅いけど此処に来たんさー」「??」「わかんないね、何時だったか小雨のなか会ったでしょう、そして次の週、コンビネであったでしょう」「思い出した、しばらく雨の中で山の話しをした人よね、また山で会いましょうと、いって別れたら、次の週コンビニで会って、次の週はその時私と一緒だった人と武尊山で会っただってね、」というと「そそ俺は仕事柄会った人は忘れないんだよ」といった。


岩場が終わり近くなると、ブルーのジャージィーを着た男子ばかりの高校生100人の団体が登ってきた。端に避けていると、多くの生徒が「こんにちは」と挨拶してくれる、一人の生徒が『こんな苦しいのちっともいい思い出になんかなりゃしない」といって息をぜいぜい言いながら登っている。私は心の中で、ゆっくりでいい頂上まで登って、成し遂げた喜びを感じてほしいと思いながら「頑張ってよね。頂上は気持ちいいよ」といった。私も山に登っている時、なんでいい年をしてこんなことをしているんだろうと思うときがある。しかし自然の中の空気が美味しくて、また登れた喜びが次の山に行かせる。

登山口、12:20下山