↑眼窩 鼻腔内リンパ腫が4年以上寛解しているいちごちゃん
メラノーマになるもふもふちゃんがいます。
このがんは、活発なのでメラノーマと聞いた途端に、途方に暮れる飼い主さんも多いと思います。
今日は、人医療で、メラノーマのワクチンが出来ているのです。
最近、がんを直接攻撃する「個別化された」mRNAワクチンが、皮膚のがん(メラノーマ)と膵臓がんで有望な結果を出し始めたのです。
がんにワクチンと聞くと?不思議に思う人がいるかもしれません。
そもそも、医療に詳しくない方にとっては、感染症の予防に用いるワクチンが、どうしてがんを治す可能性があるのかと思われるかもしれません。そもそもワクチンはどのように働くのだったでしょうか。
感染症予防に用いるワクチンは、ウイルスや細菌の模型、あるいはその設計図を注射して、体内に模型を準備し、免疫をトレーニングします。そうすると、いざ本当にウイルスが体の中に入ってきてしまった時に免疫がすぐさま効果的に機能できるようになるのでしたね。
これは、体にとって「異物」であるがんにとっても効果を発揮する可能性があります。すなわち、がんに特徴的な顔立ちを掴み、その特徴をもった模型を準備してワクチンとして注射をするのです。
人医療で、メラノーマのがんワクチンが一般化すると、そのうち動物の方でもメラノーマのがんワクチンができるかもしれません。
がんの医療は、進んでいます。いままで寛解しなかったものが、寛解する時代がやってくるのでしょう。
Nature Medicineに掲載された記事をもとにご紹介します(1)。
参考文献
1. Precision medicine meets cancer vaccines. Nature Medicine 2023 29:6. 2023;29(6):1287-1287. doi:10.1038/s41591-023-02432-2