がん治療 なぜ私たちは食事療法をするか? #高カリウム低ナトリウム | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

 

 

 

 

私たちは、がん治療の一環として、食事療法をしています。

 

がんは炎症であるということを「がんと炎症 代謝研究会」の和田洋巳先生の下で勉強をしています。和田先生の好きなお言葉「温故知新」です。

 

私が和田先生のご著書にサインを求めと、和田先生は名前とこの「温故知新」を書いてくれます。

 

最近、もう一度、食事療法の勉強をし直しています。

がんの食事療法で、有名なのが「ゲルソン療法」です。

 

人間は雑食ですが、ワンコさまや猫さまは肉食なのです。

そのため、ゲルソン療法のニンジンジュースなどを飲むことは、難しいです。

 

ゲルソン療法は、2本の柱があり、ひとつは野菜ジュースを飲む、もうひとつはコーヒー浣腸です。

 

ワンコさま、猫さまは同じようにすることが難しいのですが、「高カリウム 低ナトリウム」という考え方は大切です。

 

がんが寛解した子、完治した子は、みんなカリウムが高いのです。

私たちは、カルテとデータを持っているので、過去のがんの子たちのデータを読み返すことができるのです。

 

●飼い主さんのできること

・血液検査でカリウムなどの電解質を測定してもらう

 

カリウムの結果が5mEq/Lであればいいですが、それ以下ならカリウムが低いです。

4,8から5Eq/Lにしてくださいね。

 

●もしカリウムが低いと

・カリウムのサプリメントを内服

・点滴でカリウムを入れてもらう

・低速ジューサー(コールドプレズジューサー)でニンジンジュースを作る

 

がんの子は、尿のpHを7.5から8にすることと。その上、カリウムの適切な値にすると、がんが寛解、完治するためにひとつの指標です。