■がん 抗がん剤で骨髄抑制を起こすということは #抗がん剤 #骨髄抑制 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

↑お昼寝中 眼窩 鼻腔内リンパ腫が1000日以上寛解中のいちごちゃん

 

私たちは、がんのもふもふちゃんを多く診察しています。

 

代替療法だけでなく、光免疫療法は、少量の抗がん剤を使っています。

いちごちゃんも光免疫療法による治療です。

 

それで、飼い主さんから質問されました。

光免疫療法での抗がん剤で骨髄抑制は起こさないのか?

 

●骨髄抑制とは?

 

がん治療には

・抗がん剤(化学療法)

・分子標的薬

・放射線治療

上記の治療では、がん細胞だけではなく、骨髄を含め、健康な細胞にもダメージを受けます。

 

□骨髄とは

骨の中心にある組織で、白血球・赤血球・血小板などの血液の成分をつくっています。

骨髄にある細胞が、がん治療でダメージを受けると血液成分をつくり出す働きが正常に機能しなくなります。

この副作用のことを骨髄抑制といいます。

 

 

□血液検査の症状

・白血球の減少(WBC)

・好中球の減少(Neut)

・貧血 (Ht)

・血小板減少(PLT)

 

などが現れます。

 

私たちの動物病院では、がんのもふもふちゃんは、きめ細かな血液検査をして骨髄抑制が行らないように見ています。

光免疫療法でも骨髄抑制が起こる可能性がありますが、注意深く観察して治療をしています。