■ネコ エルミタージュ美術館の占い猫・アキレスちゃんは白い猫さまと耳の問題について。#W遺伝子 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 
 
 
 
image
 
今日は、モスクワの猫さまのお話。

 

 いま、ロシアで、ワールドカップ(W杯)が開催されています。

エルミタージュ美術館にすむ「予言猫」という猫さまがいます。

 

モスクワで14日に行われるロシア― vs サウジアラビアの開幕戦でロシアが勝つと予想し、みごとに的中したそうです。

 

占い猫さまのプロフィール

1、猫の名前はアキレス

2、白い猫で、青い目

3、耳が聞こえない。

4、普段は美術館の守り神として暮らす

 

白い猫さまは、耳が聞こえない子が割合にいます。
 
診察室で、
1、白い猫
2、目が青い、片方だけでも青い(オッドアイ)
3、大きな音がしても耳を動かさない。
 
このような猫さまを見ると耳が聞こえないのかも、と考えます。
 
これは、遺伝子の問題なのです。
 
白い猫さまは、「W遺伝子」を持っています。
それで、白い毛になるわけです。

W遺伝子
1、メラノサイトという色素を作る細胞の働きを抑える
2、メラノサイトは瞳孔の色にも影響。
  人間でも色の白い人は、少し茶色っぽい瞳孔をしていますね。
3、聴覚にも影響
  耳の奥である内耳に「コルチ器」と言われる組織は音を感じる機能があります。
  このコルチ器はメラノサイトと同じ細胞から分化(成長)するので。

白い猫が難聴というわけではありません。
以下の確率です。
 
両目とも青:50~80%
オッドアイ:20~40%
青目なし:20%程度

注意:オッドアイは、片方の目が青い目である猫さまで、青い目側が難聴になりやすいと言われています。
 
 
エルミタージュ美術館の占い猫さまは、W遺伝子を持っているようです。
このような猫さまは、不思議な力を持ち占いが出来るのかもしれませんね。
 
(白い猫さま)
耳のテスト
1、呼んでも来ない
2、大きな音にも反応しない。
3、片方から、呼んだら反応が鈍い。
4、用心深い。
 
こんなことがあれば、耳が聞こえていないかも。わからないときは、かかりつけ医に。
 
(難聴の猫さまの飼い方の注意)
1、外に出さない。
2、急に近づくとびっくりするので、どんどんと震度をさせて近づく。 
 
(まとめ)
1、エルミタージュ美術館の占い猫さまは、W遺伝子のため耳が聞こえないけれど、占いと不思議な力を持っている。
2、白い猫さまは、耳が聞こえない確率が高い。

 

室内飼いの猫さまだと飼い主さんが、気をつけていただければ、そう問題はないので、長く愛してあげてね。