横須賀軍港めぐりで出会った白い船艇たち | 艦艇・船舶つれづれ

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旧帝国海軍および海上自衛隊の艦艇、海上保安庁の船艇、主に戦前の民間船舶を中心としたブログです。
「海軍艦艇つれづれ」からタイトルを変更しました。

横須賀・軍港めぐりシリーズ第3段です。

横須賀港には米国海軍・海上自衛隊だけでなく、海上保安庁の横須賀海上保安部があります。
場所は前回の海上自衛隊の掃海艦艇の東側になります。

まず目に入ってきたのは、2隻の白い船。
手前が巡視艇「はたぐも(PC-32)」で、奥は海上保安庁の船ではなく、横浜税関の監視艇「みらい」のようです。


海上保安庁・巡視船「はたぐも(PC-32)」(手前)と横浜税関・監視艇「みらい」(奥)
 

巡視艇「はたぐも(PC-32)」は、航路哨戒を主務とする巡視艇として平成22年度から順次計画され、15隻建造された「ことなみ(PC-31)」型巡視艇の2番艇として、墨田川造船で建造され平成24年3月に竣工しています。
【要目】
 総トン数:64トン、船質:軽合金、全長:27.0m、最大幅:5.6m、深さ:2.8m
 機関:ディーゼル機関×2、推進軸:2軸、速力:25ノット以上
 ※引用:「世界の艦船」No.933、2020年10月、海人社、P.77


巡視船「はたぐも(PC-32)」
(引用:「海上保安庁船艇・航空機ガイド2018」2018年6月、シーズ・プランニング、P.108)
 

ちなみに、海上保安庁の船艇ではありませんが、横浜税関の監視艇「みらい」は、瀬戸内クラフトで建造され、平成28年3月に就役しています。
【要目】
 総トン数:85トン、全長:30.01m、最大幅:6.0m、深さ:3.2m
 機関:ディーゼル機関×2、出力:1,957馬力(1,440kW)、最大速力:32.37ノット
 最大登場人員:船員5名、他4名、他(24時間以内)26名
 ※引用:HP「瀬戸内クラフト 建造実績」

   (https://setouchi-craft.co.jp/works/%E3%81%BF%E3%82%89%E3%81%84.html)

 


横浜税関・監視艇「みらい」(引用:引用:HP「瀬戸内クラフト 建造実績」)
 

この船、巡視艇と用途も似ているので、姿も巡視艇とよく似ています。

 

東に進むと、隣の桟橋には3隻の船艇がいました。

左から巡視船「たかとり(PM-14)」、巡視艇「すがなみ(PC-45)」、巡視船「あしたか(PS-07)」が泊まっていました。

左から巡視船「たかとり(PM-14)」、巡視艇「すがなみ(PC-45)」、巡視船「あしたか(PS-07)」

 

巡視船「たかとり(PM-14)」は、「てしお(なつい)(PM-01)」型巡視船の14番船で、四国船渠で建造され昭和63年6月に就役しています。

就役時には「せんだい」の船名で、第10管区海上保安本部の山川海上保安署(現・指宿海上保安署)に配備されています。

平成25年12月には第3管区の横浜海上保安部に転出し、「つるみ」と改称します。

さらに減正28年10月には同じ第3管区の横須賀海上保安部に転出し、「たかとり」と改称しています。

【要目】

 総トン数:527トン、船質:鋼、全長:67.8m、最大幅:7.9m、深さ:4.4m
 機関:ディーゼル機関×2、推進軸:2軸

 出力:3,000馬力、速力:18ノット

 兵装:20mm多銃身機銃×1、最大登場人員:33名

 ※引用:「世界の艦船」No.933、2020年10月、海人社、P.62

 

巡視船「たかとり(PM-14)」(引用:HP「第三管区海上保安本部 船艇・航空機」)

 

「たかとり」が属する「てしお(なつい)」型は、昭和58年から63年にかけて14隻が建造されましたが、現在では既に9隻が解役されており、5隻のみが残っています。

古風な船橋や、低い乾舷を持った船体を見るといかにも「ベテラン」といった佇まいを持った船で、同型の最終船である「たかとり」も船齢が35年となっており、近い将来に姿を見ることができなくなりそうです。

 

対して、巡視艇「すがなみ(PC-45)」は、「はたぐも」と同型で、同じく隅田川造船で建造され平成31年3月に就役、横須賀海上保安部に配属された新鋭艇です。

 

巡視艇「すがなみ(PC-45)」(引用:第三管区海上保安本部「新造巡視艇「すがなみ」就役!! 」)

 

巡視船「あしたか(PS-07)」は、平成5年度第1次補正計画により三井造船玉野事業所で建造され、平成6年9月に就役、横須賀海上保安部に配属されています。

【要目】

 総トン数:197トン、船質:軽合金、全長:46.0m、最大幅:7.5m、深さ:4.1m
 機関:ディーゼル機関×3、推進軸:2軸+ウォータージェット×1

 出力:9,400馬力、速力:35ノット

 兵装:20mm多銃身機銃×1

 ※引用:「世界の艦船」No.933、2020年10月、海人社、P.67

 

巡視船「はたぐも(PS-07)」
(引用:「海上保安庁船艇・航空機ガイド2018」2018年6月、シーズ・プランニング、P.107)

 

「あしたか」は、「びざん(らいざん)(PS-01)」型巡視船の3番船で、35ノットの高速を発揮することができ、横須賀では主力巡視船と言って良いと思います。

 

横須賀では、新鋭の巡視艇から大ベテランの巡視船まで、バラエティーに富んだ巡視船艇を見ることができました。軍港めぐりの乗客の方には余り注目をされていないようではありましたが…。

 

という事で、今回は横須賀軍港めぐりで出会った海上保安庁の巡視船艇について取り上げてみました。

次は、その先で出会った海上自衛隊の護衛艦を取り上げようと思います。

 

【参考文献】

 Wikipedia および

 

 

 

 

【Web】

HP「瀬戸内クラフト株式会社」

   (https://setouchi-craft.co.jp/)

HP「第3管区海上保安本部」