浮き沈むアイドル。 | 祈るまえに、恋をして。

祈るまえに、恋をして。

ときどきぽつりと更新。

高校生の頃だから、17歳だったか。
コンサートのお客さん、
“サクラ”のアルバイト
をお願いされた。

「客が入ってないんだよ~」という大学生。

面白半分でその会場に
友達を連れ立って行ってみた。
「一階でファンと一緒になるのもしんどいね」
と二階席へ。


愕然とした。
埋まっているのは前から2列。

それもまばらに。
数えられるほどの人。


ほどなく、アイドルは現れ、

装飾もバンドも演出もないその舞台で
ピンスポットを浴びながら歌い踊り始めた。
誰もいないコンサートホールで、
みんながよく知っているその歌を
みんなが踊れる振付で。

彼が自殺したのは、
それからどれくらいたってからの事だったか。


高校生の私たちはバイト代を反古にして
会場を後にした。
私たちより年上のそのアイドルを

見続けるのは苦しくなったからだ。
最初は茶化していたものの、
そのうちだれもが
黙り始めた。

 アイドルの終焉。
この浮き沈みの世界は残酷だった。

人気ブログランキングへ

高校生の私に、

栄光と挫折、浮き沈み、相反する二つの
要素が、実は背中あわせだと知らしめた出来事でした。
光に照らされた栄光が作る影は、
この上なく暗かったのです。


「失うことを恐れずに」などと
人は簡単に言うけれど
得てしまったものが大きいほど
本当に“失う”ということは
計り知れない苦しみがあるものだと
今も思っています。